ペルソナ~トリニティ・ソウル~

登録日:2014/02/24 (日) 00:05:30
更新日:2023/07/03 Mon 21:48:46
所要時間:約 4 分で読めます






「ペルソナ~トリニティ・ソウル~」とは「ペルソナ3」を題材にしたテレビアニメ作品。
2008年1月から6月まで放送された。全26話。



本作は「ペルソナ3」から10年後を舞台としているが、あくまでパラレルとされており本作独自の設定や登場人物で物語が展開する。
ただし、「ペルソナ3」の登場人物が重要な立場で登場したり「3」のBGMが店内BGMで流れたりと決して繋がりが無いわけではない。
また小説版「ペルソナ3フェス」のエピローグは今作に繋がっている。
細かな描写や様々な伏線が張られており、2周目からだと色々気づく場面もある。特に洵と諒の場合は。
ちなみにペルソナシリーズとしては初のテレビアニメ作品でもある。

舞台は富山県なのだが、地上波では富山県で放送されなかった。oh……。




[あらすじ]
舞台は富山県綾凪市。東京の親戚に預けられていた神郷慎と洵の兄弟は兄・諒が住んでいるこの街に10年振りに帰ってきた。
しかし綾凪市では潜水艇の乗組員が姿を消す、10年振りに無気力症患者が多発、
そして多くの学生が皮膚の表裏が裏返った無残な死体で発見されるという「リバース事件」といった不可解な事件が多発していた。
そして慎も巻き込まれていく中でペルソナを発現させる。


果たして、この事件の真相とは。そして、3人の兄弟の運命は……。




[主要登場人物]
CV:岡本信彦/幼少期:小林沙苗
本作の主人公。神郷三兄弟の二男。
凪の杜学園高等部に二年生として転入する。正直者で真っ直ぐな性格。
絵本作家だった親の影響か、絵や彫刻の才能が凄い。
使用ペルソナは「アベル」。保有者を傷つけず他者のペルソナを切り離す能力を持つ。


CV:子安武人
神郷三兄弟の長男。28歳の若さで綾凪市の警察署長を務める。
本作では若者にしか使えないとされるペルソナを使い、事件を独自に追っていくが……。
慎と洵が引っ越してきた当初は彼らを綾凪市から遠ざけようとし、多くを語ろうとせず冷たい態度を取りがちだったため慎と何度も対立した。
わかる人にはわかる、ある薬物を服用している他、色々謎の多い人。子安氏の演技が光る。
使用ペルソナは「カイン」。銃で戦うほか、近接戦も強いと隙が無い。
ちなみに子安氏は「ペルソナ2」の主人公である周防達哉を演じていたが、
本作では兄・克哉と同じく「警察官の兄」を演じるというのは何の因果か。


CV:沢城みゆき
神郷三兄弟の三男。凪の杜学園中等部に二年生として転入する。
人の記憶や思いの断片を映像として読み取っている描写があり、他人と接するのを好まない性格だが慎には懐いている。
また時折少女のような言葉づかいになることもあるが……?
使用ペルソナは「セト」。人間の感情を読み取る能力を拡張するほか、ペルソナを癒す力も持つ。
エリザベスやチドリとは関係ない。


CV:沢城みゆき
洵の双子。本編開始時点では故人であるが……。


CV:阿澄佳奈
慎の同級生。ストリートダンス同好会に所属している。
明るく面倒見の良い性格で、また友人のために不良を叱りつけるなど友情にも篤い。
「影抜き」については以前ふざけてやったら友人が数か月学校を休んだので嫌悪感を示している。
使用ペルソナは「ディアナ」。終盤ではペルソナの年齢制限についてひとつの見解を示す。
阿澄氏は本作の後、舞台版「ペルソナ3」でハム子を演じている。


CV:田坂秀樹
慎の同級生。やや粗暴だが、打ち解けると親しみやすい性格。めぐみに好意を抱いている。
慎との「影抜き」でペルソナを発現させるが、精神的な問題から制御できないことが多い。
終盤、とあることがきっかけで落ち着き制御可能になった。
アフロ頭が最大の特徴だが、これは彼の過去に起因している。
使用ペルソナは「スパルタクス」。決戦では雷を出していた。


CV:中原麻衣
慎の同級生。天然気味でふわふわとした性格。
しかし「影抜き」に異常な興味を示し、中毒にまで達していたため慎たちと共に奮闘し、克服。
その過程で慎に好意を抱く。
使用ペルソナは「アシュトレト」と「アスタルテ」。
何故2種類あるのかについては、彼女の秘密に起因している。


  • 山咲まゆり
CV:佐古真弓
8話目に慎たちのクラスに転入してきた転校生
叶鳴とは昔、一緒の養護施設にいたという。好きな食べ物は牛丼
またストリート系のファッションに詳しく、2クール目からは拓朗と同じアルバイト先で働いていた。



  • 二階堂映子
CV:小林沙苗
北日本監察医務院の監察医。事件について独自に調査を進めており、6話目から綾凪署に出向となる。
神郷家とは古い付き合いであり、慎からも慕われている。
諒とは互いに好意を寄せているが、10年前の同時多発無気力症の事故の後、平行線のままとなってしまっている。
1クールの最後で……。


  • 伊藤久仁雄
CV:江川央生
綾凪署刑事課の巡査部長。
「リバース事件」について諒が隠蔽しようとするような行動を取る事に疑念を抱き、独自に調査を始める。
真実を知らされた2クール目からは慎たちのよき理解者となる。
10年前の事件により妻子を失っている。


  • 楢崎智弘
CV:川原慶久
綾凪署刑事課の捜査員。
伊藤とバディを組み、慎たちの監視および尾行を行うが長身のせいもあってうまくいかないことが多い。
終盤では洵や叶鳴の誘拐を阻止しようと稀人に立ち向かうが……。


  • 久保
CV:中博史
綾凪署の副署長。年齢が若い諒のことを気遣う。
2クール目からは署長代行として奮闘する。


CV:緑川光
「ペルソナ3」からの登場人物。
諒の連絡相手として声だけで序盤から登場し、2クール目から姿を現した。
本作では警察の参事官となっているが、ペルソナ能力は衰え使用不能になっているため、現場で動ける諒をサポートしていた。
慎と洵に事件の裏側を話し、慎・めぐみ・拓朗に協力を仰ぐ。
ちなみに慎の家に上がりこんで炒飯を作ったり、水について物申したり、
牛丼ラーメンを注文していたりと健康マニアおよび肉好きな所は変わっていない。
しかも何故かアイドルに詳しくなっていた(一般常識の範疇らしい)りと、
ネタ的な面は相変わらずだが、本編ではちゃんと事件解決のためかなり奮闘している。
余談だが、彼が登場した後に刊行されたアンソロジーではやっぱりというか、プロテインネタや牛肉ネタが散見された。
また「P4U」での彼のシナリオでは本作に繋がるようなある発言をする。


  • 戌井暢(いぬい のぼる)
CV:関智一
凪の杜学園の寮長。本来なら禁止されているが、年老いた犬を飼っている。
実は真田と同じく特殊チームに所属しており、慎たちの動向を報告していた。本編ではサポート役として活躍する。
完二とは関係ない……が、その言動や容姿などから「ペルソナ3」のあの少年ではないかという説が濃厚。



  • 紫倉統馬
CV:浪川大輔
謎の集団「稀人(マレビト)」のリーダー格の男。
序盤で諒を仲間に引き入れようとするが、交渉が決裂し交戦。敗北し、死亡したが……。
番長とは関係ない。


  • 紀本裕史
CV:飛田展男
稀人の一員。統馬を兄のように慕う。
序盤で慎を襲うが、「アベル」の能力によりペルソナを切り離され、逃亡する。
その後色々あって稀人に戻るが……。


  • 瀬能壮太郎
CV:高城元気
稀人の一員。最年少の16歳。単独行動を取ることが多く、慎たちを付け狙う。
慎たちからは「前髪ぺったり野郎」と呼ばれる。
他人を小馬鹿にしたような言動や、自分たちの末路を皮肉った発言が目立つが……。


  • 橘花紗希
CV:佐古真弓
稀人の紅一点。統馬に思慕を抱く。また壮太郎を弟のように思いやっている。


  • 玖珠若桜/玖珠椎葉
CV:代永翼
稀人の一員であり、双子。だが正直空気。DVD6巻の特典ドラマCDでは結構喋っている。
代永氏は後年、アニメ版「ペルソナ4」で小西尚紀を演じている。


  • 有働泰市
CV:安元洋貴
稀人の一員。冷静かつ仲間思いな性格。
慎との交戦によりペルソナを切り離される。
終盤ではこの事からペルソナを手放すことも提案した。


  • 九条稀也
CV:勝部演之
稀人を取りまとめる車椅子の老人。
すべての無意識の救済を目的としているようだが……。
実は人間として死ぬ直前に自らをペルソナに喰らわせて生き延びており、いわば「ペルソナそのもの」となっている。




  • アヤネ
CV:能登麻美子
時折神郷兄弟の前に現れる謎の少女。
序盤から登場するが、喋るのは大分後である。
意味深な発言を度々投げかけるが……。
風花とは関係ない。



  • イゴール
CV:田の中勇
ペルソナシリーズお馴染みの方。
本作では1話目に占い師の姿で慎たちに「ペルソナ」について教える。
鼻はどうやって収納していたのだろうか。





[用語]
  • ペルソナ
心に住む「もうひとりの自分」。本作ではペルソナを出すと空を飛べる。
また半透明で描かれているため、戦闘シーンでは若干見辛いかもしれない。
ゲームと関係が無いためか、「アギ」とか「ザン」といった魔法を唱えたりはせず、固有の能力や格闘戦で戦う。
ちなみに常人がペルソナに触れてしまえば無気力症になってしまう危険性が高い。


  • 影抜き
綾凪市の学生の間で流行している「ドラッグのようなもの」。
やると麻薬を吸った後のように快感が得られるようだが、依存症になってしまう危険性もある。
「モーリー」なる人物が流行らせたらしいが……。


  • A潜在
本作での潜在的ペルソナ使いの呼称。
これを凌ぐ能力者、つまりペルソナ使いは「特A潜在」と呼称される。
またペルソナを発現させずに大人になった人は「定年A潜在」とされ、
ペルソナ使い同士の戦いの場にいても無気力症になる確率が少ない。


  • 稀人(マレビト)
リバース事件を起こしている複合ペルソナ使いの集団。
彼らが他者のペルソナを剥離させ、取り込んでいるため被害者は皮膚と肉体が裏返ったような死体となってしまっている。


  • 複合ペルソナ
稀人たちが使用するペルソナ。
他人のペルソナを吸収・剥離して力を増すことが出来るが、
暴走の危険性が非常に高く使用者はペルソナの制御剤が不可欠となっている。


  • 無気力症
動くことはおろか喋ることもままならなくなる謎の精神疾患。
10年前に綾凪市で同時多発事件が起こり、大惨事となった。
その後収束したはずだが、また再発の兆しが見え始める。
描写を見るに、「ペルソナ3」の物とはまた別の形の物のようだ。


  • くじらのはね
神郷夫妻が出版した絵本。
本作の鍵を握る重要な本である。
伊藤は「誰もいない人間にやさしい本」と述べた。



余談だが、神郷三兄弟の名前は全員「まこと」と読める漢字である。
そして何の因果か劇場版「ペルソナ3」の主人公・結城理も「まこと」と読める字となった。


本作の本放送終了から程なくして「ペルソナ4」が発売された。


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最終更新:2023年07月03日 21:48