電脳堺(遊戯王OCG)

登録日:2022/06/27 Mon 00:06:20
更新日:2022/07/02 Sat 23:21:48
所要時間:約 9 分で読めます





電脳堺とは遊戯王OCGに登場するカテゴリの一つ。

+ 目次

概要

中国において「吉事の前触れとして姿を現わす空想上の動物」である“瑞獣”がモチーフのテーマ。
カード名も中国語読みの部分が含まれており、初見では非常に読みにくい。
一方でイラストはサイバー感溢れるメカニカルなもので、特に女性型のモンスターはメカ娘属性持ちのデュエリストに人気が高い。
名前や見た目に違わずと言うべきか、設定においても電子的な仮想空間上の存在であるらしく、電脳堺の首都「九竜」に流れ着く電子情報を整理する役目を担っている模様。
それはサイバース族の領分なのでは……?

サイキック族風属性」または「幻竜族地属性」モンスターで混成されている。
昨今ではお馴染みの「大量展開」を持ち味にしたデッキであり、シンクロエクシーズ召喚を狙う。

このテーマの大きな特徴は「レベル・ランク」と「共通効果」の2つ。

レベル・ランク

このテーマに属するモンスターは、レベル・ランクが3・6・9のいずれかに設定されている。
全員が3の倍数なので、レベルの足し算であるシンクロ召喚も3の倍数のモンスターを召喚することになる。
テーマ外のシンクロ・エクシーズも採用できるが、やはりレベルかランクが3の倍数でないと召喚は難しい。

共通効果

メインデッキのモンスターのうち、次に紹介する四枚は以下の共通効果を持つ。

このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札に存在する場合、自分フィールドの「電脳堺」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードとは種類(モンスター・魔法・罠)が異なる
「電脳堺」カード1枚をデッキから墓地へ送り、このカードを特殊召喚する。
その後、(固有効果)。
このターン、自分はレベルまたはランクが3以上のモンスターしか特殊召喚できない。

自己特殊召喚・墓地肥やし・そして固有効果でアドバンテージを稼ぐ一石三鳥の効果。
これにより展開のついでに墓地肥やし、それが次の電脳堺の効果トリガーになり連鎖的に効果を使用できる。
遂には雨後の筍のごとくアドバンテージを稼ぎ、物量にモノを言わせた大型モンスターの複数展開も可能にする。

この効果(と一部の電脳堺)には「レベルまたはランクが3以上のモンスターしか特殊召喚できない」縛りが課せられる。
リンクモンスターの使用は難しく、稼いだアドはシンクロ・エクシーズの素材として消費することになる。

モンスターカード

共通効果持ち


電脳堺媛(でんのうかいえん)瑞々(ルゥルゥ)

チューナー・効果モンスター
星3/風属性/サイキック族/攻1600/守 600
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札に存在する場合、自分フィールドの「電脳堺」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードとは種類(モンスター・魔法・罠)が異なる
「電脳堺」カード1枚をデッキから墓地へ送り、このカードを特殊召喚する。
その後、対象のカード及び墓地へ送ったカードとは種類が異なる
「電脳堺媛-瑞々」以外の「電脳堺」カード1枚をデッキから手札に加える事ができる。
このターン、自分はレベルまたはランクが3以上のモンスターしか特殊召喚できない。

固有効果は電脳堺カードのサーチ。言うまでもなく【電脳堺】の最重要カード。

テキストが長いので見落としがちだが、サーチするカードも
「フィールドの対象のカード・墓地に送ったカード」とは異なる種類のカードでないといけない点には注意。
つまりこういうこと。
  1. 自分のモンスターを対象に手札の《瑞々》の効果を発動。この時墓地に送れるのは「魔法」のいずれか。
  2. ここでは魔法カードを墓地に送り《瑞々》を特殊召喚。
  3. フィールドの対象にしたカードはモンスター、墓地に送ったカードは魔法。なのでサーチできるカードはだけ。

そのため、デッキ内にいずれかの種類のカードが欠けていた場合は、サーチまで効果がつながらない恐れがある
(サーチは任意効果なので、墓地肥やしと特殊召喚だけで止めることも可能)。
なので念のため、デッキリソースには気を付けること。


電脳堺悟(でんのうかいご)老々(ラオラオ)

チューナー・効果モンスター
星6/風属性/サイキック族/攻 0/守2400
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札に存在する場合、自分フィールドの「電脳堺」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードとは種類(モンスター・魔法・罠)が異なる
「電脳堺」カード1枚をデッキから墓地へ送り、このカードを特殊召喚する。
その後、墓地へ送ったカードとはカード名が異なる「電脳堺」モンスター1体を
自分の墓地から選んで効果を無効にして守備表示で特殊召喚できる。
このターン、自分はレベルまたはランクが3以上のモンスターしか特殊召喚できない。

固有効果は電脳堺モンスターの蘇生。
流石に墓地に送ったモンスターをそのまま蘇生はできないものの、それでも【電脳堺】の展開力を支える重要カード。
このカードのレベルが6と高いので、レベル3の非チューナーを蘇生させてレベル9のシンクロ召喚、
或いはレベル6を蘇生させてランク6のエクシーズ召喚を狙う筋書きになる。


電脳堺豸(でんのうかいち)豸々(ヂィヂィ)

効果モンスター
星3/地属性/幻竜族/攻1000/守1600
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札に存在する場合、自分フィールドの「電脳堺」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードとは種類(モンスター・魔法・罠)が異なる
「電脳堺」カード1枚をデッキから墓地へ送り、このカードを特殊召喚する。
このターンのエンドフェイズに、自分の墓地から「電脳堺豸-豸々」以外の「電脳堺」モンスター1体を選んで手札に加える事ができる。
このターン、自分はレベルまたはランクが3以上のモンスターしか特殊召喚できない。

固有効果は電脳堺カードのサルベージ。

エンドフェイズに発動する効果なので、遅いという欠点は無視できない。
とはいえ手札からの展開を重要視する【電脳堺】にとっては、手札を補強し次ターンの展開に備えられため侮れるものではない。
それ以外にも《飢鰐竜アーケティス》等の手札コスト調達という役目も果たすことができる。

そもそも《瑞々》と同様の「展開ついでのアド稼ぎ効果」を持っているだけで有り難い。

モチーフは中国の空想上の生き物「カイチ」。


電脳堺麟(でんのうかいりん)麟々(リィリィ)

効果モンスター
星6/地属性/幻竜族/攻1800/守 600
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札に存在する場合、自分フィールドの「電脳堺」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードとは種類(モンスター・魔法・罠)が異なる
「電脳堺」カード1枚をデッキから墓地へ送り、このカードを特殊召喚する。
その後、対象のカード及び墓地へ送ったカードとは種類が異なる
「電脳堺麟-麟々」以外の「電脳堺」カード1枚をデッキから墓地へ送る事ができる。
このターン、自分はレベルまたはランクが3以上のモンスターしか特殊召喚できない。

固有効果は電脳堺カードの追加墓地肥やし。

墓地を起点にするデッキのため、2枚の墓地肥やしはクセもなく優秀な効果になる。
理想的な組み合わせとしては、以下の例になるだろう。
  • 魔法カードを対象にし《電脳堺門-玄武》と適当な電脳堺モンスターを墓地に供給、そのモンスターを《玄武》で蘇生
  • 罠カードを対象にし、《電脳堺姫-娘々》《電脳堺門-青龍》でアドバンテージを稼ぎ展開につなげる

掛け値なしに優秀なカードだが、一方で扱いが難しく手札事故を招きかねない一枚でもある。
というのは生け贄なしで通常召喚できず、特殊召喚するにも表向きの電脳堺が存在しないといけない。
手札に電脳堺罠カードや手札誘発などが固まってしまい、表向きで電脳堺を置けない場合は《麟々》も腐ってしまう。

デザインモチーフは「キリン」。
といっても我々が動物園で見るアレではなく、中国神話の「麒麟」になる。


共通効果無し


電脳堺姫(でんのうかいき)娘々(ニャンニャン)

効果モンスター
星3/風属性/サイキック族/攻1500/守1500
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが墓地に存在し、自分フィールドにレベル3モンスターが召喚・特殊召喚された場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードはチューナーとして扱い、フィールドから離れた場合に除外される。
このターン、自分はレベルまたはランクが3以上のモンスターしか特殊召喚できない。
(2):このカードが除外された場合、このカード以外の除外されている自分のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードをデッキに戻す。

(1)は非常に緩い条件の自己蘇生効果。
当然各種シンクロ・エクシーズの素材として活用ができる。
そして【電脳堺】は墓地送りの手段も完備しているため、積極的に狙うことができる。
この手の効果にありがちな除外デメリットもあるので、できればエクシーズ素材にするのが望ましい。
…と思いきや、この除外デメリットも(2)のトリガーにできるので、無理にエクシーズに拘る必要が薄いのもポイント。

(2)は除外カードの回収効果。
送り先はデッキなので、サーチやリクルートに繋げる前提で対象を選びたい。
テキストをよく読むと、対象にできるカードの指定は「このカード以外の除外されている自分のカード1枚」としか書かれていない。
つまりモンスターに限らず魔法・罠カード、果ては裏側表示で除外されたカードまでも対象にできる。
剣呑ながらも高い人気を誇る《強欲で貪欲な壺》の重荷を、ほんの少しだが軽くできる。

これらの効果はカテゴリに依存していないため、ランク3を中心にしたデッキに出張採用もできる。
その場合は制約の都合上、リンクモンスターとの併用が困難であることは忘れないように。
例えば《彼岸の黒天使 ケルビーニ》は、《娘々》の前に効果を使はないといけない。
FNo.0 未来皇ホープ》はランク3モンスター2体でエクシーズ召喚できるがそれ自体はランク1として扱うため、同様に制約にひっかかる。

もう一つの注意点は、(1)の特殊召喚は「《娘々》が既に墓地にいてレベル3が召喚・特殊召喚された場合」でないと満たされない点。
つまり、前述の《瑞々》のように「《娘々》の墓地送りと特殊召喚を同時に行う場合」はこの効果のトリガーにはならない。


電脳堺嫦(でんのうかいじょう)兎々(トゥトゥ)

効果モンスター
星6/地属性/幻竜族/攻1200/守1800
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドのモンスターが、
存在しない場合またはサイキック族・幻竜族モンスターのみの場合、
このカードはリリースなしで召喚できる。
(2):このカードが墓地に存在する場合、
手札からサイキック族・幻竜族モンスター1体を捨てて発動できる。
このカードをチューナー扱いで特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
このターン、自分はレベルまたはランクが3以上のモンスターしか特殊召喚できない。

(1)はリリース無視の効果。
条件を満たすことは容易だが、特にアドを稼ぐでもないため、これだけを目当てにするのは少し苦しい。
他のレベル6電脳堺と異なり、単独でも動けるのは少なくない利点ではある。

(2)は自己蘇生効果。
一見便利な効果ではある(実際に便利といえば便利)ものの、【電脳堺】は元々展開力が高いため、見た目ほどの有難みはない。
チューナー化も強制のため、かえって展開の邪魔になることすら起こりうる。

「他のバカみたいに優秀な電脳堺と比べると」少々不便な点が目立つものの、ピン差ししておけば一定の仕事は果たしてくれる。

モチーフは中国における月の女神「嫦娥(じょうが)」。


シンクロモンスター


電脳堺獣(でんのうかいじゅう)鷲々(ジュジュ)

シンクロ・効果モンスター
星6/風属性/サイキック族/攻2400/守1700
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):元々の種族・属性が同じでカード名が異なるモンスターが自分の墓地に2体以上存在する限り、
フィールドのこのカードは戦闘・効果では破壊されない。
(2):元々の種族・属性が同じでカード名が異なるモンスター2体を自分の墓地から除外し、
フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを墓地へ送る。

(1)は破壊耐性の効果。
【電脳堺】であれば難しくない条件のため、多少は場持ちはよい。
といっても《鷲々》を最終盤面に置くことは稀で、その前にシンクロ・エクシーズの素材にするためそこまで活きない。

(2)はカード除去効果。
破壊を介さない除去ではあるものの、墓地コストが少々面倒になる。
迂闊に使っては(1)の耐性も消えかねず、墓地リソースの消費に見合う動きをするかは時と場合に左右される。


効果は【電脳堺】に関係ないため、種族・属性が偏っているデッキであれば無理なく採用はできる。


電脳堺狐(でんのうかいこ)仙々(シェンシェン)

シンクロ・効果モンスター
星9/風属性/サイキック族/攻2800/守2400
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドから墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。
(2):自分のモンスターの攻撃宣言時に発動できる。
除外されている自分または相手のモンスター1体を選んで墓地に戻す。
(3):このカード以外の、元々の種族・属性が異なるモンスター2体を自分の墓地から除外して発動できる。
このカードを墓地から特殊召喚する。
この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

シンクロ素材に縛りがないため、シンクロ召喚の手間はかなり低い。

(1)はフィールド限定の《マクロコスモス》。
影響力は相手によって大きく左右され、効かない相手には全く通じない。
その一方で【剛鬼】【ペンデュラム召喚】などのデッキには大きく刺さり、場合によってはこれだけで相手が白旗を上げる。

自分のカードも除外の影響を受けるものの、【電脳堺】ではそこまで大きな問題ではない。
フィールド以外の場所(手札やデッキ)から墓地に行く分には干渉しないため、電脳堺の共通効果を阻害しない。
最悪でも《電脳堺門-朱雀》の弾を確保できると思えば、大した影響にはならないだろう。

(2)は除外カードの墓地戻し効果。
墓地リソースの回復になるものの、1枚の墓地戻しに戦闘を要するのは手粘すぎるためオマケに近い。

(3)は自己再生効果。
ある程度カードがばらける必要がある上に、(1)との噛み合いも悪いのはやや痛い。
どちらかというと(1)が強力に刺さる相手に対して、不死身の圧力をかける意味合いが大きい。

【電脳堺】ではランク9の素材になることが多いものの、場合によっては単騎で立たせ相手を絶望に陥れるのも手になる。

エクシーズモンスター

電脳堺甲(でんのうかいこう)甲々(ジャジャ)

エクシーズ・効果モンスター
ランク3/地属性/幻竜族/攻1000/守2400
レベル3モンスター×2体以上
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、
自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターは相手ターン終了時まで戦闘では破壊されない。
(2):1ターンに1度、元々の種族・属性が同じモンスターが自分の墓地に2体以上存在し、
このカードが相手モンスターと戦闘を行ったダメージ計算後に発動できる。
その相手モンスターを除外する。

戦闘破壊耐性を付与する(1)と、戦闘した相手モンスターを除外する(2)の効果を持つ。

戦闘を介する時点で敬遠されがちな昨今においては、戦闘しないと除去できないのはハンデになる。
しかもこのカードで戦闘する場合、攻撃力が低いので大きな戦闘ダメージを覚悟しないといけない。
ランク3の中では珍しい効果ではあるものの、それは別に採用する理由にはならない。
何より少ないEXデッキの枠を巡って取捨選択が繰り広げられている中で、箸にも棒にも掛からないカードに割く枠がない。

モチーフは中国神話の「霊亀」。


電脳堺龍(でんのうかいりゅう)龍々(ロンロン)

エクシーズ・効果モンスター
ランク3/地属性/幻竜族/攻2400/守2000
同じ種族・属性のレベル3モンスター2体以上
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):X素材を持ったこのカードは相手の効果の対象にならない。
(2):相手フィールドに表側表示モンスターが存在し、
相手が自身のフィールドに存在しない属性のモンスターの効果を発動した時、
このカードのX素材を2つ取り除いて発動できる。
その発動を無効にする。

対象耐性と、モンスター効果に対するカウンター効果を持つ。

一見するとげに恐ろしいカードだが、(2)には面倒な条件が要求されている。
無効にできるのは「相手フィールド上に存在しない属性のモンスター」に限られている。
この範囲の関係上、相手フィールドのモンスターの効果は絶対に無効にできないのもマイナス。
実際に無効にできるのは、以下の2パターンになる。

当然これらの効果にしても「相手フィールド上に存在しない属性のモンスター」という条件も満たさないと効果が使えない。
いたずらにややこしく範囲も狭いばかりの効果であるため、妨害役を任せるには不安が多い。
何より電脳堺の全盛期では、より簡単により凶悪にモンスターを封じるカードがいたのも痛い。


電脳堺凰(でんのうかいおう)凰々(ファンファン)

エクシーズ・効果モンスター
ランク6/地属性/幻竜族/攻2600/守2000
レベル6モンスター×2体以上
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を2つ取り除き、
相手フィールドの表側表示カード1枚と自分または相手の墓地のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを除外する。
(2):X召喚したこのカードが相手モンスターの攻撃または相手の効果で破壊された場合に発動できる。
種族・属性が同じ「電脳堺」モンスター2体をデッキから特殊召喚する。

(1)はフィールドと墓地の除外効果。
破壊耐性をすり抜けるためある程度の期待はでき、墓地の除外も併せて相手の格好を崩すことができる。
墓地の除外は自分のカードも選べるものの「《電脳堺門-朱雀》の弾を無理くり調達する」などの限られた状況でもなければ使わないだろう。

この効果は使いきりになるため、使い終わった《凰々》の後処理手段も併せて用意しておきたい。
例えばエクシーズモンスター全般に重ねることができる《天霆號アーゼウス》など。

(2)はリクルート効果。
一度に二体を特殊召喚できるものの、トリガーは相手依存なのでアテにならない。


モチーフは中国伝説の鳥「鳳凰」。


魔法

《電脳堺都-九竜》を除き、魔法・罠カードは「電脳堺門」というカテゴリに属している。
これのモチーフは「青龍・朱雀・白虎・玄武」からなる「四神」。
ただし現在は「白虎」に相当するカードが存在しない。

電脳堺都(でんのうかいと)九竜(チウロン)

通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):デッキから「電脳堺門」カード1枚を自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く。
その後、自分フィールドの「電脳堺門」カードの数によって以下の効果をそれぞれ適用できる。
●2枚以上:このターン、自分フィールドの「電脳堺」モンスターの攻撃力は200アップする。
●3枚以上:自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。
●4枚:EXデッキから「電脳堺」モンスターを4体まで特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。

デッキから電脳堺門を引っ張り出す効果。
セットではなく「表側表示で置く」なので、罠カードの《電脳堺門-朱雀》も即座に効果を使うことができる。

電脳堺門は優秀な効果を持ったカードが多く、それをアシストできる点も確かに強みになる。
しかしそれと同時にもう一つの利点が存在する。
それは召喚権を使わずに電脳堺カードを表向きで置き、《瑞々》等の効果の対象にすることで展開の足掛かりにできる点。

さらに罠カードの《電脳堺門-朱雀》を置くことで《瑞々》を発動した場合、
「サーチ・墓地肥やし」を「モンスター魔法」の組み合わせから選ぶことができる。
《麟々》であれば、《電脳堺姫-娘々》《電脳堺門-青龍》の二枚を墓地に送ることも可能。
本来ならば罠カードを発動する(表向きにする)には1ターンのラグが必要なことを考えると、見た目以上に大きい利益を生み出している。


後半の追加効果については以下の点から軽んじられている傾向にある。
  • 現実的に狙える「●2枚以上」のメリットが微弱
  • 無理して「●3枚以上」狙おうとすると魔法・罠ゾーンを圧迫してしまう
  • そもそも電脳堺門の種類が少ない

そして軽んじられるどころか意外な事態も生み出している。
というのはこの追加効果が理由で「《九竜》を《灰流うらら》で止めることができる」こと。
これを聞くと「《九竜》はサーチではなく直接魔法・罠ゾーンに置くから《灰流うらら》は関係ないのでは?」となってしまうだろう。

問題になるのは「●3枚以上」の「自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る」部分。
これが「デッキからカードを墓地へ送る効果を含む効果」として《灰流うらら》に捕捉されてしまう。
例えこの効果を発動するつもりがなくとも、電脳堺門の枚数が足りなかったとしても関係ない。

《灰流うらら》の「~を含む効果」という識別は、こうした
「発動した時点では適用するかは未確定」「効果処理時に選択する」「発動してから効果処理時までに、条件を満たす可能性がある」効果も包括している。
そのため、「効果処理時に『●3枚以上』の追加効果を使うかもしれない《九竜》」は《灰流うらら》で無効にされてしまう。

下手したら、この追加効果は「余計な弱点を持ち込んできたありがた迷惑」にすらなる。
どこかで似たような話を聞いたような…?


電脳堺門(でんのうかいもん)青龍(チンロン)

永続魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の墓地から「電脳堺」カード1枚を除外し、
フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「電脳堺」モンスター1体を手札に加える。
その後手札を1枚選んで墓地へ送る。

(1)はカードの無効化効果。
便利な効果ではあるものの、電脳堺は墓地で効果を発動するものが多く、墓地コストが痛い。
フリーチェーンで発動できないため、相手の完成された盤面を崩すには力不足な所も否めない。
優勢時の駄目押しや〆の一手には使えないこともないので、手札に来てしまっても一応の仕事は果たしている。

本命になるのは(2)のサーチ効果。
電脳堺の共通効果も相まってこのカードを墓地に置くのは容易い。
「展開ついでのアド稼ぎ」を活かしてついでのサーチを行い、サーチしたモンスターを並べて物量を稼ぐことができる。
そのため電脳堺ではこのカードを墓地に置くことが展開の最重要事項になっている。


電脳堺門(でんのうかいもん)朱雀(チュチュエ)

永続罠
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
除外されている自分の「電脳堺」カード2枚を選んでデッキに戻す(同名カードは1枚まで)。
その後、対象のカードを破壊する。
(2):自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外し、
自分フィールドの「電脳堺」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターのレベルまたはランクをターン終了時まで3つ上げる、または下げる。

(1)はカードの破壊効果。
フリーチェーンで使えるために妨害能力は高く、【電脳堺】における詰めの一手になる。
発動のためには除外された電脳堺が必要になるが、裏を返せば電脳堺をデッキに戻し再利用できる。
「上手いこと事が運べば」我田引水なものの、少々脆い点も抱えていることも事実。
というのは電脳堺はそこまでガッツリ除外が絡んだギミックを使用していないため、乱発するだけのリソースはない。
1~2枚破壊できれば十分ではあっても、事故や相手の妨害で転ばされるとそれすらも確保できない。

(2)はレベル・ランクの変更効果。
シンクロ・エクシーズのレベル調整に使え、展開ルートの柔軟化に一役買っている。
ただし「フィールドに置きたい」(1)の効果を踏まえると、あまり積極的に使用し辛い点が難点。

カードの単体性能で見ても優秀な一枚。
それ以上に《九竜》で触れたとおり、即座に表向きで置くことで展開を補助できるという部分が大切になっている。


電脳堺門(でんのうかいもん)玄武(シェンウー)

永続罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに他の「電脳堺門」カードが存在する場合、
自分・相手のバトルフェイズに、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの表示形式を変更する。
(2):自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外し、
自分の墓地の「電脳堺」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを効果を無効にして特殊召喚する。
その後、手札を1枚選んで墓地へ送る。

(1)は表示形式の変更効果。
戦闘を補助するものの、直接的にアドを稼ぐものではなく、また条件として他の電脳堺門を要求している。
この効果だけでは、カード一枚の枠を割くには少々厳しい。
このカードも《青龍》と同様に、フィールド効果ではなく墓地効果が本命になる。

その(2)は電脳堺の蘇生効果。
効果こそ無効にし手札も減るものの、各種素材を供給してくれるこの効果が弱いはずもない。
更に再三書いた通り、電脳堺は「墓地を肥やしつつ展開」ができるテーマ。
なので、《玄武》と蘇生対象を用意するのは朝飯前。
なまじ効果が優秀なだけにフィールドと墓地のどちらに置くか迷う《朱雀》と違い、とりあえず感覚で墓地に置けるのは利点と言えば利点。



相性の良いカード

【電脳堺】と親和性のあるカードを、以下の6パターンに分けて列挙する。

エクシーズモンスター

  • ランク3
    • 使い切りとはいえ魔法・罠を阻止できる《トーテムバード》


  • ランク9
    • 他の追随を許さないモンスター封殺能力の持ち主《真竜皇V.F.D》
    • モンスター・魔法・罠のいずれもカウンターできる《神樹獣ハイペリュトン》

このデッキの目玉となるのは《VFD》であり、いかにエクシーズ召喚まで漕ぎ着けるかが鍵になる。

シンクロモンスター

  • レベル6
    • 展開ついでの1ドローでアドを稼ぐ《瑚之龍》《スターダスト・チャージ・ウォリアー》

  • レベル9
    • 墓地のレベル9を蘇生させることでランク9エクシーズに繋げやすくなる《浮鵺城》
    • ドローとフリーチェーン破壊ができ、ランク9エクシーズの素材にもなる《飢鰐竜アーケティス》

《VFD》をエンドカードにした設計のため、これらのカードは「《VFD》までの中間点」という意味合いが強め。
もちろん《アーケティス》等、あわよくばで妨害までこなしてくれる機会もある。

サイキック族

  • 緊急テレポート
サイキック族お馴染みの展開カード。
召喚権無しに電脳堺を出し、後続の共通効果持ち電脳堺の足がかりにもなる。

  • サイコトラッカー・サイコウィールダー
共にレベル3モンスターの存在を条件に特殊召喚できる。
このカード自身もレベル3のサイキック族なので電脳堺と一致し、連携も取りやすい。
シンクロ召喚が肝のデッキなので、デッキ/EXデッキ内にいるチューナーの割合に応じて両者の採用枚数を決めると事故を減らせる。

  • 調星師ライズベルト
フィールドのモンスターのレベルを3つまで上げる効果を持つ。
高レベルのシンクロ、高ランクのエクシーズに繋げやすくなる。

幻竜族

シンクロ召喚を当流にした幻竜族デッキであり、電脳堺とも種族サポートを共有できる。
特に《龍相剣現》で相剣だけでなく「幻竜族の電脳堺」もサーチできるため、安定した運用が見込める。
相剣の柔軟な展開力により、3の倍数以外のシンクロモンスターを使用しやすい。
マスターデュエルではこの編成により、《VFD》と《フルール・ド・バロネス》を並立させる展開を実現。
紙媒体の遊戯王OCGでは不可能なデッキ構成という点も含め、一部では話題になっている。

3の倍数のモンスターカード

お馴染みのランク3ギミック。
召喚権無しにランク3まで立てられる能力は、このデッキでも歓迎される。

その他

EXデッキからレベル7・8のドラゴン族シンクロを特殊召喚するカード。
純【電脳堺】では狙えないレベル帯をカバーしており、《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》などの強力なモンスターも使用できる。
召喚はレベル6のチューナーと非チューナーの組み合わせになるため、《兎々》などのチューナー化は忘れないように。
構築の柔軟性は上がるもののEXデッキを圧迫し、電脳堺の欠点克服にはそこまで貢献していない。

毎度おなじみ汎用エクシーズ。
ランク6の展開を得意とするこのデッキの場合、《迅雷の騎士 ガイアドラグーン》による素材のカサ増しも可能であり相性がいい。
他のエクシーズデッキ同様、後攻時の巻き返し手段として重宝する。

墓地効果を持つ電脳堺を確実に墓地に落とす手段になる。
電脳堺の共通効果と異なり特に条件もないので、採用することで展開力がより盤石になる。

  • 黒白の波動
「シンクロモンスターをエクシーズ素材にしたエクシーズモンスター」が場にいるときに使用できる速攻魔法。
その効果は「フィールドのカード1枚を除外」なおかつ「1枚ドロー」。
相手の妨害はもとより、手札の消費が激しいこのデッキではドロー効果も美味しく、非常に優秀な効果を持つ。
ただし条件が条件なので腐りやすく、条件を満たした時点でオーバーキルになっていることも少なくない。


デッキ概要

有り余る展開力を生かし、レベル9S・ランク6X・ランク9Xを並べて制圧していく筋書き。

全盛期

理想の終着点としては「《VFD》+《朱雀》」となる。
《朱雀》は《九竜》で調達できれば理想、最悪素引きしてもセットすれば無問題。
そして《VFD》のエクシーズ召喚も、レベル9シンクロを並べやすい【電脳堺】であれば朝飯前。

ただし「《VFD》+《朱雀》」の二枚だけでは魔法・罠カードに対抗できないので、余裕があれば他のカードも立たせたい。
例えば《トーテムバード》も召喚し、魔法・罠のケアもすればばなお安心。

紙媒体の遊戯王では2021年10月に《VFD》が禁止カードとなってしまい、大幅な弱体化に遭っている。
その後の【電脳堺】では、穴埋め策として以下のタイプが検討されている。

【相剣】重視

元々相性が良かった【相剣】のギミックを更に採用したデッキ。
妨害能力を持った相剣シンクロモンスターを多く並べることに重きを置いている。

手札破壊

《XX-セイバー ガトムズ》《幻子力空母エンタープラズニル》による手札破壊に特化したデッキ。
後攻の捲り手段が手薄になっていることが欠点。

【勇者】

勇者のギミックを採用したデッキ。
《永遠の淑女 ベアトリーチェ》で《聖殿の水遣い》を墓地へ送り《アラメシアの儀》をサーチできる。
そこから《運命の旅路》を経由して《流離のグリフォンライダー》をサーチ、1妨害or素材確保が約束される。

更なる派生展開として、X素材が余った《ベアトリーチェ》にて相手ターン中にもう一度墓地肥やしを行う。
ここで《妖精伝姫-シラユキ》を落とし展開ブレーキ、
《アーティファクト-デスサイズ》を落とし《バロネス》で蘇生させEXデッキ封印などの別の妨害に繋がる。

弱点

  • 被るメタ効果が多い
「多量の特殊召喚を駆使」「墓地肥やしを重視」したギミックが【電脳堺】基本の展開になる。
そのため特殊召喚メタ・EXデッキメタ・墓地メタが軒並み刺さってしまう。
これらは遭遇率も極めて高く、つまりメタカードの脅威に常に晒されている。

これに加え、もう一つ厄介な妨害が「除外メタ」。
電脳堺では墓地から除外して効果を使いカードが非常に多いため、除外そのものを止められれば九死に陥る。

  • 事故りやすい
それぞれのカードに「ここにいてほしい」という場所が手札・デッキ・墓地と分かれており融通は利きづらい。
そのため「デッキか墓地にいてほしい《青龍》《朱雀》を素引きしてしまった」などのパターンが起こりやすい。

基本的には2枚初動になるが、つまりその2枚(ないし準ずるもの)が手札になければ動けなくなる。
手札にほしくないカードの多い【電脳堺】では、十分に起こりうる話。

エンジンがかかりさえすれば「展開しつつアド稼ぎ」で相手を圧倒できる。
しかし事故や妨害で出鼻を挫かれれば、最悪は何もできず頓死してしまう。


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最終更新:2022年07月02日 23:21