地球平和連合TPC(創設期)

登録日:2011/07/22(金) 03:01:10
更新日:2022/09/29 Thu 20:25:38
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『地球平和連合TPC』とは、円谷プロ製作の特撮TV番組『ウルトラマンティガ』及び『ウルトラマンダイナ』に登場した架空の国際機関である。
本項では主に創設前から『ウルトラマンティガ』で描写された部分にかけて記述する。






概要

正式名称Terrestrial Peaceable Consortium』
西暦2005年、当時の国連事務総長サワイ・ソウイチロウ氏が数年の時を掛け、国家の枠を超えて創設された国際連合に代わる国際平和維持組織。
その役目は世界中の人々がより良い暮らしを営めるように世界で多発する異変の解決や地球環境を整備すると共に人類の恒久的平和を維持することである。

各地の紛争の根絶や地球防衛軍(UNDF)の解体、環境問題の改善など、世界平和の実現をほぼ達成させていたが、
2007年の隕石落下に端を発した異変の連続によってその有り様が変化、再び軍備増強を図らなければならなくなった。




TPCの歴史(西暦1999年~2013年)


【1999年】
国連事務総長に就任したサワイ・ソウイチロウ氏が人類の行く末を見据えて武力による紛争解決の無条件放棄を訴えて各国を訪問した。
だが各国、特に先進国の反応は冷たく、「ドン・キホーテの如きもの」と冷笑され、誰もがサワイ事務総長の理想論に終わるかと考えられた。


【2000年】
サワイ氏の思想は現実味を帯びてきた。世界中の科学者達のフォーラムがサワイ氏を支持したのである。
彼らの支持をバックにサワイ氏は核兵器の根絶と世界各国の軍隊を国連の管理下に置くことを国連で議決。
だが武装解除は徹底されず、各国の軍は「地球防衛軍(以下UNDF)」として統合・存続する。


【2001年】
世界各地で甚大な被害をもたらす自然災害が増加、各国の国際協力体制が強まる。

来たるべき宇宙時代に向けた新航法がマキシマ・オーバードライブとゼロドライブの2本に絞られ、同時並行して研究が開始される。


【2003年】
クリオモス諸島クリオモス島国際会議場にて地球平和連合設立とUNDAの解体が決定。

サワイ氏の提案により、超自然現象への対応を目的とした機関の設立が採択。イルマ・メグミを中心とした「G機関」の母体が誕生する。


【2003年】
地球平和連合の発足が公式発表される。

月面に人類初の宇宙基地・ガロワが完成。


【2005年】
「地球平和連合TPC」設立。
初代総監にはサワイ氏が、警務局長官には元UNDF提督のヨシオカ氏が選ばれる。

原子力発電に代わって高純度エネルギー発電が実用化、TPCの率先したアピールによって世界に浸透。

ゼロドライブ計画の実験中に事故が発生。以後計画は凍結され、マキシマ・オーバードライブの開発一本に絞られる。


【2006年】
地球外生命体によるサワイ総監の誘拐事件が発生するも、輸送部隊所属の勇敢な青年によって未遂に終わる。

G機関、正式名称を「GUTS」として正式に発足。


【2007年】
超古代怪獣の復活を契機に怪獣による災害、異常現象が頻繁。
これに対してTPCの再武装化が決定され、特捜チーム GUTSとウルトラマンティガの活躍によってこれらを乗り越えるも、次第に軍備は増強されていった。


【2008年】
クリオモス島国際会議場にて幹部が集まり準GUTS機関を各支部に設置することを検討する極秘会議が持たれる。
しかし会議場が宇宙生命体(デシモ星系人)の陰謀によって秘密裏にジャックされTPC存続の危機に陥るが、事件はGUTSとヨシオカ長官の活躍によって解決された。

同年中にTPCアメリカにて準GUTS機関・ブルートルネード小隊が設立される。


【2010年】
甦った邪神 ガタノゾーアとその眷族によって世界は滅亡の危機に陥るがティガの活躍によって世界は平和を取り戻し、世界各国で復興が始まった。


【2011年】
警務局副長官ナグモにより『F計画』が密かに始動。
宇宙開拓を中心に未知の世界へのステップを踏み出す「ネオフロンティア計画」の構想が練られ、スローガンに。


【2012年】
『F計画』によってルルイエ遺跡で『』と闇の巨人による事件が発生。復活したティガによって解決される。


【2013年】
ネオフロンティア計画が本格的に始動。その第一段階として火星移住計画がスタート。
その第一陣として火星移住計画チーム「トライアルNF」が火星に旅立つ。

サワイ総監が病気療養の為、TPC総監がフカミ・コウキに交代。
来るべきネオフロンティア時代に備えて軍備増強が決定。次世代GUTSの構想が練られる。

そして時代はネオフロンティア時代へ…。




各国の支部

本部は房総半島沖に建設されたダイブハンガーと呼ばれる巨大な人工島内に設置されている。
元々は従来の国連同様ニューヨークに設置される筈だったのだが、旧国連との差別化を計る目的で日本に設置された。

極東本部 -最高司令部
|    |
|    └参謀本部
|    └特捜チーム GUTS
|    └etc…

|-北アメリカ支部(フロリダ)

|-南アメリカ支部(サンディエゴ)

|-ヨーロッパ支部

|-アフリカ支部(アディスアベバ)

|-西アジア支部(カトマンズ)

|-南太平洋支部(マウイ)

|-宇宙ステーション・デルタ

|-月面基地ガロワ

|-宇宙開発センター

|-海洋開発センター

|-自然科学センター

└-未来科学センター

これらは更に警務局、情報局、医務局etc...などに分化し、この他にも様々な関連機関が設定されている。




主要な拠点


◆TPC極東本部基地“ダイブハンガー”
千葉県房総半島沖に建造された巨大基地。
約3000人の職員が働く海上から海底まで続く巨大な柱のような巨大基地。
本編に登場するのは主に上部のピラミッド型の施設であり、
この部分にはGUTSの作戦司令室司令室や総監室、会議室、ライドメカの開発・整備を行う格納庫と整備場、居住区などのTPCの中枢はここに集まっている。
海中部分にも動力室や格納庫などが備わる。
近場の陸地にも基地施設の一部があるのか、ダイブハンガーが一望出来る場所に正面ゲートがある。

普段は海中に沈んでいるが、緊急時にはピラミッド部分が浮上し、ハンガー各部が展開してTPCやGUTSの各マシンが発進する。
また、日本各地とは基地地下にあるシークレットロードで繋がり、車両での迅速な対応も可能。

一時はガタノゾーアの吐く闇によって全機能を停止するが、闇との戦いが終わった後に復興のシンボルとして再建され、
2014年に中部地方の山脈に築かれた総合本部基地の完成までTPCの本部として機能した。
その後は航空司令部として有事に備えて待機している。

なお、本来はUNDFの要塞として建造されていたが、
UNDFの解体と本部が日本に設置されることが決定した為、急遽TPCの本部として使用されることとなった経緯がある。


◆宇宙ステーション・デルタ
地球軌道上にある三角形型宇宙ステーション。
初登場の第7話の時点では未完成だが、緊急時に備えて強力な迎撃ビーム砲・バルキリー砲が設置されている。

出番そのものは僅か2回だが、宇宙の観測データや宇宙船の侵入をGUTSに報告する役回りとして度々名前が登場する。


◆クリオモス諸島
地球平和連合TPC発祥の地である南の島。
中心地のクリオモス島に国際会議場があり、かつてここで国連からTPCへの移行とUNDAの解体が決定された。
第34話ではデシモ星系人によって世界を揺るがす陰謀劇が繰り広げられた。

『ティガ』の時点ではまだTPCの国際会議場がある程度だったが、TPCの軍拡に伴って島も変容を余儀なくされてしまった。


◆月面基地ガロワ
月面に建設された人類初の宇宙基地。
ハヤテ隊長を中心とした100名の精鋭が常駐、宇宙開発の前線基地として運用されている。
しかし2010年、謎のエイリアン・メンジュラの策略によってハヤテ隊長とキシナガ副隊長を残して全滅してしまった。

メンジュラの事件解決後は、ハヤテらの尽力で再建される。


◆ゼルタポイント
UNDF時代の危険兵器等が保管してある地下施設。
その中の一つであるゼルダガスはケース一つ分に過ぎないが、爆発すれば日本の1/10が吹き飛ぶというヤバい代物。
開発者の根津博士でさえ分解出来なかった為に厳重に保管されていたが…




TPC(創設期)の関連人物

項目を参照。



TPCの装備・メカニック

◆制服
TPCの職員は役職によって制服の色が異なり、総監や参謀職などの幹部が薄紫、警務局幹部、指揮官がベージュもしくはグレー、科学者が白、一般職員がベージュといった具合。
中でも警務局隊員のメタリックブルーとメタリックレッド*1は出番も多く、印象に残りやすい。……死亡要員として。


◆IMI デザートイーグル
◆コルト ガバメント
両方とも実在する拳銃。警務局の隊員が携帯している。
TPC再武装から間もない中盤くらいまではこれぐらいしか武器が無く、殆ど役に立たなかった。


◆マーベリック M88
平成ウルトラシリーズ御用達のショットガン。
ルルイエ調査隊の隊員が携行していたが、闇の巨人はおろかシビトゾイガーにも通じなかった。


◆GUTSハイパー(TPC普及型)、GUTSライフル
GUTS専用装備の量産モデルとオプション装備。
番組後半から装備するようになった。


◆TPC中型戦車
TPCの保有する主力戦車。
ベース車は90式戦車で、120mm滑腔砲が主武装。
旧防衛軍解体後保管されていたものを再軍備によって警務局の陸戦隊に再配備されたが、ジョバリエ戦やデスモン戦で相当な被害を被った。
日本にあるものが90式ベースなのか、地域によってベースが違う物があるのかは不明。

プロップはタミヤ製1/35 90式戦車の模型とバンダイ製1/15 Ⅳ号戦車のラジコンの改造で、Ⅳ号ベースの物は自走出来る。


◆地上車両
警務局隊員などTPCの一般隊員が移動に用いるジープやハマーなどの4WDや、現場や被災地に物資を運搬する輸送トラックとコンテナ車、追従式ドリルビームの設営をしていた特殊作業車など、様々な車両が日夜働いている。
中でも、GUTS入隊前のダイゴがサワイ救出に用いたバスが印象深い。


◆マグナス1、グラバス2
ゴルドラスの時空界を破るべく投入された特殊車両。
マグナス1が反磁力を、グラバス2が反重力波を放射してその相互作用で反時空界エネルギーを発生させて一度は時空界を消滅させた。
しかし、GUTSとTPCの攻撃が失敗した隙に両方とも破壊されてしまった。


◆赤外線式自動地雷
「地雷」という名前だが、設置式の無人砲台。
赤外線センサーと小口径砲からなる複合システムで、活動を停止した怪獣の周囲に設置され、赤外線で怪獣の動きを察知すると自動で攻撃する。
しかし、攻撃圏内の敵味方の識別が出来ないという欠点があり、初登場回で誤射してしまっている。

完全武装解除して久しいTPCにはGUTS以外で用意出来る戦力が当初はこれかダイナマイトくらいしか無く、序盤から終盤まで登場した。


◆DCS
主に宇宙開発局の高純度エネルギー備蓄基地に設置されている防衛システム。
備蓄タンク周囲のアンテナ群から放電状のフィールドを発生させて電気の壁を作る。

しかし、開発者であるエザキ博士を取り込んでいたリガトロンは解除コードの知識を得ていた為に無力化されてしまった。


◆追従式ドリルビーム
地中を貫通する特殊ビームの発生装置。
管制は現場に設営された指揮所からの遠隔操作で行われる。

霧門岳の地底に潜むゴルザ(強化)への攻撃に用いられ、地上に引きずり出すことに成功した。


◆TPC1
幹部輸送機。主翼両端にエンジンナセルを有し、垂直離着陸が可能。
劇中ではほぼサワイ総監の専用機で、本機で現場に赴いたサワイ総監とイルマ隊長がここから指揮を執っていた。


◆多目的機
TPCの隊員や装備を輸送したり調査に用いられる中型機。


◆TPC輸送機
より大型の装備や多くの人員を輸送する大型機。
タンゴ博士がアーク*2を奪って逃走した姿が記憶に残る。


◆F-15J
小説版「輝けるものたちへ」に登場。
イースター島から出現したメルバに対して旧防衛空軍小松基地から3機が発進するも速力で翻弄され全機撃墜されてしまう。


◆F-22
小説版「輝けるものたちへ」に登場。
ロサンジェルスを襲撃したゾイガーに対し、各地のTPCアメリカ基地から迎撃に向かうがまったく太刀打ちできずに終わる。


◆ガッツウイングシリーズ
準GUTS機関創設にあたって各国のTPC支部がガッツウイングの技術供与を受けて開発したカスタム機。
アメリカ支部が開発した速力重視のブルートルネードとヨーロッパ支部が開発した火力重視のクリムゾンドラゴンが実際に開発された。

クリムゾンドラゴンの登場はテストの様子だけだったが、ブルートルネードはロサンゼルス上空で1個小隊がゾイガーと戦闘するも、全滅させられてしまった。


訓練機として用いられる銀色のガッツウイング1号。
コンピューターが訓練用なだけで性能は変わらず、実戦にも問題なく使用出来る。

映画『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』でZERO教官時代のヒビキと訓練生時代のコウダ、カリヤ、リョウの4人がルルイエで戦うGUTSの援護に参上した。


◆ガロワ飛行艇(コスモアタッカー)
月面基地ガロワに配備されていた量産型戦闘機。ホワイトのハヤテ隊長専用機とオレンジの一般機がある。
ガッツウイング1号同様単体での大気圏離脱入、宇宙と地球の両方で使用出来る万能機。
武装はハヤテ機が両翼端のビーム砲、一般機が4門のロケット砲。

ハヤテ機は最終回の対ガタノゾーア、ゾイガー戦にも参戦、イルマ隊長の駆るガッツウイングEX-J β号と共同でゾイガー1体を仕留めた。


◆ゴッドアイズ
空中浮遊探査・映像中継装置。
クリッターの雲やルルイエからでもデータ送信や映像中継が可能な優れもの。


◆りゅうぐう
深海調査艇。
海中に眠るルルイエを発見した直後、ゾイガーの襲撃を受けて消息を絶った。
まず間違いなく撃沈されたのだろう。


◆かいれい
『TFO』に登場した大型海洋調査船。
ルルイエまで調査隊を輸送したが、シビトゾイガーの襲撃を受ける。
後にGUTSが救援に来たが、その時には既に乗組員は全滅してしまっていた。

ちなみにかいれいは海洋研究開発機構が保有する実在の船で、ティガ以外にも『ガメラ3 邪神覚醒』や『ゴジラ2000 ミレニアム』にも登場している。






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最終更新:2022年09月29日 20:25

*1 現場スタッフ曰く「青戦闘員」「赤戦闘員」

*2 光の巨人像の残骸の砂