ウルトラマンオーブ

登録日:2017/03/08 (水) 17:30:59
更新日:2020/03/10 Tue 11:39:41
所要時間:約 15 分で読めます






光の力、おかりします!



ウルトラマンオーブとは、2016年7月9日から12月24日に放映された円谷プロ製作の特撮ドラマ作品。全25話。
また、2017年3月11日より劇場版が公開。


●目次

【概要】

ウルトラマンギンガ』『ウルトラマンギンガS』『ウルトラマンX』に続く、テレビ東京のウルトラシリーズ4作目(短編を含むと8作目)であり、
ウルトラマン』放送開始50周年の節目に放送された作品でもある。
本作は前作までと異なり、新ウルトラマン列伝内の放送ではなく『ウルトラマンメビウス』以来となる完全新規番組である。
列伝に続きYouTubeによる1週間限定配信が継続されている。

後述するようにメイン監督はXに続き田口清隆氏。
氏曰く、50年の集大成たる王道路線は前作でやりきったとして『斜め上』『迷ったら遊べ!』を標榜。
当初は遊び回のみで構成したカオスな作風を考えていたが、本筋として一本の大河ストーリーを背景に敷かれることとなった。
節目に放送された作品でありながら混沌としすぎる作風故か、本作では同時期のウルトラシリーズと違い「50周年」と表示されない。

大きな特徴として、本作で主体となるのは防衛隊ではなく、民間の調査団体である点。
これは『ウルトラQ』に近い、というか作品全体のノリが「Q」を意識しており、SSPの構成やフュージョンアップのバンク、世界観など随所にオマージュが鏤められている。

防衛隊が登場しない(実際は監督の意見により脇役としてビートル隊が登場)ことは田口監督の参加前から決まっており、
脚本中野氏の第一案として「探偵ウルトラマンと少年探偵団が怪人20面相を追う」というテーマが考えられるが、
子役レギュラーを多数使うのは難しいことと他の会社のヒーロー探偵ヒーローがもういるということで、探偵路線は却下。
そこで少年探偵団は昨今流行の大学生youtuber、ウルトラマンの立ち位置を探偵から往年の日活映画のような風来坊に設定。
奇しくも50周年を迎えるウルトラセブン主人公モロボシ・ダンの当初のキャラクターに近づき、節目に相応しい原点回帰を果たすこととなった。

また本作は連続ストーリー色が強化され、かつ前作でウルトラマンが弱く見えてしまった反省を踏まえ、序盤から災害レベルの怪獣『魔王獣』との連戦が行われた。

そしてオーブの大きな特徴が、1タイプに2人の歴代ウルトラマンの力を宿すことである。
変身アイテムのオーブリングに2枚のカードを読み込ませ、フュージョンアップして変身する。

商業的には、オーブリングに付属するウルトラフュージョンカードは、
『大怪獣バトル』『大怪獣ラッシュ』に続くデータカードダス、『ウルトラマン フュージョンファイト!』でも使用可能。
一方、新列伝シリーズで行われたソフビ人形との連動はオミットされた。

お遊びとして、台詞などに毎回歴代作品のサブタイトルが使われる「サブタイを探せ!」という企画が行われた。
公式サイトで答え合わせが公開されているので、探してみるのも一興。
なお、次回予告や本編で答えと違うサブタイトルのセリフを言っている場合もある。『夢』とかどうするんだよ


OPテーマ:『オーブの祈り』 歌:水木一郎 with ボイジャー
EDテーマ:『Shine your ORB』 歌:ボイジャー feat.クレナイガイ & SSP



【スタッフ】
メイン監督は前作に引き続き田口清隆氏が起用。アベユーイチ氏、冨田卓氏も引き続き参加する。
その他、一般ドラマで活躍し、ウルトラマンにはコスモス以来の参加となる市野龍一氏、田口監督の盟友であり、本作でウルトラシリーズデビューの武居正能氏が参加。
なお、前二作でも参加していた坂本監督にもテレビシリーズ及び『THE ORIGIN SAGA』でのオファーを受けていたが、
スケジュールの都合から参加できず、最終的な参加は『ウルトラファイトオーブ』となっている。

脚本では前々作・前作と同じく中野貴雄氏・小林雄次氏がシリーズ構成を務めるが、本作では中野氏が先にクレジットされている。
インタビューによると、中野氏が中心となり、担当でない回にも修正を加え、一方小林氏はブレーキ役になったようだ。

音楽は前3作に続いて小西貴雄氏。ダイナのようにウルトラマンのタイプ毎に固有のテーマが存在する。


【派生作品】
本作は派生作品が多いのが特徴で、Amazonプライム限定配信の前日談『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』、
映画作品の『劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』、
『ウルトラマンゼロ THE CHRONICLE』内で3分間×8回で放送予定の『ウルトラファイトオーブ』が存在する。

なお、『THE ORIGIN SAGA』『絆の力、おかりします』『ウルトラファイトオーブ』にはゲスト出演ウルトラマンがいるが、
本編ではあくまでウルトラフュージョンカードとしての登場のみであり、前作と違い客演はない。
そういう意味ではウルトラシリーズ初心者向けの作品とも評されている。


【あらすじ】

昔からしばしば不思議な夢を見る夢野ナオミ率いる怪奇現象追跡サイト「サムシングサーチピープル(通称SSP)」は、
サイトのアクセス数に伸び悩むも日々怪奇現象の捜査を続けていた。
彼らはその中で謎の風来坊クレナイ ガイ、そして怪紳士ジャグラスジャグラーと出会い、
彼らの光と闇の戦い、そして地球の運命を賭けた騒動に巻き込まれていく。


【主な登場人物】

クレナイ ガイ/ウルトラマンオーブ
演:石黒英雄
ウルトラマンオーブに変身する風来坊。ハーモニカのような楽器・オーブニカを奏でながらふらりと現れる。ラムネのお兄さんでもある
オーブとしての能力は該当項目を参照。
クールに振る舞いながらも人々を守る意志と熱い心を持つ。
ただ、行きつけの銭湯に入れなくなり怒る、雑誌の袋とじを横から覗くなど抜けた一面も。
またカードにその力を宿す先輩ウルトラマンには礼儀正しく敬語で接する。
古い時代にも同じ姿で写真が見つかる、高い身体能力を持つなど地球人ではないようだ。
ひょんなことからSSPの事務所に居候することに。

108年前、ある少女を守れなかったというトラウマを持ち、自らを空っぽのマトリョーシカに例える。
またナオミに惹かれていくが…?

ジャグラス ジャグラー
演:青柳尊哉
ガイやナオミにしばしば接触する謎の怪紳士。ラフな服装のガイとは対照的にスーツに身を包むが、その瞳は狂気をはらんでいる。
ある目的のために魔王獣を復活させようとし、そのためなら市民を傷つけることも全く厭わない。
第2話ではナオミの肩に顎を乗せる変態的行動に出る。そのクレイジーっぷりは回を経るごとに増していくので必見。

ガイとは太古から光と闇として長らく因縁があった敵対関係らしい。
しかし時には単なる宿敵とは思えないほど親しげに口を聞いたり、ガイに対する羨望が見え隠れする言動をとるが…?


怪奇現象追跡サイト SSP

◆夢野ナオミ(ゆめの-)
演:松浦雅
名前の漢字表記は奈緒美。
SSPの発起人で、ジェッタとシンからはキャップと呼ばれる。
リーダーではあるもののおっちょこちょいな性格で、失敗も絶えない。
しかしチームを切り盛りするおかん的存在であり、なんだかんだで他の二人から慕われている。
財政難のSSPを維持するため、複数のバイトに勤しむ日々。

SSPを立ち上げたきっかけは、幼少期からよく見る「巨大な怪獣と戦う光輝く巨人の夢」の謎を追うため。
魔王獣から自分を助け出し、不思議な魅力を持つガイに惹かれていく。

◆早見ジェッタ(はやみ-)
演:髙橋直人
本名は早見善太(ぜんた)で、SSPウェブのカメラ担当。SSPが有名になり、億万長者になることを夢見る青年。
UFOやUMAに詳しい。
そそっかしい性格で、スクープを撮影するも肝心なところは撮れていなかったり、オーブの正体を暴こうとしては外したりしている。
だが子供の頃はヒーローに憧れており、今でも人々の避難などの助けとなるように報道に勤しむなど熱い心を持つ好青年である。

◆松戸シン(まつど-)
演:ねりお弘晃
名前の漢字表記は森。
SSP調査分析担当要員。大学を飛び級で卒業し、23歳で博士号を取得した天才青年。
物理など科学方面のみならず、太平風土記を参照するなど歴史方面にも詳しく、さらにしばしば独創的な発明をするが、一般常識には欠ける。
子供の頃の夢は人の役に立つ巨大ロボットの開発だった。

ビートル隊

◆渋川一徹(しぶかわ いってつ)
演:柳沢慎吾
ビートル隊の隊員で、ナオミの叔父。しばしばSSPに出入りしてはお菓子を食べたりしている。娘がいる。
性格はやや軽め……というかほぼ中の人で、中の人の持ちネタもチラホラ。ついでにガイさんの「あばよ」もこっち人の持ちネタ由来。
通信機がどう見てもタバコの箱のアレだったりする。
従来の防衛隊の隊員というよりは街のお巡りさんのようなイメージで、怪事件の捜査や宇宙人の追跡を行い、事件現場でもよくSSPと遭遇する。
主役回「ハードボイルドリバー」は色々な意味で必見。

その他

◆夢野圭子(ゆめの けいこ)
演:田中美奈子
ナオミの母で、渋川一徹の義理の姉。
肝っ玉や押しが強い性格で、あのガイとジャグラーをも自分のペースに巻き込むほど。娘のナオミもその押しの強さに翻弄されてしまっている。
一方で、最初結婚相手だと娘から紹介されたガイが急場しのぎのニセモノの恋人である事を最初から見抜いていたり、
娘の事をしっかり考えていたりと良き母としての一面も見せる。
結果的にナオミを傷つけてしまったオーブについても存在意義を認めている一方、ガイについては肝心な時にいない、と不満を述べている。

◆霧島ハルカ(きりしま -)
演:宇野愛海
夢の中で様々な未来を見ることが出来る予知能力者。
ガイがウルトラマンオーブに変身する事もその力で見抜いていた。ラムネのお兄さんの元凶
良い事ばかりでなく悪い予知も当たってしまう自分の力を悲嘆的に考えていたが、ガイに励まされた事で夢の内容をブログに書き、怪獣出現を警告した。
だが、世間の人々は信じてくれるばかりかブログに誹謗中傷まで書いてしまい、結果的にそれが硫酸怪獣ホーを生み出す要因になってしまう。

しかし、未来を変えるべく奮闘するオーブの姿に心を動かされ、自ら助言をする事で「オーブの敗北」と言う暗い未来を変える事に成功。
以降は自分の力を前向きに考え生きていく事を決意し、お世話になったSSPの面々にも手紙を送っている。

◆玉響姫(たまゆらひめ)
演:モーガン茉愛羅
「入らずの森」の奥深くにある古代の遺跡で眠っていた姫。霊能力者であり、かつてゾフィーと共に大魔王獣マガオロチを封印した経歴を持つ。
現在は霊体になってしまっているが、森に迷い込んだSSPを陰で救い出したり、マガオロチ復活の警告を巨大な姿で警告したり、ガイたちと何度も接触している。
だが、マガオロチの攻撃からガイを庇い……。



【各エピソード及び登場怪獣・宇宙人】

太字で表記されてる名前は今作が初登場となる新規怪獣・宇宙人である。
惑星侵略連合など複数話にまたがって同じ個体が登場する宇宙人は、メインで活躍する話のみ記載。
また、リンクのあるエピソードの詳細についてはリンク先も参照。
サブタイを探せ!の答えは、各タイトル横を反転。

第1話放送の前週には、放送各局で『ウルトラマンオーブ 直前スペシャル』が放送され、
OPには何かとハブられがちな誰もが知っているウルトラマンジョー二アス(実写)、海外組のウルトラマングレートウルトラマンパワードもちゃんと映っていた。


◆第1話『夕陽の来坊』鳥を見た脚本:中野貴雄、監督:田口清隆
 マガゼットン、マガバッサー
◆第2話『塊の魔王』地底からの挑戦脚本:小林雄次、監督:田口清隆
 マガグランドキング
◆第3話『怪獣域』湖のひみつ脚本:林壮太郎、監督:田口清隆
 マガジャッパ
◆第4話『真夏の空にの用心』熱波襲来脚本:三好昭央、監督:アベユーイチ
 マガパンドン
◆第5話『逃げない心』来たのは誰だ脚本:小林弘利、監督:アベユーイチ
 ゼットン星人マドック、ハイパーゼットンデスサイス
◆第6話『入らずの森』ダーク・ゾーン脚本:中野貴雄、監督:アベユーイチ
 ナックル星人ナグス、アリブンタ
◆第7話『霧の中の明日』明日を捜せ脚本:小林雄次、監督:市野龍一
 ホー
◆第8話『都会の半魚人』沿岸警備命令脚本:小林弘利、監督:市野龍一
 ラゴン、ラゴン(Jr)、グビラ
◆第9話『ニセモノのブルース宇宙指令M774脚本:中野貴雄、監督:冨田卓
 ババルウ星人ババリュー、ニセウルトラマンオーブ、テレスドン、ケルビム
◆第10話『ジャグラー死す!』怪獣総進撃脚本:小林雄次、監督:冨田卓
 メフィラス星人ノストラ、ナックル星人ナグスブラックキングジャグラスジャグラー(魔人態)
◆第11・12話『大変!ママが来た!』悪魔はふたたび『黒き王の祝福』怪獣無法地帯脚本:黒沢久子、監督:田口清隆
 マガオロチ
◆第13話『心の大掃除』新しいヒーローの誕生脚本:足木淳一郎、監督:武居正能
 メトロン星人タルデ
◆第14・15話『暴走する正義』空の贈り物『ネバー・セイ・ネバー』永遠なる勇者脚本:三好昭央、林壮太郎、監督:アベユーイチ
 ギャラクトロン
◆第16・17話『忘れられない場所』あなたはだぁれ?復活の聖剣さらばウルトラマン脚本:三浦有為子、小林雄次、監督:市野龍一
 ゼッパンドン
◆第18話『ハードボイルドリバー人間牧場脚本:瀬戸大希、監督:武居正能
 ゼラン星人、シャプレー星人カタロヒ、ベムラー(強化)
◆第19話『私の中の鬼』地獄からの誘い脚本:三浦有為子、監督:武居正能
 戀鬼(紅蓮騎)
◆第20話『復讐の引き金』円盤が来た脚本:内田裕基、監督:冨田卓
 メトロン星人タルデ(ラウンドランチャー)
◆第21話『青いリボンの少女まぼろしの少女脚本:柳井祥緒、監督:冨田卓
 マーヤ(ゼットン星人マドック)、ハイパーゼットンデスサイス(リザーバー)
◆第22話『地図にないカフェ星空に愛をこめて脚本:勝冶京子、監督:市野龍一
 ブラック指令(ブラック店長)、ピット星人ミュー、ノーバ
◆第23話『闇の刃』この一発で地獄へ行け!脚本:幸修司、監督:市野龍一
 ジャグラスジャグラー(魔人態)
◆第24・25話『逆襲の超大魔王獣』勇気ある戦い『さすらいの太陽』あけてくれ!脚本:小林雄次、中野貴雄、監督:田口清隆
 マガタノオロチデマーガ、ゴメス(S)、テレスドン、グビラ、ラゴン、ラゴン(Jr)、ジャグラスジャグラー(魔人態)



【用語】


SSP(サムシングサーチピープル)

怪奇現象追跡サイト。ナオミが中心となって結成し、メンバーは3人だがガイも居候することに。
サイトの閲覧数は多くなく、ナオミはバイトでなんとかやりくりする状態である。
ウルトラマンオーブの出現をいち早くスクープするも、空回りすることが多かった。
だが後半になると物語でも重要な役割を果たすように。


ビートル隊

パリに本部を持つ国際的軍事組織。
ゼットビートル(ジェットビートルの色違い)で怪獣の駆除を行うが、従来の防衛隊に比べ出動が遅いなど目立った成果が少ない。
これはメタ的には本作は防衛隊メインではないためだが、作中的にはビートル隊は元々怪獣対策組織ではなく、
魔王獣の相次ぐ復活で軍備増強を行ったことに起因するようだ。
田口監督のツイッターによると「言うなれば国連軍」とのこと。


魔王獣

歴代ウルトラマンの力で封印されていた怪獣で、世界を滅ぼすといわれる。その言葉通り災害レベルの力を持つ、強力な怪獣ぞろい。
頭部にはマガクリスタルと呼ばれる赤い結晶体を持つ。
その多くがこれまでのウルトラシリーズに登場した怪獣と似ているが関連性は不明。


ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA

2016年12月25日よりAmazonプライム限定配信されているオリジナルストーリー。
テレビシリーズより前の時代で、ガイ/オーブのファーストミッションを描く。

劇場版に先駆けてオーブと歴代ウルトラマンが共闘。
ウルトラマンダイナウルトラマンコスモス、そしてウルトラマンガイアウルトラマンアグルが登場。
特にアグルの変身前込みでの本格出演は、列伝を除くと外伝OV以来なんと16年ぶり。


映画『劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!

2017年3月11日より公開。

ウルトラマンギンガウルトラマンビクトリーウルトラマンエックスの3人とオーブを合わせた新世代(ニュージェネレーション)ヒーローズが共闘。
さらにウルトラセブンウルトラマンゼロも登場する。
そして3体のウルトラマンの力が宿るオーブトリニティが初登場!

新怪獣/宇宙人は奇機械怪獣デアボリック、ガピヤ星人サデスが登場。
新たなストーカーサデスは山寺宏一がハイテンションに演じ、山寺は渋川一徹役の柳沢同様、『ウルトラマングレート』のロイド・ワイルダー副隊長の吹き替え以来の参加になる。
デアボリックを操る宇宙魔女賊ムルナウは椿鬼奴が扮する。

主題歌はDa-iCEの「TWO AS ONE」。
ウルトラマン映画の主題歌が完全新曲となるのは『ウルトラマンサーガ』以来。


『THE ORIGIN SAGA』および劇場版にもそれぞれ1つずつサブタイトルが隠されている。探してみよう。


『ウルトラファイトオーブ 親子の力、おかりします!』

2017年4月15日より、『ウルトラマンゼロ THE CHRONICLE』内で3分×8回の短編が放送された。
『ウルトラゼロファイト』や『ウルトラファイトビクトリー』同様、別にオーブがだいぶくたびれた怪獣の着ぐるみと戦う訳ではなく上記の映画のラストから直結するストーリーである。
なお、テレビシリーズとは別班であることから操演は使えず、爆発はすべて合成で処理されたとのこと。

監督はオーブ初参戦となる坂本浩一氏で、これまで『フュージョンファイト』でしか見られなかったオーブの新フュージョンアップ2種が映像作品に初登場。
さらにはゾフィー、セブン、ジャックの活躍も描かれ、坂本監督らしく、短い尺にとことんバトルを詰め込んだ娯楽作となった。

なお本作は『ウルトラマンゼロ THE CHRONICLE』のなかでは『ウルトラゼロファイト』以前に完結する構成となっているが、
それはウルトラファイトオーブに登場するある伏線を回収する意図があったためであると思われる。
ウルトラマン列伝でダークネスファイブの漫才見ていた視聴者は彼の言動に「情弱乙」と思ったかもしれないが

最終話はまさに「衝撃のラストを見逃すな!」というあらすじに相応しいものとなっている。


【エピソード10構想】

田口監督と中野貴雄による、オーブの物語を10章に分けるという構想。
映画の舞台挨拶で存在が言及され、『ウルトラマンオーブ 完全超全集』にて、
「ウルトラマンオーブクロニクル〈年代記〉として未映像化部分も小説と絵コンテで掲載された。
あくまで思案だが整合性が重視され、TVシリーズの鶴田P、オリジンサーガの手島AP、そして円谷プロの大岡社長らの監修を受け、彼らの意見も取り入れられている。

『ウルトラマンオーブ THE CHRONICLE』でも、本作の出来事がガイの口から語られており、
サデスとの戦いなど、それをイメージさせるシーンが新撮されている。

◆第1章「命の木」
ガイが初めてオーブとなった「THE ORIGIN SAGA」の物語。
ジャグラーが思い悩み始める。

◆第2章「俺は銀河の渡り鳥」
オーブカリバーのエレメントを集めるために宇宙を放浪していた時期の物語。
ムルナウ・サデスと出会ったのもこの頃(出会ったのはそれぞれ別の事件)。
ジャグラーがこじらせる。

◆第3章「ブラックホールを盗んだ男」
ガイとジャグラーが決別し、それぞれオーブリングとダークリングを手に入れる物語。宇宙少女ビランキ登場。
ジャグラーが完全に変態闇の戦士と化す。

◆第4章「激闘!イシュタール文明」
魔王獣討伐の任務を受けたガイ。彼が初めてあの地球に降り立った物語。
イシュタール文明(モチーフは人類最古の文明の一つ、シュメール文明)の衰亡とマガタノゾーアとの戦いが描かれクトゥルフネタが豊富。
ジャグラーの闇の力の絶頂期。

◆第5章「ルサールカより愛をこめて」
ナターシャとの出会いと別れの物語。
マガゼットンとの死闘、オーブカリバー及びオーブオリジンの姿を失い、スペシウムゼペリオンを基本形態とした顛末が語られる。
またそれから50年後、1950年代の日本を舞台に、ある米軍軍人とガイの友情も描かれ、トレードマークである革ジャンと「クレナイ ガイ」の名前を得る。
ジャグラーがナターシャを思わず助けたりと揺らぎ始める。

◆第6章「さすらいの太陽」
魔王獣との激戦を繰り広げたTV本編の物語。
オーブオリジンの復活を経て超大魔王獣を倒したガイは、初めて地球を訪れてから5000年にも渡るミッションをようやく完遂した。
ジャグラーがガイとナオミに根性を叩き直される。

◆第7章「宇宙魔女賊ムルナウの逆襲・サデスの帰還」
第2章で遭遇したムルナウとサデスが地球に侵攻した劇場版の物語。
第1章以来となる他のウルトラマンとの共闘。
ジャグラーが変態紳士の本領を発揮。

◆第8章「超空大凶獣デザストロ」
ウルトラマンXとのクロスオーバー。ゼロ、エックス、そしてXIOとともにデザストロと戦う。
デザストロの驚愕の正体が明かされる……って結局何者なんだよ!?
ジャグラーの登場は不明。

◆第9章「冥府魔道の使者」
ウルトラファイトオーブの物語。
ギガバトルナイザーを振るうオーブのくせに真面目な悪役亡霊魔導士 レイバトスとの戦いと、ウルトラ兄弟との共闘。
またオーブはセブン・ゼロにより体感時間で10年もの特訓を受ける。
ジャグラーは登場しない。

◆第10章「渡り鳥、宇宙(そら)を行く」
ガイ・ジャグラー・ビランキ「俺達の冒険はこれからだ!」
つまり10章以降も物語は続く
劇場版ジードは時系列的にこの辺り。

【余談】

本作は商業的にも好調で、玩具売上は年末年始商戦で昨年比30%アップ、
映像配信は前年比+100%の計8億再生、年末イベントのウルトラヒーローズEXPOの来場者は昨年比+30%などとなった。
劇場版の動員ランキングも(単純比較はできないが)前々作・前作が初登場10位だったのに対し、初登場7位と健闘を見せた。

本作の執筆後、切通理作氏のインタビューを経たシリーズ構成の中野氏は、本作の対立軸は光と闇でも善と悪でもなく粋か野暮かであると確認したという。
その視点から各話を見返すのも面白いだろう。



この宇宙を回すもの、それは『愛』なんだ。

暗闇の中に瞬いている、希望の光だ。


追記・修正は光の力を借りてお願いします。

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