アサシン(Fate)

登録日:2009/06/10(水) 00:25:04
更新日:2024/02/13 Tue 18:23:14
所要時間:約 22 分で読めます







────アサシンのサーヴァント、佐々木小次郎



Fate/stay night』に登場する、第五次聖杯戦争での暗殺者サーヴァント
CV:三木眞一郎

『Fate』シリーズ全体における「アサシンクラスのサーヴァント」については、こちらの項目で。






○データ





○概要

紺色の陣羽織を羽織った侍姿の男性。
何事にも動じないクールな人格の持ち主で花鳥風月を愛でる雅なる性格。
常に余裕を崩さず、サラリと受け入れかつ愉しむので、ある意味究極のプラス思考。
生涯の全てを剣に掛けて生きた人物であり、それゆえに自身を刀や道具のようなものと称しており、破綻者を自認している。
武士として好敵手となる者との戦いを望む、まさに絵に描いたような武人である。

暗殺者(アサシン)』のサーヴァントでありながら、その戦闘スタイルは暗殺とは程遠く、
拠点としている柳桐寺の入り口で、襲い来る他のサーヴァントを正々堂々と正面から迎え撃つ。

真名は、日本史において宮本武蔵の好敵手として有名な剣豪・佐々木小次郎。項目冒頭の台詞はゲーム本編における彼の第一声である。
聖杯戦争において、サーヴァントの真名は弱点の露呈に繋がるため、秘密にすべきものとされるが、
このアサシンは初めてセイバーと相対した時に自ら堂々と真名を名乗り、彼女を困惑させた。







以下、ネタバレ
















◆真実

彼は、キャスターのルール違反によって召喚された、謂わば不正サーヴァント

本来、冬木の聖杯戦争では、アサシンのサーヴァントは歴代のハサン・サッバーハの誰かが召喚されるのだが、
今回はサーヴァントであるキャスターがサーヴァントを召喚するという異常事態から、ハサンとは関係ない彼がアサシンとして召喚された。


しかし、佐々木小次郎は物語世界の日本史においては実在しない架空の人物であり、
このアサシンは伝承にある「佐々木小次郎」の秘剣・「燕返し」を再現できる無名の剣士の亡霊が、「佐々木小次郎」の名と殻を被って召喚された存在に過ぎない。
つまり、この架空の剣豪を名乗る英霊の正体は、その剣豪が使うとされる秘剣が使えるということで召喚された、ただ単に恐ろしく強いだけの農民Aさんである。

本人曰わく、確かに佐々木小次郎という剣客は居ただろうし、物干し竿と言う長刀を持った剣士も居ただろうが、それらは同一人物ではない。
伝承にある「佐々木小次郎」とは、宮本武蔵という剣客を讃える為に人々が作り上げた架空の人物に過ぎないという。

冬木の聖杯戦争は東洋の英霊に対応しておらず、彼が召喚されたのも要は魔術基盤の隙を突いたバグ技のようなものであり、
キャスター程の魔術師でもなければ本来このような召喚は行えない上、それによって召喚される英霊もまともな英霊ではない。

そんなイレギュラーな召喚により、「架空の英霊である佐々木小次郎として呼び出された農民Aさん」である彼であるが、一応本来の自分の生前も覚えている。

曰く、農民であった彼には名を持つこともなく、読み書きを覚える余裕などなかったという。
なんでも、たまたま山奥で剣聖と出会ってその太刀筋に魅了され、弟子入りしたというが、教わったのは花鳥風月のみで、最初の演舞を一度見たきりで剣を教わることはなかった。
その剣聖の置き土産である「物干し竿」を、農作業の傍ら、自身が魅了された絶技に近付くべく、そして空を飛ぶ燕を斬るべく、独学で振るい続けた彼は、
一度も果たし合い等をすることはなく、「燕返し」を完成させた直後に亡くなった。


奈須きのこ曰く、
無名でありながら英霊検索に該当した伊達男舐めんなっつーの。心身共に山育ちだっつーの。そも剣聖なら刀なんか使わなくても次元を断つくらい出来るっつーの。千子村正、因果すら断つっつーの」。
最後のそれ、なんて朧村正


召喚の際の触媒にして依り代となったのは「柳桐寺の山門」。
アサシンに対応する擬似的な令呪を持っているのはキャスターで、事実上のマスターも彼女なのだが、
元より英霊であり、現代に生きる者でないキャスターは英霊を現代に留めるための依り代にはなり得ないのである。
そのため、魔力供給を行っているのはキャスターであるが、現界に必要な魔力があれば彼女が消滅しても山門が破壊されない限り現界し続けられる。
なお、生前は冬木と縁があり、星を見るためによく柳桐寺の山門に来た事があると語っている。

一方、依り代となっている山門からアサシンは離れられないという制約も課されており、キャスターからは専ら山門の護りを命じられている。

キャスターの結界により柳桐寺の境内は敵サーヴァントの宝具の威力も大幅に削減させ、
地形効果によってアーチャーの狙撃すらも封じる環境を作り上げている。
故に、柳桐寺に攻め入るサーヴァントはアサシンの居る正門から侵入せざるを得なず、必然的に彼の土俵たる近接戦で戦う事となる。
しかも後ろに控える搦め手・陰謀を得意としているキャスターが得意の神殿の中で控えて隙を窺っているので、より攻略難易度が跳ね上がっている。

その戦い方からか、ランサーは苦手なタイプに彼を挙げていて、戦闘狂の彼をしてタイマンでも御免だと拒否した程。
彼曰わく「ああいう奴は遠くから仕留めるに限る」との事。


だが山門から離れられない制約はやはり不満がある上、キャスターからは番犬程度の存在と見なされており、
アサシンもキャスターを「女狐」と面と向かって言うほど嫌っているため、
第五次聖杯戦争のマスター・サーヴァントの中では、慎二とライダー組に並ぶほど険悪な関係である。
実際問題、TVアニメ版『UBW』ではキャスターをわざと煽った結果、魔術で胸部を破裂させられ肋骨を剥き出しにされる仕置きを受けた。



○戦闘能力

長さが五尺余りの長刀「物干し竿」による「全てが首を落とすため」の鋭い一撃必殺の斬撃と敵の剣撃を刀でいなすのを得意とする。

剣に捧げたその人生は伊達ではなく、剣において彼を上回る者は存在しない、剣技のみに特化したサーヴァント。
特に敏捷値に関しては、元来スピードに優れたライダーランサーを押しのけ、第五次聖杯戦争においては(敏捷値のランク上)最速。
尤も敏捷のランクは移動速度と反応速度で評価されるので、足の速さではなく反応の速さでランク付けされた可能性もある。

単純な破壊力、剣速はセイバーに劣るもその卓越した剣技を持って彼女と渡り合う。
その剣術はセイバーのような西洋の剣特有の力をもって敵を叩ききる剛剣ではなく、刀特有の速さでもって敵を断ち切るものとされている。

第五次聖杯戦争で呼ばれたサーヴァントの中でも最高の技量の持ち主とされ、あのセイバーをも凌ぐという。
ディルムッドが「破魔の紅薔薇」を解放する事で漸く見切った「風王結界」の見えない斬撃すら、
彼は数回打ち合っただけで剣の寸尺形状を見抜き、髪一筋の位置で避ける神技を見せている。

その最高峰の技量から生み出される剣術と切り札の魔法の域にまで高められた秘剣「燕返し」をもって、
本来名も無き亡霊である彼は、名だたる英霊とこと接近戦においては互角以上に立ち回ることができるのである。


●弱点

その卓越した剣技を活かせる近接戦では無類の強さを発揮できるのが彼の最大の長所なのだが、
正式なアサシンのサーヴァントでない彼は、アサシンのクラス特性を「気配遮断」以外失っており、上述の通り宝具も持たない。
そんな彼が他のサーヴァントに対抗し得るのはその剣技のみであり、それ一本で戦うしかない故に、
確かにアサシンはこと剣技においては第五次聖杯戦争で最高の腕前を持つとされるが、
逆に言えば「それが全て」であり、それ以外の戦法に対応出来ないのが最大の弱点。

更に言えば、武装である「物干し竿」は業物ではあるが、宝具ではない為に強力な武装とぶつかれば折れてしまいかねないため、強引な扱いは出来ない。
彼はこの弱点を補うべく、通常剣戟の際には相手の武器をいなすように捌くことで、衝撃を拡散させて刀が折れないようにしている。
それでもギルガメッシュのように肉体の殆どが強固な鎧に覆われている相手は頭部狙い以外に有効な攻撃は出来ず、
バーサーカーのような無効化宝具を持つ相手に至っては1対1の真っ向勝負で勝つ術が無い。

それでも実力は相当なもので、キャスターの結界、階段から登る以外無いという地の利など有利な要素があるとはいえ、
第五次におけるセイバー・アーチャー・ライダーを独力で、
相性が最悪のバーサーカーすら同じく相性最悪のキャスターと協力して山門から退けさせる事に成功した。

ちなみに(小次郎側から見て)攻撃手段のないバーサーカーをどうやって退かせたかと言うと、
キャスターのバーサーカー本体への「重圧」と小次郎の「攻撃的防御」という構えで、「これ以上近寄ったら自分も死ぬけどお前も死ぬよ」という相討ち狙いの戦法を取り、
これには流石のイリヤも後ろにいるキャスターを警戒して深入りせず、撤退したという。

尤もバーサーカーには「十二の試練」がある為、本気で殺す気で来られたらやられていたとも語られている。 
流石にギルガメッシュ相手には「Fate」ルートで一方的にやられた模様。
Fate/hollow ataraxia』を見る限り、遠距離からの王の財宝のガトリングで仕留められたと思われる(辺りに武器が散乱していた)。

「UBW」ルートではセイバーとの再戦の約束を果たすべき消滅寸前の肉体ながらも意志の力で現界し続け、
ハンデを背負いながらも以前に剣を交えた時よりも万全状態のセイバーと互角以上に渡り合った。



宝具

◇燕返し



秘剣───────燕返し

ランク:− 種別:対人魔剣 レンジ:2 最大捕捉:1人

彼の唯一にし最大の切り札の「対人魔剣」。
厳密には宝具では無く、技術によって宝具の域に達した文字通りの必殺技であり、彼が全存在をかけて練り上げた究極の一。
基本的に構えらしき物を持たない彼だが、この技にだけは構えがある。

その実態は「多重次元屈折現象」による、
  • 一の太刀:頭上から股下までを断つ縦軸
  • 二の太刀:一の太刀を回避する対象の逃げ道を塞ぐ円の軌跡
  • 三の太刀:左右への離脱を阻む払い
という三種類の円弧の軌跡を描く斬撃を「同時」に放つ。これは連続剣と全くの別物。
解り易く言うと、連続剣は「同時に見える」のに対し、燕返しは「全く同時に放つ」というもの。
要は刀が三本に分裂して斬る技。発動には充分な足場が必須であり、狭い場所では二つにしか分裂しない不完全な技になってしまう。
本人曰く「複数の太刀筋で牢獄を作り上げる秘剣」

通常なら回避出来ない魔技だが、あくまでも斬撃を三つ同時に放つだけなので斬撃に耐えられる程に頑丈な鎧なら防げてしまう。
またギルガメッシュの「王の財宝」にある多重次元屈折防具という物でも防げるとか。

宝具の域に達した秘剣であることに間違いはないのだが、偽りのサーヴァントであるためか、彼の宝具はステータス画面では「なし」とされている(あくまでスキル扱い)。
しかし彼の切り札であることは間違いないため、『FGO』ではこの秘剣が彼の宝具とされている他、格闘ゲームでも超必殺技として扱われている。


あとここまでしないと斬れなかった(※二撃同時程度では無理だった)燕とは一体どんな生物だったのかもたまに話題になる。ホント型月世界の日本のYAMAは魔境だぜ。
そんな存在なので、設定通りならこのTSUBAMEを数匹魔術で攻撃力を強化し、暗示をかけて敵に襲わせる程度で恐らくほとんどの敵に勝てる。
なお、『FGO』では、別段ここまでの魔技を用いずとも燕は斬れると明言されており、逆に燕を斬るためだけにこんな魔技を編み出した小次郎が変態呼ばわりされた。どう考えても後付けである。





◆劇中の活躍

「Fate」

柳桐寺に潜むサーヴァント打倒の為に襲来してきたセイバーを相手に堂々と姿を現し、いきなり真名を名乗り出て彼女の度肝を抜いた。
その剣技で彼女の猛攻を捌き続けるも、宝具の解放を渋るセイバーに業を煮やして不完全な燕返しを見せつける事で自らの力量を誇示。
彼女の全力を見ようとするも邪魔が入った事で勝負の中断を提案し、互いに撤退。
その後は登場する事はなく、別のサーヴァントに倒されたと言われ、セイバーとの再戦が叶う事はなかった。

DEEN版アニメでは下記の「UBW」の展開が混ぜ合わされ、救出のためにキャスターの作り出した地下神殿に殴り込んで来た士郎たちの前に神殿へと続く階段の番人として立ち塞がり、セイバーとの再戦が叶う。
事の顛末は原作の「UBW」の決着の通り。


「UBW」

セイバーの相手として再び剣を交えるべく彼女の前に立ち塞がった。
既に消滅ギリギリの中でありながらも初戦より万全なセイバーを相手に渡り合い、自身の胸中を告げ死闘を繰り広げる。
しかし、時間切れを避けるために強引に攻めた結果、セイバーの剣戟によって物干し竿の刀身が撓んでしまい、それが回避不能の筈の燕返しに「隙」を生んだ上、
見出した勝機が例え小さくとも、それに全てを賭けられるセイバーの直感と思いきりの良さにその「隙」を衝かれて敗北。

花鳥風月を愛でる者として、剣客として血反吐をセイバーに浴びせることをよしとせず、静かに自分を下した彼女を先に進ませると、満足のいく立ち合いが出来たことを喜びながら消滅した。



美しい小鳥だと思ったのだがな。その実、獅子の類であった

ふむ。女を見る目には自信があったのだが。
どちらも修行不足という事か……


「HF」

謎の黒い影を相手になすすべなく敗北。
更に間桐臓硯による真アサシン召喚の為の触媒として利用され、生きたまま身体の内側から真アサシンに喰らわれるという、他のルートとは違い何の見せ場も無い悲惨な最期を迎えた。

劇場版ではただでさえ少ない出番がもっと少なくなり、総時間はおよそ1〜2分。
登場早々いきなり血を吐いて倒れ、真アサシンに胸を食い破られ肋骨が剥き出しのまま死に絶えるというグロシーンを晒して退場する。
台詞もたった一言だけであり、これだけの為に三木さんを招集したのかとよく言われる。

総括すると、ライダーと逆に、『「UBW」では見せ場が多く、「HF」ではまともな見せ場が無い』と言った感じである。



本編外での活躍

型月の中では珍しく目立ったキャラの崩れが無いキャラ。
……だったが、『タイころ』ではナンパ師にジョブチェンジを遂げる。
しかし、元々色男なのである意味変わってないともとれる。

そんな彼もこの度『Carnival Phantasm』第九話で完全にぶっ壊れた。
山門ごとデコトラに積み込むという荒技で外に出た上、山門以外と殆ど触れていなかったからか、物言わぬ山門と会話し、求婚していた。
山門まで精神科医でも連れて行ってやるべきである。

上記の『タイころ』では虎聖杯の影響でついに山門の番犬から脱却に成功した。
そんな彼が行ったことと言えばただのナンパ。虎聖杯の魔力が変な風に頭に回ったのだろうか……?ちなみにナンパ成功率は驚異の0%
安土桃山時代のテクニックではどうにもならなかったよ…。まぁ口説いた相手がことごとくアレなのも問題があるが。

そして、意外にも二次創作での登場回数が多いキャラでもある。
それでも、キャラの崩れはあまり無い。
侍キャラは弄りにくいのだろうか?

だが、ご飯がカップ麺になったり、キャスターが引っ越した為にアパートの階段を守ったりと、酷い扱いをされる事が多い。
有名な余談だがアニメポケモンのロケット団のコジロウと名前も中の人も同じである。
青髪長髪というビジュアルも似ているので、上記のカニファン9話のデコトラのくだりなんかは「これポケモンのコジロウだよ」と言っても違和感が無いレベル。



◆名言

「何を迷う。お互い、やるべきことは一つだろう」

「結末など、どうでもよい。ただ私は、其処に至る過程を楽しみたいのだ」

「そこまでにしておけ、傾奇者」

「拙者かよ!!?」
「一念鬼神に通ず。人の身と侮ったな」

「私は、私より強い奴に会いに行く!!」

「やな感じ~!!」

「アサシン、目標を狙い斬る!!」

「委細承知!!」

「天上天下!一撃必殺剣!!」

「十年早いんだよ!」



Fate/Grand Order

☆1(コモン)のアサシンとして登場。
元々一般人Aさんのためか、真アサシンよりも低いレア度となっている。
ステータスも最後まで育てきってもやはりレア度の高い他のアサシンと比べると低い。

しかし、このゲームのガチャの特殊性とゲームのシナリオの進行上、特にサービス開始時のマスターたちにとって非常に頼りにされることになった。

まず、このゲームのガチャはサーヴァント(キャラ)と概念礼装(装備)が一緒くたに排出される上にサーヴァントは出にくい仕様であり、
レア度の高いサーヴァント、特に☆4(SR)以上ともなると、あまり課金しないマスターからするとそもそも目にすること自体稀。
そのため、無料ガチャでも排出されるレア度の低いサーヴァントでも使わざるを得ないマスターが続出した。
というより、そもそもFGO開始初期に☆4以上のアサシンクラスのサーヴァントはステンノとカーミラ(Fate)の二人しかいなかった。
そして攻撃宝具ではなくスキルも本体性能もお世辞にも強いとは言えなかったステンノ、攻撃宝具ではあるもののQ性能全面修正前な事もあってただハズレなQを3枚も持たされていたカーミラ。
両者共にゲーム性能が強いアサシンとはとても言い難い状況だったのである(ぶっちゃけて言うと性能ではハズレだった)。
そう、初期のFGO環境において強い高レアアサシン自体がそもそも存在しなかったのである(ちなみに☆3アサシンも荊軻のみであり、こちらも微妙であった)。

一方佐々木小次郎のレア度は☆1。つまり、無料ガチャでも排出されるレア度であり、10連を繰り返せばそれなりに顔を合わせる。
「小次郎は他のアサシンと比べると能力自体は低い」と前述したが、それはあくまでも「レア度が高い他のアサシンと比べると最後まで育てたときのHP・ATKのパラメータが低い」という話。
むしろスキルに関しては初期開放のスキル1が心眼(偽)という回避スキルなこともあって、初期の育成余裕が禄になかった頃のマスターには極めて有用であり、
パラメータに関してはそもそも当時はレベル20まで育てることすら大変だったレベルなのでそこまで関係がなかった。

そして、序章をクリアした後の一章では、とあるエネミーがマスターの頭を悩ませることになった。
名前は「ワイバーン」。このエネミー、わらわらと出てくるくせにHPは多いわスキルでクリティカルをバンバン決めてくるわと非常に厄介。
このゲームではエネミーにも便宜上クラスがあり、ワイバーンはライダーに属する。ライダークラスにシステム上有利なクラスはアサシンである。

……もうお分かりだろう。対ライダーとして現実的に最も頼れるアサシンクラスのサーヴァントは☆1なのに妙に強い佐々木小次郎だったのだ。


果たして小次郎はそんなマスターたちの期待に十二分に応える活躍を見せ、マスターたちは敬意を込めて彼を「ドラゴンスレイヤー」と呼んだ。
サービス開始直後でほとんどのマスターが一章攻略中だった頃には、フレンドで呼べるサーヴァントの半分以上が小次郎とかいう事態もザラであった。
???「すまない……空気が読めない男で本当にすまない」

とまあネタ的な意味でも愛されサーヴァントとなった小次郎だが、現在はガチャが改善されて高レアアサシンが充実したこともあり、影はすっかり薄くなった。
新規プレイヤーたちからすれば、ワイバーンなんてフレンドのジャックで解体するものであり態々小次郎なんて使う必要もなく、ドラゴンスレイヤーネタも通じない可能性が高い。
…というか大抵のプレイヤーならアサシンが欲しいと言われたらまず真アサシンの方を推す。

しかし、☆1と思えないほど強く、出やすいために宝具強化もしやすく、コストパフォーマンスも良いというメリットから、思い入れ補正を含めパーティに入れるマスターも少なくない。
スキルも
心眼(偽):A …回避1ターン&クリティカル威力アップ3ターン
透化:B+ …精神状態異常を解除&クリティカルスター獲得
宗和の心得:B+ …必中3ターン&クリティカルスター発生率アップ3ターン
とクリティカルに特化した性能となっている為、上手くクリティカルを狙えば☆1とは思えないほどのダメージを出せる。クリティカルでゲージを稼げばハイペースで燕返しを使用することも可能。
聖杯によるレベル上限突破を行いハイレベルにして、適切な補助を行うことで高レアのサーヴァントを食ってしまうほどの強烈なアタッカーとしての活躍も可能である。
また、宗和の心得は強化クエストをクリアする事でランクアップし、スター発生率アップの倍率が強化されただけでなく、スター集中度アップ3ターンも追加されるのでより一層クリティカルが狙いやすくなる。
宝具は後に強化クエストが登場し、クリアで「ダメージ発生前にQuickアップ」効果が追加されるように。基礎火力の実質的な底上げが行われて更に使いやすくなった。
丁度クエスト追加のちょっと前に超強力なQuickサポーターが登場したことも小次郎には追い風であり、編成に組み込めば文字通り「さいきょうののうみん」が爆誕する。

弱点は全鯖中現状最下位のスタミナであり、袋叩きにされたらあっという間に落ちる。
その為盾役や防御力を上げる礼装は必須。
パートナーとしてはバフ追加できる孔明や、同じQuickスキルの高いジャック・ザ・リッパー、スカサハなどがベストパートナー。

キャラクエでは、明らかに人外である『地獄の使者デーモンソード』と戦い勝利しているが、「あの日のツバメの方が手強かった(意訳)」という爆弾発言をしている。
ともすると前述のワイバーンより手強かったりするのだろうか。燕とは一体……。

そして水着イベントにて「分身したり時間逆行したり空間を裂くような獣」と戦った事がある発言をしていた。
…明言していないものの、超スピードで動き回る生物(?)だと推測されるので、ファンの間ではこれが例の「燕」の正体だと予想されている。
と言うか、ワイバーンよりヤバイ「燕」とは別にこんな化け物がいたとは考えたくない。
そうだとしたらどんな魔境だよ…。

水着イベントでは同じコモン同盟(?)であるアマデウスから仮面を拝借してアイランド仮面(笑)を自称して一行に立ち向かったが…



「拙者だって遊びたいのでござる!!」


ちなみに、2016クリスマスにて同類が登場した。



2017年には、「佐々木小次郎」として因縁深い宮本武蔵が実装。
だが小次郎は上記の通り本人ではなく、武蔵も平行世界の存在という、微妙に噛み合わない存在で、マイルームでのボイス言及が多少ある程度だった。
ちなみに、今回実装された武蔵ちゃんこと女武蔵が生まれた世界では佐々木小次郎は実在していたらしく、「小次郎がいる」と聞いて武蔵ちゃんはこちらの小次郎を見に行ったようだが、
一目見るなり「あんな小次郎いるもんですか!」「強い弱いの話じゃなく、もう空位に達してるじゃない!」と驚愕していることから、
武蔵ちゃんの世界の『佐々木小次郎』とこちらの小次郎のどちらが強いかは不明だが、「空位に達している」と称するのが宝具の域にまで『燕返し』を高めたことに由来するとすれば、
武蔵ちゃんが知る『佐々木小次郎』は『燕返し』を開眼していなかったか、開眼していても常識の範疇の必殺技で、こちらの小次郎のソレのような魔剣じみた特性は持っていなかったと思われる。
なお、こちらの小次郎は「『燕返し』を披露できる無名の剣士に佐々木小次郎の殻を纏わせたモノ」…つまりは別人なので、武蔵ちゃんの世界の本人と似ていなくても不思議はないのだが、
武蔵ちゃんは外見の違いなどには言及しておらず、ただ「空位に達している」ことに関して「狸が化けてるのか!」と言うに留まっているため、
容姿もたまたま似通っていたか、あるいは「纏わせた『殻』には伝承にある装備等だけでなく容姿まで含まれている」かもしくは武蔵ちゃんがこの時細部までは見ていなかったかのどちらかと思われる。

1.5部において、武蔵が主役であるタイトル「英霊剣豪七番勝負」が発表され、出番が期待されていたが……?





※注意※



この先には『屍山血河舞台 下総国』のネタバレが含まれています。


余談

後に、Fate/Samurai Remnantにて、佐々木小次郎は実在していたことが判明。一応、当人もそういう人はいるんじゃないかとは言っていたが。
どういうことだと突っ込みたいところだが、実は矛盾はしてない。
というのも、「巌流島で戦った佐々木小次郎」というのは武蔵の弟子の宮本伊織が残した碑文を原典としており、当事者以外その戦いを目撃した人間がいないのだ。
何なら碑文には佐々木小次郎の名前すらない。
分かっているのは武蔵と戦った燕返しを操る剣豪がいたというだけで、そこから連なるあらゆる架空の逸話こそが「存在しない佐々木小次郎」という英霊の基礎である。
そして、現実に生きた燕返し使いはそれらの逸話と同一視されることなく生涯を終えたのだろう。


追記・修正は燕返しを見切ってからお願いします。

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最終更新:2024年02月13日 18:23