ベラ(DQⅤ)

登録日:2021/01/18 Mon 14:03:02
更新日:2025/05/19 Mon 06:53:05
所要時間:約 6 分で読めます





「私は、エルフのベラ。じつは私たちの国が大変なのっ!」





CV:金丸日向子(CDシアター版)、植田佳奈(ライバルズ)。

季節をつかさどる妖精の世界から来た少女。
とがった耳に、髪は濃いめの青色(初期は紫)。4頭身ほどの幼い姿をしている。

少年期の主人公(6歳)と同じような年齢にしか見えないが、主人公のことは普通に子ども扱い。
さらに作中でどれほど年月が流れても外見が変わらず、つまりはそういう種族なのだろう。いいんじゃないでしょうか。

冒頭の通りエルフを自称しているが、ステータスでの表示は『ようせいびと』。
作中では単に妖精と言われることが多いので、妖精は全体的な呼称、妖精人だのエルフだのは細かい分類名か何かだと思われる。
このあたりが公式設定でもはっきりとしないため、ひとまず他作品を含めて最も用いられる『妖精』としておく。

リメイクでは服が少々みすぼらしくなったり、他作品では妖精らしく羽が生えたりもした。
SFC版は「異世界の不思議な文明」のイメージなのに対し、リメイク版は「自然の中で暮らす」イメージと言ったところか。





初めて登場するのは、ストーリー序盤の少年期。

彼女が住む妖精の村である日、春を迎えさせるのに必要な『はるかぜのフルート』が盗まれてしまう。
フルートがない限り人間界も春を迎えることは出来ず、主人公の住むサンタローズでも皆が終わらない冬に苦しみ始めていた。

ベラはフルートを取り戻せる戦士を求めてサンタローズに降り立つが、困ったことに誰も彼女の姿を見ることが出来ない。
なんとか気付いて貰おうと、まな板を隠したり、お鍋の中身を平らげたり、いたずら書きをしてみたりするものの無駄。
途方に暮れていた所で、姿を見れる主人公に出会えたため事態は進展した。
いたずら書きが出来るなら筆談しろよ

主人公を妖精の世界へと招待し、ベラも同行してのフルート探しが始まる。
まだ小さな子供である主人公には頼りなさばかりを感じていたが、次第にその評価は覆されていった。

見事フルートを奪還すると心から感謝し、当初見くびっていたことを謝罪。
別れ際には決して主人公のことを忘れないと約束し、更にサンタローズの宿屋にある宿帳へ


" ありがとう またいつか会いたいわね ベラより "


と、最後のいたずら書きを残した。
筆談できるじゃねーか




そして青年期後半、ふたたび妖精の世界を訪れた主人公と再会する。

「あなたが主人公だってこと、私にはすぐにわかったわ」

長寿の妖精たちは、加齢ですぐに容姿が変わる人間のことを非常に忘れやすいのだが、ベラは大人になった主人公に一目で気付いた模様。
(人間同士であっても子供から大人になった相手をすぐに判別するのは難しいだろう)
本当に久しぶりの再会を、感慨深い様子で喜んでくれる。

これなんて花嫁候補? と言いたいところだが、この時点で主人公はすでに結婚を済ませも生まれている家庭持ち。


つまりベラは、花嫁になれない。



花 嫁 に な れ な い 。



嘘だと言ってくれ…。

最新リメイクのDS版でも、この要望が叶うことは無かった。
もっともリメイクではエルヘブンの民と天空人の血が交わってこそ勇者が生まれるという設定になった為、妖精の彼女では無理がある。
そもそも人間と妖精で作れるの?

まぁ設定が何とかなるとしても、無理に弄ったらまた妙な矛盾が生まれるかも知れないし、何より絵面がヤバい。おまわりさんこいつです。
リメイクでなぜか性別不詳にされている辺りも含め、花嫁として追加されなかったこと自体が公式回答だろう。
妖精の世界に繋がる迷いの森が、結婚イベントの起きるサラボナのすぐ近くにある辺り、予定として存在しなかった訳ではないのかも知れないが…。

そもそも大人になった主人公には妖精の姿が見えないし、仮に主人公だけは見えたとしても周りからは見えない。
つまり結婚式は、傍目からだと花嫁不在の空気嫁状態に……それなんてホラー?

主人公の花嫁にはなれずとも、ベラを愛するみんなの花嫁ということで。
なお、ベラ自身は主人公とまた冒険をしてみたいようだが、妖精の女王による許可がないため無理とのこと。そんなー。





ちなみに主人公だけがベラ…というより妖精の姿を見れていたのは、当時サンタローズにいた唯一の子供だったから。
青年期になってからは見ることが出来ず、息子に見てもらっている。
どうやら、この手のファンタジー作品ではありがちな「大人でも信じていれば妖精を見れる」的な設定はないらしい。
少なくともドラクエⅤの妖精は相当のロマンチストでも大人には見えないし、肉体年齢さえ子供なら見えることがドラクエXIで証明されている。
そもそも妖精と接触した経験のある主人公が、大人になったら見れなくなっている時点で…

子供のころは見えていた妖精が、大人になったら見えなくなった……という、ちょっと切ないお話である。大人になるって悲しいことなの。
ベラとの出会いと別れは、子供から大人への成長を描くドラクエⅤに必要不可欠なファクターなのだ。

もっともそれは人間界だけのようで、妖精の城や妖精の村などでは普通に見えていた。
異世界人だから、位相のようなものがズレているのだろうか?
なお迷いの森で出会う別の妖精は、人間界でもあえて見せようとすれば半透明程度だが見せることは出来ていた。
…きみがサンタローズに来れば良かったんじゃね? とか言ってはいけない。
妖精の世界との境目である迷いの森だからこそ可能な芸当だったのかも知れないし。

また青年期のサンタローズには子供が1人いるのだが、夜に訪れるとベラの姿を見かけたと思わしき会話(寝言)を聞ける。
宿帳のらくがき通り、再び主人公へ会いに来ていたのかも知れない。
思い出の場所と言っていいサンタローズが廃墟と化しているのを見て、何を思ったのだろうか…。






戦闘においては、レベル固定のNPC。
HPだけは低いものの、他はバランスの取れたステータスを持っている。

呪文も回復にホイミ、攻撃にギラ、補助にルカナン・マヌーサと揃っておりMPも豊富。
レベルアップによる成長が無いとはいえ、フルート奪還までは頼もしい戦力になるだろう。

SFC版では行動も自由に指示できたのだが、PS以降のリメイク版では不可能になった。
そのため肝心なときに必要な呪文を使ってくれなかったり、どうでもいい時に使ってMPを浪費したりする。賢さも何故か6だし*1
ホイミの精度だけは中々高いが確実ではなく、他の精度はかなり酷い。
ホイミにしても、SFC版を含めて何故か移動中には使えない。

加えてDS版だとベビーパンサーが防御しがちになったため、パーティの2/3を制御しきれず思うように戦えないことも多々。
一方、耐性に関しては強化されており特にヒャド系・吹雪へ強くなったため、ボス戦などでの生存率は向上した。
がんばれベラ、負けるなベラ。

PS2版のみ、バグを使えば青年時代以降も連れて行くことが可能。
このバグではやろうと思えばビアンカとフローラも同時加入できる(ただしフラグの関係上フローラが正妻となる)ので、ベラも含めてまさにハーレム状態。デボラもいれば……。
内部データ上は主人公の息子と同じ装備グループに属している(PS2版のみ)のだが、装備変更が自由にできるわけではなく、強化するのはやや手間が掛かる。
ある一定の条件を満たすアイテムのみが装備可能であり、天空シリーズは残念ながらそれに含まれないため伝説の勇者第2号誕生とはならず。(グループは同じなのでインパスでは装備可能と出る。)
ではそれ以外に使える装備はどんなのがあるかというと、数値上の最強装備では兜以外のメタルキングシリーズ+グレートヘルム。バリバリの重戦士じゃねーか。
他にも奇跡の剣・神秘の鎧・水鏡の盾など優秀な武具を装備できる。天空シリーズが無くても充分強かった。
ただしレベルアップしないので、本格的に戦力とするならドーピングは必須である。
まぁ別のバグ使えば無限にドーピングできるので簡単に強くなるのだが



会話システムでは、わりと思ったことをズバズバと言う。
とはいえ失言だったと思えば撤回はするし、主人公を頼りなく思うからこそ心配しているという面もある。
認めたあとは素直に誉めてくれるし、人間嫌いの妖精に心無い言葉を向けられた際は代わりに謝ってくれたりもする。結婚しよ

どうやら村長のポワンに言動・行動を逐一チェックされているらしく、所々でそれを意識した会話が見られる。
別にそのことを悪く思っているわけではないようだが、若干の息苦しさは感じている模様。

他にも、入り組んだ洞窟からは出られないほどの方向音痴だとか、そもそも暗くて湿っぽい洞窟は嫌いとか、平らげたお鍋は美味しかったとか、
魔物を防ぐ戦いばかりしてきたため今回のように自ら討って出る戦いには不慣れで緊張しているとか、色々な話が聞ける。
サンタローズの人々にも会話対応しているため、気になる場合は巡ってみよう。

CDシアター版では、口調が全体的にやんちゃなものとなっている。




外部出演

お祭り作品的な側面を持つドラクエ10にもゲストとして登場。
妖精の国でお花見をするのが春の季節イベントの定番となっている。

ドラクエ5よりもかなり小柄に描かれており、エルフというよりフェアリー風。
ドラクエ10にもエルフ族は登場するが、そちらとは無関係……というより、そちらと混同されないようにあえてフェアリー風にしたのだろう。
ポワンに任されて春風のフルートを演奏する場面があり、実力を付けていることがうかがえる。

また、ライバルズにもドラクエ10の設定で登場している。



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最終更新:2025年05月19日 06:53

*1 実際には本作のかしこさは仲間モンスター以外にとっては死にステータスであり、ベラの魔法の使い方は単にそういう行動パターンが組まれてるからというだけである。なのでドーピングでかしこさを上げてもこの欠点は変わらない。