登録日:2015/09/02 Wed 17:37:04
更新日:2025/06/12 Thu 20:20:22
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出典:ウルトラQ/円谷プロ/第4話「マンモスフラワー」/1966年1月23日放送
ジュランは、ウルトラシリーズに登場する怪獣……もとい植物。「マンモスフラワー」と呼ばれる事もある。
別名は「巨大植物」。
【登場作品】
【主な活躍】
◆ウルトラQ
登場:「マンモスフラワー」(4話)
身長:100m
体重:3万t
今、我々を取り巻く自然界の一部が、不思議な身動きを始めようとしています。
そうです、ここは全てのバランスが崩れた恐るべき世界なのです……。
劇中ではジュランではなく「マンモスフラワー」と呼ばれている。
遥か昔に絶滅したはずの植物であったが、何らかの影響で自然のバランスが狂い突如
復活。
東京のあちこちに地震を起こしながら次々に根を張り、人々から生き血を吸った末に東京広告社のビルを巨大な茎で貫き、
ムクゲに似て可憐だが途轍もなく巨大な花を咲かせてしまった。
自衛隊の応戦にも
毒の花粉をばらまいて対抗。
東京を我が物顔で占拠するジュランを巡り、一の谷博士ら科学者たちの意見は分かれてしまったが、
最終的にジュランを研究したいと考えていた源田博士も事態を重んじて意見を改め、ジュランを倒す方向に動く事となった。
星川航空のパイロット・万城目淳の協力も得て空中から源田博士が開発した炭酸ガス固定剤を投下、
地上からは自衛隊からの
火炎放射で根を焼き払う作戦の末、とうとうジュランは枯れてしまうのであった。
これ以外にも、企画のみに終わった劇場版にも登場予定であった。詳細は後述。
自然界の生命のバランスが崩れたとき、このような可憐な草花でさえ、
怪物化しないと言う保障は何もないのです。
アンバランスゾーンは、私たちにその事を警告していているのです……。
◆ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル
登場:「五人目のクルー」(2話)
身長:100m
体重:3万t
怪獣無法地帯と化した惑星ボリスに降り立った
スペースペンドラゴンのクルーの前で突如開花。
毒の花粉でクルーのヒュウガとオキを苦しめるが、スペースペンドラゴンを親だと思って懐いてきた古代怪鳥リトラと戦いになる。
根っこなどで応戦するも、最期はリトラのシトロネラアシッドを浴び、枯れてしまった。
この戦いでリトラも瀕死となるが、こちらは
レイのバトルナイザーに収納される形で命拾いしている。
『ウルトラQ』から数えて、実に56年ぶりとなる映像作品への出演。
今作ではマンモスフラワー名義で、「
禍威獣(巨大不明生物第2号)」として登場。
冒頭のアバンストーリーにて、過去に撃退された禍威獣として紹介されていた。
東京に出現し花を咲かせるが、原点同様、炭酸ガスと火炎放射の連続攻撃で駆除される。
◆その他
漫画『
酩酊!怪獣酒場』でも花粉症の原因として登場。
しかも、原典通りの毒花粉であり、平和に暮らしている怪獣や人間達に危害を加える恐ろしい存在。
最後は
ケムール人の液体で消去されて事態は解決した。
【製作裏話】
『ウルトラQ』の第1話は「ゴメスを倒せ!」、初のウルトラ怪獣はその回に登場した
ゴメスとリトラだが、
実は最初に製作が行われた話はこの「
マンモスフラワー」である。
大暴れする怪獣がメインの番組にしたいという意向で第4話に回されてしまったものの、実質的なウルトラ怪獣第一号は
ジュランという事になるのかもしれない。
また、【主な活躍】にも記したとおり、ジュランはなんと
皇居のお堀にまで根を伸ばしており、勿論映像にもしっかり描写されている。
古今東西様々な怪獣が
日本に襲来したが、お堀までとは言え皇居にまで被害を及ぼした怪獣はジュランぐらいだろう。
なお、動き回る根は合成だが皇居の映像は
ゲリラ撮影で収録したという。
ちなみに映像作品では撮影段階でカットされてしまったが、
脚本ではジュラン掃討後、
再建中の東京広告社ビルがジュランの球根が腐ったために地面が大陥没して崩壊するという
とんでもない
バッドエンドなオチが用意されていた模様。
TVシリーズ放送開始前に『ぼくら』誌で連載された絵物語版のエピソードではこの結末が再現されている。
【余談】
- 過去作品のオマージュ要素がふんだんに盛り込まれている『ウルトラマンコスモス』には、「遊星ジュラン」と言うジュランと同名の星が登場している。
勿論マンモスフラワーの方のジュランとは関係ない。
- 『ガメラ2 レギオン襲来』に登場するレギオンと共生する生命体「草体(レギオンプラント)」のモチーフはこのジュランである。
監督を務めた金子修介氏はそれ以前に『ウルトラQ』の劇場版の監督を務める予定があり、劇中にジュランを登場させる予定であったが、残念ながらその企画は中止となってしまった。
そのため「草体」にジュランのイメージを活かしたのではないかと言われている。
- 水木しげるの短編漫画に『マンモスフラワー』という登場エピソードと同名作品が存在し、巨大な怪奇植物が描かれているが両者に関係は特にない。
本来は『ゲゲゲの鬼太郎』とは無関係の作品なのだが、アニメ2期、3期、4期ではこの作品を元にしたエピソードが作られている。
なお、ほぼチョイ役ではあれどねずみ男のソックリさんが登場するため、ちくま文庫の「ねずみ男の冒険」にも収録されている。
追記・修正は綺麗な花を咲かせてからお願いします。
- 製作順1号の植物。 -- 名無しさん (2015-09-02 20:54:48)
- ゴメス&リトラ、ベムラー、バルタン星人と共にシリーズ最初の怪獣といえる記念すべき存在なんだけど・・・スーツとかないから出すだけで手間かかんのに所詮でかくて毒花粉まくだけだから再登場回数が一回だけなのはしゃあないかな。 -- 名無しさん (2015-09-03 01:06:11)
- ちなみに最初にデザインされた怪獣はペギラ。製作、放送、脚本、デザインによって最初のウルトラ怪獣は様々。 -- 名無しさん (2015-09-03 07:51:11)
- 多々良島のスフランと何か関係ありそう -- 名無しさん (2017-02-21 18:55:29)
- 『ウルトラ怪獣擬人化計画 ギャラクシー☆デイズ』では、なぜか擬人化されず巨大な怪獣そのままの姿で登場した。花粉症の原因となっていたらしく、キレたゼットンの火球で焼き払われた -- 名無しさん (2017-06-05 17:21:20)
- 『酩酊!怪獣酒場』でも花粉症の原因として登場。しかも、原典通りの毒花粉であり、平和に暮らしている怪獣や人間達に危害を加える恐ろしい存在だった。最後はケムール人の液体で消去されて事態は解決した。擬人化計画といい、怪獣達が平和に暮らしている作品でも倒すべき存在として描かれるとは、こいつは怪獣扱いではないのか? -- 名無しさん (2018-03-09 21:44:20)
- 「グレートマジンガー」では同名の戦闘獣が登場した。 -- 名無しさん (2021-12-10 04:14:51)
- DMC5のクリフォトの元ネタもこいつなのかな -- 名無しさん (2022-06-30 20:31:55)
- 『ヘルボーイ ゴールデンアーミー』でこれみたいなのがいたような…監督が特撮好きだから元ネタこれなのか、原作に元ネタがあるのか…どっちだろう? -- 名無しさん (2022-12-06 17:56:57)
- かいじゅうステップワンダバダではカネちゃんが見つけた植物の種が成長した姿として登場しており、作中ではマンモスフラワーと呼ばれている。 -- 名無しさん (2023-04-07 12:42:58)
- ウル忍でもこいつを利用して朧党が花粉症を蔓延させてたな。しかも幼体だったのか鉢植えサイズ(それでも鶴亀の国を苦しませるくらいにはやばいレベル) -- 名無しさん (2025-06-12 19:26:17)
最終更新:2025年06月12日 20:20