円盤生物

「円盤生物」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

円盤生物 - (2020/03/10 (火) 00:57:15) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/06/29(月) 17:41:03
更新日:2024/04/19 Fri 23:08:04
所要時間:約 14 分で読めます




円盤生物とは、円谷プロ制作の特撮作品『ウルトラマンレオ』をはじめとしたウルトラシリーズに登場する敵。本作屈指のトラウマの塊でもある。

主な登場は『レオ』40話からの「恐怖の円盤生物シリーズ!」。

概要

地球から1000万km離れた所に存在する悪魔の惑星「ブラックスター」から派遣され、ブラック指令の指示の下、ウルトラマンレオ抹殺のために活動する地球侵略用生物兵器群。


戦闘用の怪獣形態に加え、移動時等にはサタンモアを除き円盤形態に変身し空や宇宙空間を自在に飛び回ることができる。
また一部の個体は分裂や小型化が可能であり、総じて隠密性にも優れる。

正体不明の敵であったが『ウルトラマンメビウス』で再襲来したことから、エンペラ星人が黒幕の可能性を指摘するファンも。


『レオ』放送当時の児童誌の記事では円盤生物の生態について少なからず触れられている。
円盤生物は地球から約1億5千光年離れた位置に存在する、宇宙のゴミが流れ着く空間「ダストゾーン」に生息する生命体であり、
普段はそこで宇宙のゴミを食べてエネルギー源とし、ブラック指令により何年もかけて育てられたと解説されている。
円盤生物にとっては汚染された環境こそが最も住みよいらしく、美しい自然が残された地球に対しては強い憎悪を抱いているらしい。

ちなみにレオの得意技はご存じ宇宙拳法だが、ブラックエンド以外の円盤生物は基本的に浮遊しているため、レオキックなど威力が流されてしまい効果が薄い。
そのため、円盤生物を相手にした場合の決め技はほぼ光線となっている。



●円盤生物一覧

シルバーブルーメ

『レオ』40話にて登場した、最初の円盤生物。
トラウマ1号。
劇中の防衛隊MACを基地ごと飲み込んで壊滅させ、おおとりゲン(レオ)を除いた隊員全員が殉職、隊長モロボシ・ダンウルトラセブン)も生死不明に。
さらにその後、レオの追撃を振り切って地球に飛来し、ゲンの恋人や知り合いも殺害してしまう。
殺人方法もさながら、ドラマのレギュラー陣のほとんどを殺し、挙句に喰いつくす等、「ウルトラシリーズ」最悪の怪獣としても有名。
レオとの戦闘で腹からマッキー2号などの残骸が引きずり出されるシーンがあった。エグい。
奇襲に秀でる一方で戦闘能力はあまり高くなく、子供達の救出が完了するやスパーク光線で吹っ飛んだ。


ブラックドーム

空飛ぶ蟹。
巨大な右手の鋏とあらゆるものを溶かす「ペプシン溶解泡」が武器。
小型時にはチョコチョコ動きながら「キュッキュッ」と鳴く。妙にかわいい。

光で誘導されるため、呼び寄せたブラック指令の命令をガン無視して、UFOを呼ぼうとしていた子供の鏡の光に反応してしまったアホの子。
ブラック指令の「ブラックドーム、どこへ行くんだ!」という台詞がシリアスな笑いを誘う。
他にもゲンに(レオに、ではない)鉄の棒を刺されただけで小型化して逃げ出したり、
小型化形態の姿と鳴き声がかわいくて人を襲うシーンで全く恐怖感がなかったり(しかも薬品の瓶を投げつけられて撃退されている)と色々残念な子。
巨大化してレオを苦しめたものの、最期はスパーク光線とシューティングビームのコンボであっけなく爆破炎上。
余談だが本郷猛の母校として有名で、後に我夢の母校となる城南大学に現れている。


アブソーバ

クラゲ。
「吸収」が語源になっているように、長い触手から石油や生体エネルギーを吸収する他、ロケット弾や灼熱の火炎「コスモファイヤー」を撒き散らす。
頭部の目からはビーム、全身から青い毒ガスを煙幕のように噴射させ、地震すら引き起こせる円盤生物屈指の技のレパートリーを持つ。
主食は化石燃料。

円盤生物らしく血も涙もない冷酷な性格で、破壊活動を繰り返しながら小型化状態で「非力な生物」を装うことで傷付いた動物の世話をしている子供・下妻英行の優しい心につけ込んで小屋の中に潜伏。
小屋で匿われつつ破壊工作を進め、英行少年から生命エネルギーを吸い取ることで力を蓄えていた。
しかしゲンにバレると本性を現し、レオ諸共英行少年を抹殺しようとして容赦なく動物を焼き殺して巨大化し暴れ回った。

空中に浮いている関係で打撃が大きな効果を上げず、レオキックに堪えるが、同じ所にエネルギー光球を食らい爆発した。
このアブソーバの敗北によってブラックスターは侵略作戦を転換。
直接レオを攻撃するのではなく、精神的に追い詰めていく陰湿な搦手をメインにし始める。


デモス

クモヒトデ。あるいはタコみたいな円盤生物。
トラウマ2号。
人間に張り付いて血液を一滴残らず吸い取ることはでき、巨大化するとなんでも溶かす溶解泡を出して攻撃する。
この泡は人体を一瞬で消滅させられるほど強力。
触手は吸血だけでなく相手に巻き付けることで精神を乗っ取り操ることもできる。
また分身を操る能力を持つ初の円盤生物で、司令塔兼本体となる「マスターデモス」と分身である「デモスQ」3体の合計4体に肉体を細分化させられる。

地球侵略ではなくレオの暗殺を主目的とした初の円盤生物であり、レオが地球ではおおとりゲンであることを見破り住んでいる場所まで特定。
敢えてゲンを狙わず彼の周囲で無差別殺人を起こし、「殺戮を止めて欲しければ降伏して殺されろ」と脅迫した頭脳派。
でも得た情報を全くブラック指令に報告しない職務怠慢者。

デモスQをレオの住む街の各所に配置して自身は警察署のゴミ箱に潜んでいたが、捕まってしまい焼却処分されそうになったことで本性を露呈してしまい、そのまま分身達を呼び寄せ巨大化した。
一応空は飛んだが、レオとの対決時には地べたについた状態で戦い、また高層ビルを溶かす際は上からではなく下から溶解液を分泌して徐々に崩していった。
スパーク光線とウルトラショットのコンボで死亡確認。


ブラックガロン

カメとカエルを足して2で割ったような姿をしている円盤生物。
鳴き声はゴモラ。

小型化形態時に隕石と間違われて研究所に持ち込まれ、ハンマーでガンガンぶっ叩かれた挙句バーナーで炙られるという苦行に耐え抜いた。
汗はニトログリセリンという夏場は辛そうな体質で、手から発する火花のような熱線と長い舌、頑強な肉体が武器。
手足を引っ込めて熱線を放つ事で、ガメラのように回転しながら高速飛行でき、戦闘では体当たり攻撃に活用する。
だがこの舌は弱点でもあり、戦闘では舌を切られ絶命した。

円盤生物初の操演オンリーではない着ぐるみ怪獣。同時に、人間を一人も殺害していない初の円盤生物でもある(破壊活動はしている)。
因みに、ここまでの円盤生物は皆レオに首絞めを行っている。

マグマ大使』のラスボスではない。


ブリザード

ヒトデのような体にイカのような頭部、そして前後両方に顔があるというなかなか強烈な見た目。
トオルの心に新たなトラウマを植え付けた張本人。
前の口からはマイナス100℃の冷気を吐いて人間を一瞬で凍らせ、後ろの口からは摂氏1000℃の炎「烈怒火炎地獄」を吐く……あれ?

レオの打倒ではなく、ブラックスターを調べていた研究者達の暗殺を主任務とした円盤生物で、地球に侵入した後は本体は湖の底に潜伏。
「人間は子供には警戒心を持ちにくい」という盲点を突き、「眉子」という幼女の姿をした分身体と冷凍ガスを口から吐くフランス人形型の分身体を生み出すと、フランス人形を介して指示を下す形で眉子を操り、標的を冷凍ガスで次々と暗殺していた。

正体が露見すると眉子を回収した後怪獣化。
2つの顔と炎と冷気を操ってレオを苦しめたが、最期は空へ逃げようとしてハンドビームを食らい爆発四散。後には眉子が持っていた人形の残骸だけが残されていた。

眉子がブリザードの分身であることは確かだが、彼女が本体なのかそれともただの分身であったのかは不明。
ゲンを庇ったトオルを殺す事を躊躇うなどの感情表現を見せ、トオルも彼女はブリザードに操られた人間であると信じていた。


ハングラー

姿はチョウチンアンコウそのものだが、泳がない。というか手足があり、二本足で立てる。
巨体を生かした噛み付きの他、口から火炎を吐く。
主食は自動車で、地球に侵入後は夜の町でトンネルに擬態し、頭の触角を信号のように点滅させて餌をおびき寄せて食らっていた。
レオの攻撃を受け付けない強固な巨体を誇る。
一見知性は無さそうだが、レオが右手を負傷している事に気付き、右手を執拗に攻撃して追い詰める狡猾さと悪知恵を持つ。

密かに地球に侵入して密かに活動していたため、ゲンでさえその存在に気付かなかった。
しかし、白昼堂々現れて車を喰いまくったことでその存在を認知される。
変身前に腕を怪我をしていたレオをピンチに追い込むが、アストラ小さくなって体内に入り込みそのまま巨大化するというえげつない攻撃で瞬殺された。
ちなみにこの戦いでのレオは上記の通り右腕に怪我をしていたため、変身直後に直立不動で空からフリーフォール頭突きをかますという衝撃的な登場をかましている。


ブラックテリナ

トラウマ3号。
二枚貝から爪付きの触手が生えたような姿で、一瞬見える殻の内部は剥き出しになった脳味噌と眼球と言うべきか……かなりトチ狂ったグロいデザインである。
デザインの他にも作戦、作戦に使ったもの、やられ方全てがキモい。
武器は牙の生えた二本の触手と火花状の熱線。

桜貝に酷似した分身「テリナQ」を拾った人間を操る能力を持ち、テリナQを東京都内に大量にばら撒き、操った人々を利用してレオ抹殺を目論む。
操られた人の狂気っぷりはかなり怖い。
防御力は非常に低いが、自分を傷つけようとした者は目などに張り付いて出血させて殺す。
この回がトラウマになった人も多いはず。

レオの変身前に負傷していた右目を執拗に狙い触手や火花で攻撃するも、
殻の中に手を突っ込まれて中身を潰されて青い血を撒き散らし、ダークシューターとエネルギー光球で倒された。
ちなみにこいつもレオ=ゲンと知っていたにもかかわらずブラック指令に報告しなかった職務怠慢者。


サタンモア

水棲生物ではなく絶滅した鳥のモアがモチーフの円盤生物。
本体が街の破壊を担当し、腹部からばら撒く小型の分身「リトルモア」が殺人を担当する事で東京を大混乱に陥れた。
目から怪光線を放ち、口からロケット弾を撃つ。
倒壊しかけの高層ビルを支えていて動けないレオをいたぶるが、中にいた人の避難が完了した途端に瞬殺された。多分真っ向からの戦闘力じゃ円盤生物最弱。
だが、ちゃっかりとゲンの友人一人を殺害しているという悪あがきをしていた。
その殺害方法はリトリモア2匹が嘴で相手の全身をグサグサ刺しまくるという、レオ本編で最も痛々しい殺し方だった。
ちなみにこいつは襲われる直前、ゲン=レオということを知ってしまった。仕方ないね。

居村眞二による漫画版『ウルトラマン80』では、デビロンが80に見せる幻影として登場する。
漫画『ウルトラマン超闘士激伝』ではブラック指令が搭乗する戦艦はサタンモアを模した形状をしている。


ノーバ

赤いテルテル坊主。
円谷の予算削げ(ry
トオル少年がノーバを肩に載せて線路を歩く姿はなんだか微笑ましい。
低予算故に着ぐるみが手抜きだが、そのシンプルさが逆に恐ろしさを際立たせ、子どもたちに恐怖を煽った。
何故か『ウルトラ怪獣かっとび!ランド』などの派生作ではブラック指令の相方を務めることが多く、
『メビウス』以降も活躍が多い。
星のカービィにも出演。


星人ブニョ


演:蟹江敬三(星人ブニョ時)

本来はブラック指令の想定に無かったブラックスター11番目の刺客。
登場時ブラック指令にボロクソに言われた上頭脳しか取り柄がないように言われるが、敵の攻撃を受け流すので結構強い。
レオを宇宙ロープで捕らえてから冷凍し、それをブラック指令が鋸でバラバラにし、ウルトラマンキングの出番を作ってくれた。


ブラックエンド

『ウルトラマンレオ』ラスボスにして、設定上は最強の円盤生物。
まん丸いスイカ型の身体にワニに似た顔、二本の太い脚に長い尾っぽと最早円盤でも何でもない外見。
口からの火炎と、肩口から生えた象牙のような形状の角が武器。
宇宙から地球に向かっていたのに、何故か地中から現れた。ひそかに隠れていたらしい。
単純な戦闘能力なら最強だったのだろうが、トオルの自立を見届けたことで闘志が湧いたレオには全く刃が立たず、ほぼ一方的にボコられる。
ブラック指令がトオルを人質にとったことで、ようやくレオをボコり返すが、ウルトラセブンからテレパシーを送られたことや
あゆみたちの活躍で救出されたトオルから渡された、ブラック指令の水晶球を用いたレオの水晶返しで倒された。

映画『太陽を盗んだ男』で主人公が見ていたテレビに映るシーンがある。
ウルトラマン80』1話ではクレッセント出現までに怪獣が5年間現れなかったとナレーションされ、
これはブラックエンドがレオに倒されてからの年数である。
また『ウルトラマンメビウス』ではゼットンパンドンと共にファイヤーウインダムの素体に選ばれた。


ロベルガー

ウルトラマンメビウス』に登場。
エンペラ星人がブラックスターの破片から作りだしたと言われている、今までの記録のない新種の円盤生物。
レオの円盤生物と比べるとメカっぽい。
「ウルトラマンメビウスの抹殺」のみを使命としており、それを連呼しつつ行動する。
目と両手から撃つ光弾が武器。
怒涛の光弾連射でメビウスを追い込むが、GUYS全隊員によるファイヤーウインダム、ガンブースター、トライガーショットの攻撃を受けて怯み、
バーニングブレイブとなったメビウスのメビュームバーストを受けて倒された。
ぶっちゃけこいつが円盤生物最強な気がしてならない。
『ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス』にも登場し、新世代GUYSとウインダムに倒される(ただし倒されたシーンの描写は無し)。
新世代GUYSが強いのか、この個体が弱いのか…


ロベルガー2世

80先生に追われて地球に飛来した、色違いで角が増えたロベルガー。
メビウスと無敗の80という2大ウルトラマンを光弾連射で圧倒するが、ウルトラレイランスを刺され、
続けて放たれたサクシウム光線とメビュームシュートで倒された。
活躍自体は地味だが、こいつのおかげで80とメビウスの共闘が見れた事を考えれば結果オーライ。



ブラック指令

ブラックスターから派遣された地球侵略の為の指揮官
水晶玉を使って円盤生物を操る全身黒ずくめの怪人。
日本語としては誤用だがブラック「司令」ではないので注意。
円盤生物を操る、と言っているが実際あまり制御できていない。

最終話でトオルにを突きつけて人質にするも、数人のガキに水晶玉を奪われた挙げ句、水晶玉が割れた事で溶けて死ぬ。
その中には「魔王」こと杉田かおるの姿もあったりする。

演者の大林丈史は、かつてスタントを務めた『木枯し紋次郎』を意識して帽子を三度笠、マントを道中合羽、ステッキを長楊枝に見立てた工夫を取り入れている。

後に『ウルトラマンオーブ』第22話「地図にないカフェ」にてまさかの再登場を果たした。


●ブラックスター

円盤生物が棲む悪魔の惑星。
レオによって破壊されたが、破片から新たに円盤生物が作られているため、ウルトラ兄弟によるとブラックスターそのものが円盤生物である可能性があるらしい。
『ウルトラマン大辞典』でもブラックスターが円盤生物であった可能性を言及している。

『ウルトラマンG』にも「UF-0(ユーエフ・ゼロ)」と呼ばれる円盤生物が登場しウルトラマングレートと戦ったが、ブラックスター系の円盤生物とは関係のない模様。

仮面ライダーキバ』で村上社長が作っていたバイオリンとは無関係。
さらにアニメ『名探偵コナン』の鈴木園子の鈴木家の家宝は「漆黒の星(ブラック・スター)」という名前の「黒」真珠とも無関係であるが黒の組織がブラック指令と同じく黒ずくめの服装をしていることには一応共通点がある。


余談

ウルトラ怪獣擬人化計画』ではKADOKAWA版にてシルバーブルーメ、ノーバ、ブラック指令(←!?)がラインナップされている。


MAC全滅!
追記、修正は生物だった!



この項目が面白かったなら……\ポチッと/