ネロ・カオス

登録日:2011/02/27 Sun 17:24:16
更新日:2024/10/04 Fri 21:51:45
所要時間:約 5 分で読めます






―――出口など無い、此処が貴様の終焉だ






月姫』及びMELTY BLOODシリーズの登場キャラクター。

CV:中田譲治(MELTY_BLOOD他)/三宅健太真月譚 月姫

2月13日生まれ。身長188cm。体重84kg。

千年を生きる吸血鬼にして、死徒の頂点に君臨する死徒二十七祖の一角。
二十七祖第十位『黒き混沌』の異名を持つ。
灰色の髪に裸体にコートを羽織った筋骨溢れた大柄の男。
月姫で登場し、遠野志貴アルクェイド・ブリュンスタッドを苦しめた死徒。
元は北欧の魔術協会『彷徨海』出身の魔術師で魔術を極めた末に自ら死徒になった男で、かつては「彷徨海の鬼子」と渾名されていた。
本名はフォワブロ・ロワイン
ネロ・カオスという名は聖堂教会が付けた異名で本名ではない。
しかし、本人もネロ・カオスと名乗っていて、随分長い間本名で呼ばれた事はないらしい。

ネロ・カオスいう名の由来は666という数、通称『獣の数値』に深く関わりを持つ暴君ネロと、混沌つまりカオスを操る能力から併せて付けられたものと思われる。

ちなみに名前の元になった暴君ネロ(※リンク先ネタバレ注意)が後にFate/EXTRAで登場するも全く似てない。まあ名前の由来だけだしな!



能力

元々は魔術師兼動物学者でもあったために基本的に自ら闘わず、後述の動物達による物量攻撃を好み、多量の獣で対象を襲わせて食らい殺す。
長く生きているだけに必要な養分も相応であり、ホテルの宿泊者百数十人をものの数分で食らい尽くした。

ちなみにあまり知られていないが魅了の魔眼を持っている。あまり強くなく、意識を強く持っていれば回避可能。


固有結界・獣王の巣

混沌の固有結界
通常は空間に展開する固有結界だが、コレは体内に展開しており、肉体そのものが固有結界と化している。
通常の固有結界は世界から修正を受けて結界の維持に多量の魔力を消費するが、ネロは術を体内に展開することで修正を逃れて長時間の展開を可能にした。

その能力は結界内に取り込んだ生物を「混沌の獣」として操る事。
混沌の泥で対象を呑み込む事で自らの体内に取り込み、使役する。
彼は今まで取り込んだ666の獣の因子と同数の命を持っていて、一撃で666の全ての命を滅ぼさないと次の瞬間に即座に復活する。
このために、並大抵の攻撃・手段では彼を殺し尽くすのは不可能に近い。
さらに体内の獣たちが常に周囲を見張っているので死角が無く、不意打ちは通用しない。背中から襲われて、ネロ本人が攻撃に気付かずとも獣達が勝手に迎撃する。
この特性からほとんどのサーヴァントを上回る万全のアルクェイド(30%)でも倒せないとされている。

体内の獣たちの中にはライオン、熊、豹、牛、鰐、鮫、鹿、蛇、鷲、烏、蛾などが存在し(漫画版ではエイやトカゲなども)、
中には角の生えたペガサスみたいな馬、ドラゴンみたいな幻想種、蟹と蠍を合成されたような化物までいる。
ちなみにその中でエトという名の鹿が妙な人気がある。
出てくる獣たちはネロでも判断ができないらしいが、追い詰められた時の台詞から強弱の操作は出来る模様。
ちなみに志貴は野生の熊は戦車すらスクラップに出来る暴力の塊と認識しており、その考えづらい強さからKUMAとファンからネタにされる。
また同じくネタとして、燕返しで漸く斬れる燕をTUBAMEと呼ぶネタがある。

なお肉体が「 」に繋がっている両儀式を取り込んだ場合は、「 」は混沌に取って最悪の猛毒らしく、身体が保てなくなり自滅する模様。


  • 創生の土
ネロ・カオスの切り札。
混沌の内、500の命を使って相手の足下から捕縛して拘束する大技。
ミハイル・ロア・バルダムヨォンとの共同研究の産物の一つ。捕えられたらアルクェイドでも脱出不能の技であり、曰く「脱出するのは大陸一つを破壊するのに等しいようなもの」

  • 武装999
混沌の獣の因子を全て凝縮する事で己自身を最高のケモノに変貌させて肉体を大幅に強化する奥の手。
志貴との闘いで見せた彼の最後の切り札であり、灰色大柄の化け物と化したその速度はアルクェイドにも引けを取らない程のスピードを誇るが、速すぎる為に彼自身も動きを完全に制御しきれていない



〇本編

月姫には白翼公トラフィム・オーテンロッゼが提案した真祖狩りの実行者に抜擢され嫌々ながらもアルクェイド討伐に赴く。
最初はホテルでアルクェイドと志貴を襲撃、一度は逃げられる、その後は公園で激突した。
「創生の土」を展開してアルクェイドを追い詰め、獣の物量攻撃により志貴を甚振るものの、死の淵に追い込まれた衝撃で反転した志貴の体術と直死の魔眼によって次々と混沌の獣たちが消滅。
魔術師でも代行者でもないただの人間が振るうナイフ如きに、不死のはずの獣が次々と消されるという状況に理解出来ずに動揺。
ついには逆上して武装999で勝負にでるも体内の死の点を衝かれ、笑いながら消滅した。

敗因は元々は学者のために戦闘センスに欠けていたところと、理解できない状況に動揺し、無策で突っ込んでしまったところにあるとされている。
人間など食料に過ぎないと見下しており、その人間如きに後退するなど有り得ないとし、プライドの高さから大人しく逃げなかったのも敗因の一つだろう。

上記の通り、物理的な攻撃で倒すのは困難を極め、直死以外で倒す方法は不明。
しかしメルブラにて、シエルが聖典武装による一撃で打倒したシーンがある。

また約束された勝利の剣ゲイ・ボルクは祖に対して滅法強いらしいのでどちらかにやられる可能性がある。
ゲイボルクは心臓のない者に効果がないとされている点からエクスカリバーが有効であるのが有力か。

人の器に大量の存在概念を内包した結果、元のフォワブロ・ロワイン自身の人格は限りなく薄くなり続けている。
しかし、本人もそれは承知の上であり、混沌という原初の秩序の果てに何があるのかのみ興味を示している生粋の学者。
ほっとけば数百年後にはただの混沌になっていたとされている。


元々魔術を極めた果てに死徒になったタイプのために後継者作りに興味示さない祖でもある。
二十七祖の番外位であるロアとは盟友同士。
ロアは他の祖からは過去の横暴から嫌われているのだが、ネロは例外であった模様。

付き合いも古く、800年前のロアが初代だった頃からの知り合いで、二人で『永遠』の定義について語り合い、その際に彼に混沌を形にする術を教えて貰った。
術理戦もやりあったようで、普通は単独で行うのが常であるはずの魔術の研究を共同で行うほどの交流であった。

元々は丁寧な口調で喋る初代ロアを知っているからか、遠野四季に転生したロアと話した際は「まさかお前にダンナと呼ばれるとはな」と驚いていた。
因みに当時のシエルであるエレイシアに転生したロアとも会っていたらしく、この時の方が今よりはまだ品性はあったと語っている。


アニメ『真月譚 月姫』にも一応登場。
しかし、まともな出番は与えられず、急にふざけるなとキレて志貴に襲い掛かるも一刺しで返り討ちされた。
これには結構な批判があったようである。CVジョージじゃないこともあってあれはネロじゃないロだと言われる。
ペロ「人間風情が私に挑むだと……? ふざけるなぁぁぁ!! 何ぃぃぃ! ぎゃあぁぁぁぁぁ~~~!!
……これは酷い。
……ネロは犠牲になったのだ……スタッフの都合の犠牲にな……
……真面目に言い訳すると、アニメ版の志貴は反転できないし体術も使えないので、それでも倒せる程度に調整されたから。


「さあ……食事の時間だ」

漫画版『真月譚』では2巻に渡って大暴れしているのでご安心を。
烏による偵察に始まり、ホテルではスタッフや客たちへの容赦ない殺戮と捕食活動を繰り広げる。小さな幼女・幼児ふたりもあっさり食らった。
人間たちが臓物や骨を剥き出しにして残骸のように散らばる場面は作者の高い画力もあって陰惨なほど。
シエルが捕獲のため展開しようとした結界もあっさり破ってのけ、「さすがはネロ」と彼女も感嘆している。

公園の戦いでは原作通り、反転した志貴に敗れる。
獣たちを片っ端から切り捨て、左肩を切り落とせば再生できない傷を負わせる志貴に己の右足がつい下がったのを見て「人間に対して恐れを抱いた」ことに激高、「武装999」(本作では名前を呼ばれず)で突撃するも、死の点を貫かれて消滅した。

なお、これまで志貴は「死の線」しか見えていなかったが、ネロ戦で成長したのか、以後は「死の点」が見えるようになった。
また漫画版では、下半身にはスラックスや靴を着用している。


ちなみに日本には飛行機に乗ってきたらしい。
多分魅了の魔眼を使ったのだろう。
裸コートのおっさんが飛行機に乗っているとなると中々シュールな光景だが。
このシュールさについては漫画版のオマケ四コマ(九巻収録)でも触れられていた。


MELTY BLOOD

ワラキアの夜が再現した存在として登場。
常に中ボスの立場の為、ワラキアから「祖とはいえ彼を中盤に添えるのはいい加減マンネリがある」と駄目だしされたが、式からは「これほどの怪人がやられ役とかどうなってんだこの街」とドン引きされた。
ワラキアとの会話によると800年前にトラフィムの城で同盟の確認をするため、先代十三位と顔を会わせたらしい。
社交性が高い死徒だったがそれゆえにアルクェイドと戦う事になってしまったのは皮肉である。

動物学者としての本能が刺激されるのか珍生物ネコアルクに非常に興味を持っていて足跡だけでも採ろうと必死になったりする。
そして謎のパチモノが登場。
ネタキャラへの道に突き進み始めている。

「蛇の残滓を取り込むもまた一興!! 良かろう、その肉喰らい尽くしてくれる!!!」

漫画版「MELTY BLOOD」では五巻から六巻に登場。漫画版「月姫」と同じく、ズボンと靴が明確に描かれている。
タタリの発動を察知し、倒そうと急ぐシエルの前に現れる。
タタリの障害となる存在を排除するため、つまり本体の露払いというのがいまの自分の存在意義と即座に悟り、それを「くだらん」と言い放つも、「本能に従うまで」と目の前にいるシエルに襲いかかる。
一度はシエルの「第七聖典」により倒されるが、タタリが終わっていなかったために直後に復活。
ネロ本人も「全くもって理不尽、甚だしい事態と言えよう」とぼやくほどだったが、彼本人としてはどうでも良いことであり、戦闘続行。
今度は「創世の土」まで用いてシエルを第七聖典ごと拘束するという大盤振る舞いも。
なお、この際に「三年前も手こずられた」と、ワラキアの夜からの記憶がネロに流れ込むという事態も起きていた。
最期は、志貴とシオンがワラキアに致命傷を与えたことで消滅する。

なお、シオンと交戦中のワラキアが、エーテライトによる再現として傀儡を作った際にはアルクェイド、秋葉と並んでネロ・カオスも再現。連続攻撃の最後のオオトリを飾っていた。


Fate/strange fake

ネロ本人は登場しないが死徒の話の際に彼らしき死徒が話題にのぼっている。
強大な力を持つ怪物が戦場で現れて無数の獣を繰り出して十字軍を蹂躙したという。
後に公式でネロ・カオスであることが公認された。
因みにメレム・ソロモンらしい死徒も戦場で現れ大暴れしたらしく、三度目にまた別の死徒も現れたそうだが
その死徒は後に英雄と呼ばれる者達の協力で討取られたそうだ。





Fate/Grand Order

第2部から拠点が彷徨海になり、シオンが対面したことがあるような描写があったが非霊長生存圏ツングースカ・サンクチュアリのエピローグで満を持して登場。
名前は魔術師だったがこれまでの彼とは異なり彷徨海に残留し、師の許しを得てシオンと直接対面した。ようやく裸コートではないまともな格好が披露された
彼の口から彷徨海とは絶海の孤島ごと宇宙から消失した工房であり、彷徨海とされているものは影に過ぎず、仮に消滅したとしても影響はその時の彷徨海だけ。
本物は無論、過去・未来の彷徨海も影響を受けないこと、年に一度しか受け入れないのも扉が開いたときに居合わせていれば誰でもいいということが明かされた。*1
彷徨海のエントランスに存在する扉は『維持(セレン)』『発展(エレン)』『保存(ゲノン)』『隷属(フシカル)』『再生(ガヌ)』の5つ。
そしてこれらは唯一本物へとつながるタイムゲートのような役割を果たしており、中でも『再生(ガヌ)』は教授含め2人しか在籍していない。

彼がシオンと対面したのはネロ・カオスのなかに残っていた律儀な性格の他、彼女を『再生(ガヌ)』の一員に招き入れるため。しかしカルデアを見捨てなかった彼女はこの勧誘を断る。
別れ間際には彼女にまるで別世界の彼女の可能性を知っているようなことを口にし去っていった。
シオンは「西暦1,000年頃に時計塔から移籍した魔術師がいた」と説明し、また彼が「同じ西暦を生きた魔術師」と口にしたことや、月姫世界での彼の経歴から考えると、元時計塔所属だった可能性が高い。
また彼女を招き入れるために扉を開いたがコストもバカにならないようで、大陸一つ殺すほどの魔力を用いていたことから創世の土を用いている可能性が示唆されている。
その使用についても「一度なら未来に向けて使っても構わない」と師の承諾も得ているようで、月姫世界ではロアとの共同研究の成果はこちらでは彷徨海で完成させたようである。*2




…まさか、な


―おまえが


おまえが私の「死」か…





「私において情報の欠損など意味のない問題だ。私は無数の情報の因子と、同数の追記・修正の混濁に過ぎない」
「荒らされたところで追記・修正を施せば再び項目の一つとして蘇生する」

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最終更新:2024年10月04日 21:51

*1 ただしバルトアンデルスにたどり着くこと自体相応の魔術師しかできないうえ、例え辿りつけても巡り合わせがなければいつまで経っても門戸が開かれることはないためハードルは高いまま

*2 Fate世界の一つではロアも存在しているが月姫世界と異なり死徒がそこまで強力な存在でないこと、彼が”運命的な出会い”をしていないことからあくまで一介の魔術師止まり、またロアが活動し始めたのは西暦1200年頃と教授とはズレており、何よりも教授自身が彷徨海から出奔していないため、月姫世界では盟友だった彼らはFate世界では全く接点がない