虫食

登録日:2011/11/27(日) 23:03:40
更新日:2021/05/09 Sun 03:59:51
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虫食とは、昆虫類を食する文化である。「昆虫食」とも呼ばれる。
主に、幼虫やサナギが食べられる事が多いが、卵や成虫等も食される。
問題文などで一部が隠されて出てくる虫食いや、ネズミのスタンド使いについてはここでは取り扱わない。

古くは、古代中国の文献に、ツムギアリの卵の塩辛の記載があったり、古代ローマにセミやクワガタの幼虫を食べていた記録等もある。
現代でも、東南アジアに行けば、食材として市場に普通に虫類が並べられている。
また、日本でも、イナゴやハチノコ、ざざむし(水生昆虫の幼虫)等が食されている。

現代人の感覚では、これらはゲテモノに分類されるが、昆虫類は良質なたんぱく質等を多く含む栄養食品である。
かつては貧困の象徴であるかのように見られていたが、現在、栄養分だけでなく、食味を含めて、見直されつつある分野であり、愛好家も意外に多い。

ただし穀物と比較すると 収穫できる時期や条件が限定されるくせに常温で保存できる期間が短すぎる
(米なら10年くらい保管しても平気で食べられるが常温でそこまで持つ虫は少ない)
比較対象が生の魚や獣肉ならそれよりは長持ちするが、それでも生産量に劣る。
それが理由で「獲れる時期に獲れるだけ取っておいて飯の足しにする」「安定供給は期待しないが季節の珍味として求める」のレベルを越えないことが多い。
日本での昆虫食は上記の範疇を出ないことが多い。

それでも技術の進歩や既存の手法と異なる養殖手段の開発ができたことから
成長が早く、育成に必要なエネルギーも少なく、容易な生産手段を開発することでやがて来たる食糧危機への有効な対策になりうるとして研究が進んでいる。
2020年5月には、無印良品が徳島大学と連携し、コオロギを使ったせんべいを発売した。
新たなスタンダードになるのか、時代のあだ花で終わるのかは、今後の消費者の動向次第である。

なお 昆虫はエビやカニなどに近い節足動物であるため、それらに対してアレルギーを持つ人は注意
また、寄生虫や病原菌を保有している可能性もあるので、野生の虫を生食する事は控えた方が良い。


■主に食される虫達

◆イナゴ
稲を食べる害虫であるイナゴは、佃煮にして食べられる。
少々殻が固いがエビを思わせる味わいで、ザラメのシャリシャリ感もあり意外に美味。ザラメが入ってないものでも、小女子(こうなご)の佃煮に似ていて美味しい。
しかし、足のギザギザが気になってしまい嫌いになってしまう人もいる。
串焼きで豪快に食べる人もいる。
串焼きの方は「はだしのゲン」にも出ていた。
また、同じバッタのトノサマバッタも美味しいらしい。
ちなみにイナゴやバッタが大量発生して蝗害で作物や水を食いつぶされてる事例が時折発生する。
その虫を食えば?という人もいるがその手のバッタ類は日本で食べられるイナゴとは種類や成分が別物で 食えない
無理に食っても消化できる成分はごく僅かで胃腸に負担をかけてそのままうんち になって出てしまう。


◆蜂
オオスズメバチやクロスズメバチが食材として人気。
猛毒の蜂だが、幼虫の味わいに魅せられ、巣を探す事に執念を燃やす人々も大勢いる。その味わいは卵焼きに似ていると言う。
また、サナギや成虫も素揚げで食べられる。焼酎に浸ければ精力増進確実。
スズメバチの毒はタンパク質毒なので火を通せば無害化する。
あえて生のスズメバチをボリボリ食べて口内の傷などから血管内に毒を取り入れない限り心配は無用。


◆アリ
成虫は蟻酸と呼ばれる酸があるので食べられないが、ツムギアリの幼虫やサナギが、煮物等で食べられる。
オーストラリアではミツツボアリという腹に蜜をパンパンに貯めたアリがおり、アボリジニが最高のお菓子として愛食されている。
蜜と蟻酸がいい感じに混ざってレモンティーに近い味になるそうで。


◆セミ
成虫を焼いて粉にしたものは漢方にされる他、沖縄の一部では唐揚げ等でも食される。
また、中国では幼虫が土から掘り起こしてから調理されたりもする。味はエビに似ているとか。
しかしそれが知られたからか食用目的で乱獲される事例があり、食用での幼虫採りを禁止する場所も出てきた。
生態系への影響も懸念される上、夜中にセミの幼虫を求めて市街の公園を長時間彷徨う姿は完全に不審者。周囲の影響も鑑みて幼虫採りはほどほどに。
ちなみにジャイアンシチューでおなじみの抜け殻も漢方薬として使われる。


タガメ
池に住む獰猛なカメムシの仲間。東南アジアでは現在も市場に並ぶ。
ピリリとした、かなり上級者向けの味わい。
日本でも食べられていたらしいが、現在は絶滅危惧種である為入手困難。


◆カイコ
絹糸を取った後の蛹の部分が、煮たり揚げたりされて食される。
韓国ではポンテギと呼ばれ、スナック菓子の感覚で食べられる。
飼育の楽さと速さから宇宙食に使う計画もあるとか。


◆蛾
オーストラリアで、ジャイアントウッドモスの幼虫、ウィッチェッティグラブと呼ばれる巨大芋虫が、ソテーにされて食べられる。
味はトロリとして、子羊や子牛の脳ミソを思わせる、高級な味わい。
アフリカでも別の蛾の幼虫が『パニ』という名称で食される。
こちらはスーパーロボット大戦OGシリーズをプレイしたことがある方ならお馴染みの筈。



中国において、蚊の目玉のスープは珍重されている。
だがどうやって蚊の目玉なんか取り出すのか?
なんと蚊を食べたコウモリの糞から消化されなかった目玉を取り出すという。
中国の飽くなき食への探求心は凄い。


◆蠅・虻
主に幼虫(蛆虫)を食す。
飼育・繁殖が容易であり、高たんぱくの食材として注目を集めている。ヨーロッパにはチーズに湧いたものを食べる地域もある。
しかし不衛生なイメージも強く、実際問題として野生種に関しては注意が必要。


ゴキブリ
揚げて食べるのがメジャー。


◆甲虫類全般
幼虫や蛹は美味とされるが、腐葉土を食べる物は下処理が難しい。
成虫は揚げれば食える。
ゴミムシダマシ(ミールワーム)が飼育が容易な上に美味として人気が高い。
そのほかカミキリムシの幼虫も人気が高く美味とされ、ヤシオオオサゾウムシの幼虫はそれに匹敵するほどと言われる。


厳密には昆虫ではない虫

◆クモ
主に中国で食される。
大型のタランチュラが材料。
生きたまま食う人もいる。
カニのような味らしい。

キングスレイドの主人公であるカーセルの大好物であり、アニメ版では討伐した魔物の巨大クモに火を通して焼いた物を素手で解体して、嬉々とした表情で丸かじりするという、とんでもない事をやらかしている。
な、何という凄まじい青年なのだろうか…。

サソリ
わりかしポピュラー。
中国ではかつては高級食材としてありがたがられていた。
素揚げにしてそのままどうぞ。
カニみたいな味がするとかしないとか。
を心配する人でも大丈夫。
サソリの毒は神経毒なので経口摂取しても胃液で無効化され、更に人体にとても有益な成分へと変わる。
それ以前に殺人級に強い毒を有する種は実は全種類中3%未満しかいない。
ただし、舌や口内全域等に完治していない傷があるとそこから毒が神経に入り込んで危険なので気を付けよう。


◆ムカデ
漢方としても利用される。
海外では寄生虫に感染してる事例もあったので、生で食べるのは控えた方が良いだろう。


◆グソクムシ
深海に棲むダンゴムシの仲間。
素揚げで食べられることが多い。


◆タイノエ、アジノエ
魚の口に寄生しているダンゴムシの仲間。
やはり素揚げで食べられる。


ミミズ
タンパク質に優れるが、下処理が大変な上に風味も独特らしい。
飼育・繁殖が容易なので、食材としての注目度は高く、専用の牧場もある程。
なお、都市伝説で有名なミミズハンバーグは実際に作ると牛肉よりコスパが悪い。つまりデマである。


◆ゴカイ
ミミズと同じく環形動物のゴカイも独特な風味を持つが美味な種類もあるらしい。
ゴカイには毒がある種類もいる為、注意が必要。


◆ユムシ
上記2種と同じ環形動物であるが、食料としても知名度が高い。
韓国・中国・日本などでは出回っている地域がある。


昆虫食は、ハマると奥深く、楽しいものである。
今の食生活に物足りなさを感じたら、是非、ご一考を。




追記・修正は、イナゴの串焼きをかじりながらお願いします。

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最終更新:2021年05月09日 03:59