準制限カード(遊戯王OCG)

登録日:2019/01/13 Sun 13:17:00
更新日:2025/04/01 Tue 05:31:22
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準制限カードとは遊戯王OCGのルールの1つ。
これに指定されたカードは1つのデッキに2枚までしか入れられなくなる。

関連項目


●目次

【概要】

遊戯王OCGにはリミットレギュレーションというルールが存在し、
公式大会や公認大会に出場する際には、それに合わせたデッキを組まなくてはならない。
また、多くの非公認大会でもこのレギュレーションに準拠している事が大半である。
フリープレイでもこのルールに従ってデッキを組んでいる人が大多数なので、このルールを無視したデッキを使うならば許可を取った方がいいだろう。

準制限カードの他には1枚しか投入できなくなる制限カードと1枚も入れられない禁止カードが存在する。

基本的に
  • 汎用性が高すぎてどのデッキにも入ってしまい、デッキスロットの固定化を招くカード
  • 同名カードを複数枚投入することに意味があるカード(複数枚投入することで真価を発揮するカード)
  • 環境デッキのキーカードと言えるパワーカード又はそれをサーチしてくるカード
  • デッキの回転率や安定性を高めるサーチカードやドローソース
  • 強力なコンボを生み出すのに必要なパーツとなるカード
  • 目立った活躍をしていない制限カードの様子見での緩和
  • 環境トップが規制されたら上がってくると予想される準環境トップのキーカード
  • 稀に環境に対するメタカードの緩和
  • 少なからずあると言われている今後発売するカードやルール変更と相性の良いカードの緩和・規制

等が該当している。
傾向自体は制限カードと同じであり、制限カードに比べるとやや地味な存在で指定されているカードも少ない。
ただし現在は、昔に比べると段階を踏んでの規制と緩和に使われることが増えた。

遊戯王OCGにおける最大投入枚数は3枚であり、制限カードよりも影響は少ないように見える。
しかしサーチがしにくいカードに関しては、ドローして手札に引き込む確率が下がるため安定性が下がる。
また、同名カードを複数枚入れることを前提としたカードもあるため、それらに対しては更にダイレクトに響く。
逆にテーマ専用のカードの場合はサーチ可能な場合も多く、初動を減らして上振れを抑止する程度に収まることも多い。

単純なパワーカードの場合はまず様子見で置かれることが多く、目立った活躍がなければすぐ制限解除、暴れれば制限行きになるため長い間準制限カードになっているカードは比較的多くはない。
最近は段階的な様子見も兼ねて、全盛期を過ぎた昔暴れたカードがこの位置にいることが多い。
そういうカードでもやはりパワーがあることには変わりがなく、急に暴れて制限に戻されたり、危険視されて無制限への緩和までとはいかず準制限から中々動かないカードもある。

また、エクストラデッキのカードは1種類のパワーカードを複数枚投入するより、使い分けのために種類をバラすことが多い。
よって、1ターンに同名3枚を全て使い切るソリティアコンボなど、3枚あることに明確な意味があるカードでない限りエース格のパワーカードでも「準制限なら無制限と大して変わりがない」とされ、直接制限や禁止になることが多い。
ただし、1枚目が対処されて致命傷になることは免れるので、エース格のパワーカードやデッキの初動となるカードの場合は制限と準制限の差は大きい事もある。
ただし、《強欲で金満な壺》のリスク軽減を目的に3積みするケースなどもあるため、準制限にすることも無意味ではない。


【準制限カード一覧(2025年4月1日から)】

効果モンスター

+ 詳細は以下
  • 《サイバーポッド》
☆3 ATK/900 DEF/900 リバース
リバース時、モンスター全破壊+デッキトップからカードを5枚めくりレベル4以下のモンスターを攻撃表示か裏守備表示で特殊召喚。
それ以外のカードは手札に加える。
場を荒らした後に実質5枚ドローし、レベル4以下のモンスターは場に出す、フィールドに多大な影響を与えつつ莫大なアドバンテージを稼げる。

かつては単体でも優秀な部類にあったが、リバースの評価の変貌により現在は微妙。
しかし何より手札補充を兼ねたデッキ削りとして優秀なため、効果を連打してデッキ破壊で勝つ場合によく使われた。
こいつの他にモンスターがほとんどいなければ事実上5ドローカードとして機能、さらにこのカードが複数枚デッキに入っていれば、連鎖することもありうる。
相手ターンにリバースすると、相手はアタッカーを複数特殊召喚しこちらは召喚できずとなるとそのまま殴りきられる可能性があるというデメリットもある。
しかし大抵の場合はセットしたターンに即座に別カードでリバースさせられるし、その分の損失も回収するに収まらずむしろ増えるのでデメリットとしては薄かった。

リバースモンスターだが、効果は現代でもデッキ破壊としては一級品かつ、一枚でも充分デッキエンジンとして機能できるので緩和は絶望的。
しかし、環境がインフレする中でリバースモンスター故の遅さが浮き彫りになり、専用デッキを組んでも誘発や妨害への弱さから先攻ワンキルの成功率は大いに低下してしまったため2025/1/1にノーエラッタで制限復帰。同年4/1には準制限へと緩和された。
TCGではOCGより早く2022/10/3に制限復帰しており、環境での活躍が見られなかったからかOCGでの復帰直前の2024/12/9には準制限へと緩和されている。


☆3 ATK/1200 DEF/600
自分フィールドにモンスターがいなければ手札から特殊召喚できる効果と、召喚か特殊召喚時に同名以外の「SR」カードをサーチする効果を持つ。
サーチ効果は同名縛りで1ターンに1度しか使えない。
「SR」はシンクロテーマなので少ない消費でシンクロに繋ぐカードとして作られたと思われ、実際《源竜星-ボウテンコウ》を1枚で作るカードとして使われたこともあった。
しかしサーチ先に場に風属性モンスターがいれば特殊召喚できるレベル3の《SRタケトンボーグ》がいたのでランク3デッキにおける超パワーカードとしての活躍がメインだった。
しかもベイゴマタケトンの流れは召喚権を使わないためこいつを潰しても別の召喚権を使うギミックで動かれ、更にこのカードの特殊召喚からランク3エクシーズの流れでチェーンを組む特殊召喚は一回も行われないため《増殖するG》を投げられても止まる判断もしやすく余分に引かれにくい。
このギミックは2体リリースを必要とするアドバンス召喚のギミックにも転用できる。
彼岸】【十二獣】とランク3が重要になるデッキで出張で使われ続け《餅カエル》と一緒に正月で規制された。
しかし「SR」の新規を作るからなのか、単に最近採用されてないからとトチ狂った判断をしたのかは不明だが突然準制限に緩和され《彼岸の黒天使 ケルビーニ》や《M.X-セイバーインヴォーカー》を活用するリンクソリティアに加担し回った。
その後《彼岸の黒天使 ケルビーニ》で主に落としていた《ダンディライオン》や《M.X-セイバーインヴォーカー》が規制されたが、【オルフェゴール】【転生炎獣】で強力な初動として暴れ続けたため改訂で制限に逆戻りした。
シンクロよりもエクシーズやリンクで多く使われる要因を作っているのはサーチ先の《SRタケトンボーグ》の存在であり、デザインミスにしか見えない。
そして【SR】の強化が発表された後の改訂の2024/10/1に再び準制限へと緩和された。


☆2 ATK/500 DEF/200
相手がモンスターを特殊召喚する度に1ドローする手札誘発モンスター。
相手が展開すればするほどドローして新たな手札誘発を引き込んで妨害したり、次のターンの展開リソースを確保出来る強力なカード。同名制限はあるものの発動に特に条件はないため、【マドルチェ】ではドローが見込めない状況でも手札から捨てる事で《マドルチェ・ホーットケーキ》のコストを確保すると言う使われ方もされる。誰が言ったか《マドルチェ・ゴキブリュレ》。
本来なら後攻が使用し、先攻側に「相手に大量ドローさせる代わりに展開する」か「相手がドローする数を減らすために展開を抑えて妥協する」かの2択を突きつけて牽制するカードではあるのだが、発動に特に条件がないため先攻側が盤面を作り上げた上で使用し、後攻側に「日和ったらこのまま負けてしまうので誘発などの追加の妨害を引かれる事を承知の上で全力で展開せざるを得ない」と言う分の悪い勝負に挑ませると言う先攻制圧を助長する不健全な側面も持っていた。
2017/10/1に一度準制限指定を受けたのだが、丁度【SPYRAL】の来日および《SPYRALーザ・ダブルヘリックス》の登場による強化・ルール改訂による環境デッキの弱体化が重なったため【SPYRAL】一強時代の後押しになってしまったためか2018/1/1の改訂ですぐ無制限に戻っていた。

その後、このカードの調整版ともいえる「マルチャミー」シリーズが登場したためか2024/10/1の改訂で再度準制限となった。
TACTICAL-TRY DECKにて2積みだったため準制限化を読んでいた決闘者も少なくはなかったが、その件がなくても使い勝手の良い《マルチャミー・フワロス》と併用して事実上の6枚体制を取っていたためそっちの線で規制されると予想していた決闘者も多かった。

なお、海外先行で登場してから来日したカードであるのだが、その海外では2018/2/5の時点で禁止カードとなっている。
そのため、海外では大量展開を行うカードやその起点となるカード、万能無効などを持つ制圧モンスターをOCGより厳しく取り締まる形で対応しており、OCGとはだいぶゲーム性が異なる環境となっている。


☆4 ATK/1700 DEF/1700
召喚・特殊召喚時に「R-ACE」魔法をサーチする効果と相手が場のモンスターの効果を発動した時に手札・場からリリースして同名以外の「R-ACE」モンスターを手札から特殊召喚する効果を持つ。
前半のサーチ効果が非常に強力であり、展開の要となる《EMERGENCY!》をサーチ出来る*1ため、このカード1枚から【R-ACE】の基本盤面が完成する最重要カードの1つ。
環境トップに躍り出た【R-ACE】の規制のため、2023/10/1に準制限指定を受ける。




魔法

+ 詳細は以下
通常魔法
デッキから魔法・罠1枚を墓地に送る。
《おろかな埋葬》の魔法・罠版と言える性能で、サルベージと組み合わせて墓地を経由した間接的なサーチや墓地の魔法・罠の数を参照するカードとの組み合わせもあるが、最も良く使われるのは墓地で発動する効果を持つ魔法・罠を落とす事。
同名ターン1制限はあるものの、《おろかな埋葬》同様にこのカードには墓地に落としたカードの効果に関する制約はなく、落としたカードの方に制約がなければ即座に墓地発動効果を使用できるため、これ1枚からサーチやサルベージ、蘇生やリクルートなど幅広い役割を果たせる。
カードプールの増加とともに墓地発動する魔法・罠が増えていたため決闘者からもそろそろ危ないのでは?と思われており、予想通りに2023/1/1の改訂にて遂に準制限指定を受ける。
元々多くのデッキで使われていたが、今回規制されるきっかけとなったのは環境トップの【ティアラメンツ】にて《壱世壊に奏でる哀唱》を落として「ティアラメンツ」モンスターをサーチしたり、《救いの架け橋》を落としてサーチ効果を持つフィールド魔法の《壱世壊=ペルレイノ》や《六世壊=パライゾス》をサーチしていた事が原因と思われる。


速攻魔法
手札かデッキからレベル3以下のサイキック族チューナーを特殊召喚し、特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに除外される。
特殊召喚対応モンスターにはチューナーもいるためシンクロ召喚にも使える。
エンドフェイズに除外されるデメリットがあるものの、特殊召喚したモンスターはシンクロ・エクシーズ・リンク・アドバンス召喚に使われるため実質あってないような物。
「デッキから特殊召喚するカードは強い」という言葉を体現したようなカード。
環境の変化によく振り回されるカードでシンクロで暴れ回り2009/03/01で制限カード化し、その後シンクロの弱体化や同じ役割を遂行できるカードが増えたためか2012/03/01の準制限を経て2012/09/01で無制限化。
しかし超量ギミックの《超量士ブルーレイヤー》を呼び出す手段として相性が良く【超量帝】で暴れ回ったため2016/04/01で制限カードに再度戻される。
その後採用率の低下もあって2018/07/01で準制限に緩和されるが、その時には上記の《SRベイゴマックス》も同時に緩和されたためかこちらは目立っては使われてはいない。
しかしチューナーの調達、ランク3エクシーズや《彼岸の黒天使 ケルビーニ》の素材を調達するのに便利なカードには変わりないため、カードプールや環境の変化によってどう転ぶかはわからない。


  • 《強欲で金満な壺》
通常魔法
EXから3or6枚裏側でランダム除外し、除外したカード3枚につき1枚ドローする。
メインフェイズ1開始時にしか発動出来ず、発動するターンは他のカードの効果でドロー出来なくなるデメリットが付く。
コストは裏側除外なため再利用が難しく、更に除外されるのはランダムで選ばれるため、《強欲で貪欲な壺》と同様にキーカードが飛んでしまう危険性を孕んでいる。
それでも手札消費1枚で2枚ドローというのは破格であり、EXを使わないor依存度が低いデッキならほぼノーリスクで使えるため完全に入れ得なカード。
ドローを封じられるデメリットもサーチが豊富なデッキならスルー可能。
更にEXデッキを利用するデッキでも“キーカードを複数積みにする事で1枚でも残る可能性を上げる”と言う形で採用するケースもある。
【粛声】や【ラビュリンス】、【メタビート】などのEXへの依存度が低いデッキでの採用が目立ったためか2024/4/1に準制限指定を受ける。

遊戯王マスターデュエルではシングル戦オンリーのため【メタビート】系への対処が難しいと言うのもあってか、OCGより早い2023/9/1には準制限カードとなり、2023/11/9にはOCGより厳しい制限指定を受けている。


通常魔法
デッキトップ10枚を裏側除外して2枚ドロー。
《金満で謙虚な壺》同様に再利用が非常に難しいコスト設定であり、こちらは目当てのカードをうっかり除外してしまう危険性もあるが、それでも1:2交換を約束するアドバンテージの塊。
その汎用の高さや除外したカードの回収手段を持つ【電脳堺】の様なデッキを抑えるためか、2021/10/1に準制限へと規制される。
…ただし、このカードの性質上3枚目が腐りやすい*2のでこちらも規制としてはかなり緩めのものとなった。


速攻魔法
手札を1枚捨てて発動し、自分・相手のフィールド上のモンスターを融合素材として融合召喚に行う。このカードの発動にチェーンはできない。
相手のモンスターも勝手に素材にできるため除去カードとしても使える。発動にチェーンを許さないため発動や効果無効にするカードがあっても抵抗ができない。
ミラーマッチでは優勢がこのカード1枚でひっくり返されることもあるので警戒するカード。
登場当時は融合素材名がきっちり指定されているモンスターが大半で相手から素材を調達するのが難しく、速攻魔法を活かして追撃に使おうにもフィールドからしか融合素材にできない上に手札コストが重く非常に使い難かった。
しかし属性や種族のみ指定という緩い素材条件のカードが増え【E・HERO】で除去カードとして頭角を現した。
その後、属性融合体を揃え出てくる融合体の性能も凶悪な【シャドール】が暴れ回ったため2015/01/01改訂にて制限に指定される。
新マスタールールで融合モンスターが無制限に出せるわけでは無くなった影響や、逆に融合を使わないデッキでも使える除去カードとしての性能が評価されたためか、2018/10/01にて準制限カードに緩和される。
ハズレア出世組の1枚。


フィールド魔法
発動時の効果処理としてデッキの攻守0の悪魔族をサーチするか破壊するか選び、自分の場の「ユベル」が場を離れたらそのモンスターより元々のレベルが1つ上か1つ下の「ユベル」をデッキ・墓地・除外ゾーンから手札に加え、そのモンスターを召喚条件を無視して特殊召喚できる効果を持つ。

お決まりの発動時の効果処理でのサーチに加え、サーチでなく破壊を選ぶ事もできるためデッキの「ユベル」を破壊して「ユベル」のリクルートに繋げられるのが非常に便利。そのまま破壊した「ユベル」とリクルートした「ユベル」をデッキに戻して《ファントム・オブ・ユベル》を出せるため手札誘発などの妨害対策も建てられるのが大きい。
「ユベル」が破壊された場合に後続を呼ぶ効果も、「時の任意効果」であるが故にタイミングを逃す危険性のある「ユベル」達の隙をカバーしたり、後続を呼ぶ効果のない第3形態や融合体のフォロー、「ユベル」を素材に融合召喚した後にその融合モンスターと後続を並べて圧をかけたりなど小回りが利く。
また、サーチ先は「攻守0の悪魔族」であればなんでも良いため、【三幻魔】や【DD】辺りのデッキ初動にもなる。

【ユベル】規制の一環として2024/10/1に準制限指定を受ける。


速攻魔法
相手の墓地のカードを除外して、次のターンまで除外したカードと、その同名カードの効果を無効化する。
相手の墓地利用や同名カードを用いた展開などを封じる事もできるが、何よりも多くの手札誘発カードを封じられる事が大きく、妨害を封じつつ展開しやすくなるのは非常に便利。
…しかし、本来なら「先攻制圧・ソリティアをしてくる先攻プレイヤーに対する後攻プレイヤーの対策」であった手札誘発を封じる事は先攻制圧・ソリティアを助長する事に他ならないため、多くのユーザーは「何故刷った?」と疑問の声を挙げながらも使用していた。
登場から1年半以上経った2020/10/1には先攻制圧抑制のためか準制限になった。


速攻魔法
共通効果として手札を1枚捨てることでデッキからレベル1の「ピュアリィ」モンスターをリクルートする効果と「ピュアリィ」エクシーズモンスターの素材になることで適用される効果を持つ。
発動時の固有効果は発動ターンに受ける戦闘・効果ダメージを1度だけ0にする効果、X素材時の効果は相手スタンバイフェイズに1枚ドローする効果。
前半の効果は無条件で発動出来るため「ピュアリィ」モンスターのリクルートとして使いやすく、咄嗟の防御札としても使える。
後半の効果も返しのターンの為の返し札や手札誘発を引き込むためにも使える上に、同名制限がないため複数枚X素材に持っていればその数ドロー効果を使え、チェーンして《ピュアリープ!?》でスタンバイフェイズ中にエクシーズチェンジすれば別モンスター扱いになるのでもう一度ドロー効果が使えるため最大6枚ドローが可能で現実的なラインでも4枚ドローが狙えると言った具合にハンドアドバンテージの暴力を生み出す。
このカードの名前が記されたエクシーズの《エピュアリィ・ノアール》で《ピュアリープ!?》はデッキから直接セット可能であり、エクシーズチェンジ先の《エクスピュアリィ・ノアール》は5枚以上素材を持っていれば相手の効果を受けつけない耐性を持つため場持ちが良く、獲得したハンドアドバンテージを自分のターンに持ち越しやすいのも魅力的。

ヤベー奴らのいなくなった2023年以降の環境で暴れ回った【ピュアリィ】規制の一環として2023/7/1に制限指定を受ける。
そして【ピュアリィ】が環境から消えてしばらく経った2025/4/1に準制限へと緩和された。


  • 《フュージョン・デステニー》
通常魔法
D-HERO」を素材指定する融合モンスター専用融合魔法。
融合モンスターは次のターンのエンドフェイズに破壊され、発動後は闇属性「HERO」しか出せなくなるが、デッキ融合も可能なのが強み。
Dragoon D-END》や《D-HERO ドミネイトガイ》の様な大型融合モンスターが出しやすくなるだけでなく、《D-HERO ダッシュガイ》の様に墓地発動するカードを墓地に仕込む事も出来る。
更に【D-HERO】であるならば召喚制限はほぼ無視でき、
自壊デメリットも《X・HERO クロスガイ》の素材に使ってから吊り上げたり、コストが必要かつ次の自分スタンバイフェイズ時と言うタイムラグはあるが自己再生出来る《Dragoon D-END》で対応したり、《D-HERO ドミネイトガイ》の被破壊時の展開効果に繋げたりと柔軟な対応が可能なので、
【D-HERO】においては単なる融合札以上の働きをする重要なカード。

二重のデメリットと融合先の関係からほぼ【D-HERO】専用のカードとして長らく規制からは程遠いカードと思われていたが、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》が登場した事により状況は一変。
ノーコストかつ次のスタンバイフェイズと言う短いタイムラグでの自己再生で自壊デメリットを踏み倒せる上に、フリーチェーンの破壊効果で自分のカードごと相手のカードを破壊して場を荒らし、自分を破壊効果の対象にすれば相手の除去を回避出来る疑似的な効果耐性持ちと言うハイスペックなモンスターをこのカード1枚で出せる事から《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》と共に多くのデッキに出張採用がなされる事となり、
除去を躱しつつ着実にアドバンテージを削っていくその様から「《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を先に出したもん勝ち」「相手の《D-HERO デストロイフェニックスガイ》に対抗するには出される前に止めるかこちらも《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を出す」とまで言われ、あの《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》の再来とも呼ばれる状況を作り上げた。
更に《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の素材は《D-HERO ダッシュガイ》ならドローしたモンスターを特殊召喚したり《D-HERO ディバインガイ》なら手札補充したり、《D-HERO ディアボリックガイ》《D-HERO ディナイアルガイ》なら次のターンの展開素材になったりと融合素材になった後も役割があり、
このカードのもう一つのデメリットである召喚制限は《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》でコピーした時よりも軽く、その召喚制限も発動に付くので発動前に展開しきっておけば事実上踏み倒せるため、かつての《真紅眼融合》と異なり素引きして困る所かむしろ素引きして使いたい
と言う諸々の要素を鑑みると「ドラグーン」を超えたと言わしめるほど環境に大きな活躍をした。

《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の登場時期と改訂時期が近かったため1度は規制を逃れるも、流石にこんな状況が許されるはずもなく、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の蔓延を止めるために2022年1月1日付けでこのカードが無制限から一気に飛んで禁止カード指定を受ける。


かつて規制が中途半端だったために勢いが止まらなかった「ドラグーン」の反省と、
このカードと《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》はそれぞれ1枚でも使えれば充分な点、
更にこのカードは素引きして使いたいカードであるので1枚しか使えなくなったり仮に《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》がいなくなったりしてもサーチ札を増やして対応出来てしまう点、
墓地発動するモンスターが多いテーマにおける”デメリットこそあるが無条件で発動できるデッキ融合“であるために今後のカードデザインにも影響を及ぼしてしまう点、
《D-HERO デストロイフェニックスガイ》もこのカードさえなければ出張される事なく【D-HERO】専用の切り札に収まるだろうと言う予測とまだパックが残ってる《デストロイフェニックスガイ》と再販したばかりの《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》のお代わりを可能にするカードが収録された《アルバスの落胤》のストラク、そして強化されて「融合」「フュージョン」サーチがやりやすくなった「捕食植物」が収録された来年発売予定のパックを売り捌きたいと言う商売事情からこのカードに白羽の矢が立ったと思われる。

《D-HEROディスクガイ》、《D-HERO ディアボリックガイ》、《デステニー・ドロー》の悪夢が繰り返され、展開の要を奪われる最悪の新年のスタートを切る事となった【D-HERO】使いは泣いていい。
禁止後は《デストロイフェニックスガイ》の出張が完全に終わったため、エラッタなしでの釈放は難しいかと思われたが直後の改訂である2022年4月付けでなんと《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》と入れ替わる形で再び釈放。しかし、やはり「HEROのデッキ融合」という点が危険視されたのかというかほぼ《デストロイフェニックスガイ》のせいで制限にとどまる。
とはいえ前代未聞の早さで【D-HERO】使いの元に舞い戻る事となった。そして前回の禁止化は商売事情だった疑惑が深まった
そして《D-HERO デストロイフェニックスガイ》が環境から遠ざかって久しくなった2024/10/1、ようやく準制限へと緩和される。



+ 詳細は以下
通常罠
手札・墓地・デッキから「ラビュリンス」を特殊召喚しつつ自分の場のモンスターを手札に回収する通常罠。墓地効果で自分の場の悪魔族モンスターをセルフバウンス可能で、自分の場にレベル8以上の悪魔族がいれば代わりに相手モンスターをバウンス出来る。
セルフバウンスは一見デメリットに見えるが、通常召喚してサーチやリクルートを使い終わった《白銀の城の召使いアリアーヌ》や《白銀の城の召使いアリアンナ》などを回収出来る上に、「通常罠カードの効果でモンスターが場から離れる」ため彼女らや《白銀の城のラビュリンス》の効果のトリガーにもなれる。
中でも《迷宮城の白銀姫》は自身を手札に回収すればそのまま特殊召喚が可能なので事実上のリクルート手段となる上に、《迷宮城の白銀姫》はレベル8悪魔族なので墓地効果で相手モンスターをバウンスする条件も同時に満たせる、と完璧なシナジーを形成している。

環境上位に長く居続けた【ラビュリンス】規制の一環として2024/1/1に準制限になる。







20XX/XX/01リミットレギュレーション
《追記》制限カード→準制限カード
《修正》無制限カード→準制限カード

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最終更新:2025年04月01日 05:31

*1 《EMERGENCY!》はルール上「R-ACE」カードとして扱う。

*2 何らかのデッキ回収手段を用いない場合、40枚デッキでは2回使用した時点で残りデッキが40-5-10-2-10-2=11枚となる。