登録日:2011/07/10(日) 20:47:00
更新日:2025/01/12 Sun 20:35:27
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『マッドマックス2(原題 Mad Max The Road Warrior)』は1981年公開のオーストラリア映画。
前作と同様、監督・脚本はジョージ・ミラー、主演も前作同様メル・ギブソンが続投している。
前作の世界的ヒットにより、約10倍の予算の製作費を当られて撮影された。
その結果、
戦争で荒廃し、一面砂漠が広がり、わずかな物資を求めて改造車に乗った暴走族が跋扈するという、過激な世界観の
ポストアポカリプスSFとして完成した。その影響力は計り知れない。
『
北斗の拳』の世界観に多大な影響を与えた事で知られ、
ケンシロウの服装や悪役のデザインは本作をモチーフにしている。またプロレスラーのザ・ロードウォリアーズの名はこの映画の題名から名づけられた。
核戦争後の世界を舞台としたゲーム『
Fallout』の世界観も今作に通ずるものがある。
今でこそメル・ギブソンの出世作であるが、劇中での彼の台詞は17回しかない。またジョージ・ミラーは制作の参考にあたり、黒澤明監督作の『用心棒』とジョージ・スティーヴンス監督作の『シェーン』を出演者に見せたという。
【あらすじ】
前作から時は流れ、全世界の各地で戦争が勃発。文明は崩壊し、暴走族が台頭するなど世界は混乱に満ちていた。そんな中、妻子を失ったマックスは、最速マシンV8インターセプターに乗り愛犬と共に、あてどもなく砂漠をさまよう日々を送っていた。そんな中、製油所を守りつつ日夜暴走族との攻防戦を繰り広げる人々と出会う。
彼らは、必死に貯蓄した物資と共に、暴走族のいない遥か遠方への逃避行を企てていた。ガソリンを条件に、マックスは、旅の途中で発見した彼らが必要とする大型タンクローリーを仕入れることになる。
そして、暴走族との激しいカーチェイスが今幕を開けようとしていた。
【登場人物】
演:メル・ギブソン
前作よりも男臭が漂うワイルドな主人公。革ジャンだけは前作から引き継いでいるが、片袖がなくなっている。
前作で息子を喪ったが、「峠を越した」はずの妻もその後亡くなったようで、いよいよ孤独の身となり、今は愛犬と共にインターセプターで砂漠をさまよっている。
家族を失ったためか、すっかり無愛想で非協力的で暗い性格になっているが、必死に戦う製油所の人々の姿には幾分か思うところもあるっぽく、正義漢なところも少しは残っている様子。
警察官時代から使っていた
水平二連ソードオフショットガンを所持。ただし肝心のショットシェルを持ってないのでただの張りぼて。
北斗神拳は使えない。
演:ブルース・スペンス
初登場時は地中に隠れていたリアル
バット。こっちは顔の長いおっさんだけど。その名(というか肩書き?)の通り、オートジャイロを操る。
地中に隠れマックスをボウガンで襲うも返り討ちに遭い、命乞いのために製油所の場所を教えた。それが縁で、彼と共に製油所に住む人々の戦いに巻き込まれ、その中にいた女性といい感じになっていく。
最初の方は完全な小悪党だが、オートジャイロから蛇を投下したりヒューマンガスに一太刀浴びせたりと、終盤は大活躍する。
演者は続編のサンダードームにも出演しているが似て非なる別人設定である。ややこしいな。
◆製油所の人々
演:エミル・ミンティ
刃の
ブーメランを自由自在に操る身軽な
野生児(ということだが実際は製油所の人たちと一緒に暮らしている)。親も分からず言葉も話せないが、マックスになついて行動を共にする。
本作の語り部は、実は未来の彼。
なぜ彼がマックスと出会う前のこと(冒頭のウェズ達との対決など)も知っていたのだろうか……?
演:マイケル・プレストン
製油所に住む人々のリーダー。クライマックスではガソリンを狙う暴走族との激しいカーチェイスを繰り広げるが……。
演:ヴァージニア・ヘイ
製油所を守る名も無き若き女戦士。戦闘ではナイフからクロスボウ等、あらゆる武器を使いこなす。右の頬には深い傷跡が刻まれている…
◆ヒューマンガス軍団
演:ケル・ニルソン
製油所を狙う暴走族の首領。
荒野の勇敢なる戦士、ロックンローラーのアヤトラと部下からは称されている。
異様なアイスホッケーのゴールキーパーの仮面と、過激な露出度のボンデージファッションがまぶしい筋骨隆々の巨漢。
凶暴な暴走族を率いるカリスマ性と、それに見合った力の持ち主。
スリーパーホールドで暴走族の中でもひときわマッチョなウェズをも鎮圧してしまう。
その一方、無駄な争いは好まず、まずは無条件降伏を提案する紳士な男でもある。
紳士……?
武器はスコープ付き44マグナム銃。スーパーチャージャー搭載の車を乗りこなし猛スピードのカーチェイスの最中に、アンカーのようなものを敵に投げつけて仕留める荒業も披露。
主人公のマックスよりもはるかにセリフが多いしトーク力も抜群、さらに荒くれ者どもを束ねる統率力と暴力も持ち合わせているなど、この映画の人気を支える魅力的な悪役である。
演:ヴァーノン・ウェルズ
暴走族のNo.2的存在。ご存知北斗の拳のスペードを始めとする雑魚要員の元ネタの元ネタ。要は
ヒャッハーの始祖。
赤い
モヒカンと革ベスト
とお尻丸だしな世紀末ファッションが特徴の
DQN。左手に
ボウガンを装備。
キレるとヒューマンガスでも手が付けられない悪漢。巨体の割に宙返りができるなど身軽で必殺技は
頭突き。
彼も彼でヒューマンガス同様に十分に魅力的な悪役……と言うか以降のサブカルチャーにおける影響を考えればある種の完成形……とも言える。
ちなみに演者は後に『
コマンドー』で
ベネットを演じることとなる。
演:マックス・フィップス
暴走族メンバーの一人。ヒューマンガスのことを「荒野の勇敢なる戦士、ロックンローラーのアヤトラ」と称したのはこいつ。
ウェズがキッド目がけて投げた刃のブーメランが(何せブーメランなので)戻ってきた際、素手でキャッチしたため右手の指4本をスパッとケジメ失ってしまった。アホか。
ちなみに他のメンバーはバカ受けしてた。
演:ジェリー・オサリバン
ウェズが運転するオートバイの後部座席に乗っている金髪の若者。キッドが投げたブーメランが頭に直撃したことでアッサリ死亡した(その後、激怒したウェズがブーメランを投げ飛ばしたものの、戻ってきてトーディーが指を切ったのは上記の通り)。
なんでもウェズに拾われた孤児という設定らしいのだが、映画内ではそうとわからない(あとセリフもない)こともあってウェズの愛人なんじゃないかと思われていたりもする。
【余談】
よく本作といえば核戦争で滅びた世界の物語と語られているが、実は本編内では一度も核戦争で滅びたとは明言されていず、冒頭の世界の混乱のイメージで核実験の映像が流れたのみである。
舞台は一面の荒野だが、これはオーストラリア内陸の自然環境で、実際ジャイロ・キャプテンと遭遇した場所などは結構植物が生えている。
なお核戦争後と演出されたのは次回作以降である!
また、前作からの人気があったからかインターセプターの再現車もいくつかある。
物凄く金がかかる上にオーストラリア産のフォード・ファルコンを他国に持ち込むのも大変なため
豆腐屋のように多くはないが、不動車も含め日本にも数台存在している。
しかも外観は同じでも中身は全て違っているとか。拘りが出るのもそうだが、旧車だから管理も大変で色々いじくられているというのもその理由である。
スーパーチャージャーのところは特に弱いので見かけたら眺めるだけにしよう。
追記・修正 お願いします。
- リメイクはこっちの話みたいだね -- 名無しさん (2015-06-16 06:41:37)
- いつか日本もこんな感じの世界になるのかな… -- 名無しさん (2015-07-02 19:42:28)
最終更新:2025年01月12日 20:35