共闘! 正義の敵は悪
敵はBAWSのレンタルMT数機と、レーザーショットガンを持ったアーキバス量産型ACが1機。
マキシママイザーの装甲は穴だらけ、しかし今回は味方がいる。
識別名ユージーンのACルナティクスは無傷……とはいかないまでも、マキシママイザーと比較しても明らかに被弾が少ない。
「ねえ友人さん? ねえ? なんかわたしばっかり狙われてません?」
「避けないからだ。 いい的だと思われてるんだろう」
「友人」ではなく「ユージーン」である。
今回の目標はアーキバス再教育センターへ護送中の捕虜奪還。
捕虜は解放戦線中間幹部クラス複数人らしく、周到に傭兵を2人雇った作戦。
解放戦線お得意の被害者アピールに釣られて受けたミッションだ。
しかしマイはどうも腑に落ちない様子で戦っている。
同じ中量二脚でこうも差が出るものか?
何かズルをしているのでは?
いやいやしかし仲間を攫われた可哀想な解放戦線を助けようと頑張っている彼は正義だ。
ズルなんてするだろうか?
考える間に機体が揺れる。
またACSが泣き喚き、無線越しに「フッ」と鼻から息の漏れる音が聞こえる。
戦闘に集中しなければ当然こうなる。
「ちょっとー! 今笑いませんでしたぁ!?」
「気が散ってるな? ほら見ろ、また来るぞ」
言い終えると同時かそれよりも早く、青い光が飛んでくる。
反応出来ずマキシママイザーのコアに直撃し爆発する。
敵ACのレーザーショットガン、そのチャージ射撃だ。
涼しい顔(顔は見えないがそうに決まっている)でMTを処理していくユージーンに苛立ちながら、マイは衝撃に呻く。
からかってるつもりですか? あなたは正義の味方でしょ?
悪者も悪者、なんでかこっちばっかり狙ってくる。
友人さんはフォローもしてくれない。
みんなしてわたしのこと馬鹿にしてるんですか?
歯を食い縛りながらレバーをガチャガチャ動かし、トリガーを連打すると、スタッガーから復帰したマキシママイザーは右手をハンドガンから小型バズーカに持ち替える。
ロックも確認せず即座に撃つ。
当たったか? それも確認せずにレーザーブレードをチャージ、巨大な光の剣が周囲を薙ぎ払う。
マイの放った砲弾はMTの頭上を通り過ぎ、しかしブレードは届く。
否、MTはブレードではなく、後ろから飛んできたレーザーに焼かれて沈む。
振り返るとオービットとレーザーハンドガンを構えた“友人さん”。
「今のはわたしが……!」
「お前の獲物か? 違うだろう、あれは共通の敵だ」
コックピットの中で大袈裟な身振り手振りをしていそうな演技掛かった声色に、ゆったりと正論を突き立てられる。
そして味方に文句を言う為だけに敵前でわざわざ後ろを向くマイに何事も無いわけがない。
マキシママイザーをレーザーダガーが襲う。
前に向き直るが遅く、コア右舷の装甲に正論を纏った光の刃が突き立てられる。
「ッ!?」
ACS負荷はすぐにまた限界近く、マイのイライラも同じく限界値。
沸騰し始めたマイの頭は回避行動よりも反撃を優先し、ダガーが刺さったまま至近距離でバズーカを撃ち込む。
敵ACの脇腹で爆発しコアの装甲に穴が開くが、マキシママイザーも巻き込まれコアユニットが露出、伝達パイプが断絶し、右腕のEN供給が止まる。
だらりと垂れ下がりバズーカを落とすが尚も気に留めず、そのままの流れでレーザーブレードを展開し、振り抜く。
「ふざけるなァァァァ!」
無茶な動きにコアが引き裂かれるが、敵ACもまた逃げ切れずまともに受ける。
返す刀でパルスブレードに切り替えとどめの一撃を……振りかざした瞬間、右後ろから衝撃が走る。
「ごぇっ!?」
右後ろ、両者装甲が剥がれた方向。
吹き飛ぶコアの中から見えたのは……こちらにバズーカを向けたルナティクスだった。
「悪……?」
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音声記録 : 正義の味方04 |
音声記録:正義の味方04
残骸から抜き取った音声データ
幹部救出中の解放戦線の通信記録
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室長は無事だったよ
そっちは?
虫の息だがまだ生きてるみてえだ……どうする?
保護しよう
まだ若いし、味方に引き込めるかもしれない
真面目だねえ
……いっそこのまま死んでくれれば報酬も払わずに済むってのに
それに味方っていうが独立傭兵だぞ
そうだな
だからこそ、引き込めなくても依頼さえ通れば戦力になってくれる
まあ、安い傭兵だしな
依頼文の雰囲気で仕事を選ぶって話らしい
金の無い俺達には嬉しいが……
信念がそうさせると信じたい
はいはいわかったよ、わかった
面倒事にならなきゃいいけどな?
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登場人物
最終更新:2026年02月20日 12:45