仮面ライダーキバ

登録日:2009/06/01 Mon 23:20:12
更新日:2025/10/10 Fri 09:05:57NEW!
所要時間:約 6 分で読めます


タグ一覧
2000年代特撮ヒーロー 2008年 Break the Chain Tourbillon ※日曜朝8時です。 オトメンライダー キバ シリアスな笑い ダブル主人公? テレビ朝日 ドキドキ魔界城キバ ハーレー ライダーシリーズ ヴァンパイア ヴィジュアル系 井上ライダー 井上敏樹 仮面ライダー 仮面ライダーキバ 俺様はキバである 前作との凄まじい温度差 大人の特撮 大森敬仁 宇都宮孝明 平成ライダー 平成ライダーシリーズ 必殺技=月(キバ)か太陽(イクサ) 恋愛 敵と和解 斉藤恒芳 昼ドラ 昼ドライダー 杉田智和 東映 武部直美 河村隆一 瀬戸康史 特撮 田﨑竜太 石ノ森章太郎 米村正二 紅渡 終盤は鬱展開の嵐 鬱展開多し




運命の鎖を解き放て!



画像出典:仮面ライダーキバ
© 2008 石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映



【概要】

2008年1月から2009年1月まで放送していた平成仮面ライダーシリーズの9作目にして石ノ森章太郎生誕70周年記念作品。
キバとは「King Of Vampire」の略。

物語としては、引きこもりがちな主人公、紅渡が仮面ライダーキバに変身して人間を襲うモンスター「ファンガイア」と戦うストーリー。
同時進行で渡の父である音也の物語が描かれる。
紅渡が主人公の「現代」と紅音也が主人公の「過去」の物語が同時進行、シンクロし話が進む。
ストーリーは全体的にゴシックチック、愛憎要素満載なのが特徴的。敵怪人による殺人描写なども序盤はかなり多い。

プロデューサーは電王でサブプロデューサーを担当した武部直美。本作がチーフプロデューサーを担当するのは本作が初。音楽は斉藤恒芳。
パイロット監督は電王から引き続き田﨑竜太。
脚本は『仮面ライダーアギト』『仮面ライダー555』『仮面ライダー響鬼』後半でお馴染みの井上敏樹で、第17話・第18話のみゲストライターとして米村正二が参加。
平成ライダーでお馴染みの脚本家だった井上氏が平成ライダーシリーズでシリーズ構成を務めたのは本作が最後。
次回作『仮面ライダーディケイド』を経た平成2期以降の作品では井上氏の脚本参加率は激減しており、「井上敏樹が務めた最新平成ライダー=キバ」というイメージが強い人も未だにいる。
主題歌はLUNA SEAのRYUICHI(河村隆一)・INORANとH.Hayama(葉山拓亮)によるユニット「Tourbillon」の『Break the Chain』。

放送前『クレヨンしんちゃん&ドラえもん!朝からどドーンと150分スペシャル!!』で電王からのバトンタッチと番宣、映画『劇場版 仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事』での共演や「喋り共に戦う怪人相棒」といった類似要素など、前作『仮面ライダー電王』からの引き継ぎも強く意識されていた様子。
だが、『電王』のヒットと比較すると、こちらは商業的に大きく売り上げを落としており、あまり好ましい状況とは言えなかった*1
ただし、次回作『ディケイド』がヒットしたこともあって、『キバ』の商業的な落ち込みが理由でシリーズ自体が低迷の入り口になるというような事態は起きなかった。

このシリーズはプリキュアシリーズスーパー戦隊と同様、冬に1年間で放映される最後となっている。

ちなみに次回作が本来『仮面ライダーW』になる予定だったが、平成ライダー10作記念として『ディケイド』の半年放送が決定された影響で、両作品に前作と次回作としての関係は生まれなかった。


【登場人物】


◆主人公と仲間達


紅渡仮面ライダーキバ
主人公。
仮面ライダーキバに変身する「この世アレルギー」を持つ青年。対人関係が上手くいかず引きこもりがちだが、純粋で優しい性格。
父の造った至高のバイオリン「ブラッディローズ」を超える為、日々、試行錯誤を重ねバイオリンを造る。
職人としての腕前は業界内ではわりと知られているらしく、本編中でも楽器修理の依頼が舞い込んだりしている。
ちなみに「この世アレルギー」は1話の時点で詐称であることが看破された。
引きこもりについても本人の性格以上に、粛清対象のクイーンと人間の間に生まれたハーフという立場のため、渡の存在を隠匿することを目的とした真夜の指示であることが判明した。
「この世アレルギー」についても、無暗に世間に存在が知られないように真夜がついた嘘ではないかと推測されている。


仮面ライダーディケイド』に登場した渡は演じた瀬戸康史さんの話によるとキバ本編から数年後の渡で、性格が少し変わったらしい。


名護啓介仮面ライダーイクサ
753。ファンガイアハンター組織「素晴らしき青空の会」に所属する最高な青年。
普段は犯罪者を捕まえる仕事、バウンティハンターをし、賞金を恵まれない子供達に寄附する。
この番組を代表するいわゆるネタキャラ
当初は自分の正義に固執し、その歪んだ正義を振りかざす『仮面ライダー555』の草加雅人のようなキャラだと思われた。
中盤過去に飛ばされた際に、真夜に一目ぼれするも見事に失恋、また音也との邂逅を経て「遊び心」を習得したことでキャラが変わった。
以後は、渡の正体を知っても冷静に対応するなどそれまでからは考えられない成長を見せ、最終的にはヒロインと結婚するなど作中一の幸せキャラに納まった。

小説版ではもし遊び心を知らないまま終わったらという可能性を見せており、こちらもあわせて読むと面白い。
ちなみに、正義に固執する原因としては、かつて議員だった父親の不正(実際は単なる書類の記載漏れ)を見過ごせず告発したところ、父が自殺。ショックを受けた名護さんは自分の心を守るために自分は正しい事をした=自分は正義という方向に思い込み自分を納得させていったというものがある。



◇麻生恵(臨時仮面ライダーイクサ
名護さんと共に「素晴らしき青空の会」に所属する人物。
形見である母親のゆりの写真を持ち歩いている。
また美脚の持ち主でもあり特に6話で糸矢に拘束された時の脚は必見。
名護さんの嫁


◇襟立健吾(仮面ライダーイクサ
バンド「イケメンズ」を組んでいたが健吾について行けずほぼバンドは解散状態に陥るが渡との出会いでイケメンズは復活する。その後、名護啓介の活躍を見て、名護に弟子入りするが・・・


野村静香
紅渡唯一の理解者。
だが渡がキバである事やファンガイアの存在を認知していない。
渡に恋人らしき人物が出来た際はキャラ崩壊ともいえる行動を見せた。


紅音也(仮面ライダーイクサ/仮面ライダーダークキバ
もう一人の主人公。
紅渡の父親、ヴァイオリニストで現在はヴァイオリン講師。
浮気性な性格で美人を見るとすぐにナンパする。
しかし愛すべき者の為なら自己犠牲も構わない一面もある。
好物はオムライス、嫌いな物は糸こんにゃくと自分に楯突く男。
結城凱の女好きぶりや涼村暁のちゃらんぽらんさを彷彿とさせるある意味井上キャラの集大成のような男。
良くも悪くも他人に影響を与えるキャラらしく、本編中でも過去のメインキャラ勢どころか現代編の名護さんなどまで人生を変えられた。
生前のいろんな行動のツケが息子にまわっているのはご愛嬌。
10年後のとある世界では愛と平和と仲間と、推しの為に戦っていた

◇麻生ゆり(臨時仮面ライダーイクサ
女性らしくない口調が特徴、過去で「素晴らしき青空の会」に所属していた。
母を殺したファンガイアを憎んでおり、戦士としての決意は固い


◇嶋護
「素晴らしき青空の会」会長。命令は彼が出す。
HERO SAGA』では、ある真実が明かされた。


◇マスター
オネエっぽい口調が特徴の「カフェ・マルダムール」の店長。嶋護とは体脂肪率を競う友人。コーヒーを淹れる腕前は次狼が感服するほど。
映画『魔界城の王』で音也から、最終盤では渡から歳が変わってないと言われる……


◇ブルマン
喫茶店の犬。22才(人間に換算すれば159歳)でお産に挑むという音也並の生命力を持つ。


◇次狼(ガルル)
キバに力を貸す三魔族「アームズモンスター」のリーダー格。城に幽閉され、ゲームなどで暇を持て余す謎の男。
過去編では「カフェ・マルダムール」に来るコーヒーを嗜む中年近い男性。
実はファンガイアに滅ぼされた一族「ウルフェン族」の生き残りである。
ファンガイアへの報復の為だけではなく、ウルフェン族再興が目的でゆりに近づく。
音也との別れのシーンは泣ける。


◇ラモン(バッシャー)
ファンガイアに滅ぼされた一族の一つ「マーマン族」の生き残り。
アームズモンスターの最年少で、次狼達とゲームに興ずる。
過去編では次狼のような野望は無く、力と土地所有者に無断で靴磨き業をして細々生きる。


(りき)(ドッガ)
ファンガイアに滅ぼされたフランケン族の生き残り。
現在編では次狼、ラモンらと共にキャッスルドランに幽閉されているアームズモンスターの一人として登場。
過去編ではラモン(バッシャー)と共に靴磨きやマッサージをして生計を経てる。


紅正夫(紅正音)
詳細はリンク先を参照。


ファンガイア


あらゆる種族の頂点に君臨する種族の総称。
クラスが分かれており(例、リザードクラス)
人間を襲いライフエナジーを吸い取って殺す怪物。

黒を基調とした体表にステンドグラスを彷彿させる模様があり。
体のディティールはゴシックチックな模様が施されている。
ファンガイアと言う怪人は生物的ではなく芸術性あふれるデザインである

更には死を迎えると彼等はガラスが割れるように破片になって砕け散る。

それぞれに真名が存在する。

歴代の中でも人間味があり、世界観からか貴族などが変身する。

知恵も高く高貴な振る舞いをする。

ちなみに大昔はグロンギ語のように独自の言語を持っていたが、今ではサガークしか喋れない。

更にはファンガイアを統率するチェックメイトフォーなる組織がある。


登太牙仮面ライダーサガ/仮面ライダーダークキバ
仮面ライダーサガに変身する現代編におけるファンガイアの王であり過去キングの息子。
左手の甲にキングの紋章があり、常に左手に黒皮の手袋をしている。

キングとして掟を裏切るファンガイアを処刑をする。

劇中でファンガイア形態は見せていないが変身する際に蛇の模様が浮かび上がる事や仮面ライダーサガのモチーフから考えるとスネークファンガイアの可能性が高い。


鈴木深央
焼肉屋に勤めていたが、度重なるミスからクビにされる(名護さんが責任者にクレームをつけた為、きっかけは名護さんだったりする)
私服は性格の割に結構大胆で二の腕が出るTシャツを着てたりする。

実は……。

◇過去キング(仮面ライダーダークキバ)
過去編のチェックメイトフォーのキング。
人間体でも怪力だけではなく魔術を繰り出すなど、キングに恥じぬ強さを誇る。

ディレクターズカット版を見ているか見ていないかで評価が変わるキャラの一人。

◇真夜
過去編のチェックメイトフォーのクイーン。
ゴシック・ロリータを着用しており手にはクイーンの紋章がある。
掟に背いたファンガイアを処刑する役割は過去においては主に彼女がしている

消える時に黒い羽毛を散らして消える等人間離れした技を持つ。

人間を愛するファンガイアの気持ちが理解が出来なかったが音也との出会いにより徐々に理解していく。


糸矢僚
「チューリッヒヒヒ!」「ガーリッククク!」


◆アイテムを兼ねたキャラ


キバットバットⅢ世
CV.杉田智和
キバット族の名門出身のコウモリモンスター。
キバに変身する為の必需品である。
キバの戦闘サポートなども出来る。


◇タツロット
CV.石田彰
キバがエンペラーフォームに変身する為に必要な追加モンスター。
声のトーンやテンションが高いのが特徴。
フィーバー技を出す為のルーレットやキバのカテナの拘束を解く。


◇キバットバットⅡ世
CV.杉田智和
ダークキバに変身する為のコウモリモンスター、キバットの父にあたる。
キバットバットⅢ世よりも魔皇力の扱いが上手く、魔皇石も純粋な物を使用している。


◇サガーク
サガに変身する為のモンスター。
行方不明になったキバットの代理としてファンガイアの王の鎧を担当。
亜種がたくさんいる。


◇キャッスルドラン
3奴隷が閉じこめられている城型のドラゴン。
城がついてるのは元からではなく、ファンガイアに改造されたからである。
ファンガイアの魂が餌。
普段はビルに擬態している。


◇シュードラン
劇中で一回しか活躍した事がない不遇なドラン。
生後まもない為にフエッスルの放つ音を捉えられず。
キャッスルドランの咆哮にのみ反応して目覚め、キャッスルドランと合体することで、
キャッスルドランの抑制された本能を呼び起こす事ができる。
キバット曰く「シューちゃん」


【アイテム】

  • キバットベルト
  • ガルルセイバー
  • バッシャーマグナム
  • ドッガハンマー
  • イクサベルト
  • イクサカリバー
  • イクサライザー
  • タツロット
  • ザンバットソード
  • サガークベルト
  • ダークキバットベルト

【劇場版】


前作『仮面ライダー電王』とのクロスオーバー映画。平成一期としては珍しいクロスオーバーであり、平成二期におけるMOVIE大戦シリーズの先駆けともなった。

毎年恒例の夏映画。テレビシリーズとは明確なパラレル設定の作品として描かれている。


【他映像媒体】


炎神戦隊ゴーオンジャー BONBON!BONBON!ネットでBONG!!』と共に配信されたスピンオフネットムービー。
仮面ライダーウィザード』まで続いたネット配信のコメディ的スピンオフムービーの第1弾でもある。

  • 『仮面ライダーキバ アドベンチャーバトルDVD 〜キミもキバになろう〜』
てれびくんハイパーバトルビデオの一作。
視聴者参加型の選択肢付きマルチストーリーで、本作限定の究極形態「ドガバキエンペラーフォーム」も登場。


【小説】


  • 『小説 仮面ライダーキバ』
講談社キャラクター文庫の文庫レーベルで発売。
著者は古怒田健志で、TVシリーズのシリーズ構成の井上敏樹は監修。
TVシリーズを小説一冊分に再構成した内容だが、TVシリーズとの違いは見る価値あり。








キバッて追記・修正するぜ!

この項目が面白かったなら……\ガブッと/

最終更新:2025年10月10日 09:05
添付ファイル

*1 なお、これに関して一部では「『電王』の後という事でストーリーの難解さを抜きにしても商業的に売り上げが落ちる可能性はあったかもしれない」という声も。