登録日: 2016/07/29(金)06:41:33
更新日:2025/04/26 Sat 08:08:28NEW!
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ゴールデンバウム王朝とは、田中芳樹のSF小説『
銀河英雄伝説』に登場する架空の王朝。
【政治制度】
言うまでもなく専制君主制。ルドルフ時代は皇帝による親政が行われていた。
各省庁のリーダーが尚書として皇帝に直接仕える方式もその名残である。
もっとも、第2代皇帝ジギスムント1世の時代には帝国宰相が置かれ、その後は親政が行われるかどうかはその皇帝の能力と性格によっていたようである。
ただし、歴史が下るにつれ帝国宰相は空位とされる事が多くなり、国務尚書が実際の国政を主導するようになった。
そもそも初代の宰相であるノイエ・シュタウフェンが同時代に発生した民主主義回帰の野党勢力の蜂起を鎮圧した英雄の為、ある種の
永久欠番ポストとみられているふしがあるためでもある。
各帝国貴族には領地において広範な自治権が与えられており、ブラウンシュヴァイク公やリッテンハイム侯のように私兵を持つ者、アルテミスの首飾りをフェザーンから購入した(OVA版)カストロプ公などの例が存在し、帝国末期には反乱も頻発していた。
【社会】
国家革新同盟というルドルフが銀河連邦末期に率いていた政党が前身。
民主主義を根底から否定する極端なイデオロギーを掲げていたこともあり、一党独裁政党に変貌するや全国民への洗脳教育を断行。思想統制により社会風俗に関しては押しなべて
古ゲルマン調の文化であり、これは貴族から平民の姓名と習慣まで同様である。
こう言ったもともと中近世的な生活様式と低福祉・高税率のためか、または人的資源については潤沢なためか、末期の同盟ほどの極端なインフラ衰退は見られない。
宗教については西暦でほぼ潰えたとする同盟側の歴史観も存在するが、帝国においては北欧神話をもとにした
死生観や信仰が存在している。
また、地球がその版図にあるためか、地球教の浸食も同盟以上に進んでいるとされる。
国力では同盟を上回っているものの、社会そのものは黒人やアジア系など非ゲルマン系人種やLGBTへの極端なジェノサイド政策により戦争と関係なく衰退期を迎えており、銀河連邦当時3000億を数えた人口も、作中の時点では250億ほどに低下している。
(まあルドルフ大帝の治世下だけで40億人以上もの人間が虐殺されているので、人口減少してなかったらおかしいのだが…)
そのためかつての連邦時代は曲がりなりにも多民族社会だったのが、本編開始時点で有色人種系の帝国市民は皆無であり、ほぼ全ての臣民は身分を問わず白人のみで占められている。
実際にマシュンゴの様な黒人が往来を歩けていた帝国に属する惑星は地球教統治下の地球のみ確認できる有様である。
こんな政体で、かつ上述したような人口差があるのだが、銀河連邦が300年で崩壊し、銀河帝国との長期戦の末に270年余で降伏・解体した自由惑星同盟よりも長命で、作中の諸政体でも490年という数字は地球統一政府(約670年)に次ぐ長期政体である。
【帝国軍】
軍事については同盟と技術的な差はほとんどなく、あったとしても直ぐに対抗手段が取られていたとする描写が存在する。
ただし、末期からローエングラム王朝期まで激しい争奪戦が行われた
イゼルローン要塞、それよりやや旧式小型とされるものの
リップシュタット戦役で貴族連合の拠点となり、ワープにより
第8次イゼルローン要塞攻防戦に導入された
ガイエスブルク要塞など、静的な兵器については同盟を上回っていた節もある。
その理由としては、同盟がアッシュビーを中心とした機動戦論者が幅を利かせていたことと、第2次ティアマト会戦での大敗により帝国が防衛戦を志向したことが大きく、またその体制故に資金的にも潤沢であったことが挙げられる。
また、指向性ゼッフル粒子の開発は帝国が同盟に技術的に先んじた例といえるだろう。
もっとも
第5次イゼルローン要塞攻防戦に見られた味方殺しや捕虜になることを忌避する価値観もあり、戦死率は同盟とそれほど変わらなかったようだ。
その他同盟との違いについては階級に上級大将が設けられている点が挙げられる。
社会機構そのものが身分制度を前提としており、当然ながら軍隊でもその傾向が顕著。
ただし、同盟との対抗上、軍部では実力主義的気風や人事傾向も存在しており、こと第2次ティアマト会戦における「軍務省にとって涙すべき40分間」の影響から、その末期は平民出身の将官もそれほど珍しいものではなくなっていた。
彼ら平民や下級貴族出身の将兵の支持を集めたのが
ラインハルト・フォン・ローエングラムであり、そう言った意味で帝国軍こそ新王朝の母体であったと言える。
【社会秩序維持局】
【フェザーン】
物語中では独立した第三勢力として描かれるが、名目上は銀河帝国内の自治領である。
帝国と同盟を結ぶ2つの回廊のひとつフェザーン回廊の中に位置する星系で、両交戦国の中立地帯となっている。
現在の自治領主はアドリアン・ルビンスキー。
どちらの勢力からも直接統治されていないことから商業が発展しており、両国はフェザーンを介した間接貿易もおこなっているほど。
そのため繁栄度は戦争中の両国を上回る。住人は自由商人であることに誇りを持っていて、実際に彼らの商才は極めて高い。
だが、自治領主ら一部の支配層は地球教と繋がっており、帝国と同盟の戦争のコントロールを陰ながら行っていた。
しかし長い繁栄の中で慣れと平和ボケに陥っていたのは彼らも同じであり、ラインハルトという天才の前に否応なく歴史の奔流に飲み込まれていくことになる。
【歴代皇帝】
銀河連邦末期、腐敗した銀河連邦の支配に飽きた民衆の前に英雄として登場したルドルフ・フォン・ゴールデンバウムは、民衆の支持のもと「神聖にして不可侵なる」銀河帝国皇帝に即位。
以後、彼とその子孫たちは五百年の長きに渡り銀河の支配者として君臨した。
ゴールデンバウム王朝の開祖で後世からは『大帝』の称号で呼ばれている。
元々は銀河連邦の軍人で政戦両略に非凡な才覚をもち、軍隊内の綱紀粛正や
宇宙海賊の討伐で名を上げ、若き英雄として民衆の支持をうける。
軍を退役後は政界入りし、新党・国家革新同盟を結成。強力な指導力とゆるぎない信念で当時腐敗を始めていた銀河連邦の改革を断行。
やがて一党独裁政権下の議会で行われた国民投票によって『神聖にして不可侵なる』銀河帝国皇帝となる。
…まあ即位の根拠が自らが発した大統領令と議会が行った国民投票の為、国号と元首号を変更しただけで実質的には大統領だったころと大した変化がないようだが、
そうした矛盾から国民の目をそらす目的もあり即位後は自己神格化を進め、反対者や社会的弱者の粛正に奔走。党幹部や有力な選挙後援者たちは功臣達として爵位を与え、
貴族階級を確立して、特権階級支配による王朝の基礎を固める。
皇后エリザベートとの間に4女をもうけたが、後継者たる男児を得る事ができず死後帝位は長女カタリナの息子ジギスムント1世が継いだ。
側室との間には男児ができたが、死産であったという。側室、侍医を含め、関係者全員が死を賜ったことを鑑みるに、
実は男児は死産ではなかったが、先天的障害(白痴であったと言われる)があり、しかもその原因がルドルフ側にあったことが推察される。
この事実は『劣悪遺伝子排除法』を発布し、自らの遺伝子の絶対的な優性を疑っていなかったルドルフを大いに苦しめたと言われている。
ゴールデンバウム王朝第2代皇帝。初代皇帝ルドルフの孫。
有能な専制君主で、父である帝国宰相ヨアヒム・フォン・ノイエ・シュタウフェン公爵の補佐を受けつつ、ルドルフの死後に起こった共和主義者による反乱を粉砕し銀河帝国の基礎を固める。
反乱を起こした共和主義者とその子孫を農奴などの被差別階級へと落とすなど反逆者に対しては非情な支配者だったが、同時に良民には誠実かつ公正な姿勢を徹底していたと言われており、民衆からの支持は高かった。
なお、ジギスムント1世が即位した時点でゴールデンバウム王朝における皇祖ルドルフ大帝の男系子孫は途絶えているため、実質的にはノイエ・シュタウフェン王朝に移行している。
ゴールデンバウム王朝第3代皇帝。先帝ジギスムント1世の長男。
政治よりも美女と狩りと音楽を愛する人物だったが。それでも専制君主としては足を踏み外すことなく無難な一生をおくる。
ゴールデンバウム王朝第4代皇帝。先帝リヒャルト一世の長男。
健康的で真面目だが、禁欲的、散文的で、陰気な保守主義者。
当時と未来の人々を退屈させるという点では比類ない人物。
趣味もなく、自発的に読んだ本は「始祖・ルドルフ大帝の回想録」と「家庭医学書」のみであると伝えられている。
スケジュールを神聖視し、その日のスケジュール通りにこなす事が目標ともいえる程であった。
軍の施設で爆発事故が発生し、1万人以上の将兵が死亡した事件の報告を「そんな報告を聞く予定はない」と冷たく対応したと言われる。
しかも、本人はスケジュールを自分で立案する能力はなく、実質的に政務秘書官であるエックハルト伯爵の操り人形と化しており、結果的にエックハルト伯爵の専横を招く。
ゴールデンバウム王朝第5代皇帝。先帝オフリート一世の長男。
父親よりも祖父に似たのか芸術や美を愛する性格で、国政には関心を示さなかったため、政治の実権は引き続きエックハルト伯爵が握っていた。
自己の権力を盤石にするためエックハルト伯爵は自分の娘とカスパー1世を結婚させようと図るが、同性愛者であったカスパー1世は、カストラート(去勢された男性歌手)のフロリアン少年を寵愛していたためこれを断固として拒否。
業を煮やしたエックハルト伯爵は、ついに邪魔者であるフロリアン少年を殺害するため兵士を連れて後宮に乗り込むも、皇帝の意を受けたリスナー男爵の指揮する一隊によって逆に誅殺される。
騒動の後、カスパー一世は退位宣言書を玉座に残し、幾ばくかの宝石を持ってフロリアン少年と駆け落ちし、以後は完全に行方不明になった。在位わずか1年。
同性愛者を社会的弱者として排除していたルドルフ大帝の行動を考えると、その子孫に同性愛者が出てしまったのは歴史の皮肉と言えよう。
ゴールデンバウム王朝第6代皇帝。第4代皇帝オトフリート一世の弟。
先帝の失踪によって76歳という高齢で即位した。
彼自身よりむしろその息子であるフランツ・オットー大公の才覚が期待され、中継ぎとしての即位であった。
しかし周囲の期待に反して長生きし、二十年もの長きに渡り在位したため、ついには息子のフランツ・オットー皇太子の方が75歳で先に病死してしまう。
本人は老齢のせいか政治に対する意欲を持たず放蕩三昧という無能な皇帝だったが、息子であるフランツ・オットー皇太子が非公式な摂政として国政を統括していた。
オットー皇太子が堅実な施政を行ったため国庫は安定しており、彼の治世は大体において善政に終始した。
最後は曾孫であるカール皇太曾孫に毒殺されるが、あまりの在位期間の長さに重臣たちはほぼ例外なく全員がうんざりしており、その葬儀は盛大ながらも心のこもらぬものとなったと伝えられている。
ゴールデンバウム王朝第7代皇帝。
先帝ユリウス一世の曾孫だが、本来の継承者である従弟のカール皇太曾孫が精神病院に幽閉されてしまったため、ブローネ侯爵だったジギスムント二世が即位。
有能な政治家だったフランツ・オットー皇太子の側近を解任し、その後任に自分の側近をすえると盛大に浪費を繰り返し、終いには金を得るため徴税権の売却や金銭による免罪に走り国政を大混乱させる。
あげくに無実の罪で豪商三百人を一族諸共全員皆殺しにして財産を没収したことをきっかけに、ついに堪忍袋をぶち切った皇太子オトフリートによって廃位され荘園に軟禁された。
死後『史上最悪の黄金狂』『痴愚帝』『歴史上最大の禁治産者』と呼ばれる。
ゴールデンバウム王朝第8代皇帝。先帝ジギスムント二世の息子。
即位後は父親の側近であった三人の大臣を処刑したのを手始めに先帝の治世十五年の間に積み上げられた政治の腐敗を一掃した。
オトフリート二世の政治改革は特に独創的なものではなく、曾祖父たるフランツ・オットー皇太子の摂政時代に時計の針を逆転させただけだったが、それのみで名君と讃えられている。
彼の治世によってジギスムント二世の暴政によってゴールデンバウム王朝から離反しかけていた人々の心は再び帝室に回帰した。
オトフリート二世は六年にわたって国政に精勤したが、最後は過労のため早逝した。
因みに、後に「自由惑星同盟」の礎を築くアーレ・ハイネセンとその同胞が帝国領を脱出したのも彼の治世下での出来事。
ゴールデンバウム王朝第9代皇帝。
国政の場においては有能な専制君主であったが、統治者としての節度ある態度と、私生活における淫蕩ぶりの落差が激しく、『後宮の凡君、国政の名君』と評される。
で、私生活ではどんなだったかというと、重度の髪フェチだった。
具体的には長い美しい髪の女性を好み、ベットの上に百人の女性の髪を敷き詰め、その上を転げまわって陶然としたり、病死した愛妃の髪を泣きながら食べて胃の壁に髪が刺さって医者たちが蒼白になったことも。
まあ無害ではあるがなかなかのHENTAIである。
ただ、それでもアウグスト一世が水準以上の君主とされるのは、愚行をあくまでも後宮内に止め、国政の場においては、専制の範囲内ではあるが、公正で堅実な統治者として一貫したからである。
ゴールデンバウム王朝第10代皇帝。
ゴールデンバウム王朝第11代皇帝。
ゴールデンバウム王朝第12代皇帝。
特に情報は無いが、彼の治世に精神病院に幽閉されていたユリウス1世の孫のカール皇太孫が97歳で死亡したとの記述がある。
ゴールデンバウム王朝第13代皇帝。『流血帝』アウグスト二世の父。
余りの出来の悪さに皇太子であるアウグスト二世の廃立を考えるも、アウグスト二世の弟たちもさして出来の良い方では無かったため廃するだけの決心がつかなかった。
結果からすると、アウグスト二世の弟たちが例えどれほど出来が悪くても、少なくともアウグスト二世を即位させるよりはマシだったろうが…
ゴールデンバウム王朝第14代皇帝。先帝リヒャルト三世の長男。
歴代のゴールデンバウム王朝皇帝の中で最も悪虐な皇帝として知られ、後世『流血帝』と呼ばれる。
自力で立って歩く事もできないほどの極度の肥満体で、「溶けかけたラードの塊」などと形容される。
痛風を患っており、その発作を抑えるためアヘンを常用していた。
即位後、真っ先にやったことは父の愛妾の惨殺。殺された女性達はみな体の皮を剥がれていたという…
恐怖政治を敷き、ルドルフのような信念からではなく、単なる保身と快楽のために実の母である皇太后や弟たち、貴族から民衆まで無差別に虐殺を行なった。
アウグスト2世が殺害した総数は2000万人とも600万人とも伝えられている。
最後はリンダーホーフ侯エーリッヒ(後のエーリッヒ二世)による叛乱の最中、腹心である近衛旅団長シャンバークによって、自らが多くの「
餌」を与えていた有角犬の巣穴に突き落とされ殺害される。
なお、シャンバークはエーリッヒ二世によって暴君を殺して国家と人民の害を取り除いたことを称えられ大将に昇格。
直後に暴君の腹心として多くの人々を惨殺した罪に問われ銃殺刑に処された。
まさに因果応報。
ダイヤモンド製の微細な針を眼球に突き刺し、更に眼底を経て脳にまで突き通して、相手を狂死させる『アウグストの注射針』なる処刑方法を考案した。
ゴールデンバウム王朝第15代皇帝。先帝アウグスト二世の従兄。
アウグスト二世が即位した際に身の危険を感じ、その手を逃れて自領に引き籠っていた。
が、
オーディンにいた皇族などがあらかた殺し尽くされた後出頭を命じられ、惨たらしく殺されるくらいならばと止むなく反旗を翻す。
本人としては窮鼠猫を噛むの心境でペンダントの中には敗れた際には残虐に殺害される前に自殺する為の毒薬を仕込んでいる程だった。
しかし既にアウグスト二世は人心を失っており、彼の予想に反して有力な貴族や有能な軍人達が次々に彼の元に集結し、瞬く間に勢力を拡大。
ついにはトラーバッハ星域会戦で皇帝軍と戦闘になったが、皇帝軍は殆ど戦闘行為を行わずに事実上投降したため大勝。
そしてその時には既にアウグスト二世もこの世におらず、そのまま
オーディンへ進軍、皇帝に即位。
ちなみにこの時彼の元に集った提督の中にはコンラート・ハインツ・フォン・
ローエングラム伯爵という人物も。
即位後はアウグスト二世時代の恐怖政治の影を一掃し人心を安定させたことから『止血帝』と呼ばれる。
ゴールデンバウム王朝第16代皇帝。
ゴールデンバウム王朝第17代皇帝。
ゴールデンバウム王朝第18代皇帝。
ゴールデンバウム王朝第19代皇帝。
実子がなく、皇后の勧めで甥であるフリードリヒを養子にするが、その直後に死亡。
一説によるとフリードリヒ三世と皇后クリスティーネは不倫関係にあり、そのために養子に推薦されたのではないかと囁かれている。
レオンハルト二世の死も、フリードリヒ三世と彼と共謀した皇后によって暗殺されたのではないかとも言われているが真相は不明。
ゴールデンバウム王朝第20代皇帝。先帝レオンハルト二世の甥。
後述するグスタフ一世、マクシミリアン・ヨーゼフ二世、ヘルベルト大公の父親でマクシミリアン・ヨーゼフ一世の異母弟。
『ダゴン星域会戦』時の皇帝なので後世『敗軍帝』と呼ばれる。
長子であるグスタフ一世は生来病弱でフリードリヒ三世の眼には頼りなく見え、また次男のマクシミリアン・ヨーゼフ二世も庶子だった為、三男であるヘルベルト大公を偏愛した。
治世中に「自由惑星同盟」が発見されると、フリードリヒ三世はグスタフ一世を廃立し、新たにヘルベルト大公を皇太子に立てるための「箔付け」として、ヘルベルト大公に自由惑星同盟の討伐を命じる。
しかし軍事には素人のヘルベルト大公率いる帝国軍は、敵を侮った結果リン・パオ率いる自由惑星同盟の軍勢に『
ダゴン星域会戦』で完敗を喫してしまう。
結果ヘルベルト大公は失脚し、帝国の権威も著しく低下する事態となった。
フリードリヒ三世の治世はゴールデンバウム朝がもっとも深く腐敗と退嬰と陰謀の中に沈んでいた時代とされ、後世「暗赤色の六年間」と呼ばれた。
- マクシミリアン・ヨーゼフ・フォン・ゴールデンバウム一世
ゴールデンバウム王朝第21代皇帝。先帝フリードリヒ三世の異母兄。
帝位継承を巡る争いを収拾するために一時的に帝位に就いた後、先帝の長男であるグスタフ一世に帝位を譲った。
ゴールデンバウム王朝第22代皇帝。フリードリヒ三世の長男。
即位後まもなく弟であるヘルベルト大公の配下の者に毒殺されたため通称『百日帝』と呼ばれる。
生来病弱でその点をフリードリヒ三世から疎まれ、結果的にヘルベルト大公の増長を招いた。
死の直前にもうひとりの弟、マクシミリアン・ヨーゼフ2世に帝位を譲る。
マクシミリアン・ヨーゼフ2世とは仲が良かったらしく、後にマクシミリアン・ヨーゼフ2世が「劣悪遺伝子排除法」を廃止したのには、病弱だったグスタフ1世の影響があるのではないかとされている。
- マクシミリアン・ヨーゼフ・フォン・ゴールデンバウム二世
ゴールデンバウム王朝第23代皇帝。
フリードリヒ三世の庶子で、先帝グスタフ一世の異母弟。
母親が下級貴族出身のため、帝位を継ぐことは無いと思われていたが、異母兄であるグスタフ一世から死の直前に帝位を譲られ皇帝に即位。
即位後は自由惑星同盟への侵攻計画を破棄し、司法尚書の
ミュンツァーや、侍女出身の皇后ジークリンデなどの助けを得て、永年にわたって緩みきっていた綱紀を粛正。
劣悪遺伝子排除法という「遺伝的に劣悪」と定義された病や異常、性格を持つ者を安楽死させるルドルフ大帝以来の悪法を有名無実化するなど、内政に力を注ぎ、政治の腐敗と
ダゴン星域会戦の敗戦によって傾きかけていたゴールデンバウム朝銀河帝国を立て直した中興の祖と讃えられる。
混乱期の王朝を立て直したことから『再建帝』、腐敗の一掃もあり『清掃帝』とも呼ばれる。
もしくはヘルベルトの配下の者に毒殺されかかって失明したことから『晴眼帝』とも呼ばれる。
ゴールデンバウム王朝第24代皇帝。先帝マクシミリアン・ヨーゼフ2世の又従兄弟。
先帝に子が無かったため、人物を見込まれ養子になる。
内政では先帝の方針を受け継ぎ名君と呼ばれるに相応しい功績を上げたが、外政においては先帝とは意見を異にしており、
ダゴン星域会戦の報復戦を決意。
自由惑星同盟の征服を目論んだ彼は、同盟領に対してゴールデンバウム王朝史上唯一の親征を企てる。
これに先立ち、強行偵察により同盟領の地理把握を始めとして綿密な下準備を行っており、
ダゴン星域会戦の失敗を教訓に計画を実行。
更に外交面での解決も模索しており、コルネリアス1世は三度にもわたって自由惑星同盟に対して和平使節団の派遣、自由惑星同盟に臣従前提とはいえ和平政策を行っている。
この姿勢はゴールデンバウム朝においては後のマンフレート亡命帝とならんでかなり寛大な態度と言えたが、同盟首脳部は
ダゴンの勝利の幻想に驕って帝国の使者に冷笑を浴びせかけ、コルネリアス1世の矜持に致命的なまでの打撃を与えてしまう。
…とはいえこの場合の臣従とは早い話が選挙制度の廃絶など含まれるためとてもではないが同盟の飲める和平案などではなく、翻れば同盟からすればこんなろくでもない案が帝国が民主主義勢力と講和する際の最大限の譲歩であるという銀河帝国皇帝の限界を示すものでもある。
前回の反省を生かし周到に準備されたコルネリアス1世の軍勢は、
ダゴン星域会戦の勝利に驕る同盟軍を第一次ティアマト会戦で二度にわたって敗走させ、一時は同盟首都ハイネセンに迫るも、帝都で発生した宮廷クーデターによって撤退を余儀なくされ、コルネリアス1世の親征は失敗に終わる。
なおこの撤退時に発生した帝国軍による同盟市民への大量虐殺と拉致がこののち二国間の和平をほぼ不可能としていく事となる。
元帥号を濫発する悪癖あり、彼が大親征に随行させた元帥はあわせて58名。「元帥二個小隊」を率いて出撃と揶揄される程であった。
そのため『元帥量産帝』とも呼ばれる。
大親征での戦いにおいてこのうち35名が戦死したが、戦局には何ら意味をもたらさなかった。
親征後は思うところがあったのか、これ以後彼が臣下に元帥号を与えることはなくなったという。
ゴールデンバウム王朝第25代皇帝。
ゴールデンバウム王朝第26代皇帝。
これといった功績や戦果も失政も出てこないが、庶子が多かったという記述がある。
ゴールデンバウム王朝第27代皇帝。
在位帝国暦398年~399年?
幼少期に暗殺者の手を逃れ亡命したため自由惑星同盟において成長した。
そのため『亡命帝』とも呼ばれる。
即位後は様々な政治改革を行い同盟との平和共存に尽力。銀河帝国と自由惑星同盟の和解と対等外交の達成も視野に入るほどだったが、即位後わずか1年ほどで反動派の貴族によって暗殺された。
暗殺劇の裏には、利益の独占をはかるフェザーンの思惑が動いていたという説があるが、いずれにせよ民主主義との対話を最大のタブーとする帝国の姿勢を端的に表した事例ともいえる。
ゴールデンバウム王朝第28代皇帝。
ゴールデンバウム王朝第29代皇帝。
皇后コンスタンツェとの間にコルネリアス2世を、寵姫ドロテーアとの間にアルベルト大公をもうける。
次男のアルベルト大公は、十五歳の時侍従武官を従えて新無憂宮の地下の探索に出かけ行方不明になる。
これは寵姫ドロテーアが息子のアルベルト大公を皇后コンスタンツェの魔の手から逃すために行ったとも、逆に息子のコルネリアス2世の政敵であるアルベルト大公を抹消するための皇后コンスタンツェの陰謀とも言われているが真相は不明。
一般的に知られている事実としては、アルベルト大公が侍従武官と共に地下で行方を断ち、その直後ウィルヘルム2世が病没したことだけである。
ウィルヘルム2世の死後は皇后コンスタンツェの息子であるコルネリアス2世が即位。
その翌日、先帝の寵姫ドロテーアは何者かの手によって毒殺され、さらにその一ヶ月後コンスタンツェ皇太后も原因不明の熱病で狂死した。
ゴールデンバウム王朝第30代皇帝。先帝ウィルヘルム2世の長男。
第二次ティアマト宙域会戦時の皇帝で、
ブルース・アッシュビー率いる自由惑星同盟との戦いで貴族出身の将官を大量に喪う。
だが、これが結果的に帝国軍が平民に対して高級士官への門戸を開くきっかけとなる。
即位から20年後、重い病に倒れたコルネリアス2世の前に失踪した弟のアルベルト大公を自称する男が現れる。
長年にわたって弟の失踪に母親の犯行を疑っていたコルネリアス2世は、病床に「弟」を呼び寄せ涙の体面を果たす。
この自称アルベルト大公は一時はコルネリアス2世の後継者と目されたが、その後、多数の貴族から提供された5000万帝国マルク相当の宝石と可憐な侍女とともに失踪。
自称大公を本物とする説もあるが、真相および以降の消息は不明。
ゴールデンバウム王朝第31代皇帝。
先帝のコルネリアス二世の関係は不明だが、子が無いまま重病に倒れたため、皇族の誰かから取った養子と思われる。
皇太子時代は有能で人望もあり、帝国軍三長官を兼任して帝国軍最高司令官となり、更には帝国宰相をも兼任した。
しかし、即位後は相次ぐ宮廷陰謀に次第に猜疑心が強まり、皇后を三度替え、帝位継承者を五度替え、最後は毒殺を恐れるあまり食事をろくにとらなくなり40代半ばで衰弱死した。
ランズベルク伯爵のセリフに伯爵の5代前の先祖に皇宮地下通路建設を命じたとされるゲオルグ二世なる謎の皇帝が出てくるが、逸話や年代からみて恐らくこのオトフリート三世の事だと思われる。
- エルウィン・ヨーゼフ・フォン・ゴールデンバウム一世
ゴールデンバウム王朝第32代皇帝。
ゴールデンバウム王朝第33代皇帝。
後宮に1万人以上の美女を集めたことから『強精帝』と呼ばれる。
即位5年後にベッドの上で頓死したとき『後宮ではなお5000人が処女のまま皇帝の寵を受ける夜を待っていた』と伝えられる。
624人の庶出子をもうけ、内388人が成人している。
ゴールデンバウム王朝第34代皇帝。
ゴールデンバウム王朝第35代皇帝。フリードリヒ四世の父。
自由惑星同盟との通路であるイゼルローン回廊に要塞の建設を命じるなど戦略眼もあり、フリードリヒ四世の即位した時点で、自由惑星同盟との戦争中にもかかわらず国家財政の健全化にも成功していたことから、水準以上の君主だったと思われる。
ただ大変な吝嗇家で、
イゼルローン要塞の建設費用が予定を大幅に超過したことに激怒し、責任者であるセバスティアン・フォン・リューデリッツ伯爵に死を賜るなど狭量な面が見られる。
放蕩を重ねるフリードリヒに愛想をつかし、勘当同然にしていたが、長男リヒャルトと三男クレメンツが皇位を巡って争い、二人とも共倒れの末死亡してしまったので、他に帝位継承者がいなくなり、仕方なくフリードリヒ四世に後事を託す。
オーベルシュタインの台詞において、第38代カザリン・ケートヘン1世の先祖であるとされる「先々帝ルードヴィヒ3世」という謎の皇帝が出てくるが、実際の先々帝はこのオトフリート5世。
これは単純に作者である田中芳樹氏のミスだと思われる。
そのため、OVAの台詞では「先々帝オトフリート5世」に直されている。
ゴールデンバウム王朝第36代皇帝。
先帝オトフリート5世の次男。
物語開始時点の皇帝であり、実質的にはゴールデンバウム王朝最後の皇帝。
詳細は当該項目参照。
- エルウィン・ヨーゼフ・フォン・ゴールデンバウム二世
ゴールデンバウム王朝第37代皇帝。
先帝フリードリヒ四世の皇太子だったルードヴィヒの息子で、フリードリヒ四世の唯一の直孫であったが、父親が早死にしてしまったために皇太孫としてはたてられなかった。
しかしフリードリヒ四世の死後、エルウィン・ヨーゼフに有力な外戚がいなかった事から
ラインハルトと
リヒテンラーデ候の手によって皇帝に擁立される。
皇帝に即位したものの、僅か五歳の少年に何かが出来るはずもなく、実権は帝国宰相に就任したラインハルトに握られており、後にそれを不服としたランズベルク伯爵らの手によって誘拐される。
建前上の最高権力者として丁重に扱われるも、真心を持って面倒を見てくれた人間は皇宮には誰もおらず、結果として甘やかされ放題に育ったため自我の抑制が効かず、即位した時はやや狂気の芽が芽吹いていたらしい。
ランズベルク伯により誘拐されフェザーン商人の密航船に乗った際も、猿を乗せているようだと苦言を呈されるほど手が付けられなかった。
ノイエ版ではフリードリヒ四世の葬儀で初登場するが、既に自制が効かなくなっており擁立時には自分へ頭を下げる大人を見てご満悦と言った具合に増長ぶりが描かれた。
同盟へ亡命後に銀河帝国正統政府皇帝に擁立されるも、やはり本人の意志は介在しておらずここでもお飾りの存在になっていた。
しかも一連の誘拐すらラインハルトは知ったうえでわざと放置され、ラインハルトはエルウィン・ヨーゼフ二世を廃位し、同盟侵攻の大義名分に利用した。
「
ラグナロック作戦」によって、自由惑星同盟が征服され、銀河帝国正統政府が崩壊すると、エルウィン・ヨーゼフ2世は銀河帝国正統政府の構成員だったランズベルク伯爵と共に姿を消す。
2年後、ランズベルクが逮捕された時、エルウィン・ヨーゼフ2世とされる幼児の
ミイラ化した遺体とランズベルクの手でエルウィン・ヨーゼフ2世の末路を記した手記も発見され、エルウィン・ヨーゼフ2世は死亡したものとして公共墓地に埋葬された。
しかしその後、やはり正統政府の構成員だったレオポルド・シューマッハが逮捕後にした証言によれば、エルウィン・ヨーゼフ2世はランズベルクの元から逃げ出して行方知れずとなり、ミイラは別人のもので手記も発狂したランズベルクの創作であることが判明する。彼のその後は永遠の謎となった。
表向き父親はフリードリヒ4世の皇太子だったルードヴィヒという事になっているが、エルウィン・ヨーゼフ二世が帝国暦482年の生まれなのにもかかわらずルードヴィヒ皇太子は帝国暦477年に死んでいる。
これが正しかった場合エルウィン・ヨーゼフ二世の父親はルードヴィヒ皇太子ではなく別人だという事になる。
エルウィン・ヨーゼフ二世の父親が誰であるかというのは、彼のその後と同じく永遠の謎に終わるだろう。
- カザリン・ケートヘン・フォン・ゴールデンバウム一世
ゴールデンバウム王朝第38代皇帝。
ゴールデンバウム王朝初の女帝にして、最後の皇帝。
ペクニッツ子爵の娘でオトフリート5世の第3皇女の孫。
エルウィン・ヨーゼフ2世を廃位したラインハルトの手によって生後わずか八ヶ月で擁立される。
ラインハルトの傀儡であるが、その傀儡としての仕事も乳児には果たすことはできず、父親たるペクニッツ子爵(彼女の即位後公爵に格上げ)が親権者として代行している。
在位僅か一年ほどでラインハルトに帝位を禅譲したためゴールデンバウム王朝最後の皇帝となる。
退位を強制されるに際し、ペクニッツ公爵はオーベルシュタインからカザリン・ケートヘン1世に対して年間150万帝国マルクの終身年金を下賜するという交換条件を約束され、その身の安全はローエングラム王朝より保障された。
カザリン・ケートヘン1世の即位に際して、ラインハルトは生後八ヶ月の幼児が皇帝に即位し、銀河帝国の支配者になることに暗い侮蔑を感じていたが、そのラインハルトの後継者が生後二ヶ月の乳児だったのは歴史の皮肉と言うべきだろう。
【貴族】
門閥貴族の中で最大の勢力を持つブラウンシュヴァイク公爵家の当主。フリードリヒ四世即位の際に後ろ盾となり、即位後はその長女アマーリエを妻に娶り、皇帝の外戚として絶大な権勢を誇った。
壮齢のいかにも貴族らしい風格を持つ男性だが、内面は貴族主義、血統主義、傲慢、残酷、短絡と、貴族の悪い見本の大バーゲンのような卑劣漢。
自己の欲のためならなんでもやる残酷さは作中随一であり、次期皇帝の摂政になりたいがために皇帝の赤子を毒殺した疑惑がある。作中では更に皇帝の孫娘にして自身の娘のエリザベートを帝位に就かせようと躍起になっていた。
その異様なまでの自己中心的な人格は数世紀にも及ぶ貴族社会の腐敗の堆積によるものであり、メルカッツ提督は公のことを「不運な病人」と呼んだ。
ブラウンシュヴァイク公の甥で、若くしてすでに選民思想に凝り固まった人物。
下級貴族出身のラインハルトを憎悪しており、あの手この手を使って排除を目論む。
自ら最前線に出ることや死を恐れない勇敢さは持つが、それは自陣営を悪い方向に動かす無能な働き者の見本。
詳細は項目参照。
帝国第二位の勢力のリッテンハイム侯爵家の当主。フリードリヒ四世即位の際にはブラウンシュヴァイク家と共に後ろ盾になり、即位後はその次女クリスティーネと結婚して外戚となる。
中年くらいの長身の男で、ブラウンシュヴァイク公ほどではないが、こちらも貴族主義に凝り固まった卑劣漢。
自身の娘サビーネを帝位に就かせようと暗躍するがラインハルトらの介入で失敗するとブラウンシュヴァイク公と手を組んだが、戦後の派閥抗争に目を取られ過ぎて現実を顧みれず、最期は貴族らしい尊大な振る舞いが仇となって死亡した。
中年の伯爵。OVA外伝「決闘者」と「奪還者」に登場。
リッテンハイム公の縁戚もとい腰ぎんちゃくのような男で、公にすり寄るために何の罪もないシャフハウゼン家の鉱山の採掘権を奪い取ろうとした。
しかしゴマをすろうと熱心になり過ぎてリッテンハイム公の秘密を知ってしまい、逆に命を狙われて同盟に亡命しようとしたが……。
門閥貴族の例に漏れずに典型的な尊大なだけの小者だが、意外にも家臣や家族には寛容なタイプだったのか、亡命の折には多くの家臣が共に付き従っていた。
父親が不正に蓄財した財産を帝国に没収されるのが嫌で、
カストロプ動乱と呼ばれる地方反乱を起こした馬鹿息子。
メディアによって容姿や反乱の内容が大きく違う。
しかしキルヒアイスの敵ではなかったという点は共通し、彼の昇進の踏み台になって惨めな最期を遂げた。
カストロプ動乱の詳細は単独項目参照。
伯爵の地位を持つ門閥貴族の一員、帝国歴489年時点で26歳。
特別な才覚は持っていない一方、若い門閥貴族としては極めて珍しい事に温厚で誠実な人柄を持ち、
凡そ他人から憎悪されるような悪辣さや卑劣さ、そして彼自身も他人を傷つける攻撃的な気質を持ち合わせていない。
貴族という立場故に得られる利益を享受する事や、それを生む社会構造自体には特に疑問も持っていなかったようだが、
その一方で相手が平民であっても初対面の協力者に自分から笑顔で握手を求め、迷惑をかければ謝罪もきちんと行う等、貴族としての特権意識を他人に振り翳す事はしない。
その善良さは育ちの良さから来るものとされているが、ゴールデンバウム王朝を嫌悪しているラインハルトですら
「何度か会った事があるが、悪い印象を受けた記憶が無い」「有益では無いが、無害な人物」とその人柄を評していた程。
他にもヒルダや前述の協力者たるレオポルド・シューマッハ大佐なども、彼の人柄は高く評価している。
後にリップシュタット貴族連合に参加してラインハルトと敵対するが、それすらもラインハルトへの敵意や損得勘定からではなく、
ゴールデンバウム王朝の貴族としてそれが当然の義務であると信じていた、という素朴な理由からであった。
リップシュタット戦役に敗北後はフェザーンに脱出。
そこでもラインハルト個人を憎悪する事は無かったが、その純粋さはラインハルト陣営、
そして暗躍するフェザーンによって更に利用されていく事になる。
女性ながら貴族では珍しく男爵家の当主を務めている人物。男爵夫人と呼ばれている。
貴族としては良い意味で異端児的な才色兼備の女傑。
宮廷内で孤立していたアンネローゼの数少ない友人の一人で、強力な後ろ盾となっていた。
ラインハルトにとっては姉の恩人であり、彼女には頭が上がらないほど。
無名の芸術家のパトロンという一面もあり、「歩く博物館」の異名を持つ。メックリンガーもかつては彼女の援助を受けており、
その縁でラインハルトとの面識を得る。
パトロンとして何人も愛人を囲っているがキルヒアイスをとても気に入っているようで、本人からは苦手意識を抱かれている。
本編では一切出番がないものの、リップシュタット戦役後に失意と共に世捨て人になってしまったアンネローゼを見舞っていたのではないかと推測されている。
- エリザベート・フォン・ブラウンシュヴァイク/サビーネ・フォン・リッテンハイム
前者はブラウンシュヴァイク公の娘で、後者はリッテンハイム公の娘。先述通り母親たちがいずれも皇帝の娘である為、従姉妹同士でもある。
フリードリヒ四世の逝去後、次代の女帝と目された二大候補である。しかし本人らの才覚は期待されておらず、彼女らの父親が狙う摂政としての土台や、『女帝の夫』としての最高の名声を得ようとする貴族たちの政争の餌でしかなかった。
ちなみに権力掌握前のラインハルトは、権力を得る手段として彼女たちのどちらかと政略結婚することも考えていたが、実行に移されることは無かった。
貴族連合の戦闘では参加せず、原作小説・OVA・ノイエ版では内戦終結後の去就は不明。藤崎版では戦闘に果敢に参加するが死亡する。
ノイエ版ではフリードリヒ四世葬儀の場で歳相応の仲積むまじい会話をしており両者の関係は当段階では良好だった模様。
OVA版外伝では遺伝的欠陥があると指摘されているが具体的な持病・体質などは不明。
侯爵夫人で実家も子爵家の家柄。かつてはフリードリヒ四世の寵愛を独占する寵姫であったが、現在はグリューネワルト侯爵夫人ことアンネローゼに寵愛が移ったことで捨て置かれてしまった存在。
そのせいか人格も歪み切ってしまっており、アンネローゼを排除すれば皇帝の寵愛を取り戻せると、その弟のラインハルトを亡き者にしようと幾度も暗殺者を差し向ける。
しかしことごとく失敗。ついに所業が皇帝の知るところとなってしまった結果、自殺を強要されてあえなく最期を迎えた。
ただ、現在こそ妄執に狂いきった魔女のようになっているが、昔は可憐な少女だったと言われ(ちなみに本編時点でまだ30歳ほど)、彼女も宮廷社会の犠牲者だと言えるかもしれない。
【軍人】
皇帝フリードリヒ四世の寵愛を受けるグリューネワルト伯爵夫人の弟。
「金髪の孺子(こぞう)」と周囲からは侮られるが、たぐいまれな才覚を発揮して異例の早さで出世の階段を駆け上がっていく。
詳細は単独項目参照
ラインハルトの幼馴染で生涯最大の友。
見事な赤毛を持つ温和な青年で、ラインハルトを支えて彼の栄光の道筋を築いていく。
ラインハルトと同等以上の万能の天才だが、人間的な完成度ははるかに上回る。ただし『覇者』としての器ではない。
アスターテ会戦まではラインハルトの副官としてのみ務め、周囲から目立つ立場では無かった(それでもラインハルトを支えた功績は巨大だが)。
しかし
カストロプ動乱で一挙頭角を現し、艦隊司令官として活躍を始める。
その温厚で人当たりの良い性格から同僚や部下からの評価も人気も絶大であった。
だが「No.2不要論」を唱えるオーベルシュタインによってラインハルトと溝が生じた末に……。
詳細は単独項目参照
銀河帝国軍宇宙艦隊司令長官を務める老年の男性。
威風堂々とした威厳ある風貌を持ち、長年軍務で生きてきただけあって軍政ともに凡庸ならざる人物。
ラインハルトからは、「見かけだけの無能者」と侮られるが、それはラインハルトが天才ゆえの視線の高さからと言える。
実際に、我の強い門閥貴族出身の提督たちが無用な軋轢を起こさないように配慮する老獪さを発揮するなど最高司令官として有能な面を見せている。
また、当初はラインハルトを軽視していたが、ラインハルトの功績を見て、
「もうスカートの中の提督ではない。生意気な金髪の孺子ではあるがな」
と、評価を改める柔軟さ、人を見る目の確かさを持っている。
そしてその柔軟さは歴史の転換点において、ラインハルトとの敵対を避けるという判断で彼を破滅から救うことにつながった。
ミッターマイヤーが学生時代に士官学校の教官をしていたこともある提督。階級は中将。
無能というほどではないが実践より理論を優先しがちな人間で、教え子たちからは「理屈倒れのシュターデン」と陰口を叩かれていた。
リップシュタット戦役では貴族連合について参戦するが、我が強く戦意だけは旺盛な門閥貴族の子弟たちを抑えることができず、結果としてミッターマイヤーに完敗することになってしまった。
その後はなんとか逃げ延びるもののストレスから吐血して病床へ。
ラインハルト陣営からはほとんど路傍の石のように扱われてしまったが、彼の名誉のために言えばアスターテ会戦では危なげなくメルカッツやファーレンハイトと肩を並べて戦えており、艦隊司令官としては十分な力量を持っていたことは認めてもよいだろう。
帝国軍の重装甲陸戦部隊・装甲擲弾兵の総監。階級は上級大将。
白兵戦においては作中では文句なしに最強の戦闘能力を誇り、同盟軍からは『ミンチメーカー』と恐れられるほど。ファンからの通称は『石器時代の勇者』
詳細は単独項目参照
禿げた恰幅の良い56歳で、帝国軍技術大将。
指向性ゼッフル粒子の発明など、決して無能な人物ではないがそれ以上に政治力を駆使して保身と昇進を計る向きが大きな野心家。
帝国と同盟の軍事バランスを保つことを目論んだフェザーンにそそのかされ、ガイエスブルグ要塞をワープで移動させて
イゼルローン要塞に当てる作戦を進言し、技術的には成功させた。
だが結局この作戦は同盟軍に目立った損害を与えることができずに失敗し、ガイエスブルグ要塞と多数の艦艇と将兵に加えてケンプ提督という有能な人材もまとめて失う大敗北となってしまった。
それ自体はシャフトの責任ではなかったが、彼を用済みと見たフェザーンによって収賄他の汚職を暴露されて逮捕された。
しかしシャフトをあからさまに切り捨てたことで、フェザーンが帝国を間接的に操ろうとしていることをラインハルトに確信させる結果となったのは当人たちにも予想外のことであった。
【その他】
クロプシュトック事件のおりにミッターマイヤーを拷問しようとした男。
出番は短いが、どのメディアでもなぜか濃いキャラづけになっていて妙に記憶に残る変態。
そのため隠れた人気キャラ。詳細は項目参照。
ベーネミュンデ侯爵夫人に仕える宮廷医師。
とはいえ忠誠心ではなく、彼女の莫大な資産のおこぼれが目当てで従っていただけの小者。
ラインハルト暗殺に関して暗殺者を手配するなど暗躍したものの、彼女の傲慢極まる性格には愛想を尽かしていた。
そしてついに反撃に出たラインハルトの動きを知ると即座に侯爵夫人を裏切る。
OVA【決闘者】に登場したベーネミュンデ侯爵夫人がラインハルト殺害のために送り込んだ暗殺者。本名不明。
ヘルクスマイヤー伯爵の決闘者を殺害してその後釜に入り、決闘でラインハルトを殺害せんとする。
縮れ髪の不気味な男だが腕は本物で、ラインハルトもギリギリのところまで追い詰められた。
しかしプロとしての矜持も本物であり、最後には真っ向勝負でラインハルトと剣で勝負した後に潔く自害して果てた。
ゴールデンバウム王朝の忠臣の方々は追記・修正お願いします。
- 中国史なんかだと歴史書に書かれている「人々」は首都の住民だったり輿論を形成する上流階級のことを指していたりするから、ゴールデンバウム歴代皇帝の善悪評価もあくまで貴族とその周辺層による評価なんじゃないかな。 -- 名無しさん (2016-07-29 13:36:09)
- まあそこは現実でも変わらないわな。徳川綱吉みたいに在位中は評判最悪だったけど最近の研究で再評価されてる人物も多いし。当然逆もいる。現在でもマスコミからの評判は最悪だけど海外からは高評価されてる政治家も多いし。その逆もしかり。 -- 名無しさん (2016-07-30 02:03:06)
- こうしてみると、史記みたいな紀伝体で「銀河帝国史」を書いて欲しい。結構面白いモノになると思うんだけど。 -- 名無しさん (2016-07-31 00:42:30)
- 読んでると各皇帝のモデルが透けて見えて面白いなエーリッヒとかはローマ皇帝のユリアヌスかな? -- 名無しさん (2016-07-31 04:16:37)
- ↑2もしもヤン・ウェンリーが暗殺されずに最後まで生き残っていたら余生は「銀河帝国史」か「自由惑星同盟史」なんかを書いてた気がする -- 名無しさん (2016-07-31 13:29:07)
- ↑1,3 たぶんユリアンが本編後、ヤンの意志を引き継いでするんじゃないかな? ラストでそんなこと言ってたし。 -- 名無しさん (2016-08-09 14:32:30)
- ↑2ヤンが書いた場合は名前で売れるけど歴史書としてはいまいちな評価を受けそう。逆にユリアンのはそこそこの評価を受ける気がする。 -- 名無しさん (2016-08-09 14:59:03)
- 在位中評判悪い奴は悪いなりの理由があるんだよ、と。再評価されようがそこは変わらん。 -- 名無しさん (2016-09-27 06:12:47)
- 項目読んでて思ったんだけどコルネリアス二世の弟の自称アルベルト大公ってオトフリート三世に消されたのかもな -- 名無しさん (2017-03-14 10:01:32)
- 経年劣化も否定できないけど、何より開祖に問題があったという・・・ -- 名無しさん (2017-06-13 13:50:19)
- ゴールデンバウム王朝がまさに中世的王朝であるのに退位して、ローエングラム王朝は、革命以後の近代的王朝ってイメージがあるな。名誉革命後のイギリスとか。 -- 名無しさん (2017-07-02 11:50:41)
- ↑×6 すごくわかる -- 名無しさん (2018-06-13 21:03:38)
- 銀河帝国の最盛期はアウグスト1世の頃かな? -- 名無しさん (2020-08-02 19:38:37)
- この項目を見るだけでもすごい情報量だ。こうして見ると田中芳樹ってやっぱすげぇやって思う。 -- 名無しさん (2020-08-08 15:19:33)
- 王朝とか言うけど国家革新同盟による一党独裁政権ではとか指摘したいのですが -- 名無しさん (2021-10-24 15:21:19)
- ルードヴィヒ3世を踏まえたのがアルスラーン戦記での家系図先出しかな、って思ったり。多分に作劇の都合もあっただろうけどさ -- 名無しさん (2021-10-24 15:37:21)
- 中国で該当するの袁世凱しかなくて困る -- 名無しさん (2022-05-09 09:55:55)
- どこぞのシス卿が帝位につくのはそういう教えだからわかるんだが、ルドルフさんが、皇帝になった動機がガチでわからん。あるいは国家革新同盟って政党自体がそういう公約を掲げた組織だったのか -- 名無しさん (2022-07-23 13:46:37)
- 当時の銀河連邦の民主主義が、完全に行き詰って衆愚政に陥ってたからな。民を主としない別種の正統性の模索と遺伝子至上主義が結びついて、かつて存在した王政帝政に目覚めたんじゃね? -- 名無しさん (2023-01-04 12:23:25)
- 巨大なパラディ島じゃないですか、皇帝と貴族と平民が当番制の -- 名無しさん (2023-05-26 23:17:00)
- ↑2↑3 途中で「終身独裁官」挟んでるし、当初は議会も残ってた(むしろ皇帝万歳叫んでた)から、権力集中自体は本人の意思としても称号の方は周りから望まれてじゃねって気もする。民主主義に則らない以上、正統性は銀河連邦からの禅譲でしか得られない、みたいな。 -- 名無しさん (2023-07-30 15:26:54)
- 「銀河連邦当時3000億を数えた人口も、作中の時点では250億ほどに低下している」の部分があまりにも謎。王朝初期のゲルマン化時代に民族同化出来ない非ヨーロッパ人種がジェノサイドされて人口激減した疑惑もあるが、作中だと王朝初期の大虐殺で激減したというより緩やかに減り続けたっぽい表現だし現在も人口は横ばい~微減っぽい。中世的もしくは近世ドイツ的な家を存続させるための結婚・低い教育レベル・少ない娯楽を国民に強いてたら普通は前近代の社会と同様に多産になって増えるはずなのにそんな兆候も無い。実は表面的には中世っぽくても実態は現代先進国みたいな自由恋愛・高い教育レベル・豊富な娯楽にアクセス出来る国民が多くて未婚少子化社会になってるのだろうか? -- 名無しさん (2023-08-20 03:18:23)
- ↑二次創作だと「3000億は銀河連邦黄金時代の人口で、帝国が勃興する前の衰退期だともっと少なくなってたよ。連邦が統治しきれなくなって接触がなくなった星の人口は数えてないよ」って設定があったな。 -- 名無しさん (2023-12-11 09:52:17)
- 一体何議席取ったらこんなとんでもない改造ができるんだか…ここまでして投票所なくしたくなるほど選挙に行きたくないとか銀河連邦はどんだけ腐敗してたんだよ… -- 名無しさん (2024-05-11 21:38:06)
- 500年でもう企業のCEOとか豪商とか呼ぶようになってるのかこの国…株式市況も存在しないのかね -- 名無しさん (2024-05-18 22:54:14)
- ルドルフを支持してごっこ遊びに付き合っていたら粛清が始まって…ということじゃないかな。あと帝国民は株式に縁がないだけで、フェザーン経由で同盟とも商売をしているから明言されていないだけで市場自体はあるはず。 -- 名無しさん (2024-05-19 12:51:29)
- もうファンには飽きるほど話題にされたんだろうけれど、ルドルフ一世は思想が思想だけに皇宮すらエスカレーターやエレベーターの類すらない全力でバリアフリーをゴミ焼却炉の底に投げ込んだとしか思えないような造りにするほどだったのに、どうして三十路にすらならないうちに歩けないほどの肥満体と痛風とヤク中になってたアウグスト二世みたいなのが皇帝になれたんだ……?こんなドラ息子が出たら例えルドルフ帝の一人息子でも誅殺されてそうだし、ゴールデンバウム王朝開闢の理念を知る者達からすればゴールデンバウム王朝皇族の歪みの極致として蛇蝎の如く忌み嫌われる人物だったろう…… -- 名無しさん (2024-05-19 15:36:41)
- ↑他の兄弟が死にまくったのかな。彼が即位した頃だけで40億人は殲滅されてるし感覚がマヒしたのかも -- 名無しさん (2024-05-19 16:52:34)
- ↑2 自分が動けなくても呼びつける事で色々済むし、来なけりゃ処刑すりゃ逆らう者も減っていくだろう。流血帝やし -- 名無しさん (2024-05-19 17:35:28)
- ↑3 アウグスト2世の時代はルドルフ即位から250年経っていますし、ルドルフの意思の形骸化・皇帝の不可侵化が進んでいたのでは。そしてアウグストは皇太子時代は平均的(?)な放蕩息子だったようですし即位を阻止するにしても理由がなかったのだろうな。 -- 名無しさん (2024-05-19 18:47:13)
- ルドルフにとって独裁や劣悪遺伝子排除法が彼なりの善意だったみたいだし、対象者の安楽死や粛清にも罪悪感はあったんじゃないかな。その果てに絶対に完璧だと思っていた自分の息子が白雉で調べてみたら彼の中にそういうものを引き起こす遺伝子が紛れてあって、罪悪感や屈辱が一気に襲いかかってきた結果が心臓発作じゃないかと。 -- 名無しさん (2024-06-07 15:04:42)
- 独ソ戦におけるスターリンポジだから仕方ないけど、帝国宰相というポストが北朝鮮でいう主席並みに永久欠番である意味皇帝よりも神聖不可侵で何とも。 -- 名無しさん (2024-06-07 16:10:34)
- フェザーンがゴールデンバウム王朝の項目に書かれているのに違和感がある。まあ、法的にはあくまでも銀河帝国の自治領なので確かに帝国の一部なのだが… -- 名無しさん (2024-06-07 17:52:07)
- ↑てゆーか祭政一致とか企業支配とかは校納金次第で自治権認めてんのに、民主主義絶滅あるのみとか現代人からしたらクレージーとしか言えなくて困る -- 名無しさん (2024-06-07 18:24:11)
- ↑自由惑星同盟はゴールデンバウム王朝を否定することから始まっているからな。帝国からしても認める道理はない。仮に同盟が帰順するなら受け入れてかもしれないけど、民意が許さないだろうしな。 -- 名無しさん (2024-06-07 18:48:37)
- ↑帝国が戦ってきた民主主義勢力は自由惑星同盟のみではないからな~なんならノイエシュタウフェン体制に移行する前から殲滅をしてるし発足の理念がこの前ドイツでクーデター未遂やらかした連中の発言と変わらん内容という…つーか民意に基づく政治がアカンと専制主義掲げても民意は無視できないのか -- 名無しさん (2024-06-07 20:15:21)
- ↑「民意」は同盟市民のという意味で書きました。帝国臣民は上(貴族)次第でしょうね。そういう意味では亡命帝が生きていたら同盟に自治権を認めてということもあったのかもしれない。 -- 名無しさん (2024-06-07 20:41:43)
- でもそれを阻んだのも貴族ね -- 名無しさん (2024-06-07 21:31:39)
- 結局、同盟・帝国ともに相手を同等の勢力とは見てないのだよな…。 -- 名無しさん (2024-06-07 21:52:39)
- フェザーンや地球に自治権が認められているのも、いざとなれば帝国の軍事力で粉砕できるからというのも大きいでしょうね。実際、ラインハルトはそうしてます。 -- 名無しさん (2024-06-08 11:36:30)
- ラインハルトの場合は、戦う敵を失うのが怖いというのが無意識の内にあったから、同盟との外交を捨てたところがあると思う。 -- 名無しさん (2024-06-08 11:43:24)
- 別のサイト「ラインハルト以前にフェザーン回廊経由で同盟侵攻を考えた人はいなかったのか?」という意見があったけど、いたけど利益を天秤にかけたら存続を支持する意見が多かったということでしょうね。おっしゃるようにラインハルトは「とにかく戦いたい」という気性の持ち主だから利益より闘争欲求を優先した。 -- 名無しさん (2024-06-08 12:05:34)
- 探せばゴールデンバウムなりに合理的な動機があるといえばあるのに突き詰めると意味不明な行動原理に見えるのがゴールデンバウムクオリティーかな -- 名無しさん (2024-06-08 12:42:46)
- 政党時代のルドルフの支持者には黒人やアジア系もいただろうけど、彼らはその後どうなったんだろうな。 -- 名無しさん (2024-06-08 14:48:47)
- 大っぴらに逆らわなければ平民でいられたんじゃないかな。とはいえ本伝の帝国側に黒人や黄色人種がいないことを考えると冷遇はされていたのかも。 -- 名無しさん (2024-06-08 15:13:49)
- ぶっちゃけ銀河帝国統治下のオリオン宇宙で黒人が道を歩けてんの地球しかなくて頭を抱えるしかない -- 名無しさん (2024-06-08 17:52:33)
- ラインハルトが生きていたら絶対やらないだろうけど、ローエングラム王朝の安定の為には将来、早い内にアレクサンデルとカザリン・ケートヘンとは結婚させておくべきなんだ。その辺ヒルダは狙ってくると思う。 -- 名無しさん (2024-07-05 21:22:10)
- ↑なんやかんやでゴールデンバウム自体は高い支持率を維持して逝ったからな。下手したらラインハルトのことをルドルフの後継とか考えてる平民とかいそう -- 名無しさん (2024-07-05 21:33:55)
- コルネリアスの親征時の大量殺戮と拉致により同盟市民の半数が犠牲になったってソースはどこ?少なくとも原作小説にはそんな記述はなかったと思うけど。漫画版かアニメ版かな? -- 名無しさん (2024-10-17 22:27:26)
- あとゴールデンバウム王朝が王朝じゃないっていうとナポレオンとかも皇帝じゃないってことになるんだが -- 名無しさん (2024-10-17 22:30:32)
- ↑ナポレオン王朝と違いこちら等は近代民主主義の議会が一党独裁制に移行したヘゲモニー政党がそのまま王朝とか自称してるからね…早い話がノートン一世が具現化したようなもん -- 名無しさん (2024-10-18 00:01:13)
- ノートン一世はアメリカを統治してたわけじゃないがゴールデンバウム王朝は銀河を統治してたし、そもそもラインハルトが皇帝なのも法的にはゴールデンバウム王朝の皇帝から帝位を禅譲されたからなのでゴールデンバウム王朝が王朝じゃないならラインハルトも皇帝じゃないってことになる。正直ゴールデンバウム王朝が王朝じゃないってのは流石に無理があると思う -- 名無しさん (2024-10-25 16:06:55)
- ↑王朝ではないとは言って無くね?政治宣伝で自分たちを王朝と見せかけている政党が実態というわけで…実際にゴールデンバウム王朝のことを倒すとか言ってるラインハルトすら皇帝になるほど洗脳が進んでいるしね -- 名無しさん (2024-11-01 13:23:45)
- ↑↑すげー核心をついてるなソレ…そもそもラインハルトは皇帝なのかというと -- 名無しさん (2024-11-01 13:30:20)
- 「王朝」は基本的に歴史上の時代の区分の定義として「同一性を保つと認められる特定の深い繋がり(ゴールデンバウム王朝の場合は西洋の王朝の定義に近い家名?)を受け継ぐ君主達が治めた時代」を指すとのことだけど……ルドルフ大帝の時代には「ルドルフ自身の体格を定義とする新たな単位を採用しようとすらした」「後世では『皇子であるために最高司令官だが敗戦の責任を問われない』ほど皇族であることが法すら越える特権を持った」とまでいってるし「『銀河英雄伝説』は物語の舞台となる時代より後世の人々によってある時代を語る体をとって描かれている」ことを思うと「王朝と見る視点」という解釈もそうおかしくはない見方に見えるけど……統治者の一族に法すら越える特権が許される血縁相続が何百年も続いてたらもう絶対君主制と変わらないようなものでは……? -- 名無しさん (2024-11-01 20:07:27)
- 同盟には常に優位な国力差だったし、頭がラインハルトになって無駄掃除すれば普通に滅ぼして、これだけの代重ねといい言われるほど悪い王朝だったのかなと。もう少し先の時代になれば近代まで散々叩かれてた江戸幕府の再評価みたくなってる可能性ありそう -- 名無しさん (2024-11-01 20:26:23)
- ↑それがほかの王朝見たく必要だからしているならともかく、今君が言ったことをマニフェストに書いて実行したのが国家革新同盟というのがね…要するに支配組織の名称が党であるべきところを為政者の都合で王朝に変更されたというのが銀河帝国の実情 -- 名無しさん (2024-11-01 20:29:55)
- 一応強調しておくとゴールデンバウムは王朝で間違いないと俺は思うよ。ただし作った連中はバリバリのヘゲモニー政党の党員でそのまま皇族と貴族とあと平民になった同一人物たちなのも事実、党であり王朝でもあるというね -- 名無しさん (2024-11-01 20:46:16)
- 国家革新同盟って政党を母体とするだけでルドルフが即位した時点で別の存在になったと個人的には解釈している。銀河帝国もゴールデンバウム王朝時代もローエングラム王朝時代も人員や設備が全く別のモノに代わった訳じゃないく連続性があるけどゴールデンバウム王朝とローエングラム王朝が別の存在になったのと同じ。 -- 名無しさん (2024-11-02 06:23:31)
- 要するに言い方を買えただけだしな…ソレで通貨が金貨にする必要があるとも思えないけどね -- 名無しさん (2024-11-07 01:20:25)
- 辞書的には「共通の政治的主義・主張をもつ者によって組織され、一定の政治的利益や政策の実現のために活動し、政権獲得をめざす集団。」が政党だから広い意味では政党といえなくもないけど、この定義を当てはめるとゴールデンバウム王朝だけじゃなく自由惑星同盟もイゼルローン共和政府も、それどころか憂国騎士団や地球教も作中に出てくる組織はほとんどが政党になるんだよな -- 名無しさん (2024-12-01 21:13:48)
- ↑そもそもこの戦争自体が銀河連邦の議席争いに端を発してるからな -- 名無しさん (2024-12-26 14:34:48)
- ゴールデンバウム王朝は王朝としての条件を満たしているので「専制君主を装った独裁政党」と「紛い物の王朝」のタグを削除しました -- 名無しさん (2025-03-18 20:07:31)
- あとコルネリアス帝のところの遠征時の大量虐殺とか民主制の解体が条件とか少なくとも原作小説には載ってなかったはずなので情報源の提示をお願いします。 -- 名無しさん (2025-03-18 20:11:38)
- 王朝として満たしてる条件というのが議会で承認されたというのだから草も生えん… -- 名無しさん (2025-03-30 07:24:09)
- ↑選挙で王を選ぶってそこまで珍しい話じゃないよ。ナポレオンもそうだし王政ローマや中世のポーランドとか幾つも類例がある -- 名無しさん (2025-03-30 08:15:08)
- ↑そうなんだが、それらは帝政下の元老院とか革命後のフランスとかの話に対して、近代民主議会でヘゲモニー政党がそのまま王朝にクラスチェンジとか前代未聞で何とも…ナポレオンはあくまで軍人からのし上がったラインハルトのケースだからわかるんだけど、こんなハイドリヒ13世のクーデター未遂が成功した世界が国民に受け入れられたのが信じがたい -- 名無しさん (2025-03-30 14:50:20)
- ラインハルトがトップになっただけですんなり大強国になった辺り、腐敗や人権はともかく統治システムは優秀だったとしか思えない。徳川幕府に通じるものある -- 名無しさん (2025-03-31 12:17:10)
- 徳川幕府は引き継いだ前政権が豊臣とかいうチート大国だからな -- 名無しさん (2025-03-31 13:21:20)
- 大強国というけど資産は銀河連邦のを食いつぶしてるだけだし、国際社会という概念のない文字通りの一国主義の銀河だから優秀も何もないという…地球教が銀河三分の計しなかったら虐殺と人口減少で全人類を道連れに滅んだと思うわ -- 名無しさん (2025-04-03 18:22:11)
- ↑いや、銀河連邦が滅んだのって五百年近く前なんだが… -- 名無しさん (2025-04-03 19:39:00)
- 人類にとって幸いだったのは滅亡のスピードが500年間でだいぶ鈍化していったことか…初代大統領のルドルフ同志の治世で殺した数が40億からの人口半減とかかなりマシにはなっている。あと徳川幕府は五世紀も特別軍事作戦なんかしてねーよ! -- 名無しさん (2025-04-04 07:59:06)
- ラインハルトの治世って帝国宰相時代も含めても五年位だろ?そんな短時間で劇的に国力が上がる訳が無いので元々ゴールデンバウム王朝時代から頭を挿げ替えるだけで自由惑星同盟を圧倒できるだけの国力を積み重ねてた訳だから頭が腐ってただけで胴体の部分は優秀だったのだろう -- 名無しさん (2025-04-04 08:27:37)
- ↑リヒテンラーデ閥見ればわかるけど、テクノクラートなんかめちゃくちゃ有能でできれば連邦時代とまでいかなくても、資本主義経済に戻したがってるからな…官僚がこれだけ有能でも世論には勝てないのか、もう役所の悪口は言いません! -- 名無しさん (2025-04-04 08:33:11)
- …この政権は有能とか無能とかそれ以前の問題だと思うけど -- 名無しさん (2025-04-04 08:39:31)
- 「自分達を王朝だと思い込んだ政党」ってタグ付けた人に聞きたいんだが何でそこまで頑なにゴールデンバウム王朝を王朝だと認めたくないんだ? -- 名無しさん (2025-04-23 21:01:43)
- ↑というかその「王朝」自体が一党独裁党が洗脳教育と思想統制と国民投票で作り上げられた代物だしな~。まさに自分たちは貴族で平民と思い込んだからこそなりえた国家という意味なら間違いではないぞ…本編開始時点で自分たちが500年前にジーンズはいてた連邦国民だったのは忘れているだろうし -- 名無しさん (2025-04-23 21:29:32)
- どちらかと言えば架空の王朝というのが掛け値なしの事実なのがなんとも…プロパガンダスキルが高すぎる。ゲッペルスとか鈴木庫三か攻殻機動隊のゴーダでも転生したのかと言いたい -- 名無しさん (2025-04-23 21:36:55)
- ↑いや、最初がどうあれ同一の血族が500年も国を支配しているんだから普通に王朝だろ。というか作中でもゴールデンバウム朝って呼ばれてるし -- 名無しさん (2025-04-23 21:40:47)
- ハイネセン脱出行に加わった人達に名家がいる -- 名無しさん (2025-04-23 21:44:52)
- ↑まず選挙王制という考え方はあるんだよ。スウェーデン王室が断絶したとき周りの王室が投票で市民を王に選んだことあるし、ナポレオン一家もそう。ただしこの場合、君主制が認めたという前提が付いてしまう、完全な国民投票で500年も大統領の一家が専制君主号なのれた例は皆無で作中で呼ばれたのがこれまたプロパガンダの結果だしな~なんとも言えん。 -- 名無しさん (2025-04-23 21:48:09)
- ↑6あとコレはお願いというか忠告なのだが嫌いなキャラや組織の項目の追記修正にはなるべく手を出さない方が良いと思うよ。自分では公平中立な積りでもどうしてもディスる方向になるから -- 名無しさん (2025-04-24 00:41:23)
- ↑7一応「ゴールデンバウム王朝は政治的プロパガンダの産物だから王朝ではない」と主張していると自分は解釈したけどそもそも「「王朝」は同じ王家の血筋に属する王の系列、またはその系列が支配した時代を指す」からプロパガンダ云々は関係なくないか? -- 名無しさん (2025-04-24 07:36:22)
- ↑同じ血族が属するだけでは王朝とは限らないよ、何なら今の時代同じ血族の大統領一族が政権を取ってるなんか珍しくもない。プロセスが大事でゴールデンバウム政権の場合、民主主義に求めてしまったから矛盾が生まれている。 -- 名無しさん (2025-04-24 15:24:19)
- 要するに超巨大なポチョムキン村がこの【帝国】の実体かよ -- 名無しさん (2025-04-24 15:36:42)
- ↑2いや、辞書に書かれている「王朝」の定義が「王朝は同じ王家の血族に属する王の系列、またはその系列が支配した時代」なのでコレを否定されると議論にならなくなるんだが… -- 名無しさん (2025-04-24 21:25:03)
- ルドルフはそもそも王ではないしな…せめて地球に大昔の王族がいてそこから禅譲されたんならわかるんだけど、今年から我が党のことを王朝と呼べ、偉大なるルドルフ大統領のことを皇帝陛下と呼べという大統領令が根拠だからまたややこしいというのが… -- 名無しさん (2025-04-24 21:48:54)
- ↑悪いがそれはイギリスの王や貴族って言うけど元は海賊じゃん。てレベルの話なのでゴールデンバウム王朝が王朝ではないという根拠にはならない。辞書で規定された「王朝」の定義が「同じ王家の血族に属する王の系列、またはその系列が支配した時代」なのでこの定義に従えばゴールデンバウム王朝は間違いなく王朝 -- 名無しさん (2025-04-24 22:29:56)
- ↑イギリス王室はローマ帝国が派遣した元ドイツ人だからローマの認可を受けてるぞ -- 名無しさん (2025-04-24 22:33:55)
- 124.241.84.31さん。おそらくは編集時の競合によるものだと思いますがコメントの無断削除が行われています。一週間待ちますので謝罪とコメントの再掲載をお願いいたします。 -- 名無しさん (2025-04-25 00:57:20)
- ↑どんな※が消されたの? -- 名無しさん (2025-04-25 22:09:10)
- ↑流石にそれは自分で調べようよ -- 名無しさん (2025-04-26 06:06:28)
最終更新:2025年04月26日 08:08