MP(ゲーム用語)

登録日:2018/04/28 Sat 20:36:32
更新日:2025/02/25 Tue 12:52:45
所要時間:約 6 分で読めます






あれあれ?怒らせていいんですか?使いますよ。イオナズン

いいですよ。使って下さい。イオナズンとやらを。それで満足したら帰って下さい。


運がよかったな。今日はMPが足りないみたいだ。

帰れよ。





概要


「MP」とは、「HP」と並びTRPGの頃から登場している魔法や術などの特殊な技法を使う上で必要になるパラメーターである。
魔法を使用するたびに消費し、枯渇してしまうとそれ以上使う事ができなくなるというリソース運用を導入したシステムであり、基本的に有限であることから行動としての性能が高く設定されていたり、他の方法では得難い効果を発揮したりする。

まれに魔法やそれに類する力を使うのに精神の力を使うゲームもある。
そのタイプのゲームは魔法を使わないキャラにもMPがあり、0になると気絶したり発狂したりとペナルティーを食らうため、魔法の仕様やMP攻撃には細心の注意を払わねばならない。

なお、「MP」という単語そのもの正確な初出はわかっていない。


システム


前述した通り、魔法を使うたびに一定量ずつ消費されていき、現在MP<消費MPとなった魔法は使えなくなる。
「HP」と同様にレベルアップ等の成長に伴って最大値が伸びる作品が殆どだが、稀に最大値が固定されている場合もある。
MPがゼロになると当然全ての魔法が使えなくなる。また、魔法が使えないキャラクターの場合、ゼロから一切成長しないこともある。

魔法の使用可否はともかくMPがゼロになる事自体にはデメリットは無い場合が多いが、「精神力を使い果たして気絶」などデメリットが存在する作品もある。
特に「設定」と「ステータス」の相関が深いTRPGに顕著。


なお、「MP」という名称が何の略なのかについては作品ごとに異なる。「マンパワー(労働力)」でも「ミニスカポリス」でもない。
名称の付け方に例を挙げると

「マジックポイント」「マジックパワー」「マナポイント」「マナパワー」「マインドポイント」「マインドパワー」「メンタルポイント」「メンタルパワー」「魔物ポイント」「魔物パワー」「魔族ポイント」「魔族パワー」「マゾポイント」「マゾパワー」「マッスルポイント」「マッスルパワー」「マッチョポイント」「マッチョパワーなどなど。

勇者「ここだけの話だがムチムチプリンプリンという意味らしいぞ!」 戦士「ム…ムチムチプリンプリン!」

「HP」がホームページ「ヒットポイント」の略でほぼ固定なのとは対照的である。
魔法とか忍術とか超能力とか、特殊技能を表すものが世界観によって色々と違うためだろう。



種類


大まかに分けると以下の二種類の系統がある。

  • 消費制
多くのゲームで採用されているタイプ。
「魔法の種類ごとに異なる消費MP値が設定されており、使用する度にキャラのMPが減っていく」という、わかりやすい形式。
また、一部の精神的な耐久力も兼ねているゲームでは必然的に消費制となる。

  • 回数制
初期のTRPGで主流だったシステム。
「魔法の種類、もしくはレベルごとに異なる残り使用回数が設定されており、一つの魔法の使用回数は他の魔法に一切影響を与えない」という形式。
例えば、レベル1の魔法を使い切った場合、回復するまでレベル1魔法はもう使えないが、レベル2の魔法はまだ使える、ということである。
MPの例えで言えば「キャラのステータスではなく各魔法や技のカテゴリ毎にMPが割り振られている」とするのが感覚的に近いだろうか。

全体的にバランス調整がシビアになりやすいシステムであり、特定のレベルに有力な魔法が偏っていたりするとガス欠が非常に速くなる。
国内作品ではFF1・3、幻想水滸伝シリーズ、ダークソウル1・2などで、海外作品ではウィザードリィシリーズ等で採用されていたが、現在まで連綿と使用し続けているのはポケモンシリーズくらいで、あまりメジャーとは言えないシステムである。
手計算が多くなるTRPGでは残り回数を計算しやすいというメリットがあるのだが、コンピューターRPGではそうしたメリットもない為、フリーゲームではCardWirthぐらい。
ある意味本家であるTRPG界隈でも、設定との兼ね合いやバランス調整のしやすさなどの関係から上記の消費制を採用している場合が多い。TRPG黎明期に比べコンピューターゲームが一般的になった事もあるだろう。



類種


ゲームの世代が進むと、リソースの対象は魔法から「技」「術」「スキル」といったさまざまなタイプに導入されていく。
依然として通りがいいためか「MP」を採用する作品は多いが、独自のものを用いるゲームも多い。
もちろん単語自体は変わってもリソースを運用するという概念ではMPと大きな差異はない。

  • SP
    • 「スキル(Skill)」「スペシャル(Special)」「スペル(Spell)」「スタミナ(Stamina)」「ソウル(Soul)」など、Sから始まる単語が多いためかMPに次いでメジャー。
    • 魔法ではない、いわゆる「特技」などを使う際にはこれを消費することが多い。魔法用のMPとは別に用意された作品もあれば、魔法もひっくるめた全ての総リソースとして扱っているゲームもある。例えばペルソナシリーなどは魔法を使う作品でもSP表記である。

  • EP
    • 「エネルギー/エナジー(Energy)」、「エーテル(Ether)」など。Sと同様、Eから始まる単語は複数ある。裾野を広げればエレメント(Element/Elemental)、エクストラ(Extra)なども考え得る。
    • 実例では黄金の太陽や黎の軌跡で使われている「エナジー/エネルギーポイント」、ゼノギアスで使われている人間側の特殊能力使用時に必要とする「エーテルポイント」など。
    • エネルギーは単純にHPとして扱われるケースもあるため、稀に意味が混同する事も。

  • PP
    • 「パワーポイント」あるいは「サイパワー」「サイコポイント」。MOTHERシリーズとその影響を受けているポケモンシリーズぐらいでしか採用されていない、レアな呼称。

  • FP
    • マリオRPGシリーズで使われている「フラワーポイント」、ダークソウル3やエルデンリングの「フォーカスポイント」、読みは不明だが神機世界エヴォリューションなど。
    • フラワー(Flower)は少々特殊だが、フォーカス(Focus)はしばしば見られる。由来が不明でもフレーム(Frame)、フォース(Force)などが予想できる。

  • TP
    • 「テクニカルポイント」など。タイムパトロール」ではない。Technical、すなわち技能的な意味ではSkillの親戚とも言える。
    • リソースが魔法的だと違和感がある近未来的作品や(例:ヒーロー戦記)、技使いと魔法使いのリソースが共通している作品(例:テイルズオブシリーズ、世界樹の迷宮シリーズ)で使われている。
    • また、RPGツクールではMPと別枠で通常攻撃を当てる・攻撃を受ける・防御する等で溜まっていき、MPとは別のスキルを行使する…といった、後述のIPに近いリソースとして設定できる。

  • WP・JP・KI
    • 「技ポイント」「術ポイント」「気」。要するに日本語をそのまま当てはめた名前だが、この時代にはまれによくあることである。
    • WP・JPはそのまま技と術の使用リソースで、ロマンシング サ・ガ2以降のサガシリーズで長いこと現役だった。KIは ドラゴンボールZ 超サイヤ伝説で原作の「気」をそのままMPとして採用したもの。

  • 技・気力・さいこ力
    • 上記と異なりアルファベットを使わず日本語のままのパラメータ。和風の世界観を採用しているゲームでは「MP」だと違和感があるのでこの名前になることも。
    • ちなみに、さいこ力は『星をみるひと』での表記。まあ体力も「ひっと力」と表記する作品なので…。

  • EN・FL
    • こちらは「エネルギー」だが、○○ポイントではなくエネルギー単体で完結する語。
    • ロボゲーでは何をもってエネルギーを消費するかまちまちであるが、MPに似た概念としては特定の武器を使用する際に消費するものが挙げられる。
    • とはいえ移動や持続時間に影響している事も多く、その場合はMPというより「燃料」である。実際にゼノギアスのギアは燃料を意味する「フューエル」表記である。
    • 登場するユニットのほぼすべてが巨大ロボットであるスーパーロボット大戦シリーズなどでも一部の武器に必要となるが、同シリーズではどちらかといえば「精神コマンド」の方がMPに近い。



亜種


MPに近いが、回復手段や増強手段が少々異なる設定がなされた特殊なリソース配分のパラメータ。

  • 弾数・個数(ストック数)
    • RPGからFPS、戦略SLGまで幅広く、特に通常武器と異なる特殊な(貴重な)火器の弾数制限はこれに相当すると言える。
    • ストック数はシューティングゲームのボム等で用いられる。
    • 上記のMPなどに紛れて回数制・弾薬制の武器に採用されることがある。ENを採用した作品では武器の属性(実弾系/エネルギー系)に応じて併用されることも多い。

  • IP
    • 「怒りパワー」。エストポリス伝記2で採用されている。使用するためには装備品とも関係する特殊な概念だが、アイテムポイントとかの略ではない。
    • パワーは敵から攻撃されると貯まっていく(回復する)。それ以外はMPと同じで、用途別に異なる数値を消費する。
    • FF7』のリミットゲージや『サムライスピリッツ』の怒りゲージを思い浮かべる人もいるだろうが、あちらは最大値まで貯めることで一気に消費し機能するシステムであり、MPのリソース配分概念とは明確に異なる。

  • HP
    • MPではなくHPを消費する。もちろん敵の攻撃に対するリスクを負うので、ここまでの亜種と比べ異なるリソース配分を求められる。
    • FF4の「あんこく」やファイアーエムブレム外伝の「魔法」あたりが分かりやすいが、HP分のダメージを与える技などもこれに近いと言える。
    • さらに広げれば対戦格闘のサイキックフォース2012の「ハイパーチャージ」、レースゲームのF-ZERO Xの「ブースト」なども同種の概念と言えるだろうか。いずれもHPを消費してリターンを得る。

  • 体力度・魔力度
    • TRPG『トンネルズ&トロールズ』より。5版では体力度(STR)をを消費して魔法を使う。ちなみに体力度は肉体的な力やスタミナ関係の能力値でもあるため、魔術師であろうが筋肉は必要
    • 7版以降は、新たに魔力度(WIZ)という能力値が追加され、そちらを消費する様になった。

  • 知力
    • SLG『マスター・オブ・モンスターズ』シリーズより。マスターが「大魔法」を行使する際には知力を消費する。但し知力と連動して支配力も一時的に下がるため、使いすぎると配下のモンスターが離反するおそれがある。
    • なお単なる「魔法」も存在するが、そちらは「格闘」「投射」と同様にユニットの攻撃手段の1つ(MP消費)となっている。

  • CT
    • 「クールタイム」。技に「次に使えるまでの時間」が設定されているもの。
    • 枯渇せず無限に使える代わりに、MPよりもリソースの集中運用(連発)ができない事が多い。また、一定値まで確保できれば再使用できる可能性のあるMPに対し、クールタイム制は決められた時間が経過するまでは絶対に再使用ができないという違いがある。
    • ターン制バトルだけでなく、弾数無制限のシステムでは広義に「リロード」「マガジン交換」とも通じる概念。いずれにせよ一度使い切ると隙が生じる。

  • 架空の通貨
    • 買い物システムである所持金を技のコストとして消費。ドラえもん ギガゾンビの逆襲の「どらやき」やFFシリーズの「ぜになげ」など。
    • 調子に乗って連発していると金欠になりかねないので注意が必要。



回復方法


基本的に「HP」と違い、回復手段は限定されている傾向がある。

「MPを回復できるアイテム」は非売品で入手困難だったり、あるいは高価だったりで、使用を躊躇うようにできている。
理由としては、前述のようにMP切れそのものは“死”には直結しないため、MP回復手段が豊富だったり安価だったりすると「バカスカ最強魔法を使う→移動中に回復」でリソース管理の意味合いが薄れてしまうことが挙げられる。

アクション要素の強い作品や、シミュレーションゲームだと「スキルや地形効果の効果で、時間経過で回復」「敵にダメージを与えるか敵からダメージを受けると回復」のようになっていて、管理に戦略性が要求される。


ドラゴンクエストシリーズ

ドラクエ8まではMP回復手段が非常に渋く、特に長いダンジョンを攻略する際は残りのMPに注意する必要があることで有名だった。
が、ドラクエ9で魔法の聖水*1が購入可能になり上位種の賢者の聖水も導入されるなど大幅に緩和。
オンゲー基準で再構築されたドラクエ10を引き継いでるのもあり、現在はだいぶお求めやすくなっている。MP全回復のエルフの飲み薬はさすがにレアだが、これも数量は非限定。

また特徴的な回復方法に「いのりのゆびわ」が挙げられる。
ゆびわとついてるように一部シリーズでは装備もできるが、主な用途はアイテムとしての使用。使うと一人のMPを20前後回復し、一定確率で壊れて無くなってしまう。
要するに何度か使える「まほうのせいすい」なのだが、ランダム性のある回復アイテムは現在でもなかなか珍しい。一回だけで壊れると中国製と揶揄されたりする。
特技が猛威を振るう5以前までは重要なアイテムだったが徐々に影が薄くなっている。ドラクエ9ではあらかじめ装備して入った戦闘中でしか使えない仕様となったため、利便性が急落していた。

他にはMPを吸収して回復する魔法として「マホトラ」もあるが、敵によっては耐性で効かないこともある。
一方で敵から使われる「マホトラ」はかなりウザい。群れで現れて一斉に「マホトラ」を撃ってくる『3』のゾンビマスターには手を焼いた人も多いだろう。

『5』『6』『7』ではMPを消費しない通常攻撃・特技があまりに強すぎたため、「MP」の価値が暴落していた時期もあった(それぞれに事情が異なり、『5』では終盤のインフレに攻撃呪文が付いていけず、『6』『7』は「せいけんづき」、「どとうのひつじ」のような特技がやたら強かったのが原因)。
3DS版『7』では、多くの特技でMPを消費するようになった……かと思いきや、すれ違いダンジョンでアホみたいにMP回復アイテムが拾えるという謎仕様になり、やはりイマイチ「MP」の価値が薄い……

この辺の事情は、「ドラクエでは攻撃呪文の威力が常に一定」という仕様だったのが原因。ナンバリングごとの進化、敵モンスターのHPのインフレに攻撃呪文が追い付けなかったのである。
その対策として『8』からは、攻撃呪文の威力が成長するようになり*2、ようやく呪文が復権した。


FINAL FANTASYシリーズ

「エーテル」というアイテムでMPを回復できる。「ポーション=HP回復アイテム」「エーテル=MP回復アイテム」という法則はこのシリーズから生まれた。
ちなみに『1』(PS版まで)と『3』では前述のように回数制なので、登場していなかった。
『8』も魔法が個数で扱われ、「MP」という概念が無いので登場しない。

非売品であることが多かった旧来の「ドラクエ」シリーズと違い、こちらは初期から普通に店で買える。但し、値段は作品によって非常にばらつきがあり、安い作品と高い作品の落差が激しい。
元々ゲームバランスはドラクエより厳しめな作品が多いこともあり、「むしろ頼らないとやってられない」イメージ。
決め打ち的に使うだけでなく、敵から盗んで調達するルートも存在する。

ちなみに上位アイテムは「エーテルターボ」だったり「エーテルドライ」だったり全く安定しない。


ポケットモンスター

いわゆる「通常攻撃」が存在しない上に、ポケモンの行えるすべての「わざ」は回数制という珍しいシステムのゲーム
その分使用回数の制限は緩く、並のわざなら20回前後、弱いわざなら35~40回も使用できる上、一度に6匹もポケモンを連れ歩けるので、「PP(パワーポイント)」が枯渇する事は滅多にない。
しかし、ストーリー終盤になり「ふぶき」「だいもんじ」「はかいこうせん」といったPPの最大値が5しかない大技を使うようになると、それまで全く気にもしていなかったPPが枯渇し、焦る事も。
通信対戦においても大抵PPよりHPが先に尽きるが、持久戦狙いに嵌ったりPP減少量を増やす特性「プレッシャー」を発揮され続けたりすると、PP切れの恐れが普通にある。

主な回復手段は各地にあるポケモンセンターでの全回復のほか、以下のようなどうぐがある。

  • ピーピーエイド
    • ポケモン1匹の1つのわざの「PP」を10回復する。ゲーム内のグラフィックを見たところ人工のアイテムのように思えるが、なぜか非売品のため、入手性は悪い*3。そもそも普通に攻略するうえでは残りPPとの戦いになるような状況が中々発生しないため、貴重なわりには非常に影が薄いアイテムとなっている。ただ、持てる道具の数に制限があった初期作品では、使い途のないピーピーエイドを売っ払ってしまったため、にっちもさっちも行かなくなったりすることも。

  • ヒメリのみ
    • 『ルビー・サファイア』以降のシリーズで登場。ポケモン1匹の1つのわざの「PP」を10回復する。基本的には非売品だが、こちらは栽培して増やしたり特定の地点で何度でも手に入るため、量産しておけばPP切れの心配はなくなる。ポケモンに持たせておくとどれか一つのわざのPPが0になった時に自動で使ってくれる。

スーパーロボット大戦シリーズ

基本的にEN(エネルギー)制だが、所謂「魔法」に纏わる一部ユニットにはENではなくMPが数値として設定されている事がある。
具体的には『UX』におけるデモンベインなどの鬼械神全般、『BX』におけるアルガス騎士団などSDガンダム外伝関連のユニットが該当。
改造による上限値の上昇はできないが、その分パイロット自身やスキルのレベル上昇によって底上げすることが可能。
『UX』では「Eセーブ」スキルの恩恵を得られなかったが、『BX』ではその点も改善された。
当然ながらMP制のユニットはEN数値を持っていないため、攻撃の度に対象のENを削っていくELS相手には無双のごとく立ち回ることが可能。
ただENではないのを補給ユニットはどうやって補給しているのか、というのがたまにネタにされることも

なお、ENやMPの回復能力は補給装置、精神コマンド「補給」、地形効果、ユニットの特殊能力、固有コマンドなど多岐にわたる。
実装が古くお手軽なのが補給装置と精神コマンドだが、リソースや使用条件、補給装置の場合気力減などの壁があり、HPに比べるとお手軽ではない。


スーパーマリオRPG

「FP(フラワーポイント)」と「スペシャルわざ」の関係がMPと魔法の役割を果たしており、スペシャルわざをつかうとFPが一定量消費される。
消費した「FP」は宿屋に泊まったり、「ハニーシロップ」「メイプルシロップ」などの市販されているアイテムで回復できる。
ただ、このゲームでは他のゲームと違うところが2つある。

まず、 「FP」はパーティ全員で共有する点。
『スーパーマリオRPG』では、キャラクターごとに「FP」のパラメータはなく、パーティ全員でわけあって使用する。
例えばFPが10のときにマロがFPを2、ジーノがFPを3消費すると、次にマリオのターンではFP残量が5となっている。
また、前述のシステムの都合なのか、レベルアップでは「FP」の最大値は増えない。フィールドの宝箱からフラワーを入手したり、「フラワー○○」というアイテムを使ったりして最大値を増やすことができる。

マリオストーリー』『ペーパーマリオRPG』でも「FP」が採用されており、なかまの一部のワザを使用する場合にもマリオの「FP」が必要。但し、こちらではマリオのレベルアップや一部バッジの装備によって「FP」の最大値を伸ばすことができる。
主な回復手段はキノピオハウスや宿屋での宿泊や、「ハニーシロップ」「メイプルシロップ」などのアイテム。
ただ、この2作品ではアイテムを一度に所持できる数が10個まで(ペーパーマリオRPGでは条件を満たすと所持可能数が20個に増える)とかなり少ないため、FPのリソース管理も重要となる。
これ以降のぺーパーマリオシリーズではFPが廃止された。その代わり、RPG作品では攻撃の際に用いるブーツやハンマーなどが消費型リソースになっている。

マリオ&ルイージRPG」シリーズでは「BP(ブラザーポイント)」と呼ばれており、キャラクターごとにこのパラメーターがある。「ブラザーアタック」発動時に消費し、市販されている「シロップ」などのアイテムで回復可能。消費アイテムは一種類につき99個まで持てるため気軽に使用できる。
『3』では「SP(スペシャルポイント)」という名称となっているが、役割は上記の「BP」と同じ。
『3』では、操作キャラがマリオ&ルイージとクッパに分かれているので、ステータスの共有化を図る必要があったのだろう。
リメイク版の『3DX』では、マリオ&ルイージは「BP(ブラザーポイント)」、クッパは「BP(ボコスカポイント)」という名称に改められている。
なお、『3』の「SP」用の回復アイテムはマリオ&ルイージもクッパも「シロップ」などのアイテムだが、『3DX』では新たにクッパ専用の「チーズ」系のアイテムが登場し、それらでクッパの「BP」を回復する。

マリオ&ルイージRPG2』では「ブラザーアイテム」という消費アイテムを使って「ブラザーアタック」を発動するため、「MP」に相当するパラメーターが存在しない。


ソウルシリーズ(Demon's SoulsDark SoulsDARK SOULS IIDARK SOULS III

デモンズソウルでは魔法、奇跡を使用するためにはMPを消費しなければならない。MPは香料というアイテムで回復可能。

ダークソウル無印および2ではMPの概念が消滅し、魔術、呪術、奇跡は回数制となった。

3では戦技というシステムの導入とともにFP(フォーカスポイント)として復活。
それにより戦技、魔術、呪術、奇跡は一括してFPで管理することになる。
FPは「エストの灰瓶」によって回復できるが、HPを回復する「エスト瓶」から割り振らなければならない。そのためエスト瓶と灰瓶の割合に注意が必要で、プレイスタイルによってはアイテムや装備などで代替の回復手段も検討する必要がある。


マジカルバケーション

主人公をはじめとした魔法使いの子どもたちが冒険する本作では、「MP(マジックポイント)」を消費して魔法を使用する。
戦闘でも魔法攻撃が主となるこのゲームでは、戦闘中に毎ターン「MP」が自動で少しずつ回復するため、MPが不足しても慌てる必要はあまりない。
なお、MPの自動回復量はそのキャラの「MP回復率」というパラメーターで決まる。レベルアップでMPの最大値が伸びるにつれ自動回復量も増えていくため、レベルが高くなると通常攻撃感覚で魔法を撃てるようになる。
但し、強力な魔法は消費MP量も高く設定されており、とくにHPを回復する魔法は残りのMPをなんとすべて消費してしまう。
また戦闘の場に「精霊」がいると、それと同じ属性の魔法使用時に威力がアップする「精霊コンボ」というシステムがある。味方や敵が使用する魔法の威力に大きな影響を与えるため、計画的に魔法を使う必要がある。

MPの主な回復方法は宿屋に泊まるか、市販アイテムの「ミミズグミ」など。先述のとおりMPは戦闘中自動回復するので、基本的には急速にMPを回復したいときなどに「ミミズグミ」を使用する。

2作目の『マジカルバケーション 5つの星がならぶとき』では戦闘システムが前作とはかなり異なっているが、MPが自動回復する点は同じ。


MPの位置付けが特殊な作品


ソード・ワールド

上記の通りMP=精神力なため、MPがなくなると気絶し戦闘不能となる。ゴーレムやスケルトンなど精神を持たないモノは0であり、魔法は使えないが気絶はしない。

各魔法には基本精神点というモノが設けられており、それを現在のPCの対応する魔法クラスのレベルで割った値が実際に消費する精神点となる。
また、精神力は魔法に対する抵抗判定にも影響する。

ゴーストハンターRPG

戦闘に特化したクトゥルフ神話TRPGぽいホラーTRPG。
このゲームでは、MPがクトゥルフ神話TRPGで言う「精神力(POW)」と「正気度(SAN)」を兼ねている。
超常現象や殺人現場などおぞましい場面を目の当たりにしたとき恐怖判定が行われ、失敗するとランダムにトランプのカードを配られ、スートの値に応じてシナリオの間最大MPが減る。そして魔法を使用したり心霊機械の誤作動などでMPダメージを受けてたら残りMPはそれに応じて減る。
MPが0になると発狂し、キャラクターが持ってる恐怖に対する残機も減り、それが0になるとキャラクターロスト

但し、恐怖判定に失敗しても必ず精神が削れるわけではなく、配られたカードがJ・Q・Kの絵札の場合は最大MPにダメージがないどころか別に配られているスートを取り除けるし*4、Aならば「MP全快」「MPダメージスートを全て除去」「一回判定に自動成功」「シナリオのヒントを得られる」のうち1種類の恩恵を受けられる。


スターオーシャン Till the End of Time

『スターオーシャン』シリーズの3作目。
「MPが無くなると、HPが無くなった場合と同様に戦闘不能になる」というシステムを持つ。

そのため、クリフのようにパワー系でHPの多いキャラクターであっても、MPを狙われると割とあっさり落ちてしまうことがある。
MPダメージを狙ってくる敵はそれほど多い訳ではないが、単純な「物理攻撃キャラの方が死に辛い」という先入観でいると足をすくわれる。
勿論敵にも適用されるため、「やたらと固いがMPを攻撃すると簡単に倒せる」という敵もいくつかいる。


FINAL FANTASY Ⅵ

普通のMPの概念に近いが、一部の敵に限りHPではなくMPを0にすることでも倒せるケースがある。そちらのほうが簡単な敵がいるのも上記と同様。


アルナムの翼

必殺技は戦闘中に溜まっていく技ゲージを使用して使い、それとは別に香華草という消費アイテムを使って予め調合した魔法のみ使用できる。
一部のキャラは気法を使用することが可能で、香華草ではなく気力を使用する。非表示ではあるが、使用する時に残り回数も表示されるためそれによってどれだけ残っているかわかる。

ヴァルキリープロファイル

MPはMPでも「マテリアライズポイント」。
消費して装備や消費アイテムを生成できる。ショップが無い本作での通貨的存在。



ゲーム以外の作品では


「MP」というシステマティックな呼称はまず使われず、「魔力」という呼び方をされる事がほとんどである(ゲームのコミカライズ等では原作とのつながりを持たせるために使用している場合がある)。魔法の技術力とは区別されていることが多い。
そもそも魔法のシステム自体が作品によって異なるので仕方ないが、その正体も作品によって様々。

  • 魔法使いの精神エネルギー
  • 世界に満ちている謎エネルギー(例:マナ)
  • 単なる生命力
  • そのものをそのものたらしめている何か
など。

消費量も「使う魔法ごとに固定で残りMPも詳細にわかる」ゲームとは違って、「消費量は感覚でしかわからず、後何回ぐらい魔法が使えるかはおおよその勘でしか判断できない」という作品が多い。
また、魔力切れを起こすと疲労困憊してぶっ倒れてしまうなど、その管理にもゲームよりも気を遣う。

一方でゲームと違い、時間経過で自然回復したり、怒りで急激に補充されたりすることもある。
「もう魔力が残っていない」と油断した敵に強烈な一撃をぶち込み「バカな、どこにこんな力が!」となるのは一種の理不尽さえ感じることも。

ある程度ルールを数値化しなければならないゲームと違い、脚本面では魔法等を使うことに対するコストが「MPに相当するものを消費する」以外にも様々なものがあり得る(術を使うと疲れる, 使い過ぎると人に戻れなくなる, 覚えるまでに年月が必要, 酸欠などの副作用がある, など)。

そもそもゲームから輸入された概念というイメージが強いMPだが、利益の総量がこの世で一定であるという考えは世界各地に見られる(例えばスペインの片田舎では昔、若い女性と年老いた男性が結婚すると、若者が自分達の層から"良きもの"を取られたと考えて、結婚した者の家の周りを取り囲んで騒ぎを起こすという風習があったのだという)、自然科学のエネルギー保存の法則のイメージにも合う。むしろ人間本来の考えに合ったものなのかもしれない。

「なんでもできる」はずの魔法を制限するこれらの設定は、ともすれば神秘感を失わせ、あるいは芸術活動への探求心を阻んでしまいかねないと指摘する声もあるが、一方で魔法というあやふやなものの挙動を科学的に定義あるいは近似することでその世界の社会構造を円滑にシミュレーションしたり、[異世界モノ]ではその世界を貫く理論を描くことであたかももうひとつの現実があるかのように魅せるなど、多くの利点を抱えている。




アニヲタAは へんしゅうを となえた!
しかし MPがたりない!

アニヲタBは へんしゅうねがいをだした!
※「ついき しゅうせいを よろしく たのむよ」

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最終更新:2025年02月25日 12:52

*1 MPを30~35回復するアイテム。

*2 8では賢さ、9以降は攻撃魔力と回復魔力に分離

*3 『ブラック2・ホワイト2』でジョインアベニューの特定の店を出せば購入できるが、その際の説明文に「なかなか買えない貴重品」とまで書かれている。

*4 自分に使う場合は任意のカードを除けるが、仲間に使う場合はダメージカードからランダムとなる