モビルバクゥ

登録日:2010/03/07 Sun 15:22:13
更新日:2025/01/07 Tue 18:29:44
所要時間:約 4 分で読めます





宇宙(そら)じゃどうだったか知らないがな!


地上(ここ)じゃこのバクゥが王者だ!


バクゥとは『機動戦士ガンダムSEEDシリーズ』に登場するモビルスーツ(MS)。


目次





バクゥ
BuCUE



基礎データ


型式番号:TMF/A-802
全高:11.07m(ターレット基部まで)
重量:69.3t
武装:
450mm2連装レールガン
400mm13連装ミサイルポッド
2連装ビームサーベル(後期型のみ)

パイロット:
ザフト一般兵
アンドリュー・バルトフェルド


機体解説


C.E.70から始まった地球連合・プラント間の第一次大戦前半にザフトが開発・運用した陸上戦闘用量産型MS。
地上戦に特化し、四本足を持つ完全な獣型MSというガンダムシリーズでも珍しいデザインが特徴。
頭部センサーは他の量産型ザフトMSと同じくモノアイカメラを採用しており、胴体からは左右にスラスター内蔵の翼が生えている。
一般機のメインカラーは藍色。

完全に非人型機体だが、『SEED』の世界では「MA」は宇宙戦闘機の発展型と定義されているため、これでも分類上はMAではなくMSである。


機体特性上の特徴はやはりその四脚による地上での安定性と機動力で、特に接地圧を分散させやすいことから砂漠などの不整地においても運動性能を発揮出来た。
また四脚の膝下には無限軌道機構が併設されており、単純な平面移動では無限軌道走行形態を主に使用した高速走行を行う。
戦闘時は四足獣形態(お犬様)と無限軌道形態を随時切り替えることで自由自在に動き回る。

背中ターレット部にレールガンあるいはミサイルランチャー、後期型は頭部に骨をくわえたような状態でビームサーベルを装備している。
マニピュレーターが無いため武装の選択・切り替えの手間や汎用性はジンなどの人型MSに劣るものの、無限軌道と四脚を活かし戦車などには不可能な凄まじい機動力を発揮。陸上では無類の強さを誇った。

一方、機動性確保や重量バランスの問題からコクピットがある胴体周辺の装甲が比較的薄く、そこを突かれると一撃で撃墜されてしまうこともあるなど弱点も存在した。


大戦前期の地上戦に向け他の機種と共に発表され、C.E.70年5月頃から主にアフリカ方面で活躍。
それまでは地上でなら戦車でも戦術や指揮次第でMSに勝つことができたが、この機体の登場によってそれも覆されたほどの性能を持つ。
当初はその独創的すぎる仕様から疑問視され、連合側は同時期に投入された重武装のザウートの方を警戒していたらしい。
しかし、いざ実戦が始まると火力はあっても動きの鈍いザウートは想定以上の脅威とはならず、
むしろ高い機動力を発揮するバクゥに連合の地上部隊は翻弄されてしまったというエピソードがある。

後に「ウィザード」規格への適合により旧式な機体ながら延命措置を受け、
C.E.73時点でもザフトの陸戦機体として第一戦を担った。



武装


  • 450mm2連装レールガン
背部ターレットに装備可能な武装の一つ。
本体の前後幅とほぼ同じ長さの砲身を有し、戦車の正面装甲を容易に貫通する威力の弾丸を発射する。
ターレット基部の可動部によって回転するため、高速走行中でも目標を捕捉しつつ射撃を行える。

  • 400mm13連装ミサイルポッド
背部ターレットに装備可能な武装の一つ。
大型のミサイルポッドで面制圧力に長ける。
作中では走行中の発射やジャンプ中に地上の敵に浴びせかけるよう放つなど、運動性に優れる本機らしい使い方をされていた。

  • 2連装ビームサーベル
後期型の頭部に装備されたビーム兵器。
ヘリオポリスで強奪したGAT-Xシリーズの技術を解析しその一部を組み込んだ物とされる。
マニピュレーターが無い本機でも扱えるよう固定式になっており、頭部の左右にビーム刃を形成し、主に高速走行中のすれ違いざまに目標を切り付ける形で使用される。



本編での活躍


◇『SEED』

劇中ではアフリカの砂漠に降りたアークエンジェルストライクガンダムにバルトフェルド隊のバクゥ部隊が襲いかかる形で登場。
砂漠に敵無しと言われたバクゥは、不慣れな地形と重力で思うように動けないストライクを追い込んでいった。
しかしキラ・ヤマトが行ったOS変更よって砂漠戦に対応し始めたストライクに圧倒されはじめ次々と撃破されていく。
ランチャーストライクによる蹴り上げからの零距離アグニは見物。

以降の戦闘でもキラが砂漠戦に馴れてきたこともあってストライクはバクゥを終始圧倒。
これを見ていたバルトフェルドがバクゥに乗り連携攻撃を仕掛けるが、SEED覚醒したキラの前に敗退した。
そしてバルトフェルド隊との決戦では、ストライクは隊長機であるラゴゥと戦う事になる。

バルトフェルド隊との戦闘後は暫く登場しないが、オペレーション・スピットブレイクなどに参加しており、連合の戦車部隊との戦闘などを行っている。


◇『SEED DESTINY

ザフト地上部隊の戦力として未だ現役で活躍中。
しかしローエングリンに消し飛ばされたりタンホイザーの余波の爆風で吹っ飛ばされたりとやや悲壮な場面も。
あとデストロイガンダムに攻撃が通じず、踏まれていた。中のパイロットも潰されてしまったに違いない……。


◇『SEED FREEDOM

冒頭のオルドリン自治区には配備されておらず、その後はザフト系地上軍が登場しない為、今回は出番なし……

バリエーション


●バルトフェルド専用改修タイプ

『SEED MSV』に登場。
ラゴゥの前身にあたる機体。複座式になっている他、頭部にサーベルファングを追加し近接攻撃力を上げている。
後にとあるジャンク屋の手に渡り背面にクレーンを取り付けて宇宙空間での運用を可能にされている。


●バクゥ戦術偵察タイプ

型式番号:TMF/TR-2
武装:
2連装ビームサーベル
2連装火砲
備考:アクティブステルス機能

『SEED MSV』に登場。
頭部の光学センサーや背面の対空用レドームが特徴。
レーダー波に対して高いステルス性を誇る。
主に単独偵察や部隊に随行しての威力偵察等の特殊任務を想定してるが、実際の参加任務は不明。

機動戦士ガンダムSEED ASTRAY -RED FRAME-』では、撃墜されたらしいこの機体の頭部がジャンクパーツオークションに出されており、気に入ったロウが落札。
その後この頭部パーツをグローブように腕にはめ込むレッドフレームの武装として使用した。
装備されていたビームサーベルはアストレイ自身の物より電力消費が低いらしい。
なお頭部のメモリーには偵察時に撮影されたと思しきソードカラミティの映像データが入っていた。


バクゥハウンド

C.E.73 STARGAZER』に登場した改修強化型。
『SEED DESTINY』では半ば旧式化していたバクゥだったがユニウス条約によって後継機の開発が難しくなったため、延命措置として改修されたのがこのタイプ。
ミレニアムシリーズと共通のウィザード用コネクタを増設され汎用性が高いが、機体特性からケルベロスウィザードとの相性が一番良く専ら同装備で登場。
そのため大抵は「ケルベロスバクゥハウンド」として言及される。


関連機体


ラゴゥ

『SEED』に登場。バクゥから発展して開発された上位機種。
大型化し、背中の武装もビーム砲になっている
カラーリングはオレンジ。
劇中ではバルトフェルド搭乗機以外は登場していないが別に専用機という訳ではないらしく、『SEED DESTINY』では量産されている。
色もバルトフェルドのパーソナルカラーという訳では無く、一般機もオレンジである。


●ラゴゥハイマニューバ

機動戦士ガンダムSEED Re:』に登場。
翼のスラスターがジンハイマニューバのものになっており、スラスター自体にも火砲やビームサーベルが取り付けられたことで更に火力が増している。


ガイアガンダム

『SEED DESTINY』に登場。バクゥの血を継ぐ可変MS。
変形後の状態はパーツの増えた黒いバクゥ。ただし無限軌道は無い。
連合に強奪された後、ガイアのデータから変形機構を継承(ていうか丸パクリ)したワイルドダガーが作られている。



立体化


ガンプラ

SEED放映時に1/144コレクションシリーズで発売。その後、後継のハウンドに続く形でHG GUNDAM SEEDで発売。SEEDのキットでは後発な分、出来がいい。

以降は音沙汰が無かったが、SEEDリマスター版が公開の時期に上位種のラゴゥがHGでキット化された。

また、後に同じHGで発売されたガンダムアストレイレッドフレーム(フライトユニット装備)で、バクゥ偵察型の頭部がオマケとして立体化されている。



ゲーム作品での扱い


スーパーロボット大戦シリーズ

第3次α』にてSEEDのスパロボ初参戦に伴い初登場。
ビームサーベルがないが武装に「格闘」がある。
陸適応S、サイズSによる異常な高回避率でかなりの強敵となる。
おかげで「砂漠の虎は外宇宙の脅威に匹敵する」がシャレにならなくなってしまっている。



余談


  • 「モビルバクゥ」はガンプラとして発売する際に他の登録商標に引っかからないための名称で、劇中では「バクゥ」が正しい。

  • 本編初登場時のCGのバクゥはゾイドスタッフによる物。

  • メカデザイン担当の大河原先生の一番お気に入りのMSらしい。理由は「デザインしてて楽しいから」

  • 大河原先生のツイッターで公開された準備項では両腕が円筒型のミサイルポッド、キャタピラの付いた4本足型のごついMSと全く異なるデザインで描かれていた。





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最終更新:2025年01月07日 18:29

*1 ちなみに3Dモデルではなく作画で描かれている様子。

*2 なお待機状態では『SEED』および『SEED DESTINY』では見られなかった「主翼を折り畳む」姿もあり、外見こそ当時と大差ないが、機体内部の近代化改修や武装のアップデートが行われ続けていた可能性もある。