ほうれん草

登録日:2011/11/11 Fri 15:18:40
更新日:2025/03/24 Mon 09:04:55
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助けて〜! ポパイ〜!!


待ってろ〜! オリーブ!!



ホウレンソウ(ほうれん草)とは、ヒユ科アカザ亜科の植物であり、日本人のよく食べる野菜の一種。
原産地はペルシアであり、シルクロードを通り、日本に伝わってきた。
全て漢字で書くと「菠薐草」。「菠薐」はネパールの地名に由来するとされる。
英語だと“Spinach(スピナッチ)”。


目次


■概要

葉が丸みを帯びた西洋種と、鋭い切れ込みの東洋種が存在し、日本に先に定着したのは東洋種の方。
ただし戦後の品種改良により西洋種の栽培も進められるようになり、近年では西洋種と東洋種の一代雑種が人気を集めている。

本来の旬は冬だが、現代ではビニールハウス栽培により、年中食べられる。
しかし、季節を外れたものは値段も高く、味も劣るので、やはり旬の時に食したい。
足が速い野菜で収穫後数日でダメになってしまうが、茹でて冷凍することで長期保存が可能なため、冷食コーナーでもよく見かける。

アクが強いので火を通して食べるのが普通だが、若芽のものはサラダにも出来る。
また、品種改良でシュウ酸含有量を減少させた生食用のサラダホウレンソウも出回っている。

苦味のある野菜だが、不思議と子供の嫌いなものにあげられる事は少ない。

ビタミンCやカロテンなどの栄養価も豊富。
これらは特に根の赤い部分に含まれるので、残さず食べたいところ。
特に鉄分が豊富なことでよく知られる。

その豊富な栄養からか、ポパイやほうれんそうマンなど、ほうれん草を食べてパワーアップするヒーローもいる程。
ただしシュウ酸が多いので、尿管結石などの人は却って身体を悪くするので薦めない様に。

日本での主な産地は、千葉県埼玉県群馬県宮崎県等。
世界では中国がぶっちぎりの主要生産国だが、実は日本も上位だったりする。

余談だが…仮面ライダーオーズガタキリバコンボは、ネタでほうれん草呼ばわりされた事がある。


■主な調理法

ステーキなどの添え物などにもなる。
下茹でなどは特にせず、そのままバターで炒める。
単独でもいいが、ベーコン、卵、コーンなどと合わせると彩りも良く子供受けもいい。

  • おひたし
おひたしの定番。茹でて、出汁醤油につけて食べよう。
すりごまをかけるとさらにウマい。水気を絞るのを忘れずに。
サイドメニューの王者。

  • 和えもの
サイドメニューならこれも外せない。
代表格のごま和えはほうれん草を茹でて、砂糖と醤油とすりごまで和える。入れる直前に胡麻を擦ると香りが段違い。
ピーナッツ和え、白和え、マヨネーズ和えもまた美味。
チーズとオリーブオイルで洋風にしたり、ごま油を入れればナムルにも。

  • サラダ
若芽やサラダホウレンソウは、ドレッシングをかけてサラダにも出来る。
程よい苦味とアクが癖になる味わい。

  • キッシュ
タルトやパイ生地に卵と生クリームのソースと具材を流し込み、チーズをのせて焼いたフランスの郷土料理。
卵とも生クリームともチーズとも相性がよく色も映えるほうれん草はキッシュの定番具材。

ほうれん草単独で作られることはまずなく、鶏肉・ジャガイモ等とセットのパターンが多い。
だがほうれん草の緑がホワイトソースの白に映えるコントラストは美しく食欲をそそる。
味の面でもほうれん草と牛乳・ホワイトソースの相性は抜群ゆえにクリームシチュー、クリーム煮にしても美味しい。冬に身体をポカポカ温めてくれる。

  • ボラニ
ほうれん草の原産地であるイランの料理。ボラニとはヨーグルト和えのこと。
茹でて細かく切ったほうれん草を無糖ヨーグルトと混ぜて塩で味を調整したもの。刻んで炒めたタマネギやニンニクを入れることも。
アフガニスタン、トルコ、ロシアにも似た料理がある。

インドでは、ペースト状にした物を具として使う。
インド料理店などでは「サグカレー」などの名前でメニューに載っていることが多い。*1

  • クリームスピナッチ
アメリカの副菜。肉料理の付け合わせとしてステーキハウスでも家庭でも定番。
ほうれん草をホワイトソースで和えたものでチーズを入れたりオーブン焼きすることもある。

塩辛い汁と共に頂くことで甘さが際立つ。
ほうれん草は癖の無い野菜なので中華スープ、青汁ポタージュなど世界各地でスープの具として人気であり、乾燥野菜の普及によりインスタントスープの具としても定番となっている。

  • 離乳食
栄養豊富で離乳食初期(生後5ヶ月~)から食べられるということで、離乳食に選ばれることが多い。
ただし初期は葉先だけをすりつぶして与えること。

  • 生地
パン、うどん、パスタ、ニョッキ、ケーキ、白玉団子など生地にほうれん草を練り込んだ生地は多い。
緑色の美しい生地で見た目にも楽しめる。特にチーズや生クリームなど白い食材とのコントラストは美しい。
野菜を美味しく食べられるため小さい子どもや野菜嫌いの家族を持つ主婦/主夫にもありがたい。


■余談

日本においては「報告・連絡・相談」を指して「ほうれんそう(報連相)」という語句があり、それに加えて上司が守るべき要素を加えた『ほうれんそう(報連相)のお浸し(おひたし)』という概念もある。
そして、『おひたし』が意味するのは以下の通り
語句 意味
怒らない
否定しない
助ける
支持する


「ほうれん草を食べてパワーアップする」事で有名なキャラクターといえばポパイだが、登場初期の頃はキャベツを食べてパワーアップしていた。
また、ほうれん草が缶詰入りなのも「ポパイが携帯できるように」と設定されたもので、その頃にまだ市場には「ほうれん草の缶詰」という商品は実在していなかった。



追記・修正は、ほうれん草を食べてパワーアップしてからお願いします。

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最終更新:2025年03月24日 09:04

*1 厳密には「サグ」は青菜全般(特に菜の花やからし菜)を指す言葉で、ほうれん草自体は「パラク」。