ドルベ(遊戯王ZEXAL)

登録日:2013/10/01 Tue 13:04:55
更新日:2025/10/05 Sun 13:45:53
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ドルベ(遊戯王ZEXAL)とはアニメ遊戯王ZEXAL及び第二シーズンの遊戯王ZEXALⅡの登場人物。
担当声優は平川大輔氏。


【概要】

初登場は一期の最終話において顔見せ程度の登場だったが、Ⅱにおいて本格的に登場したバリアン側のキャラクター。
バリアン七皇と言う組織のまとめ役を兼ねており、ギラグアリトを人間界に送り込んだ上司の様な役目であった。

基本的には自分から行動するタイプではなく、かなりの慎重派。
Ⅱ序盤はミザエルと共にバリアン世界でどっしり構え静観することが多かった。

本格的に行動を開始するのはベクターが本性を現して話題になったサルガッソ戦。
ミザエル対カイトのギャラクシーアイズ合戦やベクターの心を折る煽りプレイと言う濃い連中に挟まれながら神代凌牙とデュエルを開始する。
この際、ベクターが遊馬を騙し、5枚のVカードをデッキに入れさせたやり口に対して「姑息な手を……」と述べている。
ネコミミなケツだけ星人キャットちゃん…もといバリアンの姿を見せながら、【光天使(ホーリー・ライトニング)】と言うモンスターを操り互角の戦いを繰り広げる。
しかし予想外の事態が起こり勝負は中断、撤退する。

その後ドン・サウザンドの力で復活したベクターから「バリアン世界が崩壊する」と聞かされ遺跡のナンバーズ集めを開始。
その道中で飛行船と衝突事故をおこし墜落。バリアラピスの故障により一時的に力を扱えなくなった彼は、とっさに「旅行者ナッシュ」を名乗って遊馬たちと行動を共にする。
後に正体を明かした後も一時的に遺跡の試練を乗り越える為協力、その後「次遭ったときは決着をつける」と言い残し去って行った。

…と、ここまで書くと普通の性格のライバルキャラに見える。
実際問題、卑怯な手を嫌い正統派で目的には一本気で筋は通すと、割と良い人な感じではある。

しかし

  • ギラグ→策士だけど失敗続きでヘタレで憎めない
  • アリト→バトルマニアでアホの子で惚れっぽい
  • ミザエル→比較的まともだけど銀河眼厨
  • ベクター→超☆絶顔芸&煽りキャラ+悪役一直線のトリックスター

と(特にベクターだが)他のバリアンがあんまりな性格で濃すぎる為、相対的に空気と言われていた。
それゆえに「代理リーダー適性が最も高いのはドルベである」と評されてはいるが。
実力的には大きく上回るミザエルもドルベには敬意を払っているらしく、ギラグは少し煽てた程度で一番槍を買って出る、アリトは文句を言いながらもドルベが凄むと2番手で任務に赴き、あのベクターも表向きはドルベの機嫌を損ねないように立ち回ってはいた。
後述のネタ要素が強調されるキャラだが、この様に代理リーダーとしては視聴者からも有能っぷりを認められている。
また、遺跡の罠から敵であるシャークさんを助け出した彼の誠実な性格は、真ゲス事件を経た遊馬にもう1度「アストラル世界にとって敵ではあっても、やはりバリアン人達自体は悪人ではない」と再認識させるに至るなど、果たした役割は決して小さくはない。

せいぜい「やめろミザエル」の箇所や「ブックス!」の発音が妙に勢いがあって変なことをいじられてた程度である。
が、その「ブックス!」に関しては大いに弄られ、その影響で他の使用カードも「ウィングス!*1」「ソード!」「(グローリアス)ヘイロー!」「ノーブルデーモン!*2」「ザ・セブンスワン!」などと表記されたりしているが。
ついでに言うとZEXALがとっくに完結した後に登場した追加組までも「セプター!」「スローネ!」「スケール!」などと呼ばれるほどに影響は大きかったりする。

し か し 奴 は は じ け た 
……というか、彼の行動のシュールさと視聴者からのいじりが合わさってなんだか変なキャラ付けがされてきてしまった。

  • バリアン体の外見が全身灰色で尻丸出し*3のキャットちゃん
  • その奇妙すぎる外見と、神出鬼没さが相まって不意打ちで笑いをとりに来る
  • バリアンズスフィアキューブ(アリトとギラグの分には異常は無かったが、予想以上のエネルギーを弾きだしたミザエルのネオタキオンは突き破ってしまった)
  • ホーリーライトニング……ブックス!
  • 前方不注意で交通事故(まぁ、異次元空間移動中に対向車が来るなんて思わなかっただろうが)
  • 付け加えると、衝突の直前に回避を試みているのだが、その際の軌道がなせいで自分から当たりにいっているように見えてしまう*4
  • シャークを助けドルべの遺跡を脱出するときの変な走り方
  • ナッシュとメラグの遺跡に現れた時の水の被り方がどう見ても激流蘇生、もしくはお笑い番組での罰ゲーム
  • ナッシュの記憶で、彼を助けに参上。しかし、アビス・スプラッシュに囚われたメラグをどう見ても助けれる距離で救出できず、更には弓矢で追い払われ*5出番終了。何しに来た
  • ナッシュの記憶の続きで、犠牲を出さないためにベクターと決闘しに行ったナッシュを追い、(ダンジョンの中で行われていた闇のゲームの件を知らなかったからでもあるが)勝手に彼の軍を全出撃させる。結果全滅(しかも恐らくドルべ自身は生き延びている)
  • 足止めに現れたドロワにフルボッコにされる(他の七皇も足止めに苦戦していたが、それらは互角の勝負だったり2対1のハンデ戦。ドルべは傷の具合から一方的に押されているようにも見える)
  • 散々引っ張ったカオスナンバーズがシレッとお披露目となる。しかもオーバーハンドレッド・カオスナンバーズで唯一エクシーズ口上も技名も無い*6
  • 人間体でも飛翔→あっさりVの策でメラグやミザエル共々閉じ込められる
  • きれいに散っていったが、結局ほぼ無駄死にだった。(散ったタイミングではわからないところでなのでドルベが無能というわけではないが)
  • 「次は我々が出ねばなるまい」(1期最終話。ちなみにこの話がセレクションの最終回に選ばれた

そんなネタ行動を連発するため、遂には「バリアンの白き盾*7」という名乗り口上から「面白き盾」とか呼ばれたりするハメに。どうしてこうなった。

一番重要な点は、明らかに愉快な悪役さんとして描かれたギラグ、並びに嫌な奴として描かれてその通りに受け入れられた結果としてネタに昇華されているベクターと違い、
ドルベの場合はスタッフが特に狙っているわけでもないのに、なぜかネタにしかならない点が面白き盾扱いを助長させていることであろうか。
遊戯王名物シュールな笑いを体現しているキャラとも言える。


【ナッシュとメラグ】

ナッシュとメラグは本来ドルベが探していた人物でドルベの友人。
前述の飛行船との衝突事故もそもそもはナッシュの事を考えてたからの前方不注意である。

その後、シャークこと神代凌牙こそが自分の友人ナッシュだと見抜いたドルベは執拗にストーカーっぷりを発揮する。

ドルベ「私たちと共に来い!」
と言う誘いに凌牙は嫌がり、自分はバリアンじゃないと言い聞かせていた。
しかし前世フェイズを発動しついに陥落に成功、見事めんどくさい性格の裏ヒロイン事シャークさんをNTR事に成功した。

ちなみに、なぜホモホモ言われるかと言えば「ナッシュのストーカー」の他、メラグについてほとんど触れてないから。
メラグも友人のはずなのになぜかナッシュの事ばかりでずっと勧誘・説明を繰り返すはしつこいわ…と、一部ファンからは「バリアンかナッシュかなら絶対ナッシュ優先だよな」とか言われるハメに…(実際、ナンバーズ96によってバリアン世界が破壊されている中、全く気にもせずナッシュたちの遺跡調査に夢中になっていた)

それでもナッシュとメラグの帰還後は短期間でこそあれメラグと行動を共にしており、ドン・サウザンドの力を宿したベクターの襲撃の際にはメラグを逃がすべく盾になろうとしたり、彼女がベクターに痛めつけられた際は非常に気遣っていた。
また、お互いのオーバーハンドレッドナンバーズは効果の相性*8が良く、2度共演した際は2度とも見事にコンボを発動させていた。


【前世】

さる王国にて愛馬マッハを駆るペガサスナイトの青年が居た。
英雄と言われた彼だったがある日故郷の村へと帰ることになる。

ところが彼のいない間に騎士たちは謀反を引き起こす。

それに気づいた彼は王国に引き返し、謀反人に訴える。
「心に掲げていた正義を、共に戦った仲間との絆を思い出してほしい」と。しかし訴えむなしく刃は彼に向けられる。

そこをかばうように立ちはだかったペガサスだったが、彼ともども凶刃に散った。
しかし思いは謀反人たちにも届いたようで、彼らは手厚く弔われた…。

それこそがドルベの記憶、ペガサスナイトとしての伝説である(彼の愛馬そのものである筈のマッハがドルべをナッシュもろとも殺そうとしたり、ベクターからドルべが死んだと聞かされても全く意に介さなかった等の事不可解な点もあるが)

またナッシュの記憶にも登場する。

ベクターの卑劣な策略により、海の神を従えたり人質をとったりされ窮地に陥るナッシュの援軍として登場する。
海の神アビスこそリオの決死の浄化により解放されるもののベクターには一時逃げられてしまう。
そこで敵討ちのために一緒に行動、リオそっくりのイリスと言う少女に出会いながらベクターを追い詰める。

最終的にベクターとナッシュは一対一の決戦にもつれ込むものの、王不在のナッシュ軍の方はベクター軍と相打ちになってしまう。
イリス含むナッシュ軍の死せる魂はバリアン世界を成長させた。
そのことを知った神代凌牙は責任をとる為決意する…!
そう、バリアンのリーダーナッシュとしての覚醒を…。

何故かこの場に史実ドルべがいなかったが、それはドン・サウザンドの仕業だと思われる。なんとなく
というかこれはドンさんによって書き換えられたドルベの記憶が影響しているため、史実ではそもそもドルベはここにいなかったと思われるつまり「全軍突撃ィィィィ!!」は史実じゃないかも知れないぞ!

なお、この記憶をドルベがシャークさんに見せた事で彼の記憶が復活し、ナッシュとメラグはバリアン側に帰還。
これはドルベ最大の功績と呼んで良いだろう。

なお、遺跡のNo.と自身のオーバーハンドレッドナンバーズが最後まで戦わなかったため、前世においてはっきり何が起きたのかは不明、というかドン・サウザンドによってどのように過去が書き換えられていたのかが不明。
アリト、ギラグ、ベクター、ミザエルの例を見るに遺っている伝説は細部が違っており、その最期の認識すらもドンによって歪められているため、上記の話は大まかなものでしかない。
推測するに、最終決戦でのドンの回想からして、ドンの洗脳を受けた味方の裏切りを受けて殺されたと思われる。


【デュエリストとして】

七皇の一人だけあって弱くはない……と言いたいところだが、正直な話デュエルの腕前はギリギリ一線級と言ったレベル。
真面目極まる性格、前世における最期やバリアンとしての立ち回り方、僅かに伺えるデュエルスタイル、そもそものカードパワーの低さから考えて、そもそもデュエル自体が好きでも得意でもない可能性が高い。*9
実力そのものよりも、破天荒な他メンバーと違い常識を備え、ナッシュを支える副官という立場が強調されているのだろうか。

とはいえ戦術そのものはエースを活躍させるタイプのスタンダードなもので、
  1. グローリアス・ヘイローをランクアップ
  2. ノーブル・デーモンで敵エースを弱体化させつつ攻撃
  3. ラス・オブ・ホーリーライトニングでバーン
  4. 仕留め損ねたらホーリー・レイジでノーブル・デーモンを破壊対象にとり、耐性効果発動+素材切れ時のバーンで削り切る
  5. それでもダメならホーリー・レイジの墓地効果で強化して殴り倒す(戦闘ダメージを互いに受けるため予めライフ差をつけておく)

という戦略の存在が透けて見える。
散々ネタにされ続けているブックス!も、効果のコストに墓地効果を持つ魔法カードを使う事でコンボに繋げている。

このようにドルベの高いタクティクスは垣間見え、デッキのキル力自体もかなり高い部類だが、パワーカードを乱発する他のキャラクターと比較するとやはりデッキの地力が低いのは否めない。
特にベクター戦ではカウンター罠カード《白き盾(セイント・シールド)》のデメリット効果で敗北しているのだが、一見すると効果ダメージ対策用のカードのようで実際には対策になっていないという首を傾げざるを得ない性能であり*10、「ヘイローやノーブルデーモンはともかく罠カードは冗談抜きに無能」という辛辣な意見もある。
同じ七皇のミザエルが使用した《ダメージ・リバウンド》やナッシュの《エクシーズ・チャージ・アップ》には、《白き盾》のような余計なデメリットがついていない事もこの評価に拍車をかけている。

尚、ドルベのデュエルは劇中3回行われているが、内2回はそれぞれ中断と描写省略なのでまともに描写されたデュエルは1回だけ。
これはバリアン七皇の中ではメラグと並んで少ない上にメラグは神代璃緒時代も含めると3回になるため、デュエルがしっかり描写されたのはバリアン七皇中ワーストになる。

余談だが、彼だけ遺跡のナンバーズと戦う事がなかったため七皇の中で唯一本当の過去の記憶が明らかにならなかったが*11、劇中でちょこちょこ遊馬との対決フラグのような描写があったり、アニメ版《スカイ・ペガサス》の効果には如何にもグローリアス・ヘイローの破壊耐性ブチ抜きますと言いたげな未使用に終わった装備カード化効果があったり*12、ベクター戦はナッシュ・メラグとベクターの過去からの因縁に重きが置かれた構成なのでぶっちゃけドルベがいなくても問題なく進行できるという傍証から「元々遊馬VSドルベのデュエルが行われる予定だったが放送話数短縮等の影響でストーリーが再構成された結果カットされてしまったのでは?」とする説がある。


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最終更新:2025年10月05日 13:45

*1 最終OP「Wonder Wings」では「ワンダーウィングス!」と弄られている

*2 最終ED「Challenge the GAME」の歌詞の空耳ネタで「挫けそうデーモン!」なるものも存在する

*3 全身タイツの様な服なのかも知れないが

*4 交通事故の時の思考と動きそのものと一部では評判。

*5 弓隊はナッシュの軍を狙っていたところだったので、「ヘイト稼ぎの回避盾としては機能したのではないか?」というフォローはある

*6 その代わりなのか、効果を使った後に専用のセリフが入るのでこれが口上なのかも知れない

*7 「剣」を自称するメラグに対して「盾」なのだろうが、後述の通り生前の彼は機動力タイプのペガサスナイトであり、盾を装備していない

*8 ドルベ側が攻撃力ダウン+無効化の効果を持ち、メラグ側は「攻撃力の変動」をトリガーとした効果が発動できるため

*9 傍証として、作中の強豪の多くや、それこそ遊馬も使用している「2体分のエクシーズ素材になる」「エクシーズ召喚の素材を減らす」カードを一切使っていない。

*10 罠カードの効果によってダメージが発生した時に発動できる。その効果ダメージを0にする。フィールド上の天使族モンスター1体の攻撃力はこのカードの発動時に発生した効果ダメージの数値分アップし、このターンのエンドフェイズ時に、自分はその効果ダメージを受ける。

*11 厳密に言うとメラグも判明していないが、彼女の場合ナッシュの記憶と共通する部分が多く、ナッシュの記憶はドン・サウザンドによる改竄を受けていない事が明言されているので、ナッシュの記憶を辿れば自ずとメラグの本当の過去の記憶もわかるようになっている。

*12 「このカードは装備カード扱いとして自分フィールド上に存在する「No.」と名のつくモンスター1体に装備することができる。装備モンスターは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。」という効果がある。