伊達臣人

登録日:2014/07/18 (金曜日) 20:30:18
更新日:2020/03/17 Tue 17:02:59
所要時間:約 15 分で読めます








気にすんな お前が弱いんじゃねえ

俺が強すぎるんだ





伊達臣人(だて おみと)は『魁!!男塾』の登場人物。
担当cvは鈴置洋孝(TVアニメ)・平田広明(PS3ゲーム)
演:榊英雄


◆概要◆

『魁!!男塾』本格的にシリアスなバトル漫画に突入した『驚邏大四凶殺』篇ラスボス

男塾を支配下に収めんとする武装集団・『関東豪学連』の総長。
実は元・男塾塾生であり3年前は一号生筆頭を務めていた
(つまり復帰後は推定年齢18~19歳位であり、桃達と同級だがダブりで年長になっている事になる)。
当時から非凡な才覚の持ち主であり、自身も規格外の豪傑である江田島平八塾長をして
「何をやらせても完璧だった。男塾三百年奴ほどの逸材はおらんだろう」と言わしめる程。


前髪を残してオールバックにした短く逆立った髪と両頬に刻まれた六条の傷痕「六忘面痕」が特徴の偉丈夫だが、
当初は歴代豪学連総長戦時の装束として「黒銅鋼」で出来た物々しい鎧兜に身を包み、素顔も面頬に覆われて不詳であった(加えて兜を被る前の頭部シルエットが簡素だったのでハゲ疑惑まで出た)。


親衛隊を始めとする大量の配下に加え、三面寺でそれぞれが異なる拳法の奥義を極めた3人の猛者、『豪学連三面拳』を統べる。
三面拳とは単なる大将と兵隊の関係では無く、互いに全幅の信頼を置いた家族も同然の盟友。

男塾名物・愕怨祭の『羅惧美偉』試合にて、親衛隊長・森田大器率いる先遣隊が敗れたことを契機に本格的に動き出し、
江田島塾長の発案による最大名物・驚邏大四凶殺にて腹心の三面拳と共に
桃・富樫J・虎丸の四戦士と霊峰・富士を舞台に死闘を繰り広げる。
互いに仲間を失いながらも第四の凶「頂極大巣火噴関」との激闘の末、
仲間たちの想いに支えられて限界以上の力を引き出した桃の渾身の一刀に断たれ敗北。
そのまま死亡したと思われていたが、秘密裏に塾長の手配で三面拳共々救出され、男塾一号生に復帰する。



男塾全能の支配者・大豪院邪鬼率いる男塾三号生との決闘・『大威震八連制覇』に臨む桃達の助っ人として仲間入りし、
それ以降も男塾の副将格として圧倒的な強さで並み居る敵を撃破、全編通して大活躍した。



男塾に入る前の生い立ちは謎に包まれているが、『天挑五輪大武會』篇の終盤、冥凰島十六士・紫蘭との戦いの末、
紫蘭同様、最強の闘士を作り出すために巨悪・藤堂兵衛が仕掛けた人間蠱毒とも言うべき非道な試練・『孤戮闘』の生存者である事が明かされた。
普段袖や防具に隠されていた左手首には生存者の証の刺青が彫られている。



男塾卒業後、続編の「天より高く」「曉!! 男塾」では広域指定暴力団『関東極天漠連合・伊達組』の組長になっている。
とは言え外道を許さぬ伊達の事、おそらく必要悪として裏社会の浄化に努めているものと思われる。
総理大臣となった桃を、政敵やテロリスト等から影から守る意味合いもあるのだろう。
寄る年波をモノともせず、手負いながらも槍術で戦車を撃破するなど、その戦闘力の高さは健在の模様。
「私立極道高校2011」では大鐘音で富樫を応援する等の活躍をしている。



また、『曉!!』ではなんと彼の甥、安東 洋明が旧作の極小路秀麻呂のポジションとして男塾に入塾。
血縁か義理かは分からないが、兄・あるいは姉に当たる人物が出来た(或いは最初からいて、卒業後に再会できた)様である。


最新作・極!!男塾では世代別の代表として「魁組」の一人に選出され、宇宙空間で敵の尖兵・カブキと戦う。
慣れない宇宙での戦いに苦戦しながらも、宇宙服を脱ぐという決死の作戦に出て年齢を感じさせない技の切れで見事カブキを撃破。
二番手ヨコヅナに殺されそうになるも「魁組」の協力を得て九死に一生を得、最後は耳の穴から脳を突き破って勝利した。
その後に降り立ったスサノオの出身星・センゴク星では佐々木小次郎(佐々木巌流その人ではなく他人の空似)と対決。
小次郎の秘剣・ツバメの恩返しに手こずるが、技の秘密を看破し撃破した。




◆人物像◆

敵対時のみならず、味方となった後も基本的には非情で苛烈な気性の持ち主。
一度戦いとなれば心身ともに完膚なきまでに相手を叩きのめさずにはいられず、
冒頭の台詞の様に、相手の非力さを嘲笑するとも取られるふてぶてしい態度は傲慢にすら映る。

例え味方であろうと辛辣な発言を投げかける事は決して珍しく無く、
怒りを買ったりサド疑惑を掛けられた事もある程。

こうして見ると相対する他者全てを見下して悦に入っている嫌な男にも見えるが、
八連制覇に臨むに当たり、三号生筆頭・邪鬼の底知れぬ力を評して「俺では勝てぬ」と桃に告白したり、
挑天五輪で闘いに赴く男爵ディーノを「かつて大威震八連制覇でこの俺を手こずらせた程の男だ」「ディーノのおっさんの力をあなどっちゃいけねえぜ」等とリップサービスフォローを入れるなど、
正確には自他を問わず、心身の実力や男としての格を見抜く眼力を持っているのだといえる。

また、敵味方を問わず全力を以て己の使命を全うした者には敬意を払ったり、
目の前で仲間を失う事が耐え難いという想いから率先して死地に切り込む等、
偽悪的な態度の裏には確かな厳しさと優しさが息づく。
特に、三面拳とは何年もの間生死を共にし、肉親の血よりも濃い絆で結ばれている。

むさ苦しい野郎がひしめく作品内では細やかな美意識を大切にする意外な一面を持ち、
いかなる闘いの最中であろうと身嗜みには気を使うダンディズムの持ち主。
また、情け容赦がない一方『女は殺さない』という平時の冷徹さには似つかわしくない甘さとも取れる信条を持っており、
闘う為に女を捨てた神拳寺の拳士・仁蔣との死合いにおいてもトドメを刺さなかった。

伊達にとっての『強さ』とは、己の信念と美学を貫く為の力を指すのだろう。




◆評価◆

一言で言い表すならばとても強い。とにかく強すぎる男。

『昨日の敵は今日の友』を地で行き、一つのバトルイベントが終了する度に
倍々ゲーム形式で仲間が増えていく男塾のシステム上、次のステージに進むと自動的に前篇のラスボスが仲間になる事になる。
しかし伊達はこの手の漫画によく在りがちである、味方になったら自然と弱体化~等というある種のお約束は当て嵌まらず、
復帰して初めての戦いである羅刹・男爵ディーノ組との『燦燋六極星闘』においては事実上ほぼ独力で2タテを決め、
以降の戦績にしても敵役の宿命として黒星は免れられない桃との勝負(それでもギリギリの接戦だった)を除けば
全ての戦いを勝利で飾っており、しかもその内容も全てにおいて相手の上を行く圧勝である事が殆ど。

その半端ない実力は男塾の敵(もとい、塾長の天敵)である藤堂兵衛からも惚れこまれており、暁!!で天挑五輪大武會で採取した伊達の血からクローンを作り出されている。


主人公である桃が、常に優しく頼りになる、万人から慕われるヒーローの器とするなら、
伊達は男子なら誰もが夢見る『破天荒で傍若無人なまでの最強の力』を体現し、見る者さえも酔わせる男である。
その痛快な暴れぶり、要所要所でのクールなキメっぷりから読者からの人気も非常に高く、
人気投票では常に3位圏内に入っており、一度は主人公である桃を追い抜いて1位の栄冠に輝いた事もある。




◆男塾二・一五事件◆

桃達が男塾に入塾する3年前、当時一号生筆頭を務めていた伊達が退塾、逐電した切っ掛けとなった事件。
当時男塾に入ったばかりの血気盛んな新任教官とソリが合わず(作中の描写を見る限りでは、その教官が一方的に伊達を目の敵にしていた模様)、
教官の自分の立場に胡坐を掻いた態度や,顔に日本刀で「六忘面痕」(考・忠・信・義・仁・礼の六つの徳を忘れた反逆の徒という証)*1
を刻み込む迄にエスカレートした挑発に憤った伊達が武闘教練の授業中に真剣勝負を行い槍で教官を惨殺した。
江田島曰く「殺られた教官もチンケな野郎であった」が、理由の如何はともかく教官の惨殺は男塾の一大事であり、伊達はそのまま逐電し行方を眩ませていたという。

伊達が主人公のスピンオフ作品『男塾外伝・伊達臣人』では
この事件の後の伊達の足取りが描かれ、三面拳と出会ったのも退塾後の時期である。

なお、この事件から僅か11日後に現二号生筆頭・赤石剛次が気の緩んだ一号生を粛清する男塾二・二六事件が勃発。
更に伊達の同期でもある富樫源次の兄・源吉が大威震八連制覇にて三号生・センクウに敗れ闘死する等、
この年は男塾を揺るがす激動の1年であり、数多の因縁の始まりの時でもあった。




◆関東豪学連◆

男塾を去った伊達が総長となり、己の手足として率いる愚連隊。構成員はノースリーブの学ランを着用。
過去に現二号生・三号生が北国や西国で抗争を続けてきた長年の宿敵同様の外部勢力のひとつであり、
関東一都六県、支配高98校、構成員1000名にも及ぶ不良学生の一大組織。北斗の拳のKINGかよ
日本刀短刀、トゲ付きのナックルダスター等の、明らかに銃刀法違反の武装に身を固め、数台の大型のダンプトラック(多分無免許運転)で遠征する
その組織力は圧倒的。最も近場にあるにも関わらず伊達の侵略が始まるまで対処されていなかった事からもその強大さが見て取れる。
但し、桃に豪学連について教えた赤石は『ハンパじゃねえ』とその脅威を警戒する一方で、
『ドグサレどもの集まり』と軽蔑しており、構成員の殆どは不良なりの最低限の仁義すら弁えていない外道の輩。

親衛隊長の森田大器率いる先遣隊も一号生との羅惧美偉試合で迫る死に怯え統率力の低さを露呈し、
森田自身、試合前に呑む掟の劇薬を飲んだ振りで済ましてやり過ごすという『男の勝負にアヤつける』真似をした挙句、
伊達の手で抹殺される等、所詮は伊達個人の力と恐怖に屈した烏合の衆であった。

なお、戦時の装束として代々総長専用の甲冑が受け継がれていて、
『真!!男塾』で民族派の学生組織として登場しているので伊達がゼロから立ち上げた組織という訳では無いらしい。
彼の気性からして先代の総長から力尽くで奪い取ったのかもしれない。
驚邏大四凶殺にて伊達及び三面拳が闘死(した事になった)後、どうなったかは不明
(少なくともトップを失って大幅に弱体化した事は確実で、あるいはそのまま解散したとも考えられる)。




◆闘法◆

覇極流を窮めた男。豪快にして精妙な槍術を得意とする他、『活殺拳』と称する素手の闘技、
大四凶殺の桃との最後の激突では剣術にも心得のある所を見せており、
得物の有無に左右されぬ圧倒的な強さを見せ付ける。

覇極流については伊達自身の戦う機会の多さとは裏腹に、具体的にどの様な由来を持つ流派なのかは劇中では明らかにされていない。
しかし、戦国時代に端を発する甲冑を着ての組打ちや斬り合い(介者剣法)のノウハウが技術に組み込まれている事や、
七牙冥界闘において中国拳法の始源である『神拳寺』の名に伊達が特別な反応を示さなかった事から、
中国武術発祥の武器や技術を取り込み、独自の研鑚によってオリジナルの闘技に昇華させた日本の古武術ではないかという考察もある。

なお武術指南の才能もあり、槍術と棒術 は似通った部分がある為か、辵家流を修め自在棍を操る三面拳・月光に覇極流の棍法術も伝授している。


千峰塵(ちほうじん)
覇極流奥義。伊達の最も得意とする技。目にも止まらぬ速さで繰り出される連続突き。
その速さたるや、外伝では「一秒に棍を数百回放つ」と呼ばれる敵キャラを「遅すぎる」と言い放ち、全て叩き落としていた程である。
手数だけでなく威力・狙いの正確さも達人級であり、優れた応用性を持つ為
基本奥義=使い捨ての一発芸である男塾ワールドにおいても珍しく多用されている。


蛇轍槍(じゃてっそう)
室町時代後期、希代の槍の達人と言われた辺見鉄山によって考案されたという中国の十節棍に改良を加えた変幻自在の仕掛槍。
中空になった槍の柄の内側に滑車と頑丈な綱を仕込み、本来直線的な槍の攻撃にに多関節構造による変則機動を付加した妙技。
無論使いこなすには高い技量を要求される事から槍術極意とも評される。
なお、伊達が大四凶殺時に装備していた槍は蛇轍槍の仕掛けと同時に伸縮自在の如意棍槍(にょいこんそう)としての機構も備えており、
どう考えても物理的に両立出来ないとよくファンにツッコまれる。
仕込み武器に付き纏う強度不足を危惧したのかは不明だが、男塾に復帰してからは何の仕掛けも無い片鎌槍や十文字槍を用いている。


蛇轍眩憧槍(じゃてつげんどうそう)
覇極流奥義。蛇轍槍を回転させ、円の動きから相手を攻撃する。


卍天牛固め(まんじてんぎゅうがため)
覇極流体術。相手を反対の体勢に担ぎ上げ、アルゼンチンバックブリーカーに似た態勢で兜に備わった長い双角で刺し貫く。
甲冑を纏っている事が前提である事からも分かる様に、戦国時代の合戦において刀折れ矢尽きた武将の切り札として開発された血腥い奥義。
なお、天牛とはカミキリムシの古語。


卍天牛固め 落花輪(まんじてんぎゅうがためらっかりん)
卍天牛固めの姿勢から跳躍し、相手を地面に叩きつける。


拳止鄭(けんしてい)
両拳で相手の突きを挟み込んで止める、『拳による白刃取り』。単なる防御テクニックではなく、
その真髄は相手の拳を止める事では無く、破壊し使えなくする事にある。
伊達は万物を貫く羅刹の指拳・『鞏家兜指愧破』すら砕いた。


気張禱(きちょうとう)
練活気挿法(れんかつきそうほう)の一種。気挿法の目的は自己催眠によって精神的な集中力から
自らの持つ体能力を瞬間的に100%引き出す事にある。
伊達は「闘・妖・開・斬・破・寒・滅…」と難しい漢字をブツブツ呟くのがスイッチになっている。
おそらくモチーフは密教の早九字。


槍転脚(そうてんきゃく)
突き立てた槍を軸にしての飛び蹴り。


点鋲鹹(てんびょうかん)
覇極流秘奥義。一瞬にして三つの石に全て賽の目(=21×3=63回)を刻む。
竜宝に対抗して槍捌きの精妙さをアピールする為だけのパフォーマンスという実に男塾らしい奥義。


渦流天樓嵐(かりゅうてんろうらん)
覇極流槍術奥義。槍を横に高速回転させ、小竜巻と言える程の風圧を起こす。
中国槍術その最高峰にあり槍聖と崇められた、呂朱根が創始したと言われる幻の秘技。
槍を凄まじい勢いで回転させる事により小竜巻とも言うべき乱気流現象を起こしその風圧で相手を撹乱した。
その威力は飛ぶ鳥を落とし、頭上で回転させれば傘の代わりをも成したという。
因みに現代でも突然の雨にあった時、雨を止ませるまじないとして棒切れを拾い頭上で回転させる老人の姿がしばしば見られるのはこの名残りである。

後に中国拳法の総本山・神拳寺にこの技と非常に似通った秘拳、
降龍天臨霹(こうりゅうてんりんへき)(得物をプロペラの如く旋回して宙を翔ぶ)
昇龍天邂靂(しょうりゅうてんかいれき)(竜巻を巻き起こし相手を吹き飛ばす)が登場しており、
何らかの繋がりを感じさせる。

この技も使い勝手がいいのか割と後続の作品で登場している。
クローンが使った時は後述の砂塵風車と同様の技になっていた。


渦流回峰嵐(かりゅうかいほうらん)
覇極流奥義。槍を回転させ、全ての方向からの敵を叩き伏せる。


無限追顕槍(むげんついけんそう)
覇極流奥義。投げた槍がどこまでも相手を追いかける。実際は槍の穂先に鋼線を結びつけ、槍が追いかけてくると見せかけているだけである。
稚拙な小細工に気付きもせず、必死の形相で逃げ回る相手の無様を冷笑するという伊達の人となりが如実に表れた奥義。


宇呂惔瀦(うろやけぬま)
覇極流超奥義。背後に隠した槍を上空に放り投げる。実際はこのような技は存在せず、
全ての技を模倣する紫蘭に対抗するためのブラフ&フェイント。逆から読むと「マヌケヤロウ」。


砂塵風車(さじんふうしゃ)
覇極流奥義。槍を回転させて砂煙を上げ、身を隠して攻撃する。


槍針孔(ソウシンコウ)
覇極流奥義。『極』で巨大な敵・ヨコヅナの耳に槍を投げ入れ、頭を貫通させて倒した。


還顕槍(かんけんそう)
覇極流奥義。鋼線を結んだ槍を投げ、槍が相手の後ろに回った所で引き戻す技。





心配すんな、お前が追記修正できねえわけじゃねえ。俺の記事が面白すぎるだけだ

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