グランセイザー(登場キャラクター)

登録日:2011/05/08 (日) 21:47:55
更新日:2025/03/17 Mon 04:32:49
所要時間:約 42 分で読めます


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しまった! まさかのプラモ化 やはり不遇な蟹座 グランセイザー グレンダイザーではない セイザーギャンズ セイザーゴルビオン セイザータウロン セイザータリアス セイザーダイル セイザートラゴス セイザーパイシーズ セイザーミトラス セイザーリオン セイザーレムルズ セイザーヴィジュエル セイザーヴェルソー 人数が多い項目 人数多いよ! 多分特撮史上最多メンバーのチーム←忍者部隊や関東の鬼や宇宙戦隊 愛すべきバカ達 所要時間30分以上の項目 星座 星座の戦士 東宝 東宝版サイボーグ009 特撮 登場キャラクター 社会派ヒーロー 西川伸司 超古代文明 超星神 超星神グランセイザー 超星神シリーズ 黄道十二星座



地球の平和は、俺たちグランセイザーが守る!!

みんなの力を一つに合わせるんだ!!


装着!!


グランセイザーとは東宝製作の特撮ドラマ『超星神グランセイザー』に登場するヒーロー達の総称。


【概要】

超古代文明が作り出したスーツを纏った星の戦士であり、力を受け継いだ現代の若者達が変身する。

それぞれが黄道十二星座の力が与えられており、戦士の数は12人。これは放送当時はもとより令和現在までの集団ヒーローと比較しても某究極の救世主と並んでトップクラスの人数になっている。また、各トライブに紅一点がいる関係上女性メンバーが4人もいる点も特筆すべきポイントだろう。

グランセイザーは大自然を構成するエレメントと生物の力、星座の生命力を源としている。
その能力は人類の遺伝子の奥深くに隠されていて、超古代の遺伝子を色濃く受け継ぐものに「発現」する。

力に目覚める切っ掛けは様々で「命の危険に晒される」「(自分がグランセイザーであると自覚している上で)戦う決意をする」「自然と目覚める」など。
中には洸や仁のように関連書籍でも覚醒の経緯が明かされないケースもあった。
また、剣以外の変身者は何かしらの職業についている事も特徴として挙げられる。これは12人の戦士を設定するに当たって、村石宏實監督が視聴者の混乱を避ける意図として提案したという。

グランセイザーには当初、リーダーと呼べる存在は決まっておらず、必要性を感じていた誠に対して堀口博士は『誰がリーダーというわけじゃない、みんな仲間だ。』と答えている。
従って明確なリーダーは存在しないが、誰よりも正義感に燃えている天馬が実質的なリーダーシップを発揮する事が多かった。


次回作『幻星神ジャスティライザー』では「昔ちょっと正義の味方をしていた一般人」として洸・未加・直人がゲスト出演しており、『劇場版 超星艦隊セイザーX 戦え!星の戦士たち』では変身後のみだが全員が登場している。*1

【関連用語】

トライブ

グランセイザーにはそれぞれ大自然を構成する大地の4属性が設定されており同じ属性の3人を〈トライブ〉と呼ぶ。
tribe(トライブ)とはラテン語の"tribus"を語源とする単語であり、主に『種族、部族』といった意味合いで使われるが、本作の世界観においては古代ギリシャ語の「氏族」というニュアンスに近いとされる。*2
占星術において黄道十二星座は各守護星に合わせ、共通する資質としてギリシャ哲学などで「4大元素」の大地という4つのエレメントが120度ごとに振り分けられており、これがグランセイザーのトライブのグループ分けの由来となっている。

超全集において明かされた設定によれば、超古代人は生物学的には単一種族であるものの、大地の4つの種族に分かれ、さらに守護星座によって3種類の計12種別に分かれていた。その12種別の人間たちが『4つのトライブ』として力を合わせることを標榜していた…とされる。

セイザースーツ

戦士たちが装着するセイザースーツは4億年前の人類が絶滅者ボスキートに対抗するために開発された。
あらゆる生命や自然を構成するエレメントを吸収しようとしたボスキートを超古代の科学者が徹底的に分析した結果、地球が持つ大地の力と宇宙を構成する12の星座の力を融合し、装着者の身体能力を極限まで高める最強の戦闘服・セイザースーツが完成した。
このような経緯からグランセイザーがボスキートと同じ力を使えるのはある意味必然と言える。
セイザースーツ自身に戦闘プログラムが内蔵されているため、装着者は初陣でもある程度の戦闘能力を引き出すことが可能となっている。
現代の変身者が覚醒と同時に様々な能力を発揮できたのはこの機能のためとされる。
各グランセイザーのスーツにはデザインには星座と動物がモチーフとして組み込まれているが、動物の種類はトライブ毎に共通(例:炎のトライブは鳥類)となっている。
戦う意志が消えると、全身が光に包まれ、セイザースーツが分解されて変身が解除される。

合体技

グランセイザーはトライブの垣根を超えて複数の戦士が同時に必殺技を放つ事で強大な破壊力や意外な効果を発揮することが出来る。
第43話と第48話では炎のトライブと風のトライブの連続技で強敵を撃破している他、第44話ではデ・ストームと大旋風波を組み合わせてボスキートを氷漬けにした。
第25話では炎のトライブとダイル、トラゴス、パイシーズの6人が同時にキックを放つフォーメーション・ゼロを発動し、ステュークスを退けている。

ナックルライザー

覚醒者の感情の高ぶりと共に左手の甲に現れるアイテム。
「装着!」の掛け声と共に精神統一して触れる事でセイザースーツを纏い変身する。
この際の動作はトライブによって変わる。
その他、
  • 各戦士同士の通信機として使える通信モード
  • 超星神の頭部に搭乗者に合わせた強化パーツを装備させるセイザーギアセットアップモード
  • 各戦士の武器を召喚させる武器出現モード
  • 各トライブの3人が信号を出すことで超星神を呼び出す超星神召喚モード
  • 各超星神に光となって飛び込むダイブインモード
…といった計6つの機能を内蔵している。

超古代の水晶板

超古代文明が残した文明伝達装置。
超古代の歴史や戦争の記録がインプットされている。
戦士達が触れることで、4億年前の出来事頭脳に伝達される。
『劇場版セイザーX』ではボルム星人リキの持つ正義の心に反応し、12人のグランセイザーを召喚した。


【メンバー一覧】

以下のメンバーのうち、天馬 / タリアスと未加 / ミトラスは全話に渡って登場し、その他のメンバーは回ごとに交代制を取っており、1話完結型の第3部ではそれが顕著になっている。
全員が揃うのは物語の節目の回のみにとどまっているが、これは集団ヒーローの元祖『サイボーグ009』を踏襲したもの。

炎のトライブ

燃え上がる熱い炎の属性を秘めている3人組。
戦闘においては突進性と警戒な動きを特徴とし、単身で戦場に駆けつける事もあって、出番はダントツに多い。
カラーリングには主に赤と白が使われている。
スーツのモチーフは鳥類と飛行機。

堀口一郎博士の元に運命的に集まった、東亜大学堀口研究室でたむろする頻度が一番多い。
目立った仲間割れなどはなく、結束力は強い。


弓道天馬 / セイザータリアス

演:瀬川亮
スーツアクター:新上博巳

『敵を撃つ猛禽の星』
主人公。バイク便ジェットエクスプレス勤務のフリーターで20歳。
将来の夢はオートバイレーサーになることで、バイクへの愛着は誰よりも強い。
愛車はホンダ・XR250モタードで勤務中にも配達に使用している他、第13話から外装のカラーリングをオレンジベースの炎のトライブ仕様に改造している。
御園木から堀口博士宛の荷物を届けるよう頼まれて向かった兜山遺跡にてレムルズに連れ去られ、涼子 / ヴェルソーに仲間になるよう迫られた事でタリアスに覚醒した。
最初はグランセイザーの使命には否定的だったが正義感に熱く、戦いを続けていく内に皆のリーダーとして成長する。

詳細は該当項目を参照。

獅堂未加 / セイザーミトラス

演:清水あすか
スーツアクトレス:永嶋美佐子

『情熱の水鳥の星』
東亜大学の堀口研究室で助手をしながら堀口博士の下で学ぶ大学生。
研究室でバイトをしていた3年前(恐らく大学に入る前)に保管してあった超古代の水晶板に偶然触れた事で4億年前の戦争を知り、同時にミトラスに覚醒しておりそれ以来堀口博士と共にグランセイザーの仲間を探し続けていた。
第25話にて水晶板に触れた経緯が描写されているが、その内容は『堀口博士の肘が自分の胸にあたっていることに気づいた未加が博士を突き飛ばした拍子に机から落ちかけた水晶板を慌てて拾った』というあまりにも笑劇的なものだった。
天馬とは似た者同士なため良くケンカするが実は内心彼に惹かれており、第3部辺りから互いを信頼し合う関係になっていった。
弟の剣をとても可愛がっており、彼が一般人を戦いに巻き込むのに反発した際は彼の意志を尊重して自ら女子高生に扮して囮を買って出たことも。
武道の腕前は一流で、装着せずに涼子と死闘を繰り広げたほど。また、天馬からは『必殺鉄拳女』と揶揄された。
移動にはホンダ・CR-Vを使用。
掃除は苦手で研究室はしょっちゅう埃にまみれていたが、戦いを終えた後に堀口博士と共に大掃除に取り掛かっていた。

『ジャスティライザー』では第35話に登場。ライザーグレン/伊達翔太の前にいきなり現れ、勘違い*3で蹴り飛ばしてしまった。ライザーカゲリ/真田ユカに『悩んだときは前に進め、立ち止まっても後戻りしても、問題は何も解決しない。』と自身の経験に基づく助言を送るが…
劇中では触れられなかったが、同作においては大学を卒業後、引き続き堀口研究室で働いているという設定。*4

セイザーミトラスは白鳥モチーフの牡羊座の戦士。軽快な空中殺法を得意としており、しなやかな身のこなしで敵を翻弄する。タリアスと連携を取る事も多い。
武器は聖鉄扇スワンセクターで防御にも使用。必殺技は高熱の竜巻で敵を吹き飛ばすブラン・トルネード

演じた清水氏は中国拳法の鳳龍院心拳・護衛護身術17代目宗師、つまりガチの格闘の達人であり東宝特撮には『七星闘神ガイファード』のヒロイン・九條麗役に続いての出演となった。生身アクションも『ガイファード』出演時より更に熟練されており、天馬役の瀬川氏を始めとする他の出演者の訓練役にもなっていた。 

獅堂 剣 / セイザーリオン

演:武田光兵
スーツアクター:白濱孝次

『燃える高速鳥の星』
未加の弟。京南大学入学を目指す18歳の高校生。
両親が海外に出張しているため、未加と2人で暮らしている。
少し気が弱い所があり自身がグランセイザーである事を早い時期から自覚するも、他人と争うことを好まないため中々打ち明けられなかった。ヴェルソーの襲来を受けた際、未加と天馬を助ける為にリオンに覚醒する。
仲間の中でも蘭と仲が良く、合流した後は殆ど一緒に行動しており第11話では一緒にバスケをしていた他、第13話では海水浴にいくほど親密だが、第27話での描写を見るにまだ友達以上恋人未満な関係の模様。部屋には彼女の水着姿のポスターが飾ってある。
第26・27話ではビズル星人に襲われた女子高生・吉岡麻美(実はビズル星人のスパイ)と親身に向き合い、結果的に彼女の心を動かしてビズル星人の陰謀を阻止した。
数少ない頭脳派で、ボスキートに奪われた超星神ガルーダを機転*5を利かして奪還したことも。
戦いの後は大学受験に向けて猛勉強の日々を送っており、『スーパーバトルメモリー』では無事に大学生になっていた。

セイザーリオンは燕モチーフの獅子座の戦士。俊敏さに秀でており、素早い太刀筋を活用した剣裁きを得意とする。
パンチ力もタリアスに次いで高いため、接近戦において実力を発揮する機会が多い。
武器は二振りの聖双剣ダブル・クレッセント。必殺技は斬撃のパワーを発射する飛燕斬

企画段階のタイトル『鉄神星戦アルマゲイナー(仮)』の時点ではアルマゲスト・レオンに変身するライバルキャラとして設定されていた。


風のトライブ

地球上の自然が生み出す強大なエネルギーを伝達する風の属性を秘めている3人組。
理性を優先するスピード戦を身上とし、それぞれの自我を出すことは滅多にない。
そのチームワークは以心伝心といったイメージが自ずと出ている。
カラーリングには群青や紫などの濃い青が使われている。
スーツのモチーフは昆虫とバイクやスクーター。

佐伯カリンによって集められた面々で、宇宙連合ウオフ・マナフの先兵・アケロン人であったカリンはトライブ同士の潰し合いを画策し、彼女から炎のトライブは危険な思想の戦士と聴かされていた風のトライブは当初は天馬達を始末しようとしていたが、戦いの末に天馬達と和解している。

伝通院 洸 / セイザーレムルズ

演:芹沢秀明
スーツアクター:福田亘

『知恵に長けた甲虫の星』
風のトライブのリーダーでメンバー最年長の28歳。
みんな大好き伝通院先生でもっぱら真の主人公と実しやかに囁かれている人物。
京南大学附属病院外科医。自分の役職に忠実であり、たとえ敵対関係にある人間であろうと治療を妥協しない。外科医としての才能も一流で患者を見捨てない実直な性格から病院では彼のファンも多く、看護婦として働いている愛にも好意を持たれている。
カリンは当初、手駒として見ていたが次第に彼の人柄に惹かれていた。
…と、このように一見真面目人間に見えるが、劇中で垣間見える天然ぶりからファンの間では専ら愛すべきネタキャラとして親しまれている。
第2話の時点でファイナル・ジャッジメントを天馬に石をぶつけられた事で外す、タリアスとの戦闘中に宙返りしながらそのままフェードアウトするなど、ネタに事欠かなかったが、極めつけは第3話、ドルクルスでガルーダを攻撃中に誤ってダムを壊してしまう*6も、「しまった!」の一言だけで華麗にスルーしたのは伝説となっている。この「しまった!」は第43話でボスキートを封印していたカプセルを誤って破壊してしまった際にも発言している。演じた芹沢氏も後年のインタビューにおいて『ダムが決壊してるのに「しまった」じゃないですよね(笑)』とツッコんでいた。ごもっともです。*7
第7話にて、天馬の巻き添えを食らう形で負傷した彼の同僚・田所マキを治療した事で天馬に情けをかけられ、その後マキを襲ったのがカリンであることを知るも、それでもなお彼女の事を信じようとした。
これがきっかけで他のメンバーが堀口博士側に行く中、彼はカリンを信じていた為、風のトライブが分裂してしまう。しかし、カリンの正体がアケロン人である事を知り、同時に彼女の醜い本性*8を目の当たりにした事で彼女の教えを守る形でアケロン人にトドメを刺すことになる。
堀口研究室に迎えられたあともカリンに対するこだわりを捨てきれずにいたが、アケロン大星獣となったカリンの体内にとらわれた際に『お前が人類を滅ぼすというなら、俺は自分の命を失ってもお前を倒す!』と宣言し、完全に決別。仲間たちの声援を受けて脱出し、力を合わせてアケロン大星獣を倒した。
第1部で事実上のメインを張ったこともあってか、第2部以降は明確な主役回は設けられなかったが、医者という立場から出番自体には恵まれており、年長者として他のメンバーを導く役割も果たしていた。
戦いの後は再び医者として忙しい日々を送っている。

『ジャスティライザー』では第30話に登場。シロガネ召喚による疲弊で診断に来た澪に「決して過激な運動はしないように」と注意していた。この際に『後になって"しまった"と言っても遅いんです。』とも発言し、視聴者の笑いを誘った。

セイザーレムルズはカブトムシモチーフの双子座の戦士でレムルズトルネードという突風を繰り出す。
動きは素早くパワーにも優れており、常に冷静さを失わない。
武器は聖甲銃アイアン・ゲイルで必殺技は最強の真空弾を発射するファイナル・ジャッジメント

苗字の由来は英語で双子を意味する「ツイン」。

雨宮涼子 / セイザーヴェルソー

演:星野マヤ
スーツアクトレス:齋藤恵美子

『美しい花を持つ昆虫の星』
エアロビクスインストラクター。24歳。
未加が覚醒したのと同時期の3年前、NGOのボランティア活動に参加しながらも自分の生き方に悩んでいたところをカリンの誘いを受け、ヴェルソーに覚醒した。
正義感が強く、カリンから「炎のトライブは危険な存在」と吹き込まれると執拗に天馬達と戦うが、カリンが一般人を巻き込んだ事を知るや彼女の矛盾した行動に反発し、天馬達と和解する。
仲間と協力しようとせず、単独行動にこだわる直人を諭し、彼と超星神で共闘したこともあった。これがきっかけで後に…
仲間の精神的な支柱としての役割も果たしており、自分の夢に悩む蘭に『私たちはグランセイザーの奴隷じゃないんだから。』と諭すなど、意外と名言も多い。天馬がタリアスに覚醒したきっかけを作った人物であることから、辰平が覚醒出来るよう特訓に付き合い、敢えて装着せずにギグファイターと戦うことで彼の覚醒を促した。
カリンについていった事でアフリカにボランティア活動に行ったサークル仲間を裏切る形になってしまったことを後悔していたが、仲間の1人だった川島巧は彼女を恨んでおらず、寧ろ涼子の言葉でアフリカにいく決心を付けられたと感謝を述べた。
戦いの後はインストラクターの生活に戻り、そして直人と結婚した。結婚式ではブーケトスも行ったが、受け取ったのはまさかのあの人だった…
また、『スーパーバトルメモリー』では子供が産まれたことが語られている。

セイザーヴェルソーはチョウモチーフの水瓶座の戦士でヴェルソーイリュージョンという特殊な催眠波で敵に隙を与える。
レムルズ以上の敏捷性で敵を追い込み、相手の本質を見抜く洞察力に優れている。
武器は一対の聖月刀セルクロスで必殺技はフルムーン・スラッシュ

秤屋 仁 / セイザーダイル

演:松沢蓮
スーツアクター:北原裕次

『灯りを求める昆虫の星』
ファッションデザイナーの25歳。第2話の時点で覚醒しており、カリンにスカウトされる形で戦いに参加した。
涼子に一目ぼれするが、彼女からはアッシー君扱いにされ、車のみ借りられることも。
軽薄そうに見えるが、洞察力に優れており、カリンの言葉には最初から胡散臭いものを感じていた。実は最初に天馬達との和解を持ちかけたのは彼である。
そういったこともあり、第8話から涼子と共に天馬達の仲間になっている。
軽薄さが目立つが困った人は見過ごせない性分で、最終回のエンドロールでは道路を横断中の老婆を友人(ダイル役の北原氏)と共に車を降りてまで手助けしていた。
本人曰く『グランセイザーとしての自覚はある』ようで、体を鍛えたり、現場への一番乗りを狙うなど立派な戦士として成長していく。
第36話では友人の中尾真司に憑依したアジャンテ星の警察官・フリードとの奇妙な友情が描かれた。
涼子が直人と結婚することは事前に聞かされていたらしく、最終決戦前には彼女のウェディングドレスを仕立てることを約束している。
結局涼子にはフラれてしまったが、家族ぐるみでの交流は続いている様子で、『スーパーバトルメモリー』では彼女の出産祝いにベビー服*9をプレゼントしている。
愛車は真っ赤な高級スポーツカー・FRスポーツビークルのホンダ・S2000。

セイザーダイルはクワガタモチーフの天秤座の戦士。
動きが素早く、突進戦法が得意。
カリンに従っていた頃は『覚えてろ!』と捨て台詞を吐くなど、3人の中で一番悪役ムーヴをかましていた。
斧型のトンファー聖闘拐アックスタッガーが武器。必殺技は大旋風波

苗字の由来は「秤」。シリーズ構成の大川俊道氏によれば『秤谷長介』なる名前も候補に挙がっていたという。元ネタは言わずもがないかりや長介からだろう。

大地のトライブ

凄まじい力を持つ大地の属性を秘めている3人組。
抜群の防御力を誇る戦士で、パワーファイター然とした戦闘力は安定性が高い。
メンバーの個性が一際強いことから、当初のチームワークはイマイチだったが、仲間たちとの交流を経て結束力を高めていく。

カラーリングは黄色やオレンジ。
スーツのモチーフは陸上生物と重機と4WD車。

第1部半ばで次々と出現し、彼らの戦力を巡って炎のトライブと風のトライブが激しい戦いを繰り広げた。
3人とも全く接点がなかったことや直人が一匹狼気質であることから、トライブ間での絡みは一番少なく、寧ろ他のトライブと連携をとる機会のほうが多く見られた。


松坂直人 / セイザータウロン

演:高原知秀
スーツアクター:寺井大介

『突進する猛牛の星』
地上最強の格闘家。施設育ちで寡黙な性格。
余りにも強すぎて戦う相手がおらず、腐っていた所を鳳凰山での〈炎のトライブ〉と〈風のトライブ〉の戦いを目撃しタウロンに覚醒。
根っからの脳筋で当初はグランセイザーの目的はお互いが戦う事だと勘違いし、天馬や洸を襲ったが後に和解し協力するようになる。
その後は単独行動が多く、それが原因でガンシーサーを使えない場面や敵との戦闘でボロボロになったりする事も。
そんな中で蘭や涼子の説得によりチームワークに目覚め、第12話では涼子からの受け売りの言葉で洸を激励した。
『力は大切な者を守るためにある』を信条としており、自分に弟子入りした少年・坂本健太にもこの持論を唱えている。
第19話で健太少年と約束したのを皮切りに、仲間のピンチに颯爽と駆けつけるようになり、自ら命を投げ出そうとする蘭を最後まで説得しようとしていた。
戦いが終わった後は第12話以来因縁のあった涼子と結婚した。詳しい交際の経緯などは描かれなかっただけに驚いた人も多いのではないだろうか。*10
『スーパーバトルメモリー』では『直人はベイビーに夢中だからね。』という涼子の台詞から、早くも子煩悩を発揮している様子。

『ジャスティライザー』にも第42・43話に登場。翔太を鍛えて彼が再びグレンに覚醒するきっかけを作ったり、自らも一瞬だがタウロンの姿になったりと、客演戦士では一番オイシイ役回りだった。だが澪と麗香やユカといった女性陣は彼を知らなかった。
超星艦隊セイザーX』では本人は登場しないが、第30話の舞台となった温泉旅館に『松坂御一行様』と書かれた看板が玄関前に置いてあり、家族で宿泊していることが示唆されている。

セイザータウロンは牛モチーフの牡牛座の戦士。聖撃砲ブルキャノンを両肩に装備して戦う。
強靭なボディと並外れた身体能力で活躍し、特に腕力が強く、接近戦・遠距離戦の両面で高い能力を発揮するオールラウンダー。
さらに猛スピードで水面をも駆け抜ける。
必殺技は破壊光線マタドール・バースト


早乙女 蘭 / セイザーヴィジュエル

演:磯山さやか
スーツアクトレス:秋吉砂喜子

『爪を隠す猛獣の星』
ストリートダンサーの20歳でスタイルがよく胸がでかい。
ダンス仲間の赤木淳也が強盗容疑で指名手配され、重要参考人としてパトカーに連行されていた途中でカリンの介在によってパトカーから救い出される。
その後、淳也をいいようにこき使っていた事件の主犯格・内藤竜次に襲われた際にヴィジュエルに覚醒し、内藤を返り討ちにした。
トライブの他2人が年上ながらチームのまとめ役でもある。
また、大地のトライブでは一番天馬達に協力的で登場後は堀口研究室にもよく出入りしており、温厚な性格の剣に惚れていて彼とは話が進む事に仲良くなっている。
明るく元気な性格だが、皆の足手まといにならないように陰では一生懸命に頑張る努力家でもある。
親友のユーコと一緒にプロのダンサーになる夢を持っていたが、グランセイザーの使命との板挟みで悩んでいた。
そんな中ガダル星人との戦いに巻き込まれ、靭帯を怪我したユーコに『夢を諦めないで』と説得し、戦いが終わったらまた一緒に踊ることを約束した。
水晶板を通してウオフ・マナフやグランセイザーに関する情報を受け取ることが出来る特殊な能力を秘めているが、本人はこの能力を気味悪く感じていた。

実は超古代人の持っていた『星の力』を読み取る感受性、すなわち『生命オーラ』の力を12人の中で一番色濃く受け継いでおり、宇宙の意志ウオフ・マナフに真実を伝える『交信者』の役目を担っていた。
中々交信能力が覚醒せずに思い悩み、仲間たちが次々と倒れていく中で天馬の呼びかけ通り涙ながらに祈った事で水晶板が覚醒、そして仲間達の力を借りてウオフ・マナフに平和を願う宇宙の一員であることを訴え、見事交信を成功させた。
戦いの後は再びプロのダンサーを目指して仲間たちと踊る日々を送っており、『スーパーバトルメモリー』ではテレビ出演を果たしたことが語られている。
ちなみに同作では彼女と豪のみ他の出演者との共演シーンがなく、実質的に1人芝居状態だった。*11

セイザーヴィジュエルは豹モチーフの乙女座の戦士。
その敏捷さを活かして野獣的な戦法を見せるのが特徴。
戦闘においてはメインに立つことはあまりない代わりに他のトライブの仲間の後方支援で活躍する事が多い。
武器は2本のかぎ爪聖烈爪レディ・クローで必殺技は敵を切り裂くナイト・スクラッチ

演じた磯山さやか氏はグラビアやバラエティー番組で人気を博し、現在も精力的に活動中。
自身がパーソナリティを務めるラジオ番組で本作について触れたこともある他、近年のインタビューで当時の思い出を「大変な撮影だったけど楽しいしかなかったです」と振り返っている。

神谷 豪 / セイザートラゴス

演:正木蒼二
スーツアクター:田井和彦

『意思を貫き落とす草食獣の星』
25歳の警察官。
真面目で頑固な性格をしているためマイペースな直人とは相性が悪い。
勤務中は警察官用の自転車で全力疾走する事が多い。
強盗容疑をかけられた赤木淳也を逮捕しようとした時にトラゴスに覚醒、その際に勢い余って淳也を殺しかけたが天馬によって阻止され正気に戻った。
頑固な性格が災いして最初はグランセイザーとしての戦いに乗り気でなかったが正義感からすぐ打ち解け天馬達に協力している。
そのドのつく生真面目さからロギアに「地球人を殺したいなら自分だけを殺せ」とその身を差し出すが、ロギアの目的が地球人類全ての抹殺と知り「すまん、ちょっと単純に考えすぎた」と反省した。
さらにグランセイザーのことを知った先輩の澤村刑事にも『今日みたいな勘違いはもうするなよ』と宥められた。
第31話*12では天才少女・アヤ・ステイシーをキラード星人の手から守るために彼女のボディーガードを務め、アヤに『自立する勇気』を教えた。
そして日本を去りゆくアヤを歩道橋から静かに敬礼して見送った。
強い正義感の一方で、直ぐに取り乱してしまうのが欠点で、第47話では自ら犠牲になろうとする蘭を交番の檻から開放した挙句、愛と共にまたも命を投げ出そうとした。
仁とは敵対していた頃から割と絡む機会が多く、戦いの後も路上で違法駐車した仁を同僚(トラゴス役の田井氏)と共に取り締まろうとした。
『スーパーバトルメモリー』では昇任試験に合格して刑事に昇格していた。

セイザートラゴスは山羊モチーフの山羊座の戦士。
パワーとスピードの両面攻撃が得意で、悪事には人一倍の憤りを露にすることもしばしば。
タリアスとのコンビ戦法を見せたこともある。
武器はドリル型の聖貫槍スパイラル・ホーンで必殺技は上空から敵を貫くペネトレート・サンダー



水のトライブ

第2部から登場。全ての生命の故郷ともいえる海に関わりを持ち、深遠で清浄なる力を持つ水の属性を秘めている3人組。
互いを尊重する協調性の高さが特徴で、底知れない水のパワーを活用し、戦いに参入していった。
カラーリングには青や水色などの薄い青が使われている。
スーツのモチーフは水中生物と船や潜水艦、スキューバの機材。

伊豆諸島南の神鯨島で運命的に集まった。登場以前から自分達の力を自覚し、3人組を形成していた。
リヴァイアサンが自分達の物である事も理解していたが、力の意味や他のトライブとの関係が分からなかったため、接触には慎重的だった。その為、唯一グランセイザー同士の戦いを経験していない。
使命感や責任感は一番強く、結束力も高いこともあり、トライブ間での絡みも比較的多め。

反町 誠 / セイザーゴルビオン

演:岡田秀樹
スーツアクター:松末博行

『牙を貫く肉食魚の星』
水のトライブのリーダー。
フリーの報道カメラマンとして世界中の戦場を渡り歩いてきたため、神経質で疑り深く、愛と辰平以外を簡単に信用せず、統制の取れていない他のトライブに否定的であるため天馬との仲は険悪で「戦いにはリーダーが必要」として、当初はまとまりのない他のトライブを批判していた。
たが共に戦う中で天馬のことをグランセイザーのリーダーとして認めた。
人間が殺し合う惨状に何度も出くわした経験からルシアを逃がした愛を非難し、『戦いはどちらか一方が倒れるまで終わらない!』と洸にも掴みかかった事がある。
第33・34話ではグランセイザーであることを知った先輩カメラマン・加賀祐二に戦いを辞めるよう言われ、迷いが生じるが、実は誠の前に現れた加賀はロギアが差し向けた偽者であり、それを知った後は天馬たちにペースを崩した事を謝罪した。
『戦場の夜明け』という写真集も出している。
戦場カメラマンからは身を引いたのか、戦いの後は平和を取り戻した町で踊る蘭を撮影していた。

愛車はホンダ・ストリーム(4輪)、ホンダ・フュージョン(2輪)。

セイザーゴルビオンはサメモチーフの蠍座の戦士。
第13話の時点ですでに覚醒していたこともあり、単独での戦法を得意とする。
強烈な正義感を胸にパワーとスピードのバランスが取れた戦いを繰り広げた。
武器はチェーンソー型の聖転鋸ブラスト・ソーで必殺技は津波を発生させて敵を飲み込むデ・ストーム

苗字の由来は蠍の"そり"から「反」。

魚住 愛 / セイザーパイシーズ

演:伊藤久美子、大城紀代(幼少期)
スーツアクトレス:酒井亜美

『波を乗り越える水星獣の星』
メンバー最年少の17歳で天涯孤独な少女。
初登場の時点ですでに覚醒していたが、インパクター・ルシアに襲われた際に初めてパイシーズに装着した。
洸と同じ病院に勤務する見習いの看護婦で彼に好意を持っている。
小さい頃に母親*13を亡くして以来ずっと一人で生きてきたが、『ドクターベアー』と名乗る人物が学費を援助してくれたおかげで生活には困らなかった。
そのドクターベアーがガントローラーを発掘した和久井博士で、そして彼が自分の本当の父親であることを知ると、涙を流しながら親子として初めて対面した。

涙もろいが優しい性格で誠をリーダーとして信頼しているが他のトライブに対しては好意的。
メンバーでも随一の平和主義者故にロギア達に地球から出ていくように頼むなど、地球を守るためとはいえあまり戦いを好まないでいた。
辰平とは仲がいいが、ちょっと頼りないと思っている。

普通に美人なのだが、蘭からは「コケシみたいに地味な顔とか言われていた。
そんな蘭とは些細なことで喧嘩してしまい、『スチャラカダンサー『大ボケナース』などと悪口を言い合っていたが、ルシアをおびき出すための囮となった際に彼女と和解。
それ以降は蘭と仲良く話すことが多く、第47話では自ら犠牲になってまで戦いを終わらせようとする彼女に賛同し、共に命を投げ出す覚悟でいた。
最終決戦後もナースとして懸命に働いているが、最終話エンドロールでは患者(ギャンズ役の岩田氏)が座っている車椅子を手放して辰平に手を振ってしまう一幕が見られた。

セイザーパイシーズは鯱モチーフの魚座の戦士。
スピードと瞬発力に優れており、決定力には欠けるがトリッキーなバトルを展開、格闘戦よりも射撃術を活用しての遠距離攻撃を得意とする。
武器は銃型の聖滴弾アクア・ブリッツ。必殺技はブリンク・ショット

三上辰平 / セイザーギャンズ

演:菅原卓磨
スーツアクター:岩田栄慶

『羽根を伸ばす魚の星』
八景島シーパラダイスで働く新人のイルカ調教師。愛とは幼なじみで彼女に惚れている。
登場当初は自分がグランセイザーである事は自覚しているが中々覚醒が出来ず、不安を抱えていた。
結果的に12人の中で最後に覚醒したが、涼子の協力もあってやっと覚醒したはいいものの、他のメンバーの成長劇やインパクター・ロギアの存在感から影が薄くなってしまった。
愛は伝通院先生に好意を持っていたり、戦闘面も罠に落ちたり、撃墜され重傷を負ったりと中々不遇。
一方で第23話ではあのロギアを相手にタイマンで追い詰めるという地味に意外な活躍を見せている。
また、第37話ではメインを務めており、イルカとの友情に応える姿はアツいのだが、ギャンズの姿でイルカ好きの少女・マユを助けようとしたら逃げられてしまうという一幕も見られた。*14
そして最終回では愛を庇うためとはいえ、ベルゼウスの攻撃を生身で受けてしまった。よく気絶で済んだな…
戦いの後も時折京南大学付属病院に顔を出しては愛に会いに行っている様子。
蟹座の宿命か、イマイチパッとしない扱いで終わった辰平だが、『スーパーバトルメモリー』では自分の覚醒した日に仲間たちをよびだしてパーティーを主催するというある意味一番美味しい役回りを演じていた。

セイザーギャンズはイトマキエイモチーフの蟹座の戦士。
高レベルの防御力を誇り、フットワークの軽さが特徴。
開脚キックで2体同時に跳ね飛ばしてしまう。
武器は薙刀状の聖鎖鎌カルニコスで必殺技は大海繍切断

苗字の由来は「蟹」(蟹→みかに→みかみ)と駄洒落で付けられた。

因みにスーツアクターの岩田氏は本作が映像作品デビュー作。以降ウルトラマンゼロをはじめ、多くの主役ウルトラマンを担当することになる。


【スペック比較】

名称 身長 体重 パンチ力 キック力 ジャンプ力 走力
セイザータリアス 190cm 80kg 10t 15t 20m(垂直跳び)
100 m(幅跳び)
3.0s/100m
セイザーミトラス 170cm 60kg 6t 15t 20m(垂直跳び)
95 m(幅跳び)
4.0s/100m
セイザーリオン 183cm 75kg 8t 12t 18m(垂直跳び)
90 m(幅跳び)
4.0s/100m
セイザーレムルズ 205cm 105kg 10t 18t 25m(垂直跳び)
105 m(幅跳び)
5.0s/100m
セイザーヴェルソー 175cm 65kg 6t 12t 20m(垂直跳び)
80 m(幅跳び)
5.0s/100m
セイザーダイル 185cm 90kg 12t 15t 15m(垂直跳び)
90 m(幅跳び)
6.0s/100m
セイザータウロン 200cm 100kg 20t 15t 18m(垂直跳び)
90 m(幅跳び)
7.0s/100m
セイザーヴィジュエル 165cm 60kg 10t 15t 18m(垂直跳び)
100 m(幅跳び)
5.0s/100m
セイザートラゴス 195cm 90kg 12t 15t 18m(垂直跳び)
100 m(幅跳び)
5.0s/100m
セイザーゴルビオン 210cm 105kg 10t 15t 20m(垂直跳び)
120 m(幅跳び)
4.0s/100m
セイザーパイシーズ 172cm 56kg 5t 10t 20m(垂直跳び)
100 m(幅跳び)
4.0s/100m
セイザーギャンズ 195cm 95kg 12t 18t 15m(垂直跳び)
100 m(幅跳び)
5.0s/100m
参考文献:小学館『超星神グランセイザー超全集


【余談】

●玩具について

KONAMIからソフビ人形が12人全員分発売された他、『アクショングレートモデルシリーズ』としてタリアス、リオン、レムルズ、タウロン、ゴルビオンのアクションフィギュアも発売された。こちらは武器を『チェンジグレートメカシリーズ』と連動してセイザーギアを再現できるようになっている。
なりきり玩具はナックルライザーとファルコンボウのみが発売された。
そして時は流れ、放送20周年を迎えた2024年6月、グッドスマイルカンパニーが送るブランドの一つ、『PLAMATEA』の1種としてタリアスのプラモデル化が発表された。
超星神シリーズの玩具が発売されるのはシリーズ終了後以降では初めてのことであり、多くの超星神ファンが歓喜した。
今のところタリアス以外の戦士の発売は未定であり、今後の商品展開が期待される。

●デザイン・造形について

KONAMIと繋がりのある玩具設計会社ランドマックによる初期案をベースに岡本英郎氏と品田冬樹氏がブラッシュアップを手掛け、最終的に西川伸司氏が仕上げている。
なお、デザイン作業と造形作業が並行して行なわれていたこともあり、決定稿と呼べるものは存在しない。
関連書籍で掲載されているデザイン画はほぼ完成状態のスーツを基に西川氏が書き起こした版権イラストに近いものとなっている。
各トライブメンバーの隠しモチーフ(飛行機といった乗り物系)は造形担当の品田氏によって粘土原型で形状を決める段階で盛り込まれたものである。
この粘土原型で形が変わるごとに、コナミの担当者が逐一写真を撮って玩具に反映させたという逸話も西川氏の証言によって残されている。

品田氏によれば、デザインの基本ラインはそれぞれ炎のトライブがランドマック、風と大地のトライブが岡本氏、水のトライブが品田氏のものがベースになっているとのこと。
ランドマックによる初期デザインはスーツとは大きく異なるが、ゴルビオンのみこの時点でデザインが出来上がっていた。
岡本氏の検討稿では超星神の頭部を背中に装着する案も存在しており、セイザーギアのセットアップにその名残が見られる。

●キャスティング

グランセイザーの戦士役のオーディションは、石井信彦プロデューサーや村石監督らが審査員として1日20~30人近くを4~5回に分けて面接したのちに選定するという形で行われた。
推薦で選ばれた未加役の清水氏を除いた11名は全員このオーディションで選ばれているが、天馬役は選考が難航し、最終的に実製作のGE(ゼネラル・エンタテイメント)からの伝手を基に、当時下北沢で芝居をやっていた瀬川氏を探しあて、オーディションを受けさせた上で無事採用となった。

キャスト陣の年齢層も幅広く、当時からグラビアで注目されていた磯山氏を始め、ジュノンボーイ出身の武田氏や唯一の東映ヒーロー経験者の正木氏、モデル出身の伊藤氏といった多彩な顔ぶれが揃えられている。
ヒーロー番組最多の人数ということもあり、脚本などの都合で出番の振れ幅が大きいキャストが多いのも他の特撮番組には見られない特色ではあるが、それ故にモチベーションを保つのが大変だったらしく、洸役の芹沢氏も共演者が出番が少ないことをぼやく事があったと証言している。

●ネーミング

変身者それぞれの名前には装着後のモチーフとなった星座を連想させる文字が使われている。
炎のトライブのメンバーの名前はGE側で用意されたものをそのまま用いており、これに負けじとシリーズ構成の大川氏が対抗意識を燃やしたことから残りの9人の名前は文芸スタッフ陣で意見を出し合って命名された。
実際どんなものかというと、
  • 天秤座だから『秤谷』
  • 双子座に因んで『THEN TWO IN』→日本語読みで『伝通院』*15
この辺はまだいい。しかし後半になると、
  • 山羊は紙を食べるから『神谷』
  • サソリの"そり"で『反町』
  • 牛と言えば松坂牛だから『松坂』
…など徐々に力尽きており、『雨宮涼子』に至っては完全に普通の名前になってしまっている。
この命名作業について、石井プロデューサーは後年『あやかり名前は大変だということをここで学びました(笑)』と述懐している。


【参考資料】

朝日ソノラマ『超星神グランセイザーファンタスティックコレクション』
小学館『超星神グランセイザー超全集』
講談社『テレビマガジン特別編集 超星神グランセイザー』
ホビージャパン『超星神シリーズコンプリーション』
講談社『ゴジラ&東宝特撮 OFFICIAL MOOK』 vol.8《超星神グランセイザー》



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項目を救い、アニヲタwikiの平和を取り戻す事が必ず出来ます。

グランセイザーが何故12人いるのか、それを忘れないで。



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最終更新:2025年03月17日 04:32

*1 声はスーツアクター陣による代役。

*2 朝日ソノラマ『宇宙船』Vol.108(2003年9月号)より。

*3 新たな戦いに思い悩むユカを翔太が泣かせたと思い込んだ。

*4 朝日ソノラマ『宇宙船』Vol.119(2005年7月号)より。一方で東宝公式サイトでは謎の女性として紹介されている。

*5 超星神は危機的状況に陥ると搭乗者を強制排出する機能を持っており、それを利用してガルーダを集中攻撃してボスキートを追い出した。

*6 ダムの破壊シーンはテレビ版「日本沈没」と映画『モスラ』のライブラリフィルムをニコイチにして流用したもの。

*7 その上で「あれは視聴者には見えていたけど洸には見えていなくて攻撃を外した程度の感じだと思います。」と一応のフォローを入れている。

*8 洸は地球を守るためにグランセイザーに選ばれたというカリンの言葉を信じていたが、当のカリンは地球人を『愚かな生き物』と唾棄して地球を滅ぼそうとしていた。

*9 自らデザインしたもので、近々子供服のブランドを立ち上げるとも語っている。

*10 一応、第45話で2人並んで歩いていたりと、2人の距離が縮まっていることが窺える描写もあるにはあった。

*11 磯山氏はこの時スケジュールの都合がつかず別撮りになったことを後年のインタビューにて明かしている。豪役の正木氏も同様の理由だと思われる。

*12 この回は映画『ローマの休日』のオマージュとなっており、演出を担当した鈴木健二監督もそれを認めた発言をしている。

*13 子供番組故に明確に描写されてはいないが、石井プロデューサーによれば愛の母親は和久井博士の愛人であるらしく、『テレビマガジン特別編集』においてもその旨の記述がなされている。

*14 ただし、グランセイザーは作中世界では公表されていない存在なので、逃げられても仕方がないということは留意すべきである。

*15 サブライターとして参加した園田英樹氏のアイデア。