機動戦士ガンダムSEED FREEDOM

登録日:2024/02/11 Sun 00:17:00
更新日:2025/04/21 Mon 20:18:29
所要時間:約 118 分で読めます


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私の中にあなたはいます。


あなたの中に私はいますか?




機動戦士ガンダムS()FREEDOM(シードフリーダム)




『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』とは、2024年1月26日に公開された劇場アニメ作品。
制作はサンライズ、配給はバンダイナムコフィルムワークス、松竹。




【その前に、TVシリーズ終了から本作公開までの『SEED』シリーズをめぐる状況について】

長くなるが、何故ファンがこんなにも歓喜に沸いたのかについては本項の説明抜きには語れないのでご容赦を。

「21世紀のファーストガンダム」として製作された『機動戦士ガンダムSEED』とその続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に続く、コズミック・イラ世界の本家シリーズの最新弾、『"X" plosion GUNDAM SEED』が発表されたのは、『SEED DESTINY』終了から約半年後の2006年5月の事だった。
多くの新規ファンを獲得し商業的にも大成功を収めた事で一度は終了したガンダムというブランドは未だ健在と示した『SEED』の新たな企画、
劇場版機動戦士ガンダムSEED(仮)』の始動をガンダムエースやニュータイプ、アニメージュといったアニメ雑誌は大々的に報じ、『SEED』シリーズのファンは沸き立った。

……しかし、『"X" plosion GUNDAM SEED』の続報は程なく途絶え、スタッフから「劇場版の製作は続いてはいる」事を示唆するような情報が断片的に漏れ出るだけの、事実上の製作休止状況となる。
番外編に当たる『ASTRAY』シリーズは未だシリーズ展開が続いているにもかかわらず『劇場版SEED』の情報は無く、そればかりかまた新たな『ガンダム』シリーズである『00』、『AGE』、『Gレコ』、『鉄血』が登場し、更にはその『00』や『Gレコ』の劇場版まで先に製作・公開され、おまけに2016年には『SEED』の脚本を執筆していた両澤千晶氏の病死が報じられる。
一部の熱心なファンや『SEED』シリーズと関わりの深い西川貴教らは、いつか報われると信じて待つものの、多くの視聴者はともかく演者間でさえ『劇場版SEED』の企画は凍結されたか立ち消えになったという諦観が支配的となっていた。だが、公式から『劇場版SEED』の製作進行状況の最後の発表があった2009年から10年が経過した2019年後半、『SEED』メインシリーズのノベライズを手掛けていた後藤リウ氏に福田監督から話がかかった事で、事態は秘密裏に進行していたのだった。

転機となったのは2019年9月に行われた『ガンダム』シリーズ40周年記念イベント『GUNDAM 40th FES.“LIVE-BEYOND”』である。
西川氏はこのイベントの1日目の大トリとして登場、そのトークの中で同氏は『SEED』スタッフに状況がどうなっているのかを粘り強く訊ねた末、「動いています」というコメントを引き出した事を報告。
更に、イベント終了後の西川氏のツイートを引用する形で福田監督も「その想いに応えられるように、頑張ります。」とツイートし、『劇場版SEED』への期待が俄かに再燃して行く。
とはいえ、10年間何の音沙汰も無かったとあってこの時点ではファンの間でも「西川が言うなら」と「西川が言ってるだけだし」に分かれ、「期待せずに待っていよう」というような論調も少なからず見られるなど未だ半信半疑といった調子だった。

だが、2021年5月、上海に建った実物大フリーダム像の完成記念イベントの中で、SEEDシリーズの新企画『GUNDAM SEED PROJECT ignited』が発表され、
その中で本編テレビシリーズの続編として劇場版が製作中であると正式に発表され、いよいよファンは「その時」が来た事に歓喜した。

そして時は下り2023年7月、盛況の内に完結した『水星の魔女』最終回の直後、『劇場版SEED』は『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』と名を変え、翌年1月に公開される事とPV第一弾が発表された。
翌月には登場人物の設定画が公開されると共に主要登場人物の一人であるカガリの担当声優が変更される事が報じられたことでファン間には動揺が広がるも、同年12月には予告編が公開された。
そして2024年1月26日、遂に前年7月に発表された予定通りに劇場公開された。
『"X" plosion GUNDAM SEED』の発表から数えて実に約18年後の事であった。西川氏を始めSEEDのファンはデラーズ・フリートの6倍も待ったのである「許せ!」*1



【概要】

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の続編となる劇場作品。2024年1月26日に公開された。
監督は引き続き福田己津央が担当、脚本は故・両澤千晶と、その遺稿に手を加える形でSEEDシリーズの小説版を執筆していた後藤リウが担当する。
福田監督が得意とする敢えて具体的には語らず見せない描き方やダイナミックな画、両澤氏の容赦なく人の心を抉るドロドロの人物模様描写、各キャラの心情の補完に定評のあった後藤氏の作風、
そして前2作を通して描かれている「良かれ悪しかれ、言わなければ伝わらないし、言ったら伝わる」という普遍的テーマは20年近い時を経てなお健在しそれらが上手いこと組み合わさっている*2
機甲戦記ドラグナー』などの過去作へのオマージュも張り巡らされつつも、後半の圧倒的なパワーでぶん殴って来るかのような、
そして真面目にやっているのか笑わせに来ているのか、真面目である事自体が変な笑いを生んでいるのかという作風は最近の福田作品であるクロスアンジュ』の影響も強く窺わせる。
また過去に福田監督は「主役はキラとラクス」「テーマは『愛』」とする予定だったが一旦それを白紙にしたとも語っている。
しかし、本作は実際には当初の予定通りの作品となっており、デスティニープランを否定した後の時代の二人や、戦うキラとラクスを支え、対するファウンデーションに無いものとして「愛」は本作の重要なキーワードとなっている。

前作から20年近い時間が経って公開された本作だが、正式に映画の製作が再始動したことが報じられてもなお、
長い時間の中で再評価や再考察が進んで行ったとはいえ賛否の分かれがちな『SEED DESTINY』の続編である事や、カガリ役の進藤尚美氏の降板*3、テレビシリーズから変化した映像の質感及び画風や、またアスランが裏切ったりしないか、またニコルや桑島ボイスキャラが死ぬのかなど、期待と同時に不安の声も上がっていたが、
いざ公開されてみればSEEDシリーズらしさが本作でも健在であったり、懐かしい名前や物やSE、見覚えのあるカットシーン、意外な機体の再登場及び活躍などといった20年来の視聴者へのファンサービスに溢れ、各キャラクターやコズミック・イラ世界の更なる深掘り、後半から終盤にかけての非常に熱い怒涛の展開(と、映画館でなければ噴き出してしまいそうなワンシーン)は非常に好評を博しており、一種のお祭り作品として大きな話題になった。
特にリアルタイム世代の視聴者からは、「SEEDシリーズの作品がネットで話題になっているのに叩きコメントで荒れている様子が無い」「何の気兼ねもせず『SEED』に肯定的なコメントができる」事を感慨深く見る声も多い。
そして本作、世界観としては間違いなくドロドロなことに定評のあるC.E.ワールドなのだが、根底のテーマが普遍的なものである事を濁したりはぐらかしたりすることなく真正面から描ききっており、ストーリーの焦点もかなり絞られているためシリーズを深く履修していなくても楽しめるという意見も多くみられる。
結果的に、大衆向けでありつつも20年待っていたファンを唸らせる作品に仕上がっていると言える。

また、ガンダム作品らしく物販には通常のアクスタなどのキャラクターグッズの他にも本編にも登場する最新作や限定クリアカラーバージョンのガンプラも発売。
更に入場者特典として、第一週は脚本の後藤リウ書き下ろしの短編二種『月光のワルキューレ』or『二人の逃避行』とアーケードゲーム『アーセナルベース』用のカードが配布。(僅か1日で品切れになった)
+ 以降週が下るごとに以下の特典が配布された。
  • 第二週:キャラ&メカデザインの小冊子
  • 第三週:コマフィルム
  • 第四週:キャラ&メカスタンド、
  • 第五週:原画イラストカード
  • 第六週:たねきゃらステッカー
  • 第七週:特製ボールペン
  • 第八週:原画缶バッジ
  • 第九週:キャラクターIDカード
  • 第十週:描き下ろしスペシャルイラストカード/「二人の逃避行」(再配布)
  • 第十一週:原画イラストカード/「月光のワルキューレ」(再配布)
  • 第十二週:コマフィルム
  • 第十三週:コマフィルム(復刻ver)
  • 第十四週:セカンドキービジュアルイラストカード
  • 第十五週:47都道府県ご当地ビジュアルポストカード
  • 第十六週:特製フォトカードセット(キラのデスクに飾られた写真)
  • 第十七週:本作の後日談を描いたポストカード

更に公開から暫く経過した8月26日、Blu-ray対応の作画修正やエピローグカットを追加したバージョンアップ版が特別上映された。
≪第1弾≫9/20(金)-10/3(木)
≪第2弾≫11/1(金)-11/14(木)
Blu-ray発売後、サブスクによってNetflixのように修正前のものかAmazonプライムビデオのようにバージョンアップ版を扱っている場合がある*4



興行収入・評価

上映館数はシリーズでは異例の全国約350館規模となり、公開日0時からの最速上映や朝上映などに観客が殺到。
公開日から最初の3日間で動員人数63万人、興行収入10.6億円を記録、更に10日後には2024年最速で100万人を突破し動員人数121万人・収入19億円、2週間後には動員人数130万人と収入20億円を突破という大記録を打ち立てた。
そしてそれを記念してCGチームが途轍もなくカオスなお祝いミニムービーを制作した。
そして公開から18日後には動員人数163万人と収入26.8億円を突破し、特に興行収入は「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編」(1982年公開)の約23億円を約42年ぶりに更新して、歴代劇場版ガンダムシリーズの過去最高額を記録した
公開3週目明けとなる2月19日には興行収入が31億を突破。奇しくもこの日は両澤氏の命日であった。
さらに公開から丁度1ヵ月後の2月26日、興行収入が34.8億を突破。ちなみにこの記録により『ラブライブ!The School Idol Movie』の28.6億円を抜いて本作が松竹アニメ映画の興行収入第1位に輝く結果となった。
3月3日には応援上映が実施され、翌日には興行収入が37億円、観客動員が220万人を突破したことが発表された。更に3月1日~3月3日の週末興行収入ランキングで第3位に再浮上。
3月11日には興行収入が38.8億円、観客動員が230万人を突破。週末興行収入ランキングも引き続き3位を維持した。
公開から2か月目には観客動員が243万人、興行収入が41億円を突破した。それを記念してCGチームがまたもやアスランをオモチャにした。
全国公開が終了間近になった5月22日の時点で観客動員が288万人、興行収入が48.2億円を突破。松竹映画全体でもおくりびとに次ぐ歴代2位の記録となり、ガンダムシリーズとしても歴代最高額を記録したまま、有終の美を飾った。
それから約2週間後の6月8日にはNetflixとAmazonプライムビデオで配信が開始された。
サブスクでの配信後も本作の人気が根強かったのか、全国公開終了後から約4ヶ月経った9月に上映された特別版第1弾の数字も合わせると、観客動員300万人、興収50億円を記録した。
最終的な興行収入は53.8億円を記録し、2024年度のネット流行語100では年間大賞に選出された他関連単語が12個もランクインし、
第48回日本アカデミー賞ではガンダムシリーズでは初となる優秀アニメーション作品賞を受賞するという快挙を成し遂げた。



小説版

同名のノベライズ版も発売されており、著者は本作の脚本担当であり、かつて『SEED』『SEED DESTINY』のノベライズ版も担当した後藤リウ、表紙や挿絵は『SEED』などのノベライズで挿絵を担当し後に『敗栄』などのガンダム漫画も手掛けた小笠原智史。
基本的に映画に準拠しているのだが、これまでの『SEED』『SEED DESTINY』ノベライズ版と同じくアニメと小説で描写が異なる部分もある。
劇場公開から間もない1月30日に上巻が、下巻は同年3月26日に発売された。
上巻では映画では描かれていないアグネスとシュラのダンスシーンがあったり、下巻では映画ではモブとしての出番しかないカズイ・バスカークのモノローグ他、小説版独自の要素もある。



【テーマソング】

  • オープニングテーマ
「FREEDOM」西川貴教 with t.komuro(小室哲哉)

SEEDシリーズのOPや挿入歌を多く担当し、劇場版SEEDを熱望していた西川兄貴が本作のOPを担当する極めて自然な流れ。
……だが、今回はT.M.Revolutionではなく、初となる小室哲哉氏とのタッグが組まれた。
小室哲哉氏と言えばSEED放送期である90年末~2000年代前半に爆発的なヒットを連発した作曲家&音楽プロデューサーであると同時に、あのBEYOND THE TIMEを提供したという点では劇場版ガンダムシリーズとの関わりがある。
目標を見失い迷走しながらも希望を探すキラの心情をなぞるようなバラード調の楽曲になっており、これまでのSEEDシリーズの楽曲と大きく雰囲気が異なるため、公開当初は戸惑う声もあったが、劇中での使われ方は非常にスタイリッシュなものであったため現在では評価が高い。
後に本編の映像を使ったスペシャルMVも公開された。あの感動をもう一度観たい人に。ただし終盤のシーンも使われており、実質的には4分前後のスペシャルダイジェストと化しているのでできれば鑑賞後に見ることをお勧めする。
曲は聞いてみたいがネタバレはちょっと…という人はTHE FIRST TAKE版も公開されているのでそちらをどうぞ。

  • エンディングテーマ
「去り際のロマンティクス」See-Saw

こちらも「あんなに一緒だったのに」などSEEDシリーズのEDを多く手掛けたSee-Sawが担当。
実はユニットとしてのSee-Sawは2006年から活動休止(メンバーはそれぞれソロで活躍している)しており、本作はSee-Saw名義としては実に19年振りの新曲となる。
2019年、つまり劇場版SEEDのプロジェクトが極秘裏に再起動していたタイミングでライブ限定でSee-Sawが復活しており、もしかしたら伏線だったのかもしれない。
キラとアスランにフォーカスした「あんなに一緒だったのに」や、様々な組み合わせが想起される「君は僕に似ている」と比べ今回はラクスの心情に沿ったキラへのラブソングとなっているが、
本編終盤の展開の結果一部で「ロマンティクス」がそういう隠語扱いされていたり……こいつらロマンティクスしたんだ!

  • 挿入歌
「望郷」中島美嘉


  • オフィシャルサポーターソング(劇中未使用)
「Reborn」玉置成実

劇場版のプロモーションとして公開された新曲。ガンダム的には『F91』における「君を見つめて」的なポジションと考えればだいたいあってる。
これまで玉置氏がSEEDシリーズで手掛けてきた楽曲へのオマージュが散りばめられており、TVシリーズ本放送時からの「Believe」「Reason」「Realize」は勿論、スペシャルエディション初出の「Result」までも抑えた歌詞はファン必聴である。



【あらすじ】

二度目の大戦が終結し、当時のプラント議長ギルバート・デュランダルが提示した「デスティニープラン」が中止されてから1年が経ったC.E.75年。
大西洋連邦、プラント、オーブは共同で世界平和監視機構コンパスを設立、その初代総裁となったラクス・クラインの下、コンパスの一員となったキラやアークエンジェル、シンや元ミネルバクルー達は、未だブルーコスモスなどのテロが続く世界の治安維持に努めていた。
しかし、戦えど戦えど世界からは火種も憎しみの連鎖も絶えない事にキラはやりきれなさを覚え、その部下となったシンもキラは自分を信頼していないのではないかと思い悩む。
そんな中、ユーラシア連邦から独立した新興国家ファウンデーション王国が、ブルーコスモス系テロ組織のリーダー、ミケール大佐の逮捕に協力を申し出る。
ユーラシア連邦はコンパスに批准していないためその領内での活動はできないが、ファウンデーション首脳を交えた交渉の末にユーラシア連邦領内に決して進入しないという取り決めの上、
ユーラシア、ファウンデーション、コンパスの三者共同によるユーラシアとの国境間際の地域にてミケール逮捕作戦が開始される。
だが、全てはファウンデーションの罠だった……。
ファウンデーションの近衛部隊ブラックナイツによる精神干渉で心を乱されたキラは事前の協定を破ってユーラシア領内に進入してしまい、
「ユーラシアへの侵攻ではなくキラの独断行動である」という証明に向かうファウンデーション軍と防衛行動を取ったユーラシア軍の両方から集中攻撃を受けてしまう。
遂にはブラックナイツの別動隊がユーラシアの基地から戦術核ミサイルをファウンデーション首都に向けて発射させ、それを見たコンパスの仲間たちも口封じのために襲撃を受ける。
首都に残っていたルナマリアの懸命の迎撃も間に合わず、ファウンデーションは壊滅、キラ達も行方不明となった事で、
「キラ・ヤマトの突然の暴走が核の発射とファウンデーション壊滅を招いた」として大西洋連邦はコンパスを見限り離脱、ザフトもそれを匂わせる発言をして会談は打ち切られたことでそれに伴いコンパスの信用は失墜・活動も凍結してしまう。

ファウンデーションの真の目的……それは世界にデスティニープランを再施行させ、自分達がその世界を支配すること。
ラクスと共に宇宙に脱出したファウンデーション幹部達はユーラシア連邦に「核攻撃」の報復として甚大な被害を負わせると共に、5日以内の全世界でのデスティニープランの実行要求と、
それが受け入れられない場合の無差別攻撃、そしてラクスもまた自分達に賛同する同胞であると宣言する。
加えて、陰でプラントの過激派を煽ってクーデターを起こさせ、ファウンデーションの味方に付けていた。

命からがらオーブまで無事に逃げ延びたキラ達コンパスメンバーは、そこでようやくファウンデーションの正体とその陰謀を知る。
彼らの暴挙を止めるため、そしてラクスを取り戻すため、キラとコンパスは再び宇宙に上がる――。



【登場人物】

コンパス

CV:保志総一朗
無印からお馴染みの本作の主人公。階級はオーブ軍時代から引き続き准将。母艦はアークエンジェル……ではなく今回はミレニアム。
以前までは一パイロットとしてひたすら戦っていただけだが、本作では(良くも悪くも)自分の隊を指揮する軍人らしい様になっており、部下を率いて指示を出す場面や軍帽を着用する様子も。
小説版によれば、コンパスの総指揮官も務めているという。
その一方でテロを潰しても潰しても一向に終わりの見えない戦いや、復讐の連鎖を断ち切れない現実を前に精神が疲弊しつつあり、
「自分は何も守れてなどいないのではないか」「これではデュランダルの言った通りではないか、デスティニープランを受け入れた方がマシだったのではないか」と思い悩んでいる。
前作終盤の「覚悟はある……僕は戦う!」というデュランダルへの啖呵と決意は今や呪いと化して自分自身を蝕みつつあるのは想像に難くなく、
久々にラクスが待つ自宅に帰ってゆっくりできるという状況でも新兵器開発に勤しみ、艦長のコノエから帰らなくていいのかと声をかけるほど。
そうまでして戦っても変わらない現実と、急速にラクスに近付いて行くオルフェ、彼からの「キラではラクスに平和を与える事はできない」「その『血塗られた手』でラクスを抱けるのか」との言葉を前に、またしてもキラの精神は不安定になってゆく……。

前作ではそのあまりに泰然とし過ぎた様が「悟ったようになってしまった」と言われたキラだが、本作の描写と福田監督のコメントからあれは当時は精神的に壊れていたからだった事が判明*5
あの当時の姿は枯れたのでも悟ったのでもなくそうせざるを得なかったからそう見えるように振舞っていただけだったのである。
なまじそこから回復してしまった事で、本作のキラは『SEED』の頃の様に悩んだり落ち込んだり感情を思い切り吐き出したりといった非常に人間的な様子となっている。



CV:田中理恵
本作のヒロインにしてもう一人の主人公。コンパスの総裁を務める。よく見るとリボンの色が『SEED DESTINY』の頃は赤色だったのが本作では青色。キラ(フリーダム)の色に合わせたのだろうか。
その絶大なカリスマ性は本作でも健在であり、組織の代表として、平和の為に奔走する。
しかし互いに多忙の身故にキラとはすれ違い始めている事や、立場上キラを戦わせなければならない事に心を痛めている。
そんな状況でのアグネスからの(中傷同然の)非難やオルフェの猛烈なアプローチ攻撃とそれを悪く思えない事、そしてある理由でラクス自身が非情な決断をせざるを得なくなってしまった事に深く動揺するが……。

本作では離別した事が示唆されるだけで存在自体語られる機会が皆無だったラクスの母親があのヒビキ博士に伍するマッドサイエンティストである可能性が浮上、
彼女もまたキラ並みに出生に深い闇を抱えた存在だった事が判明するなど、そういった意味でも相当な災難に遭っている。とんだ似た者&お似合いカップルである。



  • トリィ
  • ブルー
どちらも鳥型のペットロボ。
トリィはアスランが作ったものだが、ブルーはキラの作で、本編以前にラクスに贈られたものである。
かつてプラントのクライン家の邸宅に青い鳥が遊びに来ていたのに着想を得たのか、ブルーはトリィの色違いであり、名前通りの青色。
トリィが「トリィ」と鳴くのと同様にブルーも「ブルー」と鳴く。



CV:三石琴乃
お馴染みガンダムシリーズの顔にして本作ではラクスのお友達。
本作でも相変わらず作中のキャラの気持ちの代弁や皮肉るようなセリフを発しながらやかましく飛び回っている。同じくアスラン作にしてキラのお友達であるトリィと戯れる場面も。
キラとラクスの邸宅には色違いが多数並んでいる他、一番のお気に入りのピンクちゃんはファウンデーション行きのミレニアム艦内にまで持ち込まれていた。
キラの為に細切りの海苔でラインを表現したハロ型おにぎりを作るなど、今でも変わらず気に入っている様子。
劇場作品向けの音響のパワーアップの影響か、それとも流石に時間が経ってガタが来始めたのか、今回はモーター音や駆動音がガシャガシャうるさくなった印象を受ける。

因みに、サンライズの上映前サウンドロゴは「転がって行き、飛び跳ねたアムロのハロがSUNRiSEの『i』の点になる」というものだが、
本作やその前に制作されたスペシャルエディションでは、SEEDに合わせてこのハロがピンクハロになっているという小ネタが仕込まれている。



CV:鈴村健一
前作『DESTINY』の主人公。キラ直属の部下の一人。階級は大尉。
前作の戦いでの敗北とキラとの和解を経た事で、オーブへの憎しみが解消され、前作のように不安定な精神状態の中で怒りと義務感で無理矢理闘志を奮い立たせる必要もなくなったためか、本作では憑き物が落ちたように快活で明るい性格になっている。
むしろこれが本来の彼の性根なのだろうと推察できるが、あまりに明る過ぎて視聴者から若干退行しかけてないかと心配されたりした
一方で飛来するミサイルをビームライフル3連射で立て続けに撃墜したりと、そのエースパイロット振りは健在どころか磨きがかかっている。
加えてキラへのリスペクトか、なるべく急所を外す戦いを心がけていたり、しっかり市民をシールドで守りながら戦ったりと、その卓越した技量は十分にベテランばりの風格さえも伴っているほどで、精神的にも随分成長した事が覗える。

未だブルーコスモスの無法振りや自殺同然のテロ行為をいつまでも続ける姿勢に苛立ちつつも、以前の剥き身のナイフのような過剰な攻撃性や不遜な態度は見られない。
とはいえ、キラを面と向かって馬鹿にされた時は思い切り不機嫌になる、終盤の戦闘中は荒武者そのものと、そのキレ芸は健在。
以前から語られていた通り今ではキラをよく慕っているが、キラは頑なに自分一人で最前線に立ち続ける事から「キラから信頼されていないのではないか」と悩み始めている。
そんな訳で、「普段は天真爛漫、慕う者にはよく懐くが、敵には激しく噛み付く」という姿は多くの視聴者からわんこに例えられる事になる。



CV:坂本真綾
キラ直属の部下の一人。階級は中尉。カタパルトで射出される直前にヘルメットのバイザーを下す癖は本作でも相変わらず。
前作ではシンとの関係は、「深く傷ついた者同士の傷の舐め合い」に近い不健全気味なものだったが、本作ではお互いに本当に惹かれ合っての恋人同士となっている。
ドラマCDによると前作の戦いの後シンは方々でのろけまくっているとの事である。
一方で、シンが相変わらず子供っぽい所にやきもきさせられる事も(と言ってもシンはまだ17歳、高校2~3年生相当なので、プラントでは成人年齢とはいえ老成しろという方が無理筋なのだが)。



CV:桑島法子
本作の新規キャラ。
キラ直属の部下の一人。階級は中尉。
ザフト時代は「月光のワルキューレ」の異名を持つエースで、アカデミー時代は同期のシンより成績が良かった。
一言で言えばおそらくは狙ったキャスティングであろう同じ声のフレイと、前作までのシンの悪い所を凝縮・複合させたような人柄。優れた容姿と腕前を誇るが、人格に難があるといわざるを得ない。
上を見ての通りSEEDシリーズでは常連の桑島法子氏担当のキャラである。
詳しくは項目を参照。


  • ヒルダ・ハーケン CV:根谷美智子
  • マーズ・シメオン CV:諏訪部順一
  • ヘルベルト・フォン・ラインハルト CV:楠大典
元SEED版黒い三連星達。本作でもヒルダ率いる「ハーケン隊」として行動している。階級はヒルダは少佐、2人は大尉。
主要キャラとの関わりがほとんど無かった前作とは異なり、本作ではマーズとヘルベルトはシンに怪談を話してからかう、
ヒルダはルナマリアにセクハラを働く(ヒルダはレズである)、ピンチのシンを助け出すなどシン達とよく絡んでいた。
三人はシンの事は「坊主」と呼ぶが、シンはそれを特に気にする様子はない。



  • アレクセイ・コノエ
CV:大塚芳忠
本作の新規キャラ。
ミレニアム艦長。階級は大佐。志願してコンパスに参加した。時々間違われるがココノエ艦長ではない
過去に様々なガンダム作品にて多くのキャラクターを演じた事もある芳忠氏のボイスが実に良く似合う温和な人物で、部下達からも信頼が篤い。以前は教師だったらしい。
疲弊気味ながら根を詰めすぎるキラを気遣う場面もあるなど、自身も部下をよく気にかける高潔な軍人である。
現プラント最高評議会議長であるラメントとは友人で、コンパスに参加したのは彼からの頼みによるところも大きい。

先の大戦では目立った戦果こそ挙げられてはいないものの、その的確な判断から自身の艦を損ねた事は一度も無く、コノエ艦長に付いて行けば生き残れると部下から信頼されていたとのこと。
冒頭の作戦行動時にも、敵方の戦力は中隊規模という報告に対し「現場からの報告なので多く見積るに越したことはない」と即断しており、そのリスクヘッジ能力を窺がわせている。
よく似た事を言われているアイツ声が似てるフルメタのほうのゲイツのようなイカレ野郎では断じてない



  • アーサー・トライン
CV:高橋広樹
ミレニアム副長。
かつてミネルバ副長を務めていた頃から引き続き黒服。階級は少佐。
相変わらず無駄にリアクションが大きかったり、つまらないダジャレで滑ったり、あまり大きい声で言うべきでない事を口走って自分で慌てたりと、不動の三枚目ポジション。
彼の代名詞である「えぇーっ!?」は今回も健在。というか顔が映る場面での第一声がそれだった。
コメディリリーフ的な役回りが目立つ残念な人。公式紹介文でも「いささか頼りない」とまで書かれてしまうほど。

しかしながら、当時最新鋭艦だったミネルバの副長を経て、その後継艦でやはり最新鋭艦となるミレニアムの副長に任命されており、信頼されている事は間違いない。
かつて敵対した間柄であっても私情を持ち込まず、分け隔てなく接するあたりムードメーカーの人柄とも言えるし、そうした緩衝材としての役割も期待されていたかもしれない。
実力で見ても、前作でも計器類のモニタリングや兵装の取り扱いなどで失策を働くことはなく、艦長のタリア不在時に何度かその職務を代行した際も的確に指示を出している。
本作でも緊急時にあって艦やクルーを守る為の指示は冷静かつ的確に行っており、やたらとリアクションが大きい点を除けば軍人・指揮官としては十分に有能と言える。

外伝であるドラマCD『選んじゃった未来』では亡きタリア・グラディスの遺児である危うくグレかけていたウィリアム・グラディスの後見人となっているが、映画本編では特にその事には触れられていない。新作ドラマCD『ノイマンの航海日誌』ではメイリンがその事に付いて少し話していた。



  • アビー・ウィンザー
CV:戸松遥
ミレニアムオペレーター。
前大戦の際、ミネルバから脱走したメイリンに代わってオペレーターを務めていた人物。
前作『DESTINY』ではヒルダと兼役で根谷氏が演じていたのだが、本作ではCVが変更されて独立した形になった。
語尾に「です」が付いてメカニックもできるどこぞの私設武装組織の戦況オペレーターではない。


  • アルバート・ハインライン
CV:福山潤
本作の新規キャラ。
ミレニアムクルーにしてコンパスの技術総責任者。階級は技術大尉。スカウターのようなモノクル型デバイスを常に着用している。
口調こそ丁寧なものの常に異常に早口で、しかもその早口で部下の無能振りを延々ブツブツ愚痴っていたり、「NJダズラー」なる研究中な筈のジャミング技術を敵が使って来た事態を前に納得の行かなさをこれまたブツブツ呟いたりする。
いかにもな「偏屈な技術者」だが、その卓越した技術力は「極めて優秀な技術者」との説明文に違わない。

「ハインライン」という名前で察せられるかもしれないが*14、実はフリーダム・ジャスティスの開発者の一人で、
自身の能力への自負故かプライドが高く、ラクスとコノエとキラを例外として、本心では他に誰も尊敬していないという人格に些か問題ありな人物だが、優秀過ぎて文句も言えないという扱いだったという。
しかし優秀である事は間違いなく、途轍もない新兵器をいくつも用意したりキラ達の行動を先読みしていたり敵の超兵器の弱点を正確に見抜いたりと大活躍している。
また説明から冷淡な性格なのかと思いきや、ルナマリアへの適切な指示*15などから分かる通り他人の命を軽んじているわけでもない。

そのあまりの頼り甲斐と馴染み振りから、
etc……と色々ネタにされており、早くも視聴者から人気を博していると共にスパロボでのルルーシュとの絡みが期待されている

というか、登場して日が浅い上に劇中でほぼ名前を呼ばれないせいか本名が広まっておらず、上映開始からしばらくはSNSの感想等でももっぱら「ルルーシュ」呼びされていた。そして完全に愛称として定着してしまっている。
実際、同じサンライズかつ時期の近いロボアニメという事で、ルルーシュが友情出演したかのようだという声もあり、彼の登場は概ね好評である。
ちなみに声を担当した福山氏は外伝である『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』のソル・リューネ・ランジュ、『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 ΔASTRAY』のアグニス・ブラーエの声をそれぞれ担当しており、本作でSEED本編シリーズへの登板となった。

ハインラインおよびコノエの声については、福田監督曰く「新キャラの説明に割く尺がないので、声だけで能力に説得力を持たせられる起用をした」とのこと。
つまり上記の視聴者からのリアクションは監督の想定通りということである。
そう考えるとSEED放映直後はもしくは少し弱気な若者役が多かった福山氏のイメージがこの20年変わったことを感じさせる。



CV:三石琴乃
アークエンジェル艦長。階級は大佐。白服。
元々は技術者だったはず*17が今やすっかり艦長職が板に付いており、今回技術者としての活躍はない。
キラの理解者の一人でもあり、アークエンジェルとは別チームとなった今なお彼を支えている。



CV:子安武人
アークエンジェル艦載機パイロット。階級は大佐。青服。
その飄々とした姿勢とそれに似合わない鋭い勘、卓越した操縦技能は今なお健在。何気に髪型は無印SEEDの頃と同じになっている。
シンからしてみれば2年前に敵対したネオ・ロアノークその人であるが、前日談であるドラマCDや今作でのやりとりを見るとわだかまりはなくなっているようだ(ムウの性格上正体を隠している可能性は低いため、どこかでカミングアウトしたのかもしれない)。
シンがシュラ・サーペンタインに剣術試合を挑まれたときは諌めるキラを制止し「…やらせてみろ」と言うが、シュラのサーベルがシンの喉元に突きつけられた時には、ムウは銃のホルスターに手をかけている
本作ではムラサメ改を乗機としており(専用カラーの類も施されていない)、ネオ時代以来久し振り、ムウとしては実にスカイグラスパー以来の量産機乗りとなっている。



  • アーノルド・ノイマン CV:千葉一伸
  • ダリダ・ローラハ・チャンドラII世 CV:鳥海勝美
  • コジロー・マードック CV:田中美央*19
お馴染みアークエンジェル操舵手&オペレーター&メカニック。階級はノイマンは大尉、チャンドラは中尉。
ガンダムシリーズ最高峰と名高いノイマンの超絶操艦は本作でも健在。
ファウンデーション入国時に着水するときに発生する水しぶきの量がミレニアムとアークエンジェルだとかなり違うなど、技量の違いはこう言った細かい描写からも窺える*20
Blu-ray Mighty Editionおよび特装限定版に収録された新作ドラマCD『ノイマンの航海日誌』ではアーノルド・ノイマンが主役に抜擢され、コンパスメンバー集結までのあれやこれやがノイマン達の視点で描かれている。



  • ヒメコ・ユリー
CV:白石晴香
ミリアリアに代わる新たなアークエンジェルのオペレーターの黒髪の女性。
なおヒメコ含め以下のアークエンジェルとミレニアムの新規クルーは公式サイトやパンフレットですら紹介されていない


  • ユウ・キリシマ
アークエンジェルの副操縦士の赤毛の男性。
何気にレアな役職に就いている*22


  • マーカス・マクダネル
ミレニアムの正操舵手。若い茶髪の男性。中尉。
映画本編では台詞も無いキャラクターだが、映画前半でミレニアムを操舵していたのは彼である。
歴戦の操舵手であるアーノルド・ノイマンと比べると着水一つとってもまだまだ技量に差があるが、ファウンデーション王国の魔の手から逃れミレニアムをオーブまで撤退されたのは彼の功績である。
なのにMX4Dで観賞した観客からは彼の着水時にすごく水しぶきを浴びたので「もっと精進しろ」と言われた。


  • ヒカル・ハヤテ
  • ドロシー・ブリストル
  • ジム・ライアー
  • オリビア・ラスカル
ミレニアムクルー。
上から順に、くすんだブロンドっぽい髪色の男性、黒人の女性、黒人の男性、栗毛の女性。
名前でインターネット検索しても『SEED FREEDOM』のキャラが全くヒットしないくらい作中での扱いは地味。


  • ジェミー・トンプソン
ミレニアムのオペレーター。金髪ショートの女性。
宇宙での戦闘開始直後に「超高速対艦ミサイル」の接近を報告したり、ラストシーンで感極まって飛び跳ねていたりなど、新ブリッジクルー勢の中では一際目立っている。


  • ヴィーノ・デュプレ
CV:(台詞無し)
オレンジの差し色ヘアーのミレニアムの整備士。
元ミネルバクルーで、シンやルナマリアの同期。
本作ではアグネスの取り巻きになっていた模様。全国行脚にもシンと共に登場している。
なお本作ではヨウランは居ません。やはり彼は…。


  • リオ・マオ
CV:鎌倉有那
ラクスの秘書官。女性。すっげぇ紛らわしいがスパロボの主人公ではない
前半は別段目立った活躍は無い。



オーブ連合首長国

CV:森なな子
オーブ代表首長。本作ではあくまで一国の指導者として裏方に回り、方々との調整に徹している。
コンパス設立の主導者であり、またいずれ後任となるべきトーヤの育成も行うなど、こちらも日々忙しくしている。

主要登場人物としては唯一担当声優が変更されているが、その理由については詳しい説明が無く、視聴者目線でもコジローやアビーとは違い変更する理由が特に見当たらないため詳細不明。



CV:石田彰
『SEED』、『DESTINY』ともう一人の主人公的な役割を張り続けてきたキラの親友にして元ザフト特務隊員、現オーブ軍一佐。
現在はキラ達とは別行動しており、オーブから秘密情報組織ターミナルに出向中で、メイリンと共に諜報活動を担っている。
初めて姿を現したのはファウンデーション王国郊外で、デモが鎮圧されるスラム街の様子を窺っている姿が見られたが……。

PVで見せた親父そっくりの異様に機嫌の悪そうな顔というかアスランという存在そのものから、情報公開直後から本作では何を見せてくれるのか、また裏切るのか主にネタ方向に期待が膨らんでいたが、
視聴者を待ち受けていたのは誰一人として予想だにしなかっただろう、あまりに驚きに満ちたものだった……。

本作の空気感は彼の登場を境に大きく変化する事となる。



CV:折笠富美子
同じく元ザフト、現ターミナル出向中のオーブ軍三尉。
髪型が大きく変化しており、前作のツインテールから一転、オールバックになっている。
優れた情報処理能力は相変わらずで、キラやアスランの活動を後方から支える。

前作のラストではアスランと一緒に居た事、今作でもアスランとセットで紹介された事から、アスランとカガリの関係はどうなったのかと一部のファンはやきもきさせられていたが、
本作にて他ならぬメイリンこそアスカガを最前列で楽しん……もとい見守っているという所に落ち着いた。



  • トーヤ・マシマ
CV:佐倉綾音
カガリの秘書。いずれ国政を担う者として今は見習いの身である。
14歳という年齢ながら中々賢い少年。
監督曰く「トーヤが独り立ちできるようになれば、アスランとカガリの仲がより進む」とのこと。


  • エリカ・シモンズ
CV:柳沢三千代
お馴染み地下に隠しているヤバいものを掘り起こしてくる事に定評のあるモルゲンレーテのエンジニア。
今回もやらかしてくれた。





ファウンデーション王国

女王アウラ・マハ・ハイバルが治める独立国家。
関連する登場人物や兵器群は関連項目を参照。


プラント

CV:関智一
ザフト参謀本部に勤務する、いわゆる情報将校。階級は中佐。



CV:笹沼晃
相変わらずイザークの相棒的存在。階級は大尉。制服も変わらず黒服。



CV:大本眞基子
本作でもイザークの部下を務めている。
台詞は「……っ!」のような声にならない一言のみだが、その一言の為に大本氏が呼ばれている
番外編で主役を務めた事すらあるSEEDファンには馴染み深い名物モブだが、日の浅い女性イザークファンからは「ぽっと出の女がイザークのお隣に!」とざわつかれる事態に。


  • ワルター・ド・ラメント
CV:藤真秀
プラント最高評議会議長。比較的穏健派寄り。
温和な壮年男性。
一方でジャガンナート中佐のような過激派の心情にも一定の理解と共感を示していた。
しかし中盤では……。



  • ハリ・ジャガンナート
CV:江頭宏哉
プラント国防委員長。ザフト軍中佐の地位を持つ。
二度の大戦を経ながらかなりの過激派で、コンパス総裁としてのラクスに対しても高圧的に接する。
序盤、シュラと極秘で面会している場面があるが、案の定クロである事が後に判明する。



  • エザリア・ジュール
CV:三石琴乃
イザークの母。
『SEED』の頃はザラ派青服議員だったが、本作では紫服になっている(出世・降格した訳ではない)。
以前はナチュラルに徹底抗戦を叫ぶ過激派だったが、パトリック・ザラの所業を間近で見たことと、イザークの成長で感じることがあったのか本作では穏健派寄りになっている様子。
イザーク(もしくはその隣のシホ?)を見つめ、イザークも見つめ返すという意味深な場面があるが、その真意は視聴者の想像に委ねられている。
福田監督によれば「息子もそろそろ結婚してほしいのだけど、もしかしてこの方が…?」という視線で、
イザークは「同僚にそういう視線を向けるな失礼だろう」という返しだったそうな。
定期的に発生するクーデターよりも、同性愛者疑惑を持たれている息子が良さそうな子連れてきてる方が母親的には重要なのだろう。
何気に特筆すべきはその手腕で、SEED終盤のクライン派によるクーデターで失脚したにもかかわらず議員内外に高い影響力を持っており*27
本劇中ではジャガンナートの突然のクーデターにありながら、冷静に、余裕をもってスムーズにプラント最高評議会議長を退避させており、
その上でのイザークとシホへのコレである。同時進行で仕事(?)をこなす様はクーデターされ慣れているまさに影の女傑




地球連合

  • フォスター
CV:日野由利加
C.E.75年時における大西洋連邦の大統領を務める女性。


ブルーコスモス

  • ミケール大佐
今や地球連合軍ですらなくなり、完全にテロ組織に堕した地球軍内ブルーコスモス過激派のリーダー。
その場に居らずとも名前を出すだけでザフト兵士を釣り出させ、味方兵士達にもスーサイドアタック同然のテロを起こさせるなどカリスマ性は高いことが窺える。
その危険性から国際指名手配を受けており、コンパスは彼の逮捕を目下の目標としている。



過去の人物

CV:池田秀一
かつてのプラント最高評議会議長で、デスティニープランの提唱者。
直接的な登場はないが、冒頭のナレーションは彼の語りから始まる。
デュランダルの提唱したデスティニープランを否定したキラであったが、彼の言葉は今でもキラの脳裏に蘇り、戦争が続く現状と共にキラの心身を追い詰める存在となっている。
また、本作で起こった事件の遠因にもなっている。
人材獲得や人心掌握については今作の人物がアレすぎるのもあって彼の手腕が再評価されることに。
なお冒頭で彼の死亡により「彼の」デスティニープランの野望は潰えた旨が語られているが、タリア・グラディスとの心中事件が世間からどう思われているかは一切語られていない。

メサイアでキラと対峙した際の台詞は池田氏による再録が行われている。






【用語】

舞台関連

  • コズミック・イラ(C.E.)
『SEEDシリーズ』の世界で使われている年号。
西暦の21世紀末に起こった再構築戦争を経て移行した。
『SEED』から本作までの舞台となるC.E.70年代にはプラントと地球連合による大戦が2度起こっている。
本作は前作から2年後のC.E.75が舞台となる。

遺伝子操作によって優れた能力を付与され生まれた人類の総称。
逆に遺伝子操作を受けていない人類は「ナチュラル」と呼ばれる。
C.E.の歴史の中で両者は衝突と混乱を繰り返しており、本作の時点でも未だその火種は燻っている。


国家関連

  • プラント
L5宙域に建設された天秤型スペースコロニー群によって構成されている国家。首都はアプリリウス1。
コーディネイターを中心とし、高い技術力と工業力を持つ。
嘗ては「ナチュラル滅ぶべし」のような過激派がトップにいた時期もあったが、
2度に渡る地球連合との大戦を経て、現在の最高評議会は中立・穏健派が主流となり、コンパスの設立で大西洋連邦やオーブと足並みを揃えるなど地球との協調路線に向かっている。
しかし、事実上の国軍であるザフト軍部内では戦後も度重なるブルーコスモスによる攻撃などで被害を受けていることなどから急進派の不満が高まっている。


地球の国家。南太平洋に位置し、首都はオロファト。
公にナチュラル・コーディネイターを問わず受け入れており、その技術力や大戦中の活動もあって小国ながら地球国家の中でも強い存在感を放っている。
前作までは中立という立場ながら何かと姿勢が中途半端な感が否めなかったが、本作では過去2度の大戦で蓄積されたノウハウを解放してトンデモメカを次々と繰り出し、いよいよ武装中立国としての本気度が発揮され始めている。オーブ驚異のメカニズム。
現在はコンパス、ターミナルの活動を支援している。


  • 大西洋連邦
地球の国家。北アメリカ大陸を中心とし、首都はワシントン。
地球連合の中心的な存在としてプラントとの2度の大戦を繰り広げた末に停戦。
大戦を主導していたブルーコスモス≒軍産複合体ロゴスも排斥されており、現在はプラントやオーブとの協調路線でコンパスの支援を行いブルーコスモス勢力への対処を委ねている。
ただし、プラントやオーブと違いMSや人員の提供はできておらず、コンパス内での存在感は薄め。


  • ユーラシア連邦
地球の国家。ユーラシア大陸北側からヨーロッパ地域で構成される。現在の首都はモスクワ*30
地球連合に参加したが2度の大戦で国土に被害を受け、国力は疲弊。
更にファウンデーション王国の独立宣言をきっかけに領土内の他地域でも独立に向けた動きが活発になる「ファウンデーション・ショック」もあり苦しい状況に置かれている。

コンパスには参加しておらず、その活動にも非協力的。
それも無理からぬ事で、親プラントだった時代からサイクロプスでの捨て駒やデストロイによる大虐殺など被害と混迷は作中随一。
大西洋連邦への深い怨恨と猜疑に加え、ブルーコスモスのせいだから~と今頃になってプラントやオーブと仲良くする大西洋連邦とその協力者の姿はユーラシア連邦からすれば気持ち悪さが尋常ではない
未だにブルコス残党の潜伏やテロが間近で起きている事も考えれば殺気立っているのも納得であろう。そりゃお前らいい加減にしろやこっちにくるんじゃねぇと言いたくもなる。
……だが、その結果毎作とばっちりを受けてきたユーラシア連邦にとって誇張抜きで最大級の被害を受けることとなってしまう…………。
ちなみにユーラシア連邦が深く関与する物語前半の脚本は両澤氏が生前書き上げたものであり、現実世界の公開年度である2024年で起こっているあれやこれやは無関係なはずである。


ユーラシア連邦から最近独立し、目覚ましい発展を遂げている新興国家。女王の声のせいで通称「ゆかり王国」。
国際的にはまだ認められておらず、ユーラシア連邦とも休戦状態と表立って喧嘩はしていないが、ファウンデーションに起因して各地で独立運動が頻発する「ファウンデーション・ショック」の対応に追われているため良くもない関係。
コンパスに対し、コンパス参加とそれによる国家としての国際的な承認を求めてミケール大佐の逮捕に協力を申し出たため、ミレニアムとアークエンジェルがかの地に降り立った事で物語は動き出す。

人種も年齢もナチュラルもコーディネイターも関係無く、優秀な人間を登用する方針を国策として取り入れており、短期間で国が豊かになったのもこのため。
女王アウラや宰相オルフェは「誰もが相応しい役割を果たせる、万人に平等で幸福な理想国家」の様に言っているが、一方で首都の近郊にはスラム街もあり、人心の荒んだ様子やそれを乱暴に鎮圧するなどキナ臭い一面も。
その実情については個別記事を参照。


組織・勢力

  • 世界平和監視機構コンパス
Compulsory Observational Making Peace Service.
エンブレムにも描かれている通り、「世界を平和に導く方位磁針(コンパス)」という事なのだろう。
カガリ主導の下、大西洋連邦とプラントとオーブの三国共同で設立され、スカンジナビア王国もオブザーバーとして参加する国際組織。
初代総裁はラクス・クライン。本部はプラントのアプリリウスに置かれている。
参加国から提供された最新鋭兵器を持ち階級制も敷かれている軍事組織であり、テロ事件発生に際してはすぐさま現地に駆け付け、テロ鎮圧と市民の守護の為に行動するいわゆる対テロ特殊部隊の類。
あるいは21世紀のロンド・べル、または国連公認のソレスタルビーイングといったところか。
以前にベルリンを襲ったデストロイにアークエンジェルが義勇兵として立ち向かったのを合法的に行えるようにした組織とも言える。
ただしあくまでコンパス批准国の同意によって活動が許された存在なので、コンパスに参加していない国家への無断の出動や活動は禁止されている。
こんな胡散臭そうな名前の組織全然腐敗していないどころか、世界に無くてはならない存在な辺りにコズミック・イラ世界の荒み具合が分かるとの声も。

主要メンバーはかつての三隻同盟とミネルバのクルーを始めとした各国の軍人で構成されており、他にも志願して参加する事もできる模様。
制服はザフトのものに似たデザインで、指揮官クラスは白、ザフトの赤服だった者は紅(ザフトレッドより更に深い色味)、一般メンバーは青と制服の色による区分も引き継がれている。
また指揮官クラス(ムウも着用しているので正確には佐官?)は白の軍帽、一般兵士は青のベレー帽を着用する(赤服メンバーも青ベレー帽である)。
構成員と保有兵器はオーブとザフトのものが目立っており、画面に登場したものに限っても大西洋連邦から供出されたと見られる兵器は確認できない*31
ユーラシア連邦がコンパスを認めていないため、大西洋連邦だけでは「地球連合軍」の兵器を外部に提供できなかったのだろうか。


Zodiac Alliance of Freedom Treaty
『自由条約黄道同盟』の略称。
プラントで一党独裁を敷く政権与党にして事実上の国軍に類する役割を担う組織。事実上の国軍ではあるものの、メンバーは基本的に志願兵で構成されるので、あくまでも義勇軍の体を取っている。
シン、ルナマリア、アグネス、メイリン、アスラン、アーサーらが所属していた。
なお、従来階級が存在しなかったが、コンパスへの参加に際して階級制度が取り入れられている*32

例外を除いてコーディネイターで構成されており、その能力からくる技術力は地球側と比べても抜きん出ており、作中で最も早くMSを実戦投入した組織。
オマージュ元のジオン軍よろしく開発した機体は実弾が主体のモノアイ型が占めていたが、終盤からはGATシリーズの活躍に肖って積極的にガンダムタイプも開発し始めた。


大西洋連邦やユーラシア連邦を主軸として結成された集団安全保障機構「地球連合」が擁する常備軍。『SEED』における地球連邦軍に相当する*33
一部除いてナチュラルで構成され、個人能力や技術面はザフトには劣るが、地球全土の勢力に等しい故に余りある物量や資源、そしてバックのロゴス等の勢力による豊富な資金援助により、戦いは数ということを如実に示している。
キラ、ムウ、マリュー、アークエンジェルクルーらが所属していたが、諸事情あってオーブへと鞍替えしている。

成り立ち自体がザフト憎しで集まった呉越同舟的な集まりだったためか、嘗てはブルーコスモスの過激思想が浸透しており、「コーディネイター滅ぶべし」のような中々に極端な差別意識を持った兵士や将校が多く、軍属ではないブルーコスモスの盟主が軍内で強力な発言力を持つほどであった。
時にはコーディネイターよりもアウトな肉体改造を施した強化人間で構成された特殊部隊を運用した経歴もある。
映画本編では二度の戦争でこれら過激派が軒並み追い出されたことにより穏健寄りとなり、ザフトとの協調路線を取っている。

兵器面では『SEED』序盤までは殆ど戦闘機に等しい小型MA『メビウス』くらいしか保有しておらず、シリーズ序盤はザフトに良いようにボコられ、折角開発したガンダムもパクられと散々だったが、何とかジムに相当するダガーストライクダガー系列の開発に成功、拮抗情態にまで持ち込んだ。
『DESTINY』期は大型MS/MAの開発・運用も目立つようになっている。


  • ターミナル
各国の情報伝達を行う隠密組織。
マルキオ導師や亡きシーゲル・クライン、ウズミ・ナラ・アスハらの活動から生まれたという。
オーブを中心にプラントやスカンジナビア王国などにネットワークを持ち、かつてクライン派の秘密拠点となっていたファクトリーも元々はここに属している。
過去二度の大戦で三隻同盟を陰で支え続けたが一応三隻同盟とは別の組織であり、MSパイロットが慢性的に不足しているため情報やMSを提供する見返りにキラ達MSパイロットを借りている関係。
本作ではコンパスから数名が「出向」という形で所属しており、主にファウンデーションに関する潜入調査を行っている。


元々は環境保護団体だったのが次第に極端な反コーディネイター思想を掲げる過激派団体と化した集団、或いは掲げる思想そのもの。
第1次大戦の頃の盟主アズラエル、その後継のジブリール、そしてブルーコスモスの支持母体であるロゴスの尽くが滅んだ事で一時は地球連合軍を自らの手先にする程の権勢を誇ったが今ではユーラシア連邦や最大の支持母体であった大西洋連邦からも完全に切り離され、政治的な立ち位置は失い、今やコーディネーター・ナチュラル問わず民間人を虐殺するテロリストと多くの勢力から見做され、「ブルーコスモス残存勢力」と称される程に弱体化している。
それでも未だにこの時代に於いても未だ活動は続いており、ミケール大佐率いる完全にテロ集団と化した元地球連合軍部隊が未だに各地で自殺的なテロを、本作冒頭までに少なくとも3回は起こしており、作中冒頭の戦いで出た428名の死者をもってミケール大佐時代のブルーコスモスのテロによる犠牲者は5000名を超えた。
因みに実在のテロ組織「アル・カイーダ」が16年かけて生んだ犠牲者数は約4400人。アルカイダの16倍以上の勢いで民間人に被害を出していると言えばミケール一派が如何に危険か分かるだろう。

連合とコンパスの足並みが揃わないこともあって、本作における「地球連合軍」の兵器はほとんどテロ組織の彼らに使われている始末。
元が巨大かつ根強い思想なだけに、C.E.73年当時の最新鋭機であるウィンダムに、果ては巨大MSデストロイまで持っており、テロ組織としては破格の規模を有している。
しかし流石にかつてと比較すると弱体化しつつあるようで、ウィンダムを保有してはいるもののダガーLは確認できず、それより前の105ダガーなどの旧型機も多く、損傷されたデストロイを修復することもできず簡易的な補修を行ったのみで投入するシーンも見られた。


技術・兵器関連

  • モビルスーツ(MS)
ザフトが開発し、C.E.70に勃発した第一次大戦を経て各国に普及した人型機動兵器。
二度の大戦を経て急速過ぎる進化を遂げており、本作の時点でも次々に新技術が投入されている。
その技術進歩の早さは、特定の個人用超ウルトラハイエンド機クラスが約1年後には旧式扱いされるほど
一方で技術が進んでいるとはいえ現場では未だ旧型機も数多く投入されており、ファンには懐かしのあの機体やあんな機体も出てくる。

C.E.の量産機は基本的にバッテリーで稼働しているのが特徴。これはMSサイズに搭載できるほどの核融合炉の開発がなされていないことと、核分裂を阻害する「ニュートロンジャマー(Nジャマー)」の動作環境下でも活動できるようにするため。
また一部高級機は高火力と高機動を両立する等の理由で、Nジャマーの効果を打ち消す「ニュートロンジャマーキャンセラー」も併せて搭載することでNジャマー環境下でも使用可能となった核分裂炉を搭載、潤沢なエネルギーとパワーを持つ機体も存在する。
1度目の大戦初期と違いバッテリーの性能が飛躍的に向上しているらしく、それもあってか本作では動力源の違いがそれほど意識されておらずバッテリーなのか核動力なのか不明なMSも多い
(とある2機はバッテリーと核動力の違いによる影響が明確に表現されてはいる)。


  • VPS装甲
『ヴァリアブルフェイズシフト装甲』の略称。
前々作の『SEED』で実用化された【フェイズシフト装甲(PS装甲)】の発展型。
PS装甲は電気を流すと強度が変化し、ミサイルや刀剣などの実体兵器に対して高い剛性を発揮、オプション無しで単独での大気圏突入すらも可能になる特殊装甲。
それを発展させた【VPS装甲】は、各部に配分する電圧を装備や状況に応じて調整・最適化することで、PS装甲の欠点の一つだったエネルギー消費量を抑える事が可能。

通電時に装甲色が色付くのが特徴で、冒頭でフリーダムやジャスティスが発進時に表面がグレーからカラフルに変化するのはこのため。
インパルスはVPS装甲の特性を活用して装備ごとに電圧配分を調整しているため、バックパックを換装する度に色が変わる。
通電していない灰色の状態は「ディアクティブモード」、起動中のPS装甲がエネルギー切れなどでディアクティブモードになることを「フェイズシフトダウン」と言い、この状態では実弾でもダメージが通る状態となる。

強力な反面コストが高く、常時装甲に電力を割くのでエネルギー消費が激しい為、所謂『ガンダムタイプ』のようなエース向けのハイエンド機にしか搭載されず、ゲルググやギャンのような量産機への搭載は見送られている。
また、実体弾についても無敵というわけではなく、被弾すればエネルギー消費は加速し、関節や武装、装甲の隙間などPS装甲でカバーできない部分に攻撃を喰らうと貫通してしまう。


  • ヴォワチュール・リュミエール
劇中後半で一部の機体が背中から発生させている光の翼のようなエフェクト。
単なる演出ではなく、エネルギーを変換して生み出した光圧を加速に利用するスラスターの一種
通常の推進システムを凌駕する圧倒的な加速力を発揮するが、莫大なエネルギー消費量がネックであり、核動力機でないと常用は出来ない。
元々は惑星間探査用の長距離航行システムで、光の翼は応用発展系の技術にあたる。


機体から分離された小型端末を遠隔操作する無線誘導兵器で、ガンダムシリーズ恒例であるファンネル系のオールレンジ攻撃端末。
劇中で機体の背中から展開して鋭敏な動きで飛び回って色んな方向からビームが飛んでいたら十中八九コレ。

死角から矢継ぎ早にビームを浴びせ、時にバリアを展開したりと非常に強力な兵器だが、無線誘導の為の量子通信に相当な電力消費を強いられる上、特殊な空間認識能力が無いと使えないものもあり、搭載する機体は限られる。
この手の遠隔兵器祭りは演出的にも単調になりがちというのは古くから(それこそ40年近く前から)指摘されており、本作ではそれについても色々工夫が講じられていることがうかがえる。

ちなみにSEEDシリーズと言えばMSがビームブーメランを投げることでも有名(?)で、本作でもイモータルジャスティスなどがブーメランを使う。
これについては『DESTINY』以降の機体では簡易ドラグーンという、ドラグーン・システムを応用・改良した制御システムが用いられており、それによって正確な軌道を実現させているという設定がある。


  • ミラージュコロイド
C.E.71の大戦中、地球連合が実用化した特殊装備。
コロイド状粒子を装甲表面に定着させることでMSや戦艦サイズの物体を光学的・電子的にほぼ完璧に隠蔽可能なステルス機能。
分かりやすく言えば透明になる機能・技術。
C.E.71の大戦で使用され、戦後のユニウス条約で軍事利用が禁止されるもC.E.73には条約を無視して使用された挙句、再び起きた大戦でユニウス条約が事実上形骸化した。
その為か今作では関連技術含め敵味方陣営関係なく使われまくっている*34
ちなみにコロイド定着技術はビームサーベルの刀身の収束にも使われていた。


その他

C.E.73~74年のプラント議長、ギルバート・デュランダルが「唯一の人類救済策」と題して発表した政策。
「人類を全て遺伝子的な適性を基準によって管理する」というもので、「誰もが自分の力を役立てる事ができ、誰もが失敗しない世界」「戦争が起こる事は最早無くなる」と喧伝していた。
しかし、それは個々人の意思も何もない、唯々冷たい管理社会であり、あくまで傷付きながらも自由に進む事を望んだキラ達によって阻止され頓挫、中止された。

本作ではもし歪んだ意思を持った者がデスティニープランを実行・管理すればディストピアでさえない恐ろしい世界になりかねない事が描かれ*35、視聴者間でもデスティニープランというものに対する認識が大きく変化することに。


  • フリーダム強奪事件
本編序盤でカガリが言及した事件。
『SEED』で起こったラクスとキラによるフリーダムガンダムの強奪事件ではなく、本作の半年前に起こったという事件。
詳細は不明だが小説版も踏まえると「アークエンジェルに引き渡されるはずのストライクフリーダムがテロリストに奪取され、地上の施設を破壊して回るが、その鎮圧にファウンデーションのブラックナイツが協力した」という顛末らしい*36
しかしブラックナイツの介入のタイミングがあまりにも良すぎることから、カガリとラクスは(一応事件の解決に感謝しつつも)ファウンデーションの自作自演ではないかと疑い、警戒心を募らせている。
一方この事件で損傷したストライクフリーダムはオーブに回収され、キラの様子を見るとその後どうなったかは不明だったらしいのだが…。
福田監督曰く、元々『DESTINY』と映画を繋ぐためのエピソードとしてOVA化が予定されていたが、ただでさえ遅れまくっていた映画本編の完成を優先させるため製作が凍結され、設定だけが残ったとのこと。なお「映画の興行収入次第では映像化したい」とちゃっかり願望を述べている。
ただ元々テレビは00、それ以外はSEEDでOVA→映画の2面作戦を予定されていたため物語中盤で絶筆となった映画と異なり脚本自体は完成している。
興行収入からOVA再始動の可能性はあり得るため、もし脚本変更がなく日の目を見ることになればこの作品が両澤千晶氏の遺作になる可能性が高い。

「ケルピー」の噂を聞いたシンが「ブラックナイツに切り付けられるストライクフリーダムの姿」を回想するシーンもこの事件のエピソードである様子。


一部のキャラクターが保有している覚醒能力。
Superior Evolutionary Element Destined-factor
 「優れた種への進化の要素であることを運命付けられた因子」の頭文字の略称。
遺伝子的な因子によるものなので、素質があれば人種問わず発動する。
発動時に深層意識内でキャラクターごとに対応した色の種が弾け、瞳のハイライトが消失するのが特徴。これにより『種割れ』とも称される。

発動した際は平時以上に判断力、反射神経等が研ぎ澄まされ、モビルスーツの操縦技術が劇的に向上するなどの現象が見られる。



【登場兵器】

世界平和監視機構コンパス

  • STTS-909 ライジングフリーダム
型式番号:STTS-909
全高:17.80m
重量:67.80t

  • STTS-808 イモータルジャスティス
型式番号:STTS-808
全高:18.50m
重量:71.62t

コンパスの最新鋭機で、共通フレームを用いた可変機。
上記の2機の詳細についてはこちらを参照。


  • ZGMF-2025/F ゲルググメナース
型式番号:ZGMF-2025/F
全高:19.50m
重量:73.51t
   81.74t(ボレロA装備時)
   82.09t(ボレロS装備時)

遂に登場したコズミック・イラ世界のゲルググ
ザクの後継機に位置付けられる、コンパス向け*37に開発したザフトの最新鋭機。「メナース」とは「脅威」「威嚇」「危険なもの」といった意味。組織の活動内容に対して名前が物騒過ぎる。
なお、劇場公開時点ではまだ明かされていないが、設定担当の森田氏によるとゲルググとギャンもザク等と同様に正式名称はアクロニムだそうである。
やはりゲルググをオマージュした形状であるが、ジン系特有の大型ウイングやトサカ状センサーが復活しており、ザク系と比べて「ザフト系MSらしさ」がより強く出ている。
コックピットはザク系と共通。ジン→ザク→ゲルググというザフトのMSの進化が分かりやすい。

武装としてビームライフルとビームナギナタ、折り畳み機構を持つビームシールド、バックパックにはバビかアッシュと同系列と思われるミサイルランチャーを備える。
バックパックはウィザードシステムと同規格の「ボレロ」を採用し、部品や製造工程の共通化によって低コストを実現した。
ジャスティス系列に似た空力重視のウィングと多数のエンジンを用いた地上用の「ボレロA」
ジン系列に回帰したようなスラスターを持つ宇宙用の「ボレロS」の2種類が存在し、活動場所に応じてそれぞれ選択して装備する。

ルナマリアとマーズ、ヘルベルトが搭乗しており、一般機は青系、ルナマリア機はザクウォーリア時代と同様の赤系のカラーリングが施されている。
またルナマリア機のみ左側のランチャーに代わってリニアガンが装備されている。
後半の戦いではレールガン(ハンドレールガンとも表現できる手持ち式のレールガン)を装備しておりガンプラでも再現されている……のだが、このレールガンは劇中後半でコンパス陣営が装備する全てのMSが装備しておりながら、
当該ガンプラには一切付属しておらず、劇中再現するには(HGとしてはやや高額な部類に入る)ゲルググを大人買いするか、バンダイ公式の部品通販や中古ホビーを扱うショップでのパーツのばら売り等に頼る必要がある。
全体的な品薄が続く2024年現在のガンプラ界隈においては中々に厳しい。
しかもプラモ開発サイドがこの事実を知らされていなかったからなのかレールガンはやたらデカく、HGフリーダムなどに持たせるのはかなりキツイ(1/100ならちょうどいいという報告もある)。
ただ、遅れてリリースされるRGブラストインパルスspecIIでも大振りサイズだった事から、むしろ劇中のサイズの方こそ見栄えの関係で小さめに描かれたのではないかという可能性も。
さすがに不評だったか、2025年2月に発売予定のオプションパーツセット15にキャバリアーアイフリッド共々レールガンが付属するようにはなった。


  • ZGMF-2027/A ギャンシュトローム
ゲルググが居るならギャンも居る
同じくコンパス向けの最新鋭機で、こちらはグフの後継機に当たる。「シュトローム」とは「(気体や液体の)流れ・奔流」といった意味。
アグネスとヒルダが搭乗しており、アグネス機はイザーク専用グフに似た白系のパーソナルカラー、ヒルダ機は青系の量産機カラーとなっている。
またアグネス機の頭部は彼女のメイクに似た赤色の差し色が入っている。実際に設定上は元イザーク機で、彼女が譲り受けた際に色を足したらしい。
序盤の戦闘ではイモータルジャスティスやゲルググメナースよりも目立っているが、それ自体が伏線だったりする。
詳細はアグネス・ギーベンラートの項目を参照。


オーブ軍の可変MSの改修型。
一部の装甲が角ばった形状に変更されており、変形状態も前進翼だった以前とは異なり後退翼となった。
ムウを始めとしたアークエンジェル艦載機はムラサメ改が中心である。
半壊状態でも変形飛行が出来る程に可変機としては意外に堅牢。
設定画では肩アーマーがかなり小さいが、本編用CGやガンプラではむしろムラサメから少し大きくなっているように見える。


  • LHM-BB03S スーパーミネルバ級MS惑星強襲揚陸艦ミレニアム
全長:約430m

ザフトがコンパスに提供した新造艦。ナンバリングは「SCC-1 02」。
その名の通り、全体的なシルエットや武装、艦橋を装甲区画に収納できる構造などにはミネルバの名残が見て取れるが、背負い式配置の主砲や艦首下部がバルバス・バウを延長し、尖らせたような張り出した形状などは前ド級戦艦をSF的にアレンジしたようにも見える。またシルエットとしては宇宙世紀世界のムサイ級軽巡洋艦にも近い。

MSカタパルトはコズミック・イラ世界では初となる露天式で、MS発進時はカタパルトレールの両側面に肋骨の様にパーツが展開されリニアフィールドを形成する。
武装については基本的にミネルバのものを踏襲しているが、火薬式だった副砲はリニア砲となり、艦首に装備されている陽電子砲タンホイザーは構造が大きく変化し四方向に同時に射撃できるようになっている。
また、足自慢と謳われたミネルバの後継に相応しく運動性も非常に高く、もはや巨大な戦闘機かMAといって差し支えないほど。
普段は宇宙に配備されているが*38、ポジトロニック・インターフェアランス*39による単独での大気圏離脱能力を備え、ミネルバにはなかった潜水性能も搭載と、アークエンジェルと同等の多用途性を獲得している。
総じて「超ミネルバ級」の名に恥じない高性能艦であり、コンパスの任務の特殊性と相まって重要な戦力となっている。

因みに、メカニックの中には元ミネルバクルーであるヴィーノやマッドの姿もある*40



地球連合軍時代からマリュー達の母艦として二度の大戦を戦い抜いて来た歴戦の艦。ナンバリングは「SCC-1 01」。
CGが作り直されディティールが細かくなっている以外、外観面にこれといった変化は無い。
艦載機としてムウを始めとしたムラサメ小隊を最低でも二個搭載している。



地球連合軍/ブルーコスモス残党

前の大戦で主要な出資者であるロゴスを失った上に主要軍事拠点を落とされたこと、本作でキラ達が対峙する「地球連合軍」は軍とは名ばかりのテロリスト集団であることからか、
コンパス、ザフト、オーブと違い唯一新型MSや新兵器が全く出てこない。
連合主要国のユーラシア連邦がコンパスに非協力的な姿勢を出しているのも大きい。

第2次大戦後半に地球連合軍が投入した巨大MS。
操縦には専用の調整を施した生体CPUが必要になるという劣悪な運用性をしているが、ブルーコスモス系テロ組織と化した地球軍部隊が未だ装備しており、オルドリン市への侵攻ではその火力と防御力で市民と現地ザフト部隊を圧倒した。
中盤には整備が追い付かなくなったか破損したものを応急修理したものか、バックパックと左腕を失い、胸部の3連スキュラも右胸の1門が使用不能な半壊状態のデストロイも現れている。

過去の戦闘の経験から対処法を知り尽くされており、一機目はシールドで頭部破壊と同時にフルバーストで正面砲口とバックパックの(装甲が比較的薄い)ホバーユニット噴射口を撃ち抜かれて瞬殺され、二機目は接近戦に弱い点を突かれ、シンとキラによる急接近からの刺突でアッサリと処理されている。
とは言えこれはライジングフリーダムとイモータルジャスティスの高性能さの表れでもあるようで、キラは最初の戦闘ではデストロイを単騎で相手取っており、
半壊したデストロイについては確認するとすぐさま付近のムラサメ隊に緊急退避を命じるも、一体撃墜していることや、シンも即座に加勢するなど総合的に見れば非常に脅威度の高い存在として未だに認識していることがわかる。


地球連合軍の主力MS。
105ダガーの方はウィンダムの登場で幾分旧式化しているが、標準搭載されたビーム兵器はジンなどの旧式相手には明確なアドバンテージがあり、テロ組織と化した地球軍部隊やユーラシア連邦等では未だ現役。
特徴的なあの甲高い歩行音も健在。一方でビームライフルの発射音はこれに変わった

前作ではインパルスやデスティニーにボトボト落とされるだけのやられ役だったが、本作ではオルドリン市のザフトMSを次々に落とす、頭部機関砲でジンを蜂の巣にした上に市民に迫るなど、その脅威が描かれた。
また、105ダガーはライジングフリーダムのフルバーストを防いだり、ムラサメ改を近距離戦で倒すなど、猛者が乗っていると思わしき描写も。
特にウィンダムの頭部機関砲であるトーデスシュレッケンはストライクなどのイーゲルシュテルンの1/6の口径しかなく*44設定上は威力が下がっているにもかかわらず、ジンの装甲*45を貫いて蜂の巣にするというのは異常としか言えない威力であり、何らかの強化改修が入っていた可能性がある*46

なお、前作ではかなりの数が登場していたダガーLは何故か一機も登場していない。


  • ブルドック
  • リニアガンタンク
お馴染み地球連合軍のミサイル車両と戦車。
ブルーコスモス軍でも引き続き使用されている。
相変わらず可能な限り命を取らない戦法を心がけるキラは、リニアガンタンクに対してはシールドのビームサーベルで砲身を切り裂くという形で無力化させていた。


お馴染み地球連合軍の宇宙用戦闘艦艇。
劇中に登場するのはいずれも『DESTINY』で初登場した、MS運用能力付与などの近代化改修を行った後期型。
『DESTINY』の時から2年が経ったC.E.75年では更なる改修が施されており、アガメムノン級は対空火器を増設、ネルソン級は主砲や対空砲などをアークエンジェルと同じものに換装*47した上でレーダー・センサー類を最新型に換装、ドレイク級に至ってはイーゲルシュテルンを廃止してリニア砲らしき単装砲を搭載した上で対空砲やアンテナを増設、ミサイルランチャーや魚雷発射管の形状変更などと多くの相違点がある。

アガメムノン級は「ベオウルフ」という固有艦名を有する艦が登場。中盤におけるファウンデーションの蜂起に際して連合軍宇宙艦隊を指揮し、プラントクーデター軍艦隊などと交戦するが、レクイエムの砲撃で他艦共々撃沈されてしまった。
それでもなお終盤の最終決戦では残存戦力が多数が登場し、オーブ軍と協同してクーデター軍艦隊並びにファウンデーション艦隊と交戦していた。

因みに月面から発進した宇宙艦隊の基地はエンデュミオン基地
第1次大戦序盤に自爆したはずの基地であるが、プトレマイオス、アルザッヘル、ダイダロスと立て続けに月面基地を失った事を受けて再建したのだろうか。




ザフト

今や旧式化し更新が進められているザフトの制式採用MS。
プラントの特別経済区であるオルドリン市では警備に配置されている他、ジンは本国でも未だ運用されている。
目立った活躍は無いが、反攻に出たジンの一機がダガーを重斬刀で滅多切りにするという、本編では専ら一太刀で真っ二つにしていた中で珍しい運用法を見る事ができる。
ブルーコスモスへの怒りがよく表れた、ダイナミックながらも少し恐ろしさも感じる一幕である。
また20年近い歳月を経てハイクオリティのCGで映像化されることに感慨を抱くファンも多い……かもしれない。


ザフトの現行主力機とその上位機種であり、ジャガンナート率いるプラントクーデター軍の主力MS。
最終決戦ではファウンデーションに加勢した。


お馴染みザフトの宇宙用戦闘艦艇。
ジャガンナート率いるプラントクーデター軍の主力艦隊として登場し、ファウンデーションに加勢してオーブ軍や連合軍、ジュール隊、ミレニアムなどと交戦した。
なお、艦隊のうち1隻のナスカ級ブルクハルトにはジャガンナートが座乗して指揮を行っている。

ローラシア級は売却されたと思しきものがファウンデーションでも運用されている。




オーブ

オーブの量産型MS。こちらも作画のみ。
本作ではオーブが戦場にはならなかったため、直接の戦闘シーンはなかったが、市民の避難誘導や迎撃に備えて多数の機体が出撃している。
なお、避難誘導に当たっていた一部の機体は自動車を運搬したり子供を掌に乗せて飛行しているシーンも。


そして……




【余談】

事前に公開されたPVや予告を見たファンの反応は長らく待ち続けた新作に対する期待、そしてそれ以上の不安であった。
PVが公開されてからは、かねてからのネタ予想では一種の定番だった「アスランがまた裏切ってネオザフトを結成して反乱を起こすそしてネオザフトに疑問を感じ裏切ってキラと共に立ち向かう『逆襲のアスラン』」ならぬ『逆襲のキラ』の可能性が浮上してしまい、
この数年でキラが実際には深い闇を抱えたまま戦っていた事が視聴者間に周知されつつあった事もあって、キラがどうなってしまうのかは非常に心配されていた。
シンが懸念した通りまたしても吹き飛ばされる花自分が何も守れていない事に落ち込み、遂には声を荒げながら赤色に変色した目で無数の敵をロックオンするキラそれを必死に諫めるムウとマリュー火を噴くアークエンジェルや撃墜されるムウ悲痛な面持ちでキラを止めるよう訴えるラクスそのような事態を裏付けるような「闇に落ちろ、キラ・ヤマト」との言葉遂に地上で炸裂してしまった核エンディングテーマの題名が「去り際のロマンティクス」……と、公開を楽しみにしつつも世界の敵となってしまった末に残酷な最期を迎えるキラを看取る事になる可能性を覚悟で観に行くつもりだった*51というファンも散見される。
実際にどうだったかは……実際に映画を見た方にはご存じの通りである。


公開時点では具体的な作中時系列の設定はまだ無いが、3月29日が誕生日のディアッカと5月18日が誕生日のキラの年齢*52から逆算するに、おそらくはC.E.75年4月上旬~5月中旬の出来事と推測できる。
劇中でも丁度桜の花が見頃になっている様子があるので4月上旬のようでもあるが気候の調整自由自在&日本の関東地方基準とは限らないプラントの中なので日付の根拠にしては弱いか。
なおヤマト隊を拾ったミレニアムからプラントまでの移動に(推定)3日、中盤のユーラシアからオーブへの移動に4日、オーブから最終決戦までに(推定)3日かかっているので冒頭から決着までの劇中経過時間はおよそ二週間弱といったところ。

後のエピローグカット追加版にてラストシーン直後の時期がC.E.75年5月30日と明記されたため、やはり劇中冒頭の戦いは早くて4月、遅くとも5月中旬ごろの出来事と思われる。


約18年振りの新作という事で、本作には前作、前々作のセルフオマージュ的な要素が多数仕込まれている。
以下はその一例である。

また、一部の展開などに『スーパーロボット大戦シリーズ』などゲーム作品の要素を逆輸入したとも思える描写も見られている。



公開後に福田監督が明かした話によると、中盤にラクスが作っていた大量の料理は実に一人3人前という大ボリュームである。
これは忙し過ぎてほっとかれ気味なラクスがキラに仕掛けたちょっとした意趣返しとの事*54
尤も、嫌がらせ100%ではなく、宇宙船勤務で食の楽しみが無いキラの為に半ビュッフェスタイルで食事して貰えればというつもりでもあるらしい。

この時のメニューは全てキラの好物とのことでありその内訳は以下の通り。
  • きのこのオニオンスープ
  • ゴマ風味の海鮮サラダ
  • ヤマト家直伝だし巻き玉子
  • 黒まめ
  • ローストビーフわさびソース
  • かぼちゃレンコンの煮物
  • ロールキャベツ
  • 100%ビーフのグリルハンバーグきのこソース(右側)
  • コロッケ(やまもり)
  • えびフライ
  • ポテトフライ
……到底2人で食べるボリュームではない。あと揚げ物が多い
「ヤマト家直伝だし巻き玉子」と「ロールキャベツ」が含まれている*55、ちょこちょこキノコが入っている*56のも色々な想像を働かせてくれる。
尚、翌日のピクニックのお弁当は、この時の食べ切れなかった残りを流用したものだそうである。

しかも少し前のジャガンナートの高圧的な態度を夕飯に何を作るか考えてスルーしていた事も同時に判明、
これらの設定開示のお陰で嫌な事があるとキラに凄まじい量の揚げ物を食わせるラクス*57、そのお陰で胃もたれを起こしたりシンや周囲の人にお裾分けするキラ、喜んで食いまくるシンという新たなネタが生まれる事となった。


公開後はプロモーションの一環として、『水星の魔女』でもあった全国各地を巡る『日本全国SEEDFREEDOM行きます』が行われた。
やはり真面目にやっているだけなのに変な面白さが滲み出るアスラン「視察」という名目のはずなのに完全に沖縄旅行を満喫しているイザーク&ディアッカクラーク像の前で同じポーズを取っているアウラと手元の資料にある「INVOKE-インヴォーク-」でアスランがしていたポーズを見比べるオルフェ「それアリなの!?」と思わずにはいられない秋田編スパロボUXプレイヤーをニヤリとさせる広島編令和にディアミリを公式供給した長崎編など、
(おそらくは)本編とは別時空なのを良いことにかなりのやりたい放題空間となっている。


『SEED』の最初の特集を組んだ時、『SEED』映画化決定を報じた時、そして『SEED FREEDOM』公開直後の24年3月号、
月刊ニュータイプのそれぞれの表紙は全て同じ構図になっている。


本作のプロモーションとして、無印及びDESTINYの内容をそれぞれ30分程度にまとめた「スペシャルダイジェスト」動画が配信されている。ナレーターはSEEDシリーズの功労者である西川貴教氏である。
SEEDシリーズの要点はしっかりまとめられているものの、前例に違わずネタ要素も満載。
特に自分の演じたキャラが散っていく様子をノリノリで実況したり、キラとフレイの情事でしどろもどろになったりする兄貴は必見である。


さらに、アニメ本編だけでは分かり辛い世界観設定の補足動画も上げられているが、こちらは「信じるか信じないかは『あなた"SEEDaい"です』」と銘打ち、
「やりすぎ都市伝説」でお馴染みの関暁夫がC.E.世界の怪しい噂を聞かせる体裁となっている。特にキラの過去を掘り下げた第3回に至っては、サムネをよくある解説動画のそれに似せてくる徹底ぶりである。
お祝いミニムービーといいSEEDFREEDOM行きますといい、公式がフリーダムすぎる。
ちなみに第1回の動画は2023年末にYouTubeのガンダムチャンネルで生配信された「ガンチャンNEW YEAR'S EVE 2023」内で先行配信され、加えて一緒に配信された「ガンダムシリーズ ゆく年くる年2023」では「水星の魔女」のスレッタ・マーキュリーミオリネ・レンブランがキラと共演を果たしている。

さらにさらに、映画公開後には冒頭6分(丁度『FREEDOM』が使われている部分)のYoutubeでの無料公開も行われた。


本作における様々な設定の開示、特にTVシリーズと比べてチートがかった強さのメカ描写(特に終盤に出てくるあの機体)もあり、「どこかであのジャンク屋が関わっているのでは?」と考察するファンも見られており、結果として「言われるほどやりたい放題でも無かったのかもしれない」と『ASTRAY』シリーズへの再評価意見も見られるようになっている。
もっとも、映像の演出という面では20年の歳月を経てガンダムシリーズでも着実にチートロボ化……もとい演出のインフレーションが進んでおり、特にそういう印象の強い後半部分は比較的近年になって製作されているため単純に時代の流れによるものとも考えられなくはない。


本作以前に『SEED DESTINY』後のコズミック・イラを描いた作品として『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 天空の皇女』が存在するが、ガンダムエース2024年3月号の読み切りではロウたちが「天空の皇女」までの登場人物をおさらいしつつTV中継ではエルドアの戦いを取材していたジェスが核爆発に巻き込まれかけ*58た描写があったため「天空の皇女」直後の話となっている。


上記の通り本作の制作を誰よりも心待ちにしていたであろう西川氏だが、スケジュールの都合か前2作とは異なり、残念ながら今作で声優として参加することは叶わなかった。その分スペシャルダイジェストではっちゃけてるので、みんなで見よう。



本作のテーマが「愛」な事は生前の両澤氏が残したプロットの時点で決まっていた事だが、本作の後半の脚本を担当した後藤氏が手掛けたノベル版『SEED』4巻(劇場版製作決定の3年前!)でフリーダムで帰還したキラとサイが本音をぶつけ合った場面にて、
人の価値など付けようがない。誰が死んでも誰かが悲しむし、それは美しいからでも頭がいいからでもなく、その人がその人だから。(要約)との一節がある。
これは本作の終盤でキラとラクスが語った話とほぼ同じであり、何等かの繋がりかセルフオマージュな可能性が考えられる。


ガンプラはHGCEとRGで商品化が進行。主要機体がMSが多かったのもあってか多数の新登場MSの商品化が決定し第62回全日本模型ホビーショーで公開されたソードインパルスSpecⅡを以て登場ネームド機全てのキット化が実現した。
また映画に登場した機体ということでデストロイやストライクルージュアカツキなどの前作登場機体も次々にキット化している。


本作の公開により、ガンダムビルドファイターズの設定や描写にも新たな想像や考察の余地が生まれている。
ビルドファイターズの時代設定は公式では「近未来」としか語られていないが、視聴者間では2030年代と推定されており*59、すると中学一年生であるイオリ・セイの生年は10年代末ということになる。
よってセイが物心ついて最初に触れるガンダムは2023年公開の『水星の魔女』(推定年齢「幼稚園年長~小学校低学年」相当)になる可能性が高いのだが、「何故最も世代の近い作品を差し置いてまで生まれる10年以上前*60の作品の主役機を愛機にしたのか?」という疑問に対し、
「当時は『水星の魔女』の製作前である」「ストライクは商品やシナリオの展開と相性が良い」という製作上の都合を別として、本作がその回答と成り得ることがネタ・ガチ、両面で話題になった。

というのも、セイの父が第2回世界大会で準優勝したのは本編の5年前(2025年頃?)と思われるので、「父の影響でガンダムに興味を持ち始めたと推定できる時期」と『SEED FREEDOM』の公開(及び大ブームとなった)時期が非常に近いのである。
しかも仮にセイが本作に多大な影響を受けていると仮定した場合、ストライクが愛機なことに加えてビルドバーニングをドムの中に隠したのも本作から着想を得たと考えれば納得できるとの声も上がっている。

ついでに、セイ以外のキャラについても、サザキが「バルカンを装備したギャンを製作した理由」「メイジンカワグチが『サングラスにロングコートという出で立ち』だったり、『アメイジングズゴック』と題した赤ズゴックや『バラエーナに相当するビーム砲を追加装備したストフリベースのガンプラ』を製作した理由」まで本作の影響だとすれば辻褄が合うとの意見も。

『ビルドファイターズ』公開から10年後、まさか現実の方がこんな形で追い付いて来るとは誰が想像しただろうか……。







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最終更新:2025年04月21日 20:18

*1 と、「何が3年だ、こっちは20年待ったんだぞ」と呟いた視聴者にアナベル・ガトー役の大塚明夫氏がX上で反応した。

*2 『SEED』のクルーゼのような独特の言い回しがほとんど見られないという形で両澤氏死去の影響とそれによる変化が窺える面はある

*3 特に降板発表直前にSEEDの新展開であるパチンコ化がされており、そこでは進藤氏が続投でカガリの声を入れていた為余計に混乱の声が広がった

*4 Amazonプライムビデオの場合は最初は修正前だったが、Blu-ray発売後はバージョンアップ版に差し替えられた。

*5 正確には「明確化」「周知された」と言うべきか。

*6 厳密にはキラが乗っていたかは未だ不明瞭だが便宜上カウントする。

*7 しかしその後ベッドで一人涙を流す様子がある。ナメられまいと必死に振る舞いつつも、犯されかけたとあってはやはり内心では怖かったのだろう。繰り返しになるが、ラクスは超然としているのではなく、超然としているように見えるよう振舞えるだけなのである。

*8 能力を発動させる瞬間のシーンが描かれたのも本作が初である。

*9 「判明」ではなく「周知」と表現したのは、別にラクスはミーアと比べて体形が貧相とは公式では扱われていないためである。前作のアイキャッチやEDイラスト等を見れば分かる通り、ラクスは決して起伏の乏しいボディではない。

*10 SEED→DESTINYの2年で身長は2㎝伸びているのに体重は7kgも減っているともはややつれていると疑惑が出るレベル

*11 本作のみ。『SEED』では異なる。

*12 インタビューで鈴村氏が明かした経緯であり、映画本編中に描写はない

*13 全天周型コックピット等のインターフェース刷新や新型動力炉の搭載など技術試験も兼ねた改修に留まり、武装や駆動系は当時のままのため最新鋭機のブラックナイトスコードに対抗できる程の劇的なスペックアップはしていない

*14 プラントの兵器開発は、ソ連のような国営設計局が行っており、その内の一つにシグー・ディンといった高機動型MSを開発していた「ハインライン設計局」というものがある

*15 核2発目の撃墜に固執するとルナマリア本人が退避する時間も無くなる事から構わず逃げるよう指示した

*16 場合によっては(キラシンアスランで)スザク3人+ルルーシュと例えられる事も。メンタルが安定すると鬼神の如き強さになるのも共通点を見出されたり…。

*17 勘違いされがちだが、当初からアークエンジェルの副長として就任予定だった正規クルーであり、まったくの畑違いではなかった……ハズ

*18 福田監督の蔵出しなので作中では明言されていないが、ファウンデーションの演説中にマスドライバーで打ち上げられたのがそれであるとされている

*19 元々の担当声優だった中嶋聡彦氏は2017年に亡くなっているため、アークエンジェルクルーの中では彼のみ声優が変更されている。

*20 福田監督も「ミレニアムの操舵手はキャリアが浅いので水柱を派手に、アークエンジェルには重力下に慣れた熟練操舵手がいるので水柱少なめで」とCG班に発注したことをSNSで明かしており、意図的な演出である。

*21 監督曰くこれも意図的な描写とのこと

*22 アークエンジェルに専門の副操縦士が居たのはヘリオポリス出港後からオーブ出港直後にトールがMIAになるまでの一時期しかない。『SEED DESTINY』で行動開始直後からラクスが宇宙に上がるまではバルトフェルドが副操縦士席に居たがムラサメのパイロット兼任。

*23 とはいえ、そのアスランが息切れするほど殴り飛ばしていたのにも関わらず倒れずに立ち上がり続けたキラのタフネスも大概すごいが。

*24 レクイエムでオーブやカガリを標的にするのは勿論のこと、核兵器を躊躇なく使用して地上を焼き払うのは、嘗て母レノアを失った血のバレンタインのトラウマを想起させるに十分すぎる愚行であり、そこにシン、ルナマリアといったかつての部下たちを危険に晒す、ラクス拉致とそれに伴うキラのメンタルの破壊等のその他諸々含めて過去から現在に至るまでのアスランの地雷全てをピンポイントで踏みまくってるに等しい。

*25 ちなみにこの時睡眠ガス入りのハロを要塞内に展開しているが、救出作戦でなかったら致死性の毒ガスを撒き散らしてそのままファウンデーション陣営をチェックメイトに追い込むことも可能だったであろう

*26 これだけ聞くと、冷たい対応のように思えるが、ワルター及びフォスターからすれば『自分たちの国が参加している組織が不祥事なんてレベルでは済まされない大事を起こした挙句、それの処遇で改善しつつあった大西洋連邦(プラント)との関係に再びヒビが入った』という最悪の状況である。お互いそこまでしてコンパスに拘り続けるメリットがあるかと言われたら…。

*27 デュランダル議長が急進派の顔役・抑えとして必要としたらしい。

*28 メンデル時代からデスティニープランの考案をしていたことは『DESTINY』の時点で明かされていた。

*29 あくまで理由の一つであり、監督曰くキラがコンパスに参加していなかった場合は引き受けなかったとのこと。実際、「ラクス・クラインの座を空白にしないため」だけならば、別に総裁にならずとも表に顔を出してればいい。なおこの辺りのラクスのミーアに対する後悔は『DESTINY』小説版でも細かく描かれていた。

*30 前作時点では首都はブリュッセルだった。

*31 アークエンジェルは本来は大西洋連邦軍の兵器ではあるが、C.E.71の大戦にて地球連合軍から切り捨てられる形で離脱しており、この時代では実質オーブ軍からの提供戦力なので除外

*32 階級制自体は第二次大戦後を描いたドラマCDで既に導入されている描写があった。

*33 ただ、宇宙世紀の地球連邦軍が単一国家の常備軍だったのに対し、こちらは複数国家による文字通りの「連合軍」である。

*34 もっともユニウス条約をオーブもファウンデーションも批准していないという理由はある

*35 勘違いされがちだが、ディストピアは一般的に「自由は無いがそれ以外はまま幸福」な世界である。「自由意思が一切ない代わりに自分を知り、適正に力を使い、過度な期待を持つ事も絶望する事も無い」というデュランダルの目指した世界は正しい意味でディストピアそのものである。

*36 前述した入場者特典の短編『月光のワルキューレ』ではこの事件のフラグと思しき部分も描かれている。

*37 ザフト内でも数機が運用されている模様。

*38 地球に対して艦橋を下にした、地上から見たら天地逆さまの姿勢でいる事が多い。

*39 陽電子砲を空中に発射することによって前面に反物質のコクーンを作り出し、正物質のコクーンが遮られることによって加速を得るという作中に登場する大気圏離脱方式。SEED本編にてアークエンジェルが使用した

*40 ヨウランと思われる人物はいない。やはり……。

*41 流石に一回限りの代物だったが

*42 なお実際に艦隊戦の部分はヤマト2199系のスタッフが参加していた。

*43 専用のカタパルトシステムを持たず、シルエット各機はメインカタパルト下部の多目的ハッチから出撃していた。

*44 イーゲルシュテルンが75mmなのに対し、トーデスシュレッケンは12.5mm。

*45 ジンはストライクのイーゲルシュテルンを弾いてノーダメージに抑えられる装甲を持つ

*46 一応トーデスシュレッケンは小口径化する一方で弾薬類の改良で威力低下を半分程度にまで抑え込んでいるという設定がある。また、ジンが旧式化して装甲強度が落ちていた可能性もあるが、単に演出優先の描写なのかもしれない。

*47 そのため、恐らく主砲はゴットフリートであると思われる。この他にもVLSの形状が変更されており、同じように換装した可能性が高い。

*48 HDリマスター版。TV放映版では右腕も失っている。

*49 とは言え、実際には「レクイエムの反射によってヤタノカガミがほとんど溶けた程のダメージ」、「ゼウスシルエット使用によるバッテリーの大幅な消費」「その任務故ビームライフルなどの装備は無しという状況」によって満身創痍に陥っており、下手をすれば戦線を離脱できずにファウンデーション軍及びクーデター軍に撃墜される危険性を伴っていた。

*50 『SEED』にて、アークエンジェルに加わったアスランが父の真意を確かめる為に一旦プラントに戻った時、アスランはもし戻らなかった時はジャスティスをディアッカに託すつもりだったが、ディアッカは「あんなものにはお前が乗れ」と遠回しに生還を期待し、小説版では続けて「俺はバスターを気に入ってるんだ」と愛着を見せていた。

*51 実際、『SEED』最初期の設定では「最終回でキラが特攻して死ぬ」というエンディングもあったが、没になった旨を監督が発言している。

*52 ディアッカは『SEED DESTINY』から2歳加算され21歳、キラは1歳加算され19歳。

*53 福田氏は『スパロボL』のスペシャルサンクスの項にクレジットされた事もあり関りはある。スパロボLでの『SEED DESTINY』は魔改造レベルでシナリオが弄られているため、その方面での監修に関わっていたのではないかとファンからは考えられている

*54 『SEED』でアスランに大量のハロを纏わりつかせたのも同じ理由らしい

*55 アスランの好物は「キラの母のロールキャベツ」である

*56 シンの苦手なものは「キノコ、ナス、貝類、酸っぱいもの」

*57 元々ラクスは「フリーダムを譲渡したシーンのパロディでキラにヘンテコなMSを押し付ける」というネタが定番化していたのも後押ししていると思われる

*58 ロウ曰く「まぁ大丈夫だろう」

*59 劇中で「川口名人による第一次ガンプラブームから半世紀」との言及があり、その第一次ガンプラブームは1980年頃なのでその約50年後で大体2030年頃の計算になる。

*60 それこそ『SEED』公開時に同じく小学生くらいだった子供にとっての『F91』が同じような関係にある。