登録日:2012/04/18 Wed 21:00:50
更新日:2025/03/23 Sun 10:35:50
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食わず嫌いとは、食べ物の味以外の要素(見た目や香り等)や、先に抱いてしまったネガティブなイメージにより、
そのものを味わう事なく「嫌い」と判断してしまう現象である。
食に対する経験に乏しい子供が示す事が多いが、大人であっても未知の食べ物に対しては食わず嫌いをしてしまう事はままある。
なお、一度でも味わった上で「嫌い」と断じたものや、なにかしらの
トラウマにより嫌いとなった食べ物に対しては「食わず嫌い」は適用されない。
だって一応食べてるからね。
なので、「とんねるずのみなさんのおかげでした。」の「食わず嫌い王決定戦」は本来は「好き嫌い王決定戦」とでもいうべきもののはずで、
ゲストとして出演した関根勤に「意味が間違ってるよ」と実際に突っ込まれたことがある。
なお、当人が信仰する宗教の戒律として禁止されている食べ物を食べないことは「食わず嫌い」は勿論「嫌い」でもない。
日本ではあまりなじみがないため実感が湧きにくいかもしれないが、他人の宗教を無視した食品を食わせることは決していたずらで済まされない行為であり、絶対に慎まなければならない。
刑務所ですら、
暴動になりかねないため宗教に応じた食事を出す所もあるのだ。
■食わず嫌いされやすい食べ物
◆発酵食品
納豆やくさやなど。発酵した食べ物独特の香りは鼻につきやすい……というよりこれらは匂いそのものも純粋に強い。
特に納豆は関東の方では比較的抵抗なく食べている人が多いが、それ以外の地方では嫌悪する人も多い(人口の多いところではその分抵抗なく食べる人も多い)。
外国人でも日本人でも嫌がる人が多い食べ物の定番。
ちなみに納豆やくさやは好きでも、
シュールストレミングなど世界各地の発酵食品については……というケースも多い。
例えば
美味しんぼではリヴァロ(チーズ)とくさやを貶し合う日本人とフランス人を中国人が「どちらも肥溜めの臭い」と笑い飛ばして仲裁する場面がある。
◆熱々の料理
ラーメンや
グラタンなど。いわゆる猫舌で熱いため口に入れにくいことや、熱への恐怖心などが原因。
啜って食べることをせずにスプーンを使ってマイペースに食べる傾向が見られる欧米人に多い。日本も都市部にいけばそれなりに嫌いな人もいる。
熱々の料理や飲み物は口腔や消化器に負担をかけるという指摘もあり、リスク管理の一環と言えるかもしれない。
もし食べる機会があれば火傷しないように気をつけて食べるのが望ましい。味に問題がないのであれば冷ますのも一つの手だろう。
猫舌でない人は
ハフハフして食べる傾向があり、この食べ方を見習うと良い。
◆生の食品
魚や肉の
刺身や
生卵など。生の食品は病原菌が付着している可能性があるため、衛生面への不安が原因。味が原因の場合も。
生ガキなんかはノロウイルスのイメージが付きまとい、どうしても…という人も。
海外の多くの国は魚や卵を生食する習慣が無いため外国人に多い。
というか海外では魚や卵が生食される前提の衛生管理ではないため、
食わず嫌いというか食べたら最悪死ぬケースもあり、外国人の忌避感も当然かもしれない。
主なケースでは食わず嫌いというよりリスク管理の一環ともいえる。
◆野菜類
緑色の強い
ピーマンや
ホウレン草などが特に食わず嫌いされやすいが、これは、緑=味覚感が無い、苦味を連想させるなどの理由から。
その他、
ニンジンや
グリーンピースなども青臭い匂いからその対象になりやすい。
また品種特有の特徴もしくは熟成によって黒か茶色がかった色のものを腐敗を連想して避けるケースもある(これは果物類にも当てはまる)。
オレンジ色のカリフラワーや縞模様のナスなど好きな野菜でも見慣れない色や模様のものは病気を連想して敬遠するケースもある。
◆肉類
メジャーな牛・
豚・鶏以外の動物の肉は馴染みがないということで食わず嫌いされやすい。ジビエ肉である猪・熊・
ウサギや畜産肉でも羊肉は独特の匂いから好みが分かれるがまだ平気な人は多い。
ワニ・サル・
カンガルーなど「食肉」のイメージがないもの、
犬・
猫など愛玩動物としてのイメージが強いものはとりわけ忌避する人が多い。
馬は日本で食肉としてもメジャーながら国内海外問わず人類の相棒として忌避する人・地域も多い。
一口サイズならアリだが丸焼きや頭部丸ごとといった元の動物の姿が分かる状態はムリ…というケースもある。
また動物の種類を問わずレバーなど
内臓肉も対象になりやすい。
◆虫食
ハチノコやイナゴなど。
見た目の
グロテスクさや元々虫が嫌い等の理由で忌避する人は多い。
普段馴染みの無い食べ物なので、仕方ないとも言えるだろう。
何でもそうだが味付けや大きさなどに左右されるところも大きい。
◆奇抜な色の食品
美和子スペシャルを見た視聴者は真っ先に
ピンクに薄紫を混ぜたような色の汁に戦慄したことだろう。見慣れた食品由来ではない得体のしれない色の料理は味の不安から避けられがちである。
日本人だとアメリカのビビッドカラーなお菓子やジュースを苦手に感じる人もいる。イチゴ味なのに黄色など味と色のイメージが結び付かないものも対象になりやすい。
実際、人間は色によって食欲が増進・減退する研究結果が出ているため、色が食わず嫌いの原因になることは当然のことだろう。
◆異色のコラボ
ちびまる子ちゃんではまる子が手っ取り早く体調不良になるために刺身に生クリーム、コンビーフのチョコレートがけを想像する場面がある。単品では平気な食べ物でもジャンルが違うもの同士を組み合わせると味の不安から避けられがちなケースがある。
代表的なのはおかず(のイメージの食品)とお菓子(のイメージの食品)の組み合わせ。おかず系の
クレープや
パンケーキは本国では当たり前にあり、日本にも普及して大分経つが、抵抗のある人はいまだ多い。一方で欧米人は豆=おかずオンリー食材のイメージがあるためアジアの豆を甘く煮たお菓子に抵抗がある人が多い。
他には和食にトマト、洋食に納豆、エスニックに煮干しなど食文化の異なる(イメージの)食品と味付けの組み合わせも対象になりやすい。
◆他人の手料理
自分や家族の作ったもの以外の料理が無理という人もいる。レストランの料理、スーパーの総菜、屋台の料理など。衛生面や味、混入物への不安が原因。
特に多いのは素人(特に知らない人、親しくない人、嫌悪を抱いている人)の手料理。どんなに親しい相手でも素手で握ったおにぎりを食べられない人もいる。
市販の食品でも添加物や産地によっては忌避するケースも。
一通り見て何となくわかる方も多いと思われるが、食わず嫌いされやすい食べ物は逆に好奇心から積極的に食べようとする者も多い。
■克服するには
あまりにも多様な食べ物に対して食わず嫌いをしてしまうと栄養が偏る他、時に社会生活にも支障を来してしまう。
会食で出された・相手から薦められた料理を渋り続けると相手や雰囲気を損ねかねないし、上司や取引先との業務の延長レベルの会食の場合、最悪あなたの人事評価や取引関係自体に取り返しのつかない溝を作ってしまったりすることも。
長期間の食わず嫌いだと、見ただけで
吐き気を催したりもしてしまうほどに症状が悪化したりもしてしまうが、
本人の意思さえあれば案外なんとかなるのが食わず嫌いである。
自ら克服を志すなら他の食物と組み合わせたりするなどの工夫をし、段階的に慣れていこう。
逆に、他人の食わず嫌いを直すには、無理強いをしてはいけない。
ますます拒否するようになる。
特定食品の食わず嫌いどころか人との食事全般が怖くなって社会生活に支障を来たしてしまう会食恐怖症になってしまう可能性だってあるのだ。
同年代の者ならばじっくりと相談した上で説得し、その上で工夫を考えよう。
子供ならば、「栄養があるんだよ」「お野菜さんが食べてほしいって言ってるよ」など、楽しく食べる方向にもっていったり、好きな料理に混ぜたりしてみよう。
ドヤ顔で「じゃあサプリとか別の食材でその栄養とるからいいやw」「植物として生きてる以上食われたい訳ないたろjk」などとませた口を利いてきた場合は
それ相応にあたろう。
■無理な克服も考え物
確かに、食わず嫌いと言う現象はいいことではない。しかし、それを無理に直そうとするのも考え物だ。
食わず嫌いのせいで栄養が偏ってしまうことはあるが、食材の一つや二つ食えなかっただけで不健康になるほど、人間の身体はやわではない。
野菜が大半食べられないとかいうものでなければ、健康的には殊更問題視する必要もないのである。
特に熱い飲食物や発酵食品、虫などは全般的に食べられなかったとしても、よほど困窮した状況でなければ問題にはならない。
前者の場合は下手に食べると火傷する危険性もあり、過熱によるビタミン不足による胃癌や美容の悪化なども弊害も現れる。
まず、食わず嫌いと『本当に嫌い』や『
アレルギー』『不耐症』は完全に別モノである。
特にアレルギーの場合、単なる食わず嫌いだと思い込んで相手に食べることを無理強いさせてしまうと、最悪の場合
重篤なアナフィラキシーショックでその人の人生が終わります。
というか、あなた自身の人生設計も崩壊します。下手しなくても傷害致死罪や殺人罪に問われます。
アレルギーに関する知識も幅広くなっている中、「
アレルギーで死ぬとは思わなかった」という弁解が裁判所で通用する可能性は低い。
アレルギーは好き嫌いの延長ではなく、生死に関わる身体の拒否反応なので、
人殺しの十字架を背負わない為にもよく理解しておこう。
本人は嫌いだから食べないのではなく、それどころか食べたくても食べられないのだ。
しかも生まれつきではなく後発で
アレルギーを発症する事もあり、ある日突然好物がアレルゲンになり食べられなくなる苦しみは筆舌に尽くしがたい。
特に
アレルギーに対してろくな知識のない年輩の方たちは、
「好き嫌いの免罪符にしたいんだろうがそうはさせん!」だの「それじゃあ社会人としてダメだ」などと
本気でのたまって無理矢理食べさせようとしたり、挙げ句密かに混ぜ込んで食わせようとする事があるので、
そういう現場に出くわしたらどれほど上の立場が相手だろうと
力ずくでも止めよう。
逆に単なる好き嫌いならば、栄養が偏るレベルであるなら身体のことを考えて食べさせてやるのも思いやり。
その場合は、無理強いせずにその人に合ったペースで克服してもらおう。
ただし、口に入れただけで反射的に吐いたりするようなレベルのものの場合はよしておこう。こちらも無理に食べさせると本人がどう足掻いても嘔吐して食事の場そのものが台無しになったり、最悪嘔吐物が詰まって窒息しかねない。
必要がないならそっとしておくのもまた思いやりである。
反対に自分が食べられないから、世間一般では好かれてないからと言って、食わず嫌いの対象やそれを好む人を否定するのもよくない。
人には人の好みがあるし、地域には土地の文化があるのだ。
追記・修正は食わず嫌いを克服してからお願いします。
- 子供の頃好物だったのが、大人になると嫌いになると言う逆パターンもある、海老とか… -- 名無しさん (2014-02-06 17:56:56)
- ↑子供の頃は先入観が無いから何とかイケたが、大人になると見た目で駄目だ。イナゴ。 -- 名無しさん (2014-08-28 15:48:54)
- ホタテの甘さがダメになった -- 名無しさん (2014-08-28 16:08:27)
- とんねるずのあの企画は、意味を間違って使ってるよね -- 名無しさん (2014-08-28 16:22:17)
- しいたけが最近怖い -- 名無しさん (2016-07-24 10:34:24)
- 野菜がほぼ食べられないし、野菜がほぼ嫌いで(食べたことはある)、食べてもすぐ吐いちゃう奴はどうすべきなんだろう。いや俺のことなんだけど -- 名無しさん (2017-08-18 16:58:40)
- ↑必要な栄養を別ルートで取るしかないんじゃないかな…栄養剤にせよ野菜ジュースにせよバランスはすごい難しくなりそうだけど。病院に相談するのもアリだと思う -- 名無しさん (2017-08-18 17:09:07)
- 好きで嫌いになってるわけじゃないんだよ。 -- 名無しさん (2017-08-23 06:30:38)
- 食わず嫌いなのに他人が食べてるもので人格否定までされるのもまたたまにある事例。「自分は無理」だけで感想止めればいいのになぁ -- 名無しさん (2017-09-02 19:08:22)
- 野菜は食えないことないけど、きゅうりはどうしても無理だった。あの苦味かしゃきしゃき感がだめっぽい -- 名無しさん (2017-09-02 19:56:30)
- 食った上で嫌いなのに、食わず嫌いと言われるのは結構イラつく -- 名無しさん (2019-01-17 04:58:34)
- 昔よく見た、(食べられる人が食べてから)「ほら、こんなにおいしいじゃないか」っていうのが今でも心底腹が立ってしょうがない。そう感じられないから嫌いなんだってわかんないかなぁと思う。逆に克服できるきっかけって(あくまで個人の感想だが)「周りの友達が普通に食べてたりするのに感化される」とか「好きなキャラクターがおいしそうに食べてるのを見る(食べろと訴えかけない。これ大事)」だったりした。 -- 名無しさん (2019-11-14 00:11:57)
- 食わず嫌いのコメント欄なのに好き嫌いの話ばっかりで草 -- 名無しさん (2019-11-14 06:56:01)
- 違反コメントを削除しました -- 名無しさん (2019-11-17 10:34:14)
- 編集競合が発生しています。編集時のルールを再読の上、”ご自分で”修正してください。 -- 名無しさん (2021-11-08 13:00:45)
最終更新:2025年03月23日 10:35