ガンタンク

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ガンタンク - (2020/07/31 (金) 18:00:42) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/06/02 Tue 00:34:31
更新日:2024/03/11 Mon 00:45:11
所要時間:約 10 分で読めます





「ガンタンク、ハヤト出まぁす!!」


ガンタンク
型式番号:RX-75
頭頂高:15.0m
本体重量:56.0t
ジェネレータ出力:878kw
スラスター総推力:88000kg
装甲材質:ルナ・チタニウム合金

主な武装:
  • 120mm低反動キャノン砲×2
  • 40mm4連装ボップミサイルランチャー×2

主な搭乗者:
リュウ・ホセイ
ハヤト・コバヤシ
アムロ・レイ
カイ・シデン
ラリー・ラドリー


地球連邦軍のV作戦で開発された試作型MS。
ガンダムガンキャノンと同じRXシリーズの一つで、コア・ブロック・システムが採用されている。

一年戦争開戦前に対MS戦闘車両として完成したRTX-44 フリーダムタンクを更に全面的にリファインした、連邦初のMS。
複雑な二足歩行システムの完成を待たずに開発された為下半身が装軌式で、戦車に人間の上半身をのせたような格好が特徴。
印象としては同じ下半身が戦車状のゲッター3と同じく不遇。ガンダムやザクよりも現実の戦車などの兵器に近く、やや無骨なデザインで一部のコアなファンからは人気がある。

機動性は低かったが、重力下でトラブルを抱える事が多かった二足歩行に対し、安定性が良く信頼も高くあらゆる地形に問題なく適用出来る。
しかし飛行はおろかジャンプすら出来ず、運動性は極端に悪かった。
一応底部スラスターで「浮上」は可能だが、浮上中は身動きが一切取れないため、着艦程度にしか利用されることはなかった。
着艦は浮上した状態で待機し、母艦に掬い上げられるという方法で行われる。

スラスターと姿勢制御バーニアを用いる事で、宇宙空間でも一応運用可能。
だが、二足歩行MSと異なり下半身がAMBACに利用できず、やはり運動性は劣悪である。
宇宙戦においてガンタンクと遭遇したジオン兵は度肝を抜かれ、「タンクモドキ」「MSの出来損ない」と呼んでいた。

当初はパイロット(腹部)、ガンナー(頭部)の複座式だったが、ホワイトベースに搭載された機体は後に頭部のみの単座式での運用が可能なように改修されている。
しかしその状態でも腹部のコア・ブロックは機能しており、外部から乗りこめば上半身を強制排除しコアファイターを使うことができた。

総じて戦車ないしは「自走可能な移動砲台」寄りの機体であり、劇中でも言われている通りMSとしては些か不完全である。
しかしシンプルながらも砲撃戦に適合した設計だったためか、かなり後の時代までそのコンセプトは引き継がれている。


■武装など

両肩に装備された120mm低反動キャノン砲は、射程距離が260kmにも及ぶ(総弾数16発)。
口径が現代の戦車と同等なのに、大和型戦艦の6倍ほどの射程を誇る。
名古屋市から横浜まで到達しかねない射程である。
(後に280mmに改編)


両腕には40mm4連装ボップミサイルランチャーを装備し、給弾システムも腕部に内蔵されている。
その為マニピュレーターを持たず、肘関節の稼動範囲も狭い。
ちなみに大きさに対して明らかに口径の設定が小さ過ぎる事がよく疑問視されている。

本機はその装備を活かした長距離からの支援攻撃に用いられ、MSというより移動砲台の役割に近かった。
また近接戦闘に対応する術が無い為、懐に入られるとかなり脆い。
そればかりか、自慢の長射程もミノフスキー粒子散布下ではフルに生かすことができなかった。
丸い地球上では、ある程度以上遠くの敵は地平線の向こうに隠れてしまい、GPS衛星とリンクしなければ狙えないためである。
もしこんな状態で長距離砲撃を行っても無差別攻撃同然となってしまう。

そしてなによりも、コア・ブロック・システムのせいでターレット機能を装備できなかった。
結果、「上半身が回転しない」という戦車としては致命的な欠点を持つ。
一部ゲーム作品では思い切り腰捻ってるけど
こいつもマゼラアタックと同様にほぼ自走砲である。

作中ではほとんどフィーチャーされないが、サイズが非常に大きいことも問題。
やはりガンダムを作る上でのデータを取るための機体という感じが強い。
支援ならガンキャノンが十分な戦果をあげているし。


■劇中での活躍

開発当初4機(8機という説も)が試作されたが、サイド7におけるジオン公国軍の襲撃により内3機が破壊され、残った1機がホワイトベース隊で運用された。

地上→宇宙へと頑張って戦い抜いたが、劇場版では「流石に無理がある」と考えられた為か宇宙での出番はガンキャノンに譲られた。本編での待遇はあまりよくない。
ただ敵基地攻撃においてはガンダムより便利だとして、アムロが独断でガンタンクに乗って出撃したこともある。

そのあまりの巨体と自走砲まがいっぷりからさぞかしどうしようもないかと思いきや、
マゼラアタックと違って近くには非常に脅威且つ重要度も極めて高いガンダム・ガンキャノン・ホワイトベースなどが勢ぞろいしていることからか、
あまりヘイトが集まることもなく(ガンキャノンはヒートロッドを喰らったりしてた)、活躍する描写こそあまりないが最終決戦のア・バオア・クー戦までどうにか戦い抜いた(劇場版でも宇宙にはいかなかったとは言え地上戦を戦い抜いている)。


ちなみにガンタンクⅡは生産性等の観点から、ガンタンクの流れを汲みながらモビルスーツの要素を排除し、戦闘車両となっている。





★直系のバリエーション


●RTX-440 陸戦強襲型ガンタンク

『MS Igloo2 重力戦線』で登場。
RTX-44戦車をMSとして再設計したもの、単砲。


●RX-75 量産型ガンタンク

ガンタンクの量産型。コアブロックを廃止したかわりに旋回が出来るようになった。
第08MS小隊』から登場。
ジオン東南アジア方面軍の本拠地である鉱山基地を攻略する際、要塞攻略の火力支援のため3機配備されていたものの、ノリス・パッカードグフ・カスタムに全滅させられた。
08小隊オープニングには、本機をベースにした戦車回収車「ベルゲガンタンク」も登場する。


●RMV-1 ガンタンクⅡ

ガンタンクを純粋な戦車として再設計したもの、ザクタンクと基地防衛に当たっていた。
「純粋な戦車」とは書いたが、なんとなく人型を思わせるシルエットに名残が見られる。
というか、なまじガンタンク分を残したせいで車高が16.9mと異様に高い。多分、敵からすればいいマト。

アニメではZより、漫画やMSVでは1stから登場している。
ところが宇宙世紀0096年が舞台の『機動戦士ガンダムUC』で、小説版ではダカールで、アニメ版ではトリントン基地で運用が確認されている。
つまりこのガンタンクⅡ、開発から17年後も運用されている。地味にジェムズガンやジェガンやアクア・ジムと並ぶご長寿の機体である。


●RMV-2 ガンタンクⅢ

ゲームブック『機動戦士ガンダム 灼熱の追撃』に登場した、ビームキャノンを搭載しガンタンクⅡをさらに改良した機体。


●RMV-3M 局地制圧型ガンタンク

MSV-Rにて登場。RMV-1をCAD=CAMシステムによって改良した機体、サイズが一回り小さく、砲身位置が低くなり、より戦車のようになった。


RB-79 ボール

モビルポッド。ガンタンクのキャノン砲を搭載している。
役割上ではガンタンクの量産型ともいえ、ガンタンクよりも機動力があり長距離支援に長けている。
…にも拘わらず前線に出ようとするパイロットが多かった。


★その他の時代のガンタンク

●ガンタンク(サンダーボルト)

機動戦士ガンダム サンダーボルトに登場。他の宇宙世紀とはパラレル設定。
頭部に車長と砲手が2人で搭乗する。
更にコアファイターを内蔵しており緊急時には移動・脱出が可能。
車高が低くなっており、砲塔が旋回可能、通常のMSと同様の五本指マニュピレーターなど歴代ガンタンクのいいとこ取りのようになっているが、作中では時代遅れのタンクとして扱われている。
人員を乗せるスペースやカモフラージュシートの射出機能など、直接戦闘用ではないが地上戦で使うための装備も特徴的。

「思い知れ!ガンタンクこそ最強のMSだ!


●RXR-44 ガンタンクR-44

機動戦士ガンダムF91』に登場する地球連邦軍の試作型可変MSのレプリカ
R-44とは、ロイ・ユングが44歳の時に本機を入手したことにちなんだもの。
変形方法は両脚を伸ばして合わせた状態で座っている戦車形態から、脚部のキャタピラを使い立ち上がりMS形態に変形という、かなり簡素なものである。
サナリィ製のF50Dを私的に改修したものらしい。


D-50C ロト

機動戦士ガンダムUC』に登場するMS
詳しくはリンク先へ


CB-0000G/C/T リボーンズガンダム オリジン

機動戦士ガンダム00』の公式外伝に登場するMS。
ガンダム・キャノン・タンクの三段階変形をする。
詳しくは項目内〜オリジンの項目参照


87式自走高射機関砲

現実世界で「ガンタンク(愛称で)」と呼ばれている陸上自衛隊の兵器



★本編以外のガンタンク


本編での地味さや不遇さにキレたか、何故かゲームにおいて鬼畜な性能を持っている事が多い。

SDガンダムフルカラー劇場

作中最強キャラの一角。
性格は幼く、気になったものには取り敢えずぶっ放す。
ガンダムハンマー…ならぬ「どたまかち割りトゲボール」を使ったりする。
しかし初対面の際に軽く驚かされた為、死神であるデスサイズは苦手。
人気投票ではガンダムを抑えて一位になった事もあった。(この後一時期ガンダムはリック・ディアスになった……が黒歴史設定だった)
自動ドアを手動で開ける。


●SDガンダム外伝シリーズ

ガンタンク自身はラクロア王国に仕える僧侶として登場。ゲームでは回復から攻撃まで何でもござれの魔法のスペシャリストだった。
「ラクロアンヒーローズ」ではゴブリンの洞窟に捕らえられていて、彼が仲間にならないとゴブリンたちのボスの部屋にたどり着けない。
そのほか、世界のどこからでもラクロアに一瞬で戻れる「リターンリング」が手に入らないが、仲間にしなくてもゲームクリア自体は可能。
また、クエスト2「山賊の砦」ではガンタンクを仲間にしていないと砦で捕まる事すらできない。
無事(?)砦で捕まると、調理係にさせられたガンタンク1人での行動となり、医者と牢番に夕食を運ぶことになる。
…のだが、医者に貰った「睡眠薬」を夕食に混ぜる際の彼の発言に相当黒いものを感じる。
彼の機転のおかげで牢番は眠りこけ、牢に囚われていたナイトガンダム、ガンキャノン(仲間に加わっていればナイトアムロも)を助け出すことに成功することになる。
アニメ版では騎士ガンダム達の仲間となるものの、とにかく最初から最後まで棒立ちで何もしない究極の役立たず。
レビル王から石板を持たされていたものの、シャアの馬に蹴られて奪われてしまい、
戦士ドムとの戦闘では避けまわってたらジムスナイパーカスタムに助けられるし、サタンガンダムの城では他の仲間が敵を引き受けるのに自分は騎士ガンダムに同行、
サタンガンダムと対峙したと思いきや即フェードアウト。その後ララァに襲われるもシャアの乱入によって戦闘自体なかったことに。

騎士ガンダムの「皆が力を合わせたからやれたんだ」の一言が虚しく聞こえる。
ちなみに、SDガンダム外伝シリーズにおける「遠距離機は魔法系」という図式は彼から始まった。法術士ニュー?キュベレイ?なんのことやら


ガンプラ

放映当時は、1/144と1/250の情景模型のみであったが、2000年にHGUC化、そして2009年9月には待望のMG(1/100)化された。
特にMGは最新鋭の技術とスタッフの愛がふんだんに盛り込まれた逸品。
低反動キャノン砲とキャタピラの再現度は脱帽ものである。
コアファイター周りの規格がガンダム(MG ver.2)と同じなので組み合わせることで、あの ガンダムタンク を再現することができる。
関節の可動をあまり考慮する必要がない構造だからか、立体化される機会自体は少ない。

ギレンの野望(シリーズ)

V作戦を開始すると、コア・ファイターの次に開発できる。性能的にはザク・グフぐらいならあっさり撃墜する攻撃力と射程を誇るのだが
生産ターンの長さやコストの問題があり、さらに、直後にバランスのいいガンキャノンが控えており、
早解きプレイじゃないと活躍の期間は短い。逆にジオン側でプレイした時にこいつが出てくると
「連邦がMSを量産してくるのは間近」であるサインであり、タンク自体高火力であるので、ザクでの進軍に暗雲が立ち込め始める。
尚、独立戦争記と新・ギレンでは開発時にテムとレビル将軍の面白コメントが収録されている*1

将軍「これMSなの?戦車じゃないの?(´・ω・`)」


●VSシリーズ

HP、キャノン砲の火力が高くブースト時間も長めな為、使いこなせばまったく相手を近寄らせず倒せたりする


ガンダムバトルシリーズ

限界突破後にフルチューンするとガンダムも真っ青の高機動&高火力の化け物と化す。アホみたいな命中率のキャノン砲とマシンガン顔負けの連射速度で撃ちだされるボップミサイルの弾幕が凄まじい。
本編での不完全燃焼を発散するが如くと云えるだろう。
ちなみに、メガライダーに乗せると...


●ガンダムvs.ガンダム

1st枠で登場。
CPU戦にてよく登場するが放置できないほどの凶機体になっている。サブ射撃のキャノン砲連射はかなりの命中率+威力(しかも、ステージをクリアする度に上がる)+フィールド全土をカバーする射程、これにより2人協力ならどちらか1人をガンタンクを駆逐しに1人ならCPUに任せず自分が倒しに行かなければならないという厄介機体。
ただし格闘攻撃が皆無なので近距離はもろく、ブーストの量や性能も少ないがキャタピラ移動が速くほとんどの攻撃を回避できる。しかもCPU操るガンタンクはキャタピラとブーストダッシュを織り混ぜ回避も上手い。
ガンタンクのメイン射撃はダウン確定するので当たったときに吹っ飛ばされる機体を見て鬱になった人も沢山いるだろう。
サブ射撃で格闘もカットされる。

因みに本機体の特殊射撃攻撃は突如AパーツとBパーツが分離して、胴体のコアファイターが敵に向かって 自爆特攻 する。ハヤトの台詞からしてリュウが搭乗している様子。
連発はできないが弾数制限はないので(いつの間にか本体にコアファイターが入っている)、やろうと思えばコアファイターに何度も犠牲になってもらうことも可能。
それでいいのか…

NEXTからは全機体にブーストダッシュで各行動をキャンセルできる『ネクストダッシュ』システムが追加されたため環境が高速化。ブーストダッシュ関連の性能の劣悪さが災いしてノーベルガンダム並の産廃となったが、キャノン砲のいやらしさは健在。陸ガンでいいとか言わない。

ガンダムバーサスではコスト200機(従来の1000コスト相当)として久しぶりに復活。
NEXT時代と特に変わったところはないが、やはり機動性の悪さが大幅に足を引っ張ってしまっており評価は低い。

●ガンダム戦記

機動性を除けば鬼性能。
火力が鬼すぎて不意打ちならばほぼ確実に勝てる。


スパロボシリーズ

第4次で初登場するが、なんとデフォのパイロットが居ないまま倉庫に仕舞われている。
乗り換え項目を見て始めて存在に気づける…乗せかえる人も居ないだろうが。
射程が異常に長く、攻略本ではやりこみやこだわり派にフル改造して強化パーツで一方的に攻撃しようとか言われたりする。
その後しばらくガンキャノン共々出番がなかったが、1stガンダムがメインの『GC/XO』では大分性能が底上げされた上に合体攻撃要員となっている。

そして『OE』では…対空のボップミサイルランチャーと対地のキャノン砲で地上戦では性能が微妙すぎる上にシステムと噛み合っていないガンダムを差し置いてホワイトベース隊の要として大活躍。
なんというか、もう機動戦士ガンタンクでいいんじゃないかなという気になってくる。
さすがに後半を戦い抜くには厳しい性能なものの、やたら他のキャラは一切出られずホワイトベース隊(+08小隊やクリス)だけで戦わされるスーパー一年戦争状態なステージが多いこと、その中では装甲と火力が高く援護にもメイン攻撃にも大活躍なことで、歴代スパロボでも屈指にガンタンクが印象に残るゲームになっている。



●ガンダム戦記(漫画)

奇襲狙撃に使われ、遠距離からの砲撃で戦果を上げた。
ぶっちゃけこの使い方が一番ガンタンクに適している。


●ジオニックフロント

ジオン軍にとっては、まさしく悪魔のMS
コイツのバカに広い射程範囲内に入った時点で死亡確認される。
ガンダムやガンキャノンより出番が多く、尚更タチが悪い。


戦場の絆

基本コスト200
連邦軍の遠距離砲撃型
主に敵拠点の破壊を目標とする

REV.1では同じコストのザクタンク(V6)がライバル。
メイン武装は対MS弾の120mm低反動キャノン砲A、拠点攻略向きでMSには当りづらいB、威力は控えめだが広い範囲に弾をバラ巻く拡散弾のC
そして、コスト+10で威力は控えめだが敵MSを炎上させ機動力を低下させる、焼夷弾のDがある。
REV.1の途中から拠点弾+αの装備を実現したDAS(ダブル・アームド・システム)が採用され、拠点弾は固定で格闘のスロットに他の弾を積めるようになった

REV.2ではジオンに拠点制圧力がガンタンクと同じでコストが160のギガンがライバル。
勿論宇宙ステージにも行ける。

稼動初期から配備されており、今なお初心者~上級者まで愛されている。


機動戦士ガンダム THE ORIGIN

ガンタンク初期型なる機体が登場。
名前こそガンタンクだがMSと言うより、大型戦車という立ち位置である。
後世ではこれをMSのカテゴリに入るという解釈もあるが、決着はついていない模様。




追記・修正はガンタンクで活躍してからお願いします。

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