スーパーロボット大戦GC

登録日:2011/01/11 Tue 14:39:59
更新日:2025/04/13 Sun 16:23:44
所要時間:約 4 分で読めます




地球外からの侵略者の影…そして内乱。

人類に試練の時、来る。

戦士よ、銀河へ向かって翔べ!!


『スーパーロボット大戦GC』は2004年12月16日に発売されたスパロボシリーズゲーム
ハードはゲームキューブで、任天堂据え置き機のスパロボは『64』以来5年ぶりとなる。


後にバグ修正やシナリオ等の追加、オンラインモードである「スーパーロボット対戦」が搭載された『スーパーロボット大戦XO』としてリメイクされた。
こちらのハードはXbox360


CMにある「ファミコンミニ、ゲットだぜ!」だが、これはGC版はソフト同梱のシリアルナンバーを「クラブニンテンドー」に登録すると、
GBAのファミコンミニ版『第2次スーパーロボット大戦』が抽選で2000名に配布されるキャンペーンが実施されたというもの。
故に2019年現在においても、入手が非常に困難となっている。


本作は開発にサンライズインタラクティブが協力している関係で、DC版『α』にも参戦した『サンライズ英雄譚』シリーズの『機甲世紀Gブレイカー』とのコラボが行われ、主人公の名字が同じでオリジナルメカのデザインやBGMがアレンジされている(XOにて一曲追加)。
また、Gブレイカー自体サンライズ作品の機体のアレンジが多いため本作ではそれらに似ている機体もある他、Gブレイカーではなくサンライズ作品の機体を直接アレンジしたと思われる機体もある。


OGシリーズには2016年6月30日発売の『スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ』に『J』と共に新規参戦。
オリジナルメカの多くはコラボレーション要素が色濃かったとのことでリニューアルされているが、BGMに関してはそのまま使用されている。
主人公機についてはスーパー系のソウルセイバー系統の機体はバンプレスト側が、リアル系のソウルガンナー系統の機体はサンライズ側が版権を持っていると明言されている。
また、ラスボスであるアラウンザーもほぼそのままとなっている。

【参戦作品(★は初参戦)】


今回は原作終了後の作品がない。ただし、逆シャアは機体のみの参戦となっている。

参戦作品の大半が1980年代に偏っており、1979年のダルタニアスとファーストガンダム(劇場版は80年代に入っていてから公開された)、ライジンオーも1991年とほぼこれらの作品と視聴していた世代が被る。
これは後の90年代前半の作品を集めたNEOと趣旨が似ていると言え、特に80年代前後に青春を味わった元少年・青年にはたまらないラインナップだろう。

ガンダムシリーズは宇宙世紀一年戦争の頃を舞台とした、シリーズを通しても珍しい内容になっている。参戦作品も初代〜ZZの間の時系列作品のみ。
アムロカミーユジュドーと歳が近いというのもシリーズとして珍しい。
マジンガーとゲッターは両方ともOVA版からの参戦であり、これはシリーズとしては初である。
また、J9シリーズ3部作が揃い踏みなのも特徴的...なのだが、実は急遽参戦不可能になった作品の穴埋めだったりする(その作品は後のシリーズに参戦したようである)。
当時スポンサーの都合で参戦が困難と言われていた『絶対無敵ライジンオー』の参戦には驚きの声があった。

ちなみに、OVA版ダンクーガ、OVA版ライジンオー、映画版ガンダムの設定が一部に使われている
(OVA版ライジンオーのみXOでは削除されている*1)。

ダンクーガはイラストのみ存在した、ブラックウイングとの合体形態「ファイナルダンクーガ」が本作で初登場した。
さらにシャピロが乗る「シャピロ専用メカ」に「デザイア」という正式名称が与えられた初めての作品でもある。


【システム】


  • 部位ダメージ制
GC及びXOのキモといえるシステム。既に同じロボットSRPGである『FRONT MISSIONシリーズにもあるが、スパロボとしては初の試みである。
HPが「BODY」「HEAD」「ARMS(両腕で一部位)」「LEGS」の四つに分かれ、従来のHPにあたるのがBODY。
HEAD、ARMS、LEGSのダメージはそれぞれ命中・回避率、攻撃力、移動力に影響を与える。
BODY以外のHPが0になった場合は部位破壊が起こり、その部位に対応する武器が使えなくなる(ARMSならビームサーベル等)。
戦艦など一部ユニットは「BODY」「CONTROL」「WEAPON」「ENGINE」となっている。
また、特定の部位が存在しないユニットもある(BODY、LEGSのみのビグ・ザム等)。
BODY以外のHPが0になってもスペアパーツで回復が可能。ど根性でも何故か回復する。

マジンガーZ等の頭部にコックピットがある機体は頭部が破壊されても撃墜扱いにならないのかとツッコんではいけない(アンソロジーでもネタにされていた)

自分よりサイズの大きいユニットにしか部位攻撃は出来ないが、2ランク以上サイズが大きいと全ての部位を破壊するまでBODYを直接攻撃出来ない。
狙い撃ち技能を持つ場合は、サイズに関係無く好きな部位を攻撃可能。
なお狙い撃ち技能は極一部のパイロットの他、スキルパーツで追加する事も可能。
Mサイズであるせいで戦艦やら 地獄王ゴードン やらラスボスやらのボディを殴れないマジンカイザーの為に、甲児君にスキルパーツの狙い撃ちをつけるのはよくある事。が、プレイ次第ではゴードンとの決戦まで「狙い撃ち」を入手出来ない事も…。

  • 捕獲
BODY以外の全ての部位を破壊した場合に可能。敵一般ユニットを捕獲する。
捕獲した敵の経験値と資金は手に入らないが、捕獲したユニットは運用、売却、強化パーツ変換のいずれかが可能になる。
運用の場合、捕獲したユニットを自軍ユニットとして使えるようになるが、主にリアル系作品に限られるため、邪悪獣やメカザウルス等は選択することが出来ない。まあバッシュが数機あれば問題ないけど
売却の場合、通常得られる資金の2倍の金額でユニットを売ることが出来る
強化パーツ変換の場合、それぞれのユニットに対応する強化パーツが手に入る。

  • サブシナリオ
本筋とは関係ないシナリオ。
主に隠しユニットの加入や追加武装に影響がある。
クリアせずに先に進むことも可能。
また、次のシナリオに進まない限り繰り返しプレイが出来るので全滅プレイの代わりになる。
なお、νガンダムサザビー リ・ガズィ もサブシナリオ限定。
あとサブに行かないとダルタニアスの火力が(悪い意味で)ヤバイそれでもルート分岐で一切追加武装を入手出来ないスパロボDでの扱いよりかはマシだろう

  • スキルエース
格闘、射撃、回避、防御、技量、精神、撃墜の7種類があり、それぞれの条件を満たすことでユニットにボーナス補正がかかる。



【オリジナルキャラ】


◇主人公と関連人物


  • 赤月秋水(あかつき あきみ)
CV:高橋直純(男)/鈴木麗子(女)
主人公。最上重工社長・赤月瑞雲の子。
男女どちらでも名前は同じだが、女主人公は『XO』で漢字表記が光珠に変更された。読みは変わらず『あきみ』。
男スーパーのしゃべり方を一度は聴くことをおすすめする。
女スーパーは罠。

OGMDでは男女両方が双子として登場。名前はOGに合わせカタカナ表記となっており、弟のアキミ・アカツキ、姉のアケミ・アカツキとして登場する。
(「同姓の男女別主人公がOG参戦時には双子になる」の前例としてはこの人がいる)
また、アキミのCVが宮坂俊蔵に変更されている。


  • フェアリ・ファイアフライ
CV:かかずゆみ
サブパイロットのお姉さん。本編開始時は最上重工社長秘書兼主人公のお目付け役。
元はガディソードの一員。ヘルルーガの野望に気が付いた彼女がC.U.B.E.を奪取し地球に逃亡、最上重工の社長に拾われ身分を隠し秘書として活動するようになる。そのため苗字は偽名。
XOではゴルの嫁。
OGMDでは設定が異なり、最上重工の秘書ではなく、逃亡者としての一面をクローズアップされている。一応、GCで秘書だったことは中断メッセージでネタにされている。


◇ガディソード


  • ジーク・アルトリート
CV:中井和哉
ガディソードの一員。
熱くなりやすい性格だが、素はいいやつ。
チュウさんとは関係無い。

CV:貝原怜奈
ジークと同じくガディソードの一員。
穏やかな性格で次第にガディソードのやり方に疑問を持ち始める。
XOの乳揺れ担当。

  • レジアーネ・ヨゼフィーヌ
CV:高野麗
ガディソード親衛隊の女隊長。
ドSで凶悪な姐さん。声はマリア・タチバナ
OGMDではドMの部下が追加されSっぷりがますます目立つように。

  • ヴォート・ニコラウス
CV:黒田崇矢
ガディソード親衛隊の一人。
フェアリさんの恋人だったが、後に洗脳され敵対することになってしまう。
OGMDでは洗脳されておらず、ガディソードの未来のため仕方なくヘルルーガにしたがっている。

  • ヘルルーガ・イズベルガ
CV:青野武(GC・XO)/辻親八(OG)
ガディソードの指導者。
事故により母星のなくなったガディソードをまとめ上げたカリスマ的存在。
実は本質は自分のことしか考えない悪党。そもそもガディソードの母星が無くなったのも元をただせばこいつのせいである。
ワカメ並みに弱いラスボス
OGMDでは原作以上にガディソードの立場が悪く、野心こそあれど基本的にはガディソードのために行動していることが多いため、割とまともに見えるようになっている。

  • 椎名奈穂子
XOでの追加キャラ。大人しく控え目。

  • 井沢麻里
XOでの追加キャラ(女性主人公シナリオのみ)。文武両道で真面目。
男性主人公シナリオの場合は裕太という同級生になる。



【オリジナルメカ】


  • ソウルセイバー
スーパー系主人公機(初期)。
FF・FG・GG・GFの4タイプに換装できる。その内、OGMDにはFFとGGのみ登場。

  • スーパーソウルセイバー
スーパー系主人公機(後期)。
背中にセイバーブースターが合体している。

  • ソウルガンナー
リアル系主人公機(初期)。
インパルス7ではない。OGMD未登場。

  • ソウルランサー
リアル系主人公機(後期)。
クラウドセイバーではない。OGMD未登場。


以下はガディソード機。

  • クラウドハーケン
ジークの機体。
OGMDでは代わりに配色が近いレオニシス・ハーガが登場。
むしろクラウドセイバーに近くなったのは気のせい。

  • クロイツ・ヴァールハイト
サリーの機体。
エルガイムでもヴァールハイトでもない。
OGMDでは代わりに配色が近いレオニシス・ヴァーガが登場。

  • ガーディアル・ブラッド
レジアーネの機体。
ガンダムでもガーディアルでもない。
OGMDでは代わりに斧を装備したギャノニア・ブラガが登場。

  • オーダイ
ヴォートの機体。
オージでもオージェでもない。
OGMDでは代わりに大鎌を持ったギャノニア・オーガが登場。

  • アラウンザー
ヘルルーガの機体。
ガディソード機の中で唯一オリジナルデザイン。
そのためOGMDでも続投したが、ENを全く消費しない最強技「ゲート・デバステイター」が追加され、ステージ構成も合わさってかなり厄介なボスとなった。

【スーパーロボット大戦XOでの変更点】


  • 各パイロット・一部敵ネームドにカットインが追加。

  • 実績解除が追加。しかし、一部の実績はオンライン対戦のスーパーロボット対戦での勝利数などがある為現状全実績解除はほぼ無理に近い。

  • 一部のスーパー系の合体デモムービーが追加。特にダイオージャの合体ムービーは必見。

  • ネオゲッターの「プラズマサンダー」でネオゲッターの手がグーのままだったのが修正された。当時の開発によるとXOでの修正点の中でも一番優先された修正項目だったらしい。

  • サスライガーに新武装「イニシャルシュート」が追加。GCでのJ9Ⅲ号での演出で、生身で宇宙空間に出て砲撃するロックがちゃんと宇宙服を着て砲撃するように変更された。

  • 合体攻撃がさらに追加、分離形態などで発動出来る合体攻撃も増えた。

【評価】


  • 戦闘アニメ
DCα以来の3D作品であるが、全体的に動きが悪い上にカットイン演出がないため、2D派からの評価は低い。
その反省か、XOではカットイン追加と演出の強化がなされている。

  • シナリオ
序盤の一年戦争が長すぎるとの声が多いが、それ以外は概ね好評。

まあ、長すぎる一年戦争の流れも、80年代のリアルロボットアニメブームの流れを作った「初代ガンダム」のシナリオに沿って様々な80年代前後に活躍したロボットが参入する……という80年代ロボット好きには熱い(?)展開と考えれば良いだろう。
だが続編であるZガンダムはいるだけ参戦、というかほぼ空気でティターンズすらも無し。ZZはファーストのジオンを継ぐのでまあまあの優遇。

また「初代ガンダム」をオマージュしている「ドラグナー」とのクロスオーバー展開も面白い。

『新スーパーロボット大戦』以来の参戦となるトライダーは、後の本家スパロボにも参戦しておりそっちの方では社長としての絡みが多く企業系のスーパーロボット作品とクロスオーバーする事が多いが、今作では小学生としての絡みがメインとなっており、本作初参戦のライジンオーの仁との絡みが強く出ており専用の援護・防御セリフが用意されている。
また現状、ワッ太社長らと関わりがない事で有名トライダーの敵勢力「ガバール星」のメカロボットらも一緒に登場している唯一のスパロボとなっている。

一方で本作初参戦のライジンオーはというと、本作の目玉ではあるが正式加入はゴッドライジンオーになってからとなる。序盤は一年戦争メインなので仕方なし。

こちらも初参戦となるダイオージャは、原作の話がミト王子の旅物語という事もあり、原作再現は1話と最終回のみとなっているがエルガイムやダルタニアスといった主人公が王族である作品と絡む。

J9シリーズ揃いという事もあり、ブライガー・バクシンガー・サスライガーの話がごちゃ混ぜになって後半の外宇宙のメインストーリーの中心となる。

さらにオリジナルもでしゃばり過ぎない。

しかし、一部の参戦作品がかなり原作寄りの悪い結末を迎えるのもある。特に終盤とある人の離脱が原因で戦力が下がってしまう銀河烈風の皆さんは泣いていい。

  • 難易度
敵の攻撃力・命中率共にやや高めだが、部位ダメージ制によりそれほど問題にはなっていないが、とにかく増援が多い、かなり多い。特にネオゲッター加入回のネームドの多さ・初のビグ・ザム戦の敵ユニットの多さに驚いた人も少なくはないだろう。さらにXOでは一部の敵ユニットや戦艦が精神コマンド「信頼」を使い、他の敵ユニットの体力を回復してくるので少し厄介になっている。
外宇宙突入後は色んなスーパー系が加入するので戦力がガッツリ増える分、それまではサイズ差故に火力が足りなくなる事もしばしば。その為、互いに援護・防御出来るように固まって動くのが基本となる。

  • システム
部位ダメージ制は攻略するのにテンポが悪くなるからか、受け入れられたとは言い難く、このシステムを取り入れたのは本作のみとなってしまった。
捕獲も手間がかかることから、同様に本作のみのシステムとなった。



追記・修正はファミコンミニ版『第2次』を入手できた方にお願いします。

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最終更新:2025年04月13日 16:23

*1 OVA版の機体を無許可で出してしまっていたためと言われているが、真偽は不明。