待たせたな。
なあ、お前……例のあの娘、もう見たか?
誰のことだって? そりゃぁ勿論、今アナグラ中で話題のあの娘だよ。
情報管理局お抱えの神機使い……そう、リヴィ・コレット特務少尉さ。
まァ、そう構えんなよ。別に物騒な話でも何でもねえって。
まずは……そうだな、お前、スク水は好きか?
解る? スク水。
スクール水着。学校指定水泳着。
このご時勢、学校に通える奴なんかほんの一握りだろうが、耳にしたことくらいはあるだろう?
……そうかそうか、まあ良しとしよう。
何でいきなりスク水の話になるのか・って?
馬鹿だな。それくらい文脈から察しろよ。
俺とお前の仲だろうが。
俺がお前を一人で呼び出す時は……決まってんだろ。
BGM:炎の舞 -終わらない旅-
俺の今のムーヴメントは……
ス ク 水 だ 。
俺も昔は、スク水なんか生足晒すだけで低露出の路線も中途半端だし、野暮ったいだけだと思っていた。
でも違ったんだ。今になって後悔するばかりだよ。
嗚呼、なんてフェティシズムに溢れた衣装だったんだろう……と!
しかもそれをクラス中の女子が一斉に着ていたという、何とも言えない統一感は……最早理屈では語れん。
ブラウザを開けば「俺」指定の水着を着た女の子達がいる世界とかもう……たまらないね!
そんで、あの赤ずきんちゃん……リヴィ嬢のことだが、パッと見、スク水着てなくね?
21世紀初頭の極東では、ああいうフリル付きのワンピース型スク水も存在していたらしいぜ。
もしかしてリヴィ嬢はかつての日本文化に触れたことがあるのかもしれない……
……とか、考えていた時期が俺にもあったよ。
勿論、そりゃ間違いだとは知ってるさ。
解ってる。ありゃただのワンピースだ。
真実とは常に喜ばしいものばかりじゃあない。
リヴィ嬢は、お前やインフラモードでやって来る他のブラッド2~4みたいにメイド服や執事服着たり、着ぐるみ着たり、ヒーローものや漫画のコスプレしたり、
裸ワイシャックとか水着で
廃寺とかするイロモノ根性……もとい、鋼の精神力をお持ちでないようだからな。
……ああ、すまん。気分を害してしまったかな。
ごめんよ、この通りだ。悪気は無かった。
話を戻そう。
リヴィ嬢は普段からあの格好をしているわけだろ。
晴れた日は元より、雨の日も風の日も、北欧の吹雪の中でだってあのワンピース赤頭巾スタイルだ。
そしてそれがまるで違和感無く周囲にも受け入れられ、この上なく似合っている。
つまりだ。
逆に考えるんだ。スク水を着ていないってなら、着せてやればいいだけのこと!
まさに、神が造りたもうた黄金律……!
ムーヴメントとしては陳腐なれど、素材がイイ。至高と断ずる。
さあ、お前も想像してみろ! 想像力を羽ばたかせてみせろ!
水場から這い出たリヴィ嬢が掻き上げる薄桃色の髪から滴る雫。
それがうなじへ、濡れそぼった布地へと落ち、合わさって大きな流れとなり、大地へ還る。
腋、肩、足の付け根の日焼け跡。露になるボディライン。
水を吸って金属のような光を反射する小ぶりな尻。
滑らかな腹部と、ヘソの窪み。無防備な食い込み直し。
そして、水着にぴっちり包み込まれた彼女の……豊かではないが、確かなふくらみ……!
いいだろ?
決まりだ。
俺が
エイジス島輪番防衛任務を受注してきてやる。
ロケーションであそこ以上の選択肢などありはしない。この俺が保障する。
お前はリヴィ嬢を……この極東に迷い込みし無垢なる赤ずきんちゃんの同行許可を……頼んだぜ!
さあ、出発しよう!
俺達の新たな旅路の幕開けだ!
聖なる探索はより高次元に移行する……!
「対象を発見した……任務を開始する」
ガガッ
『対象の不健全フェイズ、Ⅳ度以上と判定しました』
『リヴィさんの神機では、対象の討伐はできないと思われます』
『……対象の神機に適合してください』
「……了解」
な!? 何ィィィィ!!??
俺の神機! ま さ か の 寝 取 ら れ !!??
ま、待て、待ってくれリヴィ嬢!
俺はアラガミ化なんてしてねえぞぉ!?
「ドーモ、ハル=サン。アラガミスレイヤーです。シマツショを書け。カイシャクは彼女に任せた」
ギル!? てめえいつから見てやがった!?
「査問会待ったなし。慈悲は無い」
ちっくしょぉおおおおおおお!!!!
‐JAMMING‐
INFORMATION haruが戦闘不能になりました