禁止カード(Battle Spirits)

登録日:2017/03/21 Tue 15:49:56
更新日:2025/02/05 Wed 22:56:11
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TCGを長く販売する過程でどうしても避けられないもの、それが禁止カードである。
バトルスピリッツはフォーマットやローテーションの概念がなく、全てのカードを使用できるTCGである。
(国内産のTCGはローテーションがないのが多数派。)
その中で飛びぬけて強いカード、または環境の変化によって強くなり過ぎてしまったカードはやむを得ず禁止、
制限指定することでバランスを保っている。

制限カードについてはこちら→制限カード(Battle Spirits)



そもそも禁止カード、制限カードとは?

バトスピではデッキに同名カードを3枚まで入れることが許されている。
禁止カードとは文字通りデッキに入れることが禁止され、1枚も入れることができないカードのことである。
制限カードには制限カード<1>と制限カード<2>があり、<>の中の数字の枚数までしかデッキに入れることができない。
そして追加で制限カード<20>が制定された。
ルールブックでは以下のように説明されている。

禁止・制限カード指定
指定されているカードは大会レギュレーションによって、公式・公認大会で使用が禁止・制限されます。

バトスピのデッキは、入れることのできる同じ名前のカードは3枚までですが、
公式・公認大会などで行われるバトルではカードによってデッキに入れることができる枚数を禁止・
制限しているものがあります。
禁止・制限カードには禁止カード/制限カード<1>/制限カード<2>/制限カード<20>の4種類あり、
それぞれデッキに入れることができる同じ名前のカードの最大枚数が設定されています。

かつてはデッキに1枚も入れられないカードは「伝説カード
デッキに1枚しか入れられないカードは「究極カード」と呼ばれていた。
しかし第5のカードであるアルティメットの登場により究極カードの呼称が紛らわしくなったため、
現在の呼び方に変更されたという経緯がある。


バトスピにおける禁止、制限カードには主に二種類に分けることができる。

①:環境の中で明らかにオーバーパワーだったもの
②:新ルールの導入に伴い残しておくと危険と判断されたもの

後者は環境で全く使われていないカードでもいきなり禁止カードになるものがある。
バトラーからは「なぜこんなカードが…」という戸惑いの声が最初は多数だが、
新システムが浸透するにつれて納得のいく改訂だったと感心することもちらほら。

また、長いバトスピの歴史の中で制限カード<2>に指定されたカードは1枚もない。
そのため「2枚制限で様子見をしろ」という声が上がることもある。

開発は烈の覇王セイリュービで禁止カードのさじ加減を覚えたといわれており、そこから5年もの間禁止カードが登場しなかった点は特筆に値する。
ただ、剣刃編以降はパワーカードを周囲のカードもインフレさせて水準を合わせたり、
露骨なメタカードで抑えるようなこともあったりで禁止カードが出ていないことを素直に喜べるかというと微妙なところでもある。

剣刃編以降は新システムの導入時には過去カードの中から危険なカードをいち早く禁止するようにしており、
デッキパワー調整目的の禁止指定はあまり見られなくなっていた。
が、何事にも想定外というものはあるようで、新システムとの親和性に気づけず禁止指定し損ねたカードがときたまある。
…そうしてネコジャジャと【創界神ワンショット】という新たな汚点が生まれてしまった。


禁止カードリスト

2025/02/01以降適用されるリストでは禁止カードは54枚。
内訳は:9枚、:12枚、:9枚、:3枚、:9枚、:15枚、6色:1枚である。
意外なことに、2色以上のカードで禁止指定されたものは2023年まで存在しなかった。

個別記事があるもの(下線あり)はそちらを参照。

2010年6月1日発効

  • イビルオーラ
一時的に使用できるコアを3個増やせるマジック。要するにバトスピ版暗黒の儀式
本来はコアブーストの苦手な紫だったが、このカードのおかげで他の色が追いつかないほどの展開力を発揮した。
カードデザイナーのマイケル・エリオットがコラムで明かしたところによると「禁止すること前提で作った。」とのこと。
バトスピ黎明期にコア運用をユーザーに理解させてゲームを普及させるための1枚だった模様。
現在ならロロやアルティメットに置くことでコアをボイドへ戻さなくても良くなるコンボが存在、もう戻ってくることはないだろう。
リバイバルブースター【龍皇再誕】の発売に合わせたリバイバル版プロモカードが存在し、もちろんそちらも使用禁止。

2010年10月1日発効

ネクサスの配置コストを代替したうえ、ネクサスが配置されるとコアブースト、つまり1枚で2度おいしい最凶のネクサス。
詳しくは個別記事で。

2010年12月1日発効

  • ライフチェイン
スピリット1体を破壊し、そのコスト分のコアをボイドから得るマジック。
莫大なコアが得られるが2枚消費なので登場当時はそれほど猛威は振るって無かった。
だがブレイヴの登場で状況は一変、合体によってコストを水増しし、凄まじいアドカードとなった。
回収による使いまわしや相性の良い破壊時効果を用いることで、全盛期には1ターンに数十個のコアを増やせた。

2011年9月1日発効

  • ストームドロー
デッキから3枚ドローしその後2枚を捨てる、いわゆる天使の施し。
緑の2コスト1軽減は単純にコストが軽すぎた。
調整版のストロングドローは青の3コスト2軽減で最小コストでならば同じく1コストまで下がるがこちらは無制限、同じ2コストなら2ドロー1捨てのスワロウテイルも存在する。
コスト1の差で禁止と無制限の分かれ目になることが良くわかる1枚。
イビルオーラ同様リバイバル版プロモが存在し、もちろんそちらも使用禁止。

  • 魔法監視塔
マジックを無効化できるネクサス。
バトスピはルール上「発揮したらその場で処理」が原則で、割り込んで無効にするようなカードはほとんど存在しない。
そういったカードには制約が多いのだが、
このカードは条件も緩くコストも軽すぎた。
当時環境のトップだった【強襲】デッキを抑えるためこのカードは禁止行きとなった。
アクセル】や【チェンジ】の登場から解除しても問題ないとも言われるが、黄のデッキ下からのドローで使い回せること、
同様のマジック無効化を持つ《翼神機グラン・ウォーデン(リバイバル)》も制限になったことから恐らく無理だろう。

2012年1月1日発効

遅延カード。使われるとげんなりする、通称「バトルしないスピリッツ」。
バトルしないでも勝てるデッキアウト狙いのデッキが横行する原因となったため禁止行きに。
特に巨人港は発売からわずか163日で禁止されており、これはバトスピ内では最速の記録である。

2012年4月1日発効

  • トリックプランクハンドタイフーン
【姫ループ】のキーカード。
トリックプランクはトラッシュのカードをデッキの下に戻すマジック、ハンドタイフーンはお互いに手札をすべて捨てて4ドローというマジックであった。
デッキを引ききった上でトリックプランクで特定のカードだけをデッキに戻す
→ハンドタイフーンで互いにドローという流れを作り、相手のデッキがなくなるまでお互いのドローを繰り返させた。
特にハンドタイフーンはドローソースとエンドカードを兼任、
そしてドローという極めて防ぎにくい手段でデッキアウトに持ち込めたことが凶悪性に拍車をかけていた。
デッキを引ききってから使うその性質上制限カードでは意味がないため、2枚とも禁止行きに。
ちなみにハンドタイフーンの元ネタは、マイケル・エリオットがWotC在籍時代にMagic the Gatheringでデザインした「意外な授かり物/Windfall」伝説の壊れデッキ「MoMa」のキーカードの一つで、速攻禁止送りにされたブッ壊れドローソース。
その調整版だったのだが、こちらではドロー目的に加えてデッキ破壊でとどめを刺すという用途にも使われてあえなく伝説送りになった。
ちなみに他のゲームでも、遊戯王OCGの「手札抹殺」やWIXOSSの「PICK UP」という、
似たようなコンセプトのカードがだいたい問題を起こしているので「お互いに手札を全て捨てて○枚ドローする」はこの業界の鬼門なのかもしれない。
アニメ「ブレイヴ」では暗闇のザジが手札がハンドタイフーン一枚しか無い状態でこれを使用し、
バローネの手持ちブレイヴを捨てさせた上で自分は手札を4枚GETという鬼畜プレイングを見せている。

黄色のマジックとバニラ以外は手札からの使用、ブロックなど一切の行動ができなくなるマジック。
相手は黄以外の手札のカードを使えない」の記述は最高峰の拘束力を誇り、
神速だろうがアルティメットだろうがアクセルだろうが何でもかんでも封じ込める。
カードの種類や効果が増えた現在で更に拘束力が高まっているため、帰ってくることは二度とないだろう。
ハゲていたマイケル・エリオットは髪の毛そのものであるこのカードを気に入っていたらしく、禁止カード化の際には苦渋の決断であったこと、
対策カードを用意したにもかかわらず暴れてしまったことなどをコラムで釈明していた。
その後、同じくかみのけ座モチーフの天使コーマというスピリットが登場。
こちらはブロックの防止のみを受け継いでおり、リバイバルされてアクセル化したがやはり手札封殺は持っていない。

2013年3月23日発効

使用済みのコアをフィールドに戻すことが召喚条件」ってどう見てもぶっ壊れなスピリット。
アニメ「覇王」ではドラゴンアイことノラ・ニャオのキーカードでもあった。
環境を【蜂王リュービ】に染め上げた最強のスピリットの1体。
詳しくは個別記事で。

2015年4月1日発効

  • ネイチャーフォースグレートリンク
トラッシュのコア全てをフィールドに戻せるマジック。
ソウルコアの導入とともに禁止されたが、当時これらのカードは環境に影も形もなかったためバトラー達は驚いた。
その後のカードデザイン、更には「煌臨」の登場などを考慮するとここで禁止していなくともいずれは禁止されていた可能性が高い。
むしろこのカードを先に禁止していたからそういったデザインを躊躇なくできたという見方もできるか。

  • インフェルノアイズ
お互いのコア4個をボイドへと送るマジック。
一見平等な除去効果に見えるが様々な抜け道が存在し、相手のコアだけをボイドへ送らせるコンボが多数存在した。
相性の良いボーン・ダイルの登場以降は悪用しかされていなかったため禁止になった時はやっぱりか、という印象の強かったカード。
しかしながら禁止カード化を決定づけたのは押し付けコンボではなく、ソウルコア導入に伴いルール上の相性が良すぎた点である。

2018年4月1日発効

ネイチャーフォース以来の3年ぶりの禁止カード指定は黄のおなじみソリティアカード。
上記の【姫ループ】のキーカードであり、トリックプランク、ハンドタイフーンの禁止化の際に制限指定を受けてループは消滅していた。
制限カードで長らくとどまっており、ループができなくなっても「カードの種類を問わない回収カード」という役割で採用されることが多かった。
禁止直前期でも【黄神皇オライオン】のような遅延デッキで採用されている実績があったため、
単体でも十分なパワーカードであると改めて認識されており、禁止になってもあまり驚かれはしなかった。
この改訂では召喚時とアクセルでスピリットのトラッシュ回収が行えるヤシウムも制限指定されている。
つまり安易なトラッシュ回収効果全般に対してメスを入れた形で、今後の環境に対する予防的な側面もある。
これにより禁止カード指定の枚数は黄色が単独トップとなった。

2018年9月1日発効

  • 龍皇海賊団 見張りのネコジャジャ
【創界神ワンショット】のドローエンジンその1*1
デッキの概要に関しては異合/創界神/ブレイドラあたりに詳細があるためここでは割愛。
これに関しては開発があまりにずさんだったとしか言いようがなく、
セイリュービ以来の約5年ぶりの禁止カードかつ緊急指定というめちゃくちゃな措置からいかに開発が焦っていたかよくわかる。

2020年5月1日発効

  • ヤシウム
召喚時にトラッシュからスピリットもしくはブレイヴを手札に回収する、赤のコスト4、系統は皇獣/星魂。
リバイバル版も存在し、アクセルで回収→召喚で回収とリバイバル前より効率が良い。
神煌臨編にて創界神によるトラッシュ肥やしが大幅に強化されたこと、
更に創界神ゼウスの登場でコスト4以上の皇獣に大幅に強化が入ったことで、
任意のカードを好きに持ってきつつゼウスにコアを載せられるこのカードが躍進。
制限を経て禁止となった。
なおリバイバル版が主に使われているが、
ブレイドラの例と違い仮にリバイバル版が存在しなくともリバイバル前でもほぼ同じ運用ができるのでとばっちり感は薄い。

  • 断罪ノ滅刃ジャッジメント・ドラゴン・ソード
断罪の滅龍ジャッジメント・ドラゴニスをモチーフにしたブレイヴ。
コスト7と重めで踏み倒しはほぼ不可能、合体条件はコスト9以上と使用制限が厳しい代わりに、
アタック時効果はジャッジメントからそのまま受け継いだ追加ターンと非常に強力。
緑などのコアを増やしやすいデッキや、赤滅龍(デュークモン)などで主に運用されていた。
強力過ぎるという点に加えて、ブレイヴ強化やコスト9以上の強化に支障をきたすということでヤシウムと同時に禁止に。

2020年11月1日発効

  • 冥犬ケルル・ベロス
自分のスタートステップに、相手のコスト6のスピリット1体のコントロールをそのターン中奪えるスピリット。
MTGや遊戯王でこそありふれているコントロール奪取効果だが、バトスピではコアシステムの都合でとてつもなくややこしいことになる。
(なお、コアは元の持ち主の物として扱い、第二弾のカードゆえ記載はないが転召、合体、煌臨なども不可能。)
実用性は第2弾当時から皆無でその後も公式大会からフリーバトルまで殆ど使われていなかったが、
その特殊性から新ギミックの追加ごとに裁定を追加しなければならず、それを周知させるのが難しいという理由で禁止された。

2021年4月17日発効

  • やっぱ拾ったカードは弱い
コスト6以下でアクセルを持たないスピリットを墓地から回収するマジックで、自分のスピリットが破壊された時に自身を回収できる。
そもそも創界神によって墓地肥やしが容易になったことで回収カードの一部が規制されており、
その上低コストから高コストのカードに変化する転醒カードが登場したことで実用性が高くなりすぎた。
以前から制限候補として監視していたが、自身を回収できるため制限では意味が薄いと判断され禁止カードに。
奇抜なカード名だが、よりにもよって主人公のセリフである。
カード名とは裏腹に強すぎたカードと判断されてしまったのだろう。
やっぱ回収系マジックカードは強い。

  • 獄土の四魔卿マグナマイザー
アタック時にTUトリガーを発揮し、1回ヒットごとにコアシュート、2回ヒットでライフダメージ、3回ヒットで2枚ハンデスを行うアルティメット。
自身がコスト8と十分高く*2フラッシュタイミングを挟まないため妨害手段が限られるアタック時効果、
しかもコアはトラッシュ送りのため、一度召喚を許したら最後、
フィールドをズタボロにして挙句反撃の手段すらも奪い去るという地獄絵図になってしまう。
コストも8と高いとはいったものの、フィニッシャー級スピリットにとってコスト8は一般程度。
むしろTUトリガーは最低レベルでも使えるため実質そこらのフィニッシャーよりよほど軽い。

また、アルティメット特有の召喚条件も他のアルティメットと比べても異様に緩い。
スピリットかアルティメットがいればそれで条件を満たせてしまう。これがデッキを選ばない原因となった。
軽減を考えると紫がベストだが、コアさえ用意できれば他の色のデッキでも十分仕事ができる。
ついでに系統も優秀なため受けられるサポートカードも強力なものが多い。
その凶悪なパワーゆえに紫のアルティメットといえばこれ、という状況になった為に2018年4月1日に制限カード<1>指定されたが、
それで使用率が下がるわけでもなく、1枚でゲームに与える影響が大きすぎると判断されたため禁止カードとなった。

2022年5月1日発効

  • 黄泉ノ皇蛇ライウンオロチ
召喚時とアタック時にトラッシュの「黄泉」/「神産」1枚を手札に戻し、コアシュートできるスピリット。
さらにLv2以上ではトラッシュの「黄泉」/「神産」スピリットを召喚できる。
条件付きでコスト8まで蘇生できる《反魂ノ黄泉路》と組み合わせて使ってくださいと言わんばかりのデザインであり、
当然ながらコアブーストと絡めてループ要員となり、制限カードに。

だが、制限になったところで手間こそかかるがループに使えることには変わらず、成功率が高い上に時間がかかり、
大会運営に支障をきたすことが問題視されて2022年5月1日から禁止カードに。

  • 蛇皇龍ガルメジャード
こちらは契約編のスタートに伴う禁止枠。
新ギミックによってカウントの溜まる速度が上がって【Cブレイク】を発揮しやすくなるための規制であり、
【Cブレイク】持ちでは他にも《星霊黄龍ファンロン》が制限指定されている。
しかし、このカードはボイドへのコアシュートという早期に発揮できるとゲーム的によろしくない効果であることから一発で禁止指定された。

その後、契約編では1度にカウント+2されるほどに速いことが判明したため、
増加速度への賛否はともかく【Cブレイク】の規制は仕方なかったと受け止められている。
他のCブレイクが生き残れることを願うばかりであるダメでした

2022年8月1日発効

  • 闇輝石六将 機械獣神フェンリグ
相手の手札増加時のバーストでノーコスト召喚でき、その後相手の手札が2枚以上増えていたか6枚以上の時に、
こちらが手札/手元/フィールドのカード4枚を選び、それ以外をデッキ下にバウンスという凶悪な効果を発揮する。
ドローやサーチに対するメタカードではあるが条件を達成していた場合の効果がやりすぎであり、
制限指定されたうえで手札が効果を受けないようにするカードが多数作られていた。
その後、契約編の環境ではその後の条件を満たすことも多く、1枚制限でも容易に逆転できてしまい面白さを損ねる、という理由で禁止指定へと強化された。

  • グラナート・ゴレム
相手の煌臨に対応して召喚してターンを終了でき、自カウント2以上なら煌臨したスピリットを破壊する。
もとは転醒編で登場した煌臨メタ……要は恒例の前シリーズへの露骨な対策カードだったのだが、
契約編で煌臨の派生能力である契約煌臨が登場したことで、色を問わず多くのデッキで採用されるように。
メインギミック推しの障害になるため一発禁止と相成った。契約編が終わったら帰ってこれそうである

  • 醒龍皇リバーサルドラゴン
  • 醒海皇ヴァルシャルク
事前制限組である「カウントが増えやすくなることで効果が凶悪になる」カードだったが、
ドローを得意とする赤と青の契約デッキでは手札に引き込みやすく、大会での採用率が高かったために禁止された。

  • 時冠超神シン・クロノス
真・転醒編の最終弾で満を持して登場した創界神クロノスの化神。
アタック時にコスト8以下のスピリット破壊とトラッシュの「時冠」を戻すことによるカウント増加、
そして増やしたカウントによって【Cブレイク】の派生能力である【C(クロノ)・Cブレイク】を発揮する。
【C・Cブレイク】は-3時は相手のトラッシュのカードをデッキトップに置くドローロック、
そしてゲーム中1度だけ発揮できる-6時の効果は相手の次のターンをスキップするというもの。

真・転醒編では転醒と自身の効果ぐらいしかカウントを増やす手段が無く、
その手段も他の時冠カードと墓地を食い合うという扱いの難しさゆえにぶっちゃけ残念カード扱いだった。
だが、契約編でカウントが1ターンに平気で2個以上増えるようになったために、ターンスキップが容易に発揮できる壊れカードに。
事前規制からはまだ売り切ってないため逃れたが、やはり暴れたことと、ヴァルシャルクの後釜になることへの警戒もあって禁止指定された。
実際に暴れられるようになったのは5月下旬であり、ラスボスでありながらかなり短い期間しか活躍できなかったことを悲しむ声も。
なお、実際の後釜には自分のカウント1につき2コスト軽減される三災獣が収まると目されており、こっちも規制しなくてよかったのかという声が多い

2023年5月1日発効

  • 赤魔神などのコスト5軽減3ダブルシンボル異魔神サイクル6種
    (通称:色魔神)
サイクル全種一発禁止というあまりにも豪快な禁止だが、合体条件であるコスト6以上のスピリットの用意が契約煌臨、
バーストその他の踏み倒しギミックによって容易であり、維持コアの必要ないシンボル要員がフィニッシャーを兼ねるという状況を生んでいた。
環境での活躍こそ色による差はあったものの、ゲームスピードの抑制を理由としてまとめて禁止に。

  • 吸血伯爵エル・サルバトール
スピリットの召喚/煌臨時効果発揮後か自身のカウントが増えたときに発動でき、相手スピリットのコアを2個、
自分のカウント2以上ならさらに2個トラッシュに送るバースト。
カウント増加を基本戦術とした契約スピリットの相性は言うまでもないだろう。
コスト8とやたら高いため上記の色魔神を始めとしたブレイヴや煌臨との併用も容易で、その上色の縛りも無くコアシュートで反撃手段を封じられることから、2022年5月1日の制限から1年を経て禁止に。

  • 三災獣・海災ディザイアタン
やはり許されなかった三災獣の一角。
三災獣の共通能力として、軽減シンボルが無い代わりに自分のカウント1につき2軽減されるのだが、契約スピリットとの(ry
シン・クロノスと大体同じ経緯で案の定暴走し、制限カードでは常にケアする必要性が生じ,
ゲームの幅が狭められる可能性が高いと判断され一発禁止に。
軽減とトラッシュへのコア送りの組み合わせにはもう少し慎重になってほしいものである

  • 滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ
ブレイヴを基軸とする「契約編:界」に先んじての禁止枠。
例によってリバイバル版が原因であり、こちらはブレイヴが自他問わず存在する間コスト4になり、
このスピリットと相手スピリットの合体を封じ、相手がブレイヴをスピリット状態で残すことを封じる。
このように自分には殆ど縛り無しで相手のブレイヴを封じるため、ブレイヴキラーどころかむしろブレイヴと相性が良く、
しかも無色化を持つため装甲も通用しない念の入れよう。
さらにダブルノヴァ用に赤の軽減まで持つため赤デッキでも採用でき、ブレイヴの運用に悪影響をきたすため禁止に。
また、この禁止の裏でもう1つのリメイク版である《ダークヴルム・ノヴァ・レムナント》が効果の1つが実質無意味になる悲しい裁定を受ける事件が発生した

2024年3月30日発効

  • ダークイニシエーション
自分のスピリットを破壊することでトラッシュのスピリットを回収する、明らかに悪用のしどころしかないマジック。
破壊をトリガーにコアブーストするネクサスと合わせて容易に無限コアブーストを形成できるなど、ループの例は枚挙に暇がない。
同じくループ要員だったライウンオロチの前例を踏まえてか、制限を飛ばし一発禁止に。

  • バインドエッジ
  • バタフライジャマー
ミラージュでコスト4以下の相手のスピリットかアルティメット1体を重疲労させ、ついでに創界神のコアをボイドに送るマジック。
低コストの契約カードの攻撃が初動となる各種契約デッキに対して強烈に刺さり、かつ対処カードのないミラージュの効果として発揮される点が問題となり一発禁止に。
契約創界神ネクサスがメインとなる契約編・真に備えての規制という意味もある。

  • スワロウテイル
  • セクシーバズーカ
こちらはミラージュで召喚時効果と《神託》を止めるマジック2枚。
上記2枚と概ね同様の理由で制限から禁止に昇格となった。
ミラージュへの対策カードを出せば禁止カードにならなかったのではないかという意見もあるが、バースト対策を巡っていたちごっこが生じた前例を踏まえ、ミラージュ側のパワーを抑えることで対処したものと思われる。

  • 七大英雄獣ヘクトル
アクセルでコアブーストしつつ手元に置き、手元にある間赤/紫/黄/青のスピリット/ネクサスのドローを封じるスピリット。
やはりミラージュほどではないが対処カードが少ない手元から発揮するメタ効果であることが問題視され一発禁止に。

  • ヴァンピーアヴォルク
効果による相手のソウルコアの移動を封じるスピリットで、具体的には《煌臨》や《封印》、【起導】やソウルコアを置くタイプの《転醒》など多くの効果を封じられる。
契約編・真で登場するソウルコアを用いた能力である《顕現》を阻害することから事前に禁止に。

  • 月鬼城
お互いのバースト以外による踏み倒しを封じるネクサス。
やはり《顕現》を効果的に妨害できるため事前規制された。

  • 宇宙世紀憲章
使用後フィールドに置かれる《ダブルドロー》互換のマジックで、フィールドにある間創界神のコア増加を各ターン1個に制限する。
フィールドに置く都合上対処しづらく、契約創界神の動きを阻害する可能性が高いと判断され一発禁止かつコラボブースター初の禁止に。
将来的な問題を危惧して封印されるという原作をなぞったかのような経緯が話題となった

2024年5月1日発効

  • 冥府大魔導エシュゾ
召喚時にデッキの上から3枚を破棄でき、その後トラッシュの紫のカード1枚を回収するスピリットで、元々は名前に「冥府」を含まないカードの回収を縛る《創界神ディオニュソス》で、過去の無魔や汎用カードとの連携を可能にするためのカード。
しかし、トラッシュから紫の「魔導」カードを使用できる《魔導の契約神ハデス》によって、《リターンスモーク》から《調教師ライナ兄弟》へ繋ぎ、無限コアブーストを行うループデッキが成立。

確定で手札に持てるハデスがループ要員かつパーツの調達役を兼ねるため再現性が高く、妨害しにくいメインステップでのループであることが問題視され、直近の大会進行への影響も考慮して一発かつ緊急の禁止指定に。
だが、創界神と相性がいいトラッシュ回収で「魔導」でもあるこのカードを見落としていたこと、ゲーム上スピリットの自壊が容易にもかかわらずハデス側の効果に回数制限がないことなど、カードデザインに対して多くの疑問や懸念を残す改訂となった。

2024年8月31日発効

  • ステゴウロ
召喚時にカウント+1とネクサス破壊、創界神のコアのボイド送りと複数の便利な効果を発揮し、アタックステップ中に「緋炎」スピリットに除去耐性を与えるミラージュも持つ。
【アイボウ突契約】の弱体化及び、契約創界神ネクサスへの対策能力を問題視して一発禁止に。

  • 雲数ノ絆神フラグジャッジメント
「金雲」契約スピリット汎用の契約煌臨で、煌臨時にライフ回復を行い、【OC中】のアタック時にライフのコア1個を自分のスピリットに置くことで相手のネクサス/創界神ネクサスの効果を封じる。
常在型能力で効果を発揮させないため《神託》も使用できず、契約創界神ネクサスが機能不全に陥るため一発禁止となった。

  • 秘密の訓練場
配置時にカウント+1し、Lv2では自分ターンに「緋炎」の効果で相手のスピリットなどを破壊した際に2枚ドローできる。
本来は追加効果を発揮できる《プチグロウ》用のネクサスなのだが、【アイボウ突契約】の抑制のために一発禁止に。

2024年11月23日発効

  • フォビット・バルチャー
召喚時にトラッシュにある紫/緑/青のネクサスすべてを、コストを支払わずに配置する効果を持つ青のブレイヴ。
このカードは《走嵐の契約神フラカン》と契約した《巨神要塞トール・キャッスル》軸のLOデッキで猛威を奮った。配置時の《真神託》により、ネクサスを簡単に墓地に落とせることや、その《真神託》で手札に加えられる手札交換マジック、《バクオンドロー》の登場により、爆発的に安定感が上昇。また、何故かこのカードが系統:爪鳥を持っていることで爪鳥スピリットがいる時に2コア増やせるネクサス、《白雲に茂る天翼樹》の採用も可能であること、契約神の台頭により、相手のトラッシュが増えやすくなっていたことにより、早いターンからトール・キャッスルが着地し、デッキ破棄と多重シンボルでのライフ全滅が可能となったため、環境を著しく荒らした。よってこのカードは一発禁止となった。

  • リボル・アームズ
ネクサスに2コアブーストする効果と3または4のマジックを使えなくする効果を持つ青のブレイヴ。然し、《メビウスリング》や《ガーデニアフィールド》のようなフィールドに置かれてある時にデッキ破棄を封殺するマジックをも無効にすることが出来るという裁定が下されたため、上記の【トール・キャッスル】デッキに採用され、猛威を振るった。
フィールドに置くマジックカードを無効に出来るという効果は本来想定していないものであり、今後の環境にも影響を及ぼしかねないため、上記の《フォビット・バルチャー》と同じく一発禁止となった。

  • 伝説王者タイタス・エル・グランデ
煌臨元を3枚まで破棄することで最大30枚のデッキ破壊を行う煌臨版タイタス。当初はロマン気味だったが《十二月幼神クロノデック・キッズ》、《煌臨童子》や《煌臨明王》といった煌臨サポートによって煌臨元3枚の達成が容易となり、デッキ破壊を強化するうえで問題を起こす可能性が高いと判断され規制された。
その後、契約編に登場したソウルコアを回収しながら《煌臨》できる《超契約煌臨》により《煌臨》を重ねるのが容易になったことと、それを有する《相棒鮫シャック》と契約した【蒼契約】や《造相棒レーヴ》と契約した【造契約】のデッキパワーの高さによって、再び問題視された。
特に、【造契約】は元々デッキ破棄を主戦術としているデッキである上に、ソウルコアを使わずに煌臨可能なカード、《デイブレイカー レーヴ》の存在により、このカードをより簡単に煌臨させやすく、最後のダメ押しとして使われることもあったため、5年の時を経て禁止となった。

  • 蠱惑姫ミズア
《相棒鳥フェニル》と契約した【雲契約】に採用されていた楽族のスピリット。
フェニルの効果をもう一度使用する効果によって、素早くゲームを終わらせることに貢献するカードであり、ゲームスピードを下げるために制限に。
その後、契約編:真に突入したことにより、創界神がプッシュされたことで再びこのカードが問題視されることに。特に、高いドロー力を有し、黄色のカードを何でも回収出来るアクセルを持つ《妖精神官アンドロメダ》を採用できる《神華の契約神アプロディーテ》と契約した楽族デッキや、同じくドロー力に優れ、メタカードを採用できる《プチフェニル》と契約した【天契約】に採用され、猛威を振るったため禁止となった。
因みに、バトスピでは珍しく制限になった理由と禁止になった理由が違うカードである。

2025年2月1日発効

  • トパーズの流星
  • 調教師ライナ兄弟
  • 神海賊皇子トリトーン
それぞれ、手札のネクサスカードに黄色軽減2つを追加する黄色のネクサス、召喚時でネクサスの数だけコアブーストをする緑のスピリット、召喚時と「神海」のアタック時に相手のデッキを2枚除外する*3スピリット。
トパーズの効果は重複するため、並べれば並べるほどネクサスの軽減ができるため、《緑の世界》や《紫の世界》のようなコアブやドローネクサスを1,0コストで大量に並べつつ、ライナ兄弟で更に大量のコアブーストをし、出た時自他問わず小型スピリットを手札に戻す《鉄騎皇イグドラシル》でライナ兄弟とイグドラシルを手札に戻す《ヘル・ブリンディ》を相互にバウンスし、最終的にトリトーンの効果を使い回してデッキアウトさせるループデッキが長らく存在していた。最近では、《激覇の契約神ダン》と契約した【激覇ループ】が猛威を奮った。ダンは他の契約神と違い、《真神託》なしで、カウントや手札増加が可能なため、神託の対象外のカードをかなり積めることと、ダンやドローマジックなどの効果で安定してドローができること、イグドラシルのリメイク版の今までのリメイクではループ防止に相手のスピリットのみに限定していたはずのバウンス効果を引き継いだ《鉄騎皇イグドラシルLT》の存在がこれらのループパーツととても相性がよく、環境を荒らし、更に、ループの省略をルール上許可していなかったことで大会において問題が発生したこと、それを踏まえたループの省略を認める改訂を行い、このデッキの使用率の更なる増加を恐れて、ループやフィニッシュの元凶全てを緊急で一発禁止とした。
その前からループパーツとして利用されていたため、もっと早くに禁止されなかったのかという正論は禁句である。

禁止ペア

2024年3月30日より新たに制定された禁止制度で、指定されたうちの一方を3枚までしか投入できない。
他TCGでも同様のケースは存在するが、制定された経緯には複雑な事情が絡んでおり、プロデューサーレターでも特例であると述べられている。
  • ダークタワー暗黒の塔
どちらも相手のターンの《煌臨》と、バースト以外でのスピリットのノーコスト召喚を封じるネクサスで、Lv2では自身を赤として扱う効果も持つ。
《ダークタワー》はコラボブースター【デジモン ~ぼくらのデジモンアドベンチャー~】で収録されたネクサスで、契約編において《煌臨》が再び扱われるようになったことから通常構築での需要が上昇し、シングル価格が高騰。
しかしデジモン側が『DIGIMON CARD GAME』を販売したことでコラボブースター展開が打ち切られた*4ため、再録する方法が無いという厄介な状況になっていたため、効果のみを再現した別カードである《暗黒の塔》を出すことで解決を図った。
こうした事情から、両方が採用できることは意図にそぐわないという理由により禁止ペアとして指定されている。
なお《暗黒の塔》の効果自体は、《ダークタワー》からデメリットを削除した上位互換となっている。

禁止解除されたカード

TCG界全体にその名を轟かせる説明不要のぶっ壊れ。
マイケル・エリオット曰く「本当は『お互いのアタックステップ』って入れようと思ってたんだけど忘れちゃってた、ごめんね。(意訳)」
と自らデザインの失敗を認めたカード。
……のはずだったのだが、なんと2022年5月1日より制限カード<1>に緩和。
大会投入制限が解除されるケースはこれ以前に何度かあったが大会使用禁止が解かれるケースはこれが初めてである。

インフレによる相対的な弱体化が理由とされており、実際マジックや踏み倒しに対するメタカードも大きく増加している。
ただしマジックとして扱い、マジックとして使った後、ノーコスト召喚できるスピリットや、
マジックをバーンダメージに変換する《魔導女皇アンブロシウス》といった相性のいいカードも増えた為、
環境で活躍できるかは未知数といったところか。

詳しくは個別記事で。

  • インビジブルクローク
スピリット1枚に対してブロックされなくなる効果を与えるマジック。
ブレイヴの登場により簡単にシンボルを増やせるようになったことから、あらゆるデッキで採用できるお手軽エンドカードに変貌した。
それでも暫くは制限カード止まりだったのだが、アルティメットの登場時に禁止カード指定された。
アルティメットですらブロック不可能だったのが問題だったのではと当時は言われていた。

しかし、2023年5月1日より制限カード<1>に緩和され、2024年3月30日にはついに制限解除に。
詳細な理由は発表されていないが、ブロックされない効果を保有するカードが増えたこと、
ブロックできずとも《白晶防壁》などの対処するカードや効果が多く、
カード1枚でブロックされなくなる効果を付与するうま味が薄れたことが大きいだろう。

禁止されていた時期に他の第1弾の禁止カード同様リバイバル版プロモが登場し、もちろん使用禁止
…だったのだが、制限カードに移行したことから近い時期の再録が先んじて発表された。
ただしよく見るとこのリバイバル版、アンブロッカブル化効果が微妙に弱体化している


GXナンバーのカード

バトスピには公式がイベントで出したアニメキャラのカードや声優デザインの悪ふざけカード群が存在し、
それらには「GXナンバー」が割り振られている。いわゆるジョークカード(TCG)に分類されるカード群。
そしてこのGXナンバーのカードはいずれも使用が禁止されている。
カードパワーもさることながら、どうやって処理をしたらいいかわからないカードが多数存在し、
一例として

  • ハンサム」しか使うことができないハンサムドロー
  • バースト条件が「自分がオナラをした後」なボンバースト
  • 2人のプレイヤーが協力して発揮するバーニングスピリッツ

などなど、いずれも癖のある効果となっている。


追記・修正はミカファールターボ、表彰台ヒドラ、ストームリュービを現レギュレーションで倒してからお願いします。

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最終更新:2025年02月05日 22:56

*1 その2はブレイドラでそちらは制限<1>

*2 Uトリガーはコストが高いほど効果の発揮確率が上がる

*3 デッキ除外効果を防ぐカードは現在、存在していない

*4 『BANDAI CARD GAMES ネクストプラン発表会2024.01』におけるコラボブースターの項でも、各コラボ作品のカードイラストが表示された中にデジモン関連のみ存在しない