アレックス(ストリートファイター)

登録日:2014/08/28 Thu 21:10:39
更新日:2025/08/08 Fri 13:12:36
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You can't escape!(逃げられねぇぞ!)


アレックス(ALEX)とは「ストリートファイターⅢ」を初出とする『ストリートファイター』シリーズの登場キャラクター。
同シリーズ(『ストⅢ』)では、前シリーズ(『ストⅡ』)にて世界規模の知名度を獲得したリュウやケンを差し置いて主人公として設定されたことで少なくない衝撃(と反発)を与えた。
尚、唐突な主人公キャラの交代は業界的にも衝撃的だったのか、当時の格ゲーでは後には存在を忘れられてしまったような新主人公()の存在が横行することに……。
流石に、アレックスを含めてファンの支持を集められていないとメーカー側も気づいたのか、現在までの明確に主人公を定めないパターンが定着したが。

後に、「CAPCOM Fighting Jam」「タツノコ VS.CAPCOM」にも登場し、開発が中止させられた「CAPCOM FIGHTING ALL STARS」にも参戦が確定していた。

愛称は「アレク」。
紅いバンダナを額に巻いた長い金髪が特徴のアメリカ人青年。
身体は筋骨隆々としており、戦いの際には雄叫びと共にシャツを破り捨て、緑のオーバーオールを半脱ぎした上半身裸の状態で戦う。
格闘スタイルは明確に定められている訳では無いものの実質的にはプロレスであり、プロレスゲームでも無いのにレスラーがメインの格ゲーというのも非常に挑戦的な采配であった。
ただし、他のプロレスキャラとは違い投げ技がメインではないなど、色々と新機軸を目指していたのが解る。(立ち位置含めて。)

目次

◆ストーリー

ストリートファイターⅢ 1st・2nd

アレックスが自分より強いと信じていた男、トムが金髪の男とのファイトで敗れる。
それは彼に強い衝撃を与え、ストリートファイトの奥深さを感じさせた。
ファイトの世界や格闘家としての自分を知るため、そして金髪の男と戦うために世界に旅立つ。

……前述の通りで、ゲーム中では明確に主人公と定められている筈なのだが、キャラクター選択時の初期カーソル位置をリュウに取られているなど、せっかくの新主人公なのに公式にしてこの扱いと、少し不遇な印象があった。

ストリートファイターⅢ 3rd STRIKE

ストリートファイトの奥深さを知り、まだ見ぬ強敵を求めて旅立つ。

最終章にしてキャラ選択時の初期カーソル位置をゲットした。流石は主人公

STREET FIGHTERⅢ RYU FINAL -闘いの先に-
最終話で登場。コミカライズですら主人公に選ばれないアレックスが不遇と見せかけて命を捨ててでも守るものが出来たケンに盤外で凹された天帝のが哀れ。
リュウに負け、彼の持つ「風」をその身で感じる。
エピローグではケンから渡されたリュウの鉢巻を手に朱雀城跡に向かい、再びリュウと拳で確かめ合う。
ゲーム中では無愛想なのも手伝って不遜な性格とされてしまっているアレックスだが、登場シーンこそ少ないものの本コミカライズではリュウやケンの薫陶を受けつつ成長していくであろう若者として描かれている。

ストリートファイターⅣ

望まれず未登場。

ストリートファイターⅤ

NYでトレーラーハウスに住んでいる若き青年格闘家。トムの世話になっている。
時系列的には『ストⅢ』より少し前の時代。
強さを求め修行を続けているがNYから出たことは無く、そもそも興味をもったこともなかった。
しかしある日昼寝から目を覚ますと…?


◆人物像

アメリカ出身で現在はNYのマンハッタンに在住している大柄な白人青年。
両親とは少年時代に死別し、父の親友だったトムの世話になっている。トムの事は父親同然に慕い、彼を最強と思っていた。
普段はトレーラーハウスに住み、自動車の修理・整備などをしている。

思った事を実直に言う性格であり、正しいと思えるものもあれば暴言らしきものも見られる。
戦いが疎かになっている点を指摘したり、タツカプではストリートファイトを貶したギャラクターに怒るなど、戦いに関しては真剣に取り組んでおり、クールな熱血漢。
勝利時の台詞はかなり辛辣なものが多い物の、基本的には冷静に物事を見ておりあまり感情的ではない。
一方で前日譚である「ストⅤ」ではⅢより幾分か言い方が相手へのリスペクトを感じる台詞が多い。
逆にタツカプではⅢより更に言い方が辛辣。
「油断した、だと?出し惜しみするほどの強さか?」
「リベンジ? ああ、いいぜ。アンタとは何度やっても負ける気がしない。」


◆技

大柄な体格通りに高い威力で長リーチの打撃を持つものの、特に『ストⅢ』では、見た目の割に尽くに撃ち負ける、或いは余裕で潰されるような判定が弱かったり出が遅い技ばかりである。
なので、相手のタイプや距離に応じて使える技を覚えていく必要がある。
弱攻撃や中攻撃は流石に隙は少ないものの、一発が強いタイプなので連続技は苦手。

○特殊技

  • ヘッドバット/スリーパーホールド
レバー後ろ入れ強パンチで発動。
むんずと頭を掴んだ相手に頭突きをかます打撃投げ。
背中を向けた相手にはスリーパーホールドとなり、威力アップ。
スタン値が大きいため、積極的に狙っていきたい。
リーチや出の早さはそこまでだが、打撃判定なので置いとくと突進技へのカウンターになったりする。

  • フライングクロスチョップ
空中技。ジャンプ中に下入れ強パンチ。
両手をクロスさせ、地上に突進する。
着地時のスキが非常に大きいため地上の相手には撃ちにくい上に当てても隙が出るレベルだが、空中でヒットさせると相手が大きく吹き飛ぶ。

  • ラリアット
『3rd』で追加された移動攻撃*1。レバー前入れ強パンチで発動。
前進しつつ斜め上方向に腕をブン回す。
珍しく技の出も早く判定も強いのだが、上方に腕をブン回す都合から背の高い相手じゃないと使い難い面も。
距離次第ではショルダータックル(しゃがみ強パンチ)以上に対空技としても優秀。
『タツカプ』『ストⅤ』では前進しないで腕を振り上げている。

  • チョップ
レバー前入れ中パンチで発動。
フラッシュチョップとは違って手刀を縦に振るっていく。
いわゆる袈裟斬りチョップや唐竹割りと呼ばれる技。
アレクとしては珍しく接近戦でも安定して使える技で、出すタイミングによっては対空になったりしゃがんでいる相手にも当たる。

  • パーソナルアクション
腕を回して次の攻撃の威力を上げる。
遠距離でダウンを取れたらブンブン回しておきたい。


○必殺技

  • フラッシュチョップ
閃光の軌跡を残して繰り出す強烈な逆水平チョップ。アレックスの要。
体を捻らせるため一瞬ながらも攻撃を回避する事が可能だったり、飛び道具のヒット回数を減らせる(単発の物は相殺できる)など妙な特性も有している。
相手に当てると一瞬だが後ろを向かせることが可能で、この間にパワーボムを決めるとバックドロップ、ヘッドバットを決めるとチョークスリーパーになる。
弱版は追撃できないが連続技に組み込みやすく、中版や強版なら追撃を狙える。やっぱりバックドロップかスリーパーを狙いたい。
EXは優秀な地上技で発生と威力、効果範囲が強化されるが一発で吹き飛ぶので追撃は不可能になる。
タツカプだと強版は溜められ、マシンガンチョップに変化させられる。砲弾も真っ二つ!


  • パワーボム/バックドロップ
相手をがぶりの体勢から掴み上げ、大きくジャンプしてから背中から叩きつける投げ技。弱〜強でジャンプの高さが変わり、威力がちょっとずつ変化する。
背中を向けた相手にはバックドロップとなり威力アップ。
タツカプでは巨大キャラ相手だと、足を掴んで決める。

コマンド投げなのだが掴むまでが微妙に遅く、飛ばれるなどスカされてしまった場合にはアレクが隙だらけになる。
プロレスキャラなので、先輩のザンギエフで言えば“スクリューパイルドライバー”ポジなのかと思えばそうでもなく威力も微妙。
アレックスは発生の早い通常投げ(ボディスラム)が結構強いこともあって、実はなかなか使いにくい技だったりする
因みにというか、背後から投げるバックドロップの方は本人も認める得意技なので、全く報われていないカテゴリーの技という訳ではない。
バックドロップの方は安定して威力も高い上に掴みも早い。相手が自分を飛び越した瞬間などに偶然にもコマンドが成立してて発動してしまうことも。

Vで追加されたEX版はバックドロップからさらに飛び上がってのバックドロップと、ザンギのアトミックスープレックスのような動作になる。


  • エアニースマッシュ
飛び上がり、空中にいる相手を膝で抑え込みながら地面に叩きつける。
一応は昇竜拳コマンドなのだが、下記の通りでEXでも無ければ安定して対空技としては使えない。
空中の相手をキャッチする技の為に一見すると投げ技なの思いきや、打撃判定で空中ブロッキングで防がれてしまうために追撃として用いられる程度。
EXで出すと地上の相手にも当たるようになり、また地上空中を問わず連続技としてヒットするようになる。
タツカプでは空中でも使用可能。


  • エアスタンピート
タメ技。ジャンプして両足で踏みつける。
中段攻撃としてしゃがみガードへの奇襲やめくりを狙える。
EX版だと相手のところまでホーミングするため、飛び道具相手には非常に有効。
強すぎた為か『ストⅤ』ではホーミング機能は削除された。


  • スラッシュエルボー
『2nd』で追加されたタメ技。突進してエルボーを決める。アレックスの要その2。
通常版は牽制やコンボに使え、EX版はヒット数が増える上に使いどころが勝利の命運を分ける。
出こそ早いが隙が大きい。
特に、ガードされた場合の反撃が痛くSAが確定する場合も。


  • スパイラルD.D.T
『3rd』で追加されたコマ投げ。前方に飛び込み、立っている相手をスイング式D.D.Tで投げ落とす。
しゃがまれたりすると当たらず、場合によっては相手の方が素早く動ける。使えない訳ではないが死に技。

対アレク戦で慣れない内は、ふいに出されたD.D.Tに対して中段技を防御する感覚で立ちガードをしようとする→移動投げなので食らってしまうというパターンに陥りがち。
と言うか中級者以上の対戦シーンでも、分かっていても手が勝手に立ち状態に移行してしまうという現象が結構な割合で見受けられる。
DDT見てから立ちガード余裕でした


  • ヘッドクラッシュ
『ストV』で追加された技。低くジャンプして着地と同時に相手を掴み、強力な頭突きを繰り出す。
SAのスタンガンヘッドバットの簡易版に近い。


  • スレッジハンマー
『ストV』で追加された技。振りかぶってから大きく踏み込みラリアットを繰り出す。
発動中はアーマー属性が付き、ヒット後は各種必殺技でキャンセルできる。
更に技の出初めに相手の攻撃を無効化する効果まである。
しかも相手の攻撃を受け止めた場合に限るが、Vゲージも回復できる。


○スーパーアーツ・ドラマチックフィニッシュ


SA1 ハイパーボム


HYPER Bomb!(ハイパーボッ!)

アレクを象徴するゲージ投げ。2連続バックドロップとパワーボムの連携による豪快な技。
ゲージは長く、ストック数は1。掴み範囲が広く、ダメージも大きい。
背後から掴めば五連バックドロップ(通称「裏ボム」)になり、更に威力がアップする。
ゲージを使う投げ技としては珍しく1回転コマンドで出せる。
しかしその代償として暗転を見てから飛べば回避できる程発生が遅い。技に割り込むとかの反撃に使うか、ピヨらせたあとでないと見てから回避余裕です。
その性能を皮肉られYou can escape!(逃げられるぜっ!)とよくディスられている。
(本当は項目冒頭の「You cannot escape!」)
タツカプUASでようやく暗転後回避不可能技になった。


SA2 ブーメランレイド

ゲージは普通。ストックは2と多め。
振り下ろしハンマーパンチ+逆水平チョップの2セットからバックドロップでシメる。
ヒット確認からの連続技や、無敵を活かしての反撃に使われる。
ただし最後のバックドロップの投げ間合いが意外に狭く、外した時の隙が大きいため確実にヒットさせることが求められる。
ゲージ総量からEX技を使いやすくするためだけに選ばれることも多い。しかし、上手く活用できれば火力も上がる。
ちなみに最後がバックドロップなのはチョップ(中フラチョ扱い)のせいで背中を向ける→裏ボム判定なためであり、最初の4発をブロッキングして掴みだけ受けると普通のパワーボムになる。

『2nd』では弱フラッシュチョップからノーキャンセルで繋がるため、コンボとしての実用性は高い。

・SA3 スタンガンヘッドバット

ゲージは短い上に、ストックも1しかない。
飛びかかり、掴んだ相手に連続ヘッドバットで確定スタンさせる強烈な技。スタン値は999。
一部空中の相手も掴めるが、大抵は暗転後の弱攻撃連打なんかで迎撃される。総じてロマン寄りの初見殺し技。
ただしスパキャンを利用しフラッシュチョップから繫げる事で回避を困難にさせられる。
また無敵判定が長く移動距離が大きいので、相手のコンボからの緊急脱出にも使える。
発生が遅いので単発で当てる事はまず難しいが、空中からの着地に合わせる猛者もいる。


・CA ヘビーハンマー

「ストⅤ」で登場したクリティカルアーツ。
初段のフラッシュチョップがヒットすると演出が入り、パワーボムで相手を叩きつける。
更に相手を掴んだまま前転、その勢いを利用して飛び上がり、上空から相手を地面に叩きつける。
フィニッシュすると相手は足を延ばした状態で地面にめり込む。
某プロのお陰で「ディゲンヌ(発動時のThe Endの空耳ネタ)」とか言われることも。

・フェイタル・エアー・スラッシャー

「CAPCOM FIGHTING ALL STARS」に存在したドラマチックフィニッシュ技。
特殊演出の技のためか、非常に難しい三回転コマンドであり、他の格ゲーでも中々見られない。
本作がお蔵入りとなってしまったため、どういう技かは不明。
投げ技ではなく、打撃技と言う事は名前からしてうかがえるが……?

◆性能

見た目や性格から癖の強そうな印象を受けるが、一通りの技は揃っており「ストⅢの教科書」とも呼ばれる程にスタンダードな使い勝手をしている。
飛び道具を持たない為リーチにはやや難はあるが、近距離ではEX必殺を絡めた威力の高いコンボが出せる。
リュウより多くの必殺技を持っているがその分死に技も結構ある。
堅実な読み合いを展開しつついかにして相手を自分の間合いに入れるかが課題で、そこからコンボやコマ投げを決めるといった使い方が分かると楽しいキャラクター。
ジャンプの飛び込み性能が高いため、そこからの連携や、飛ぶと見せかけてダッシュや突進技などで接近する戦術も有効。
投げ技には掴んだ時の相手の向きによって性能が変わるという特性がある。
SAはブーメランレイドを選び、EXフラッシュチョップとEXスラッシュエルボーでゲージを回し、積極的にSAを交えてのコンボも狙いたいが、
大技のハイパーボムやスタンガンヘッドバットに賭けるのも悪くないだろう。
弱点としては大柄で当たり判定が大きく、大振りな技が多い、ゲージが無いと攻めきれない点などが挙げられる。

CFJでは3rdベースではあるが、スパイラルD.D.T.の削除*2、パワーボムの出がかりの動作が削除されて掴みモーションがいきなり出る、エアスタンピートの移動速度の低下、SA全種解禁、屈み状態持続中にリープアタックが可能…といった細かい部分での仕様変更が多く、使い心地は大分異なる。
ミッドナイトブリスでは普通に女体化する。上半身はTシャツで、狙ったフェティシズムの無いスタンダードなスタイルで安心。
シークレットは後述のパトリシアに。

タツカプではハイパーボムがLV3HCとなった重量級キャラ。
2段ジャンプを持たないのが厳しく、立ち回りが強いキャラ相手も辛いが、接近戦では無類の強さを誇る。
ゴールドライタンのような巨大キャラだけが使えるスナップバック(強制交代技)を使用できる数少ない通常キャラでもある。
ちなみにロケテではお手軽に10割ループを出せたため、「ロケテ強キャラは弱キャラ化」のジンクスに巻き込まれたとか巻き込まれてないとか……
(ストⅣのバルログもこのジンクスの被害者である。)



◆知人

  • トム
没個性な名前だが、父の親友でそのトレーナー。見た目はまんまジャン・レノ。退役軍人で現在は格闘技ジムを経営している。
現在でも米軍屈指の格闘戦のインストラクターとして、各地の基地を回っていることが多い。
格闘家としてもかなりの腕前だったようで、アレックスは彼に一度も勝てなかった。
何度スパーリングしてもダウンさせたことはおろか、タップすら奪えなかったそうな。
そんな彼の負傷がきっかけで、アレックスは世界で戦う男となった。
3rdのEDではキャンプに行こうとしているのに何故かトレンチコートを着ている(画面奥のパトリシアは薄着)
この事から『トム=Q説』というバレバレなガセネタが流布している。Qは遠隔操作されてるロボットなど人外の可能性が高いので違うはず…。


  • パトリシア
トムの娘で14歳。アレックスを「アレク」と呼んで懐いており、兄妹同然の付き合い。前述の愛称はここから来ている。
無愛想に見えるアレックスだが、決してそれだけの男ではないことがパトリシアの態度からもうかがえる。
アレックスは旅をしている時以外はこの二人と一緒に住んでおり、彼女のことは「パット」と呼んでいる。
CFJではミッドナイトブリスのシークレットとして登場。


「どうした! それで終わりか!」
元主人公だが、あまりの人気でアレクを食い気味。
3rdのEDに登場し……


トムを襲撃し重傷を負わせた金髪の男。金髪以外に山ほど特徴あるだろとはよく言われるところ。
『3rd』ではギルとの対戦後のストーリーになる。

家庭用3rdでギルを使用した際のラスボスもアレクが担当。
赤と青のセンスのないカラーエディットをした様なツートンカラーにされたアレクだが、天帝ギルが現人神たる力を振るうのを最も近くで目の当たりにすることに。


  • ユリアン
2ndにて、条件を満たすとトムの仇としてプレイヤー側のユリアンに乱入していく形となる。
身に覚えのない一方的な発言に対し、閣下はもちろんご立腹。
アレクが追う男が「金髪」という設定を知っていればユリアンは銀髪だろと突っ込みたくなる所だが、ユリアンは戦闘前の背広姿では普通に金髪であり戦闘時に体質を変える能力を持つので、どこぞのおしゃべりな勘違い空手を使う肥満体系の格闘家が対戦相手全員をケンの変装と決めつけるのと違ってアレクの行動は別段おかしくはない。
まぁユリアンのVS画面でのポートレート画像は戦闘時の銀髪なのでプレイヤー側から勘違いされるのも止む無しではあるが*3


  • ヒューゴー
いつもベビーフェイスが勝つわけじゃないんだぁッ!
『2nd』のオープニングデモではヒューゴーとライバルキャラクターのように描かれている。
レスラー同士からか専用イントロがあり、対戦前に身体が密着するほど近付いてにらみ合う。(ハルク・ホーガンVSアンドレ・ザ・ジャイアントのパロディ)
ヒューゴー自体まんまアンドレだから間違いない。


俺は許せない! すべての「格闘家」たち……家族を捨て、信じる心をなじった。俺の父親と同じ人種を!
レミーのライバル扱い。
「戦いの無意味さ」を戦いで格闘家に思い知らせようとしていたのだろうが、アレクは「人生相談なら他所で受けろ!」とにべもなし。
つくづく戦いには真面目な男である。
偶然かもしれないが、アレックスと対比すると「格闘家の父を持つという共通点がありながら、何もかも正反対な境遇*4」である。


CFJのEDでプロレスの試合をしていた。
ちなみにアレクは、ハガーが登場する『マッスルボマー』の「アレクレイ・ザラゾフ」に似ていると言われているが、
その本人は2ndのヒューゴーのEDで名が出ているため、別人だと思われる。


ストⅢ無印のシークレットファイルの表紙で新聞記事形式で書かれた背景ストーリーで登場。
バーリ・トゥードの大会で『マッスルボマー』の「キマラ・ザ・バウンサー」を倒し、元シャドルー四天王の貫録?を見せる。
しかし、アレックスとの対戦では第1ラウンドで連続パンチを決めるが、第2ラウンドでロングフックを貰い一撃KO。要はかませである。

アレックス「何発食らったかって?えっ23発!凄いラッシュだな…」
ケン「バイソン?ヤツはただの馬鹿だよ、馬鹿」

お前ら人の心とかないんか。

『V』のゼネラルストーリーで強豪描写されたり、エドの兄貴分としての描写がされる以前のバイソンの扱いの悪さを象徴する話である。一切フォローされてないキマラ・ザ・バウンサーよりバイソンのほうがマシだが。

◆アレックスは何故不遇と言われるのか?


  • キャラクター性・外見・特徴などが周りのキャラクターと比べて弱く、リュウの後釜となれる程ではない。(物語を描ける漫画とかならともかくゲームはイメージが先行する。)
  • 常に対戦相手への敬意を忘れないリュウとは対照的に新参者ながら不遜な物言いが目立つので相対的に印象が悪くなりがち。
  • リュウに対するケンといった、競い合うライバルと明言出来るキャラクターがおらず、ユンとヤンの方が適している。(一応は、そのリュウを追うのが目的なのだが前述の通りで同門の後輩とかでもないので納得し辛い。)
  • 代名詞と言える技が無く、ハイパーボムもヒューゴーのギガスブリーカーに比べると地味。(設定的にはバックドロップなのだが、出せる場面が限定的。それなら正面からも出せるようにしてパワーボム捨てろよ。)
  • 3rdでようやく、カーソルの初期位置をゲット。因みに2Pがリュウでライバルというか並び立つキャラと分かる。2ndまでは『ストII』同様に1Pがリュウ。2Pにはケンだったので余計に「誰やねん」感が強かった。
  • Ⅲ出身のキャラクターが多数参戦したストリートファイターⅣには、「出してほしいと言う声が無いから出さない。タツカプで頑張ってくれ(意訳)」と公式で言われてしまった。(いや、出してよ。)
  • クロスオーバー作品にも呼ばれることが少ない。カプエス2ではⅢ代表をユンに取られる始末。3作の内1つはクソゲー、もう1つは開発中止ととにかく恵まれない。スマブラSPのスピリッツでもⅢからはユン&ヤンといぶきが出ている。
  • ネオジオカラーポケット用ソフト「頂上決戦最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM」にいたっては新シリーズ主人公のK'ともどもモノクロ警告画面でのみ出演。K'に次回作に期待しろと促されながらも
    K’「…オレたちだって…………主人公なんだ……」
    アレックス「……………そうだな……」
    と互いに不遇な境遇に落胆する。なお「頂上決戦最強ファイターズ」の次回作はなかった……お前らは今、泣いていい*5


と言う、とても微妙なポジションに立っているのが原因ではないかと言われている。

3rdでのエンディングも、「リュウに一撃も入れられずに膝を着くも、これから逆転する……!」の後がプレイヤーの想像に委ねられており、
明確に描かれている、「エンディングでリュウにパーフェクト負けする」と言うイメージが強くなってしまったものだろう。
漫画版でも「確かみてみろ!」の誤植のインパクトが痛かった。
そして上記の評判などの結果、主人公(笑)と言う大変不名誉なあだ名をもらってしまった。

しかし、3rdのエンディングや漫画版のラストは「旧世代(リュウ)から新世代(アレックス)へのバトン」と言う意味合いが込められているとも考えられるだろう。
「リュウを中心とするストリートファイターシリーズ」における大きな区切りとしても解釈が可能である。
現に漫画版も連載終了し、ゲームでのEDも、相変わらず求道家である事を描きながらどこか寂しげなものとなっている。
更に3rd発売頃はゲーメスト廃刊など格ゲーブームの勢いはなくなり、以後9年はシリーズに動きが無かったため、当時は本気でシリーズを終わらせるつもりだったのがうかがえる。
そしてアレックスは、バトンと区切りと言う二つの大役を成し遂げたと言っても過言ではない。

……もっとも、主人公と明言されてるのに周りに比べても一際弱いキャラクター付けや、3rdでようやく変わった初期カーソルの位置など、カプコン側の問題も見られるのだが。

当然ながら、アレクに限らず主人公(笑)ネタは好ましく思わない人が多いため、使う場はわきまえよう。



この反省を生かしてか、ストリートファイターⅣの主人公は名実ともにリュウのままであり、初期カーソル位置が1Pであるアベルは重要キャラクターの一人として収まっている。
その後のVでは初期カーソルはリュウ・ストーリー的なメインキャラクターはラシード他の複数人、
6では初期カーソルはルークだが公式で「全員主人公」扱い・ワールドツアーモードではプレイヤーの分身キャラがメインという形になっている。

余談だが、アベルは打撃+コマ投げと言うキャラクターコンセプトや、金髪、筋骨隆々などアレクに似た点が多い。
また、アレクもVにおいては長らく弱キャラに甘んじていたものの、何度か上方修正が行われ、最終的には強キャラに上り詰め、使用者も少なくない。

余談だが、アレクを含めて、ドノヴァン・バイン(ヴァンパイアハンター)、王泥喜法介前田慶次(戦国BASARA)など、
カプコン作品の新主人公は扱いがよくない事が多い」と言う謎のジンクスが生じている。(後に待遇が改善されたキャラクターもいるが)




…項目の中に唯ひとつ残されたもの、あんたも持っているのか?

コメントに出来ない何か…

追記・修正でしか交わすことの出来ない何か…あんたも持っているのか?



「確かめてみろ!」



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最終更新:2025年08月08日 13:12

*1 大本の原画自体はⅢ無印の頃には存在し、「起き上がり攻撃」として実装予定であったが没になった。

*2 新規ドットとして各キャラに対応する専用の食らいモーションを作る余裕が無かったと思われる。

*3 こうした勘違いはしばしば開発側でも起きており、SNKのKOFシリーズにおいてはクーラ・ダイアモンドやK9999(クローネン)の髪の色は平時と戦闘時で異なるという設定が反映されていない作品もある。当のユリアンもストVでは非戦闘時でも常時銀髪となっている

*4 レミーは「格闘家の父を恨んでいる・姉がいたが亡くしている」、アレックスは「育ての親のトムは格闘家で良好な関係・妹のようなパトリシアが健在」。

*5 SNK側はKOF99からの新主人公であるK´をアレックスと対の関係で描写しているが、対比するとなるとリアルバウト餓狼伝説2のリックの方がキャラ造形(マイペース)やデザイン(上半身裸、長髪を後頭部で結ぶ髪型、指抜きグローブ)は元より、新主人公でありながら初期カーソルが別キャラという嬉しくない共通点まであって、より自然に見えたり。まぁキャラクターとしての造形が被り過ぎているのも差別化の面でどうかという話ではあるが。