ディメンション・マジック(遊戯王OCG)

登録日:2011/09/10 Sat 21:53:05
更新日:2024/11/28 Thu 08:31:59
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《ディメンション・マジック》とは、遊戯王OCGに存在する魔法カードである。
初出は2003年5月22日発売の『STRUCTURE DECK―遊戯編― Volume.2』
魔法使い族のサポートカードとして歴史が古く、知名度も高い1枚。

ディメンション・マジック
速攻魔法
(1):自分フィールドに魔法使い族モンスターが存在する場合、自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
その自分のモンスターをリリースし、手札から魔法使い族モンスター1体を特殊召喚する。
その後、フィールドのモンスター1体を選んで破壊できる。

手札のモンスターを特殊召喚するために(±0)、このカードを利用し(-1)、さらにモンスターを1体リリースする(-1)。
その後、コントローラーや表示形式などを問わず、フィールドのモンスター1体を破壊できる(+1)。

特殊召喚するモンスターにもよるが、基本的には2:1交換となり、トータルで見ると損をしやすいカードと言える。
出したいモンスターを手札に用意する必要があるので、引き込む手段が別途必要になる場合もあり、その上で自分の場に魔法使い族が必要になるため、安定性もやや欠ける。

このカードが魔法使い族の代表的なサポートカードとしての地位を築けたのは、そうした欠点を補って余りある利便性ゆえである。
以下、このカードの利点と活用する際の注意点などについて説明しよう。

利点その1. 展開と除去を両立した速攻魔法である


「1枚で即座に2つの役割をこなせる速攻魔法」というだけでも優秀。
発動には条件こそあるが、タイミングの指定はなく、ダメージステップ以外の好きな場面で使用できる。

破壊によって相手の展開を妨害できるのは勿論のこと、サクリファイス・エスケープにも使いやすい。
奈落の落とし穴》《聖なるバリア −ミラーフォース−》といった罠カードや、《エフェクト・ヴェーラー》《無限泡影》などの対象を取る手札誘発を回避できる。
相手の妨害を不発に終わらせながら後続の展開と破壊ができれば2:2交換となり、リリースしたモンスターや展開したモンスターの効果が通れば更にアドバンテージを稼げる。

他には、自分のバトルフェイズにおいて攻撃を終えたモンスターをリリースし、手札の新たなモンスターで追撃を仕掛けることもできる。
いずれにせよ手札の消費が激しくなってしまうものの、使い道は多様である。

なお【ブラック・マジシャン】においては、似た役割を持つ速攻魔法として《黒魔術の秘儀》が存在する。
あちらもフリーチェーンで発動でき、手札か場の《ブラック・マジシャン》か《ブラック・マジシャン・ガール》を用いて融合または儀式召喚ができる。
《マジシャンズ・ロッド》などのサーチに対応しており、《竜騎士ブラック・マジシャン》で魔法・罠を守る、《古聖戴サウラヴィス》で相手の特殊召喚を牽制するといった動きも可能。
こちらは魔法使い族全般を出せる幅広さや除去効果、EXデッキへのメタを無視しやすい点、下記のサポートカードなどの要素で差別化を図れる。

利点その2. 「『フィールドのモンスターを破壊する効果』を無効にする効果」に防がれない


その後、フィールドのモンスター1体を選んで破壊できる。
この一文がくせ者で、少々複雑だが、この裁定には“効果の処理”や“任意か強制か”の違いが絡んでくる。
以下は、このカードの効果処理の順序である。

1.効果発動時、このカードは自分のモンスター1体を対象にとるが、まだリリースも破壊も行わない。

2.効果解決時、対象にとったモンスターをリリースし、手札の魔法使い族を特殊召喚する。この2つの処理は同時に行われる。

3.2の処理の完了後、モンスターを破壊するかどうかを決める。破壊しない場合はここで終了。

4.破壊する場合は、フィールドのモンスター1体を破壊する。

要は、このカードを発動したタイミングでは「フィールド上のカードを破壊する効果」であることが確定していない。
その為、《スターダスト・ドラゴン》《マテリアルドラゴン》《我が身を盾に》などの確定している破壊しか防げない効果では《ディメンション・マジック》にチェーンできず、無効にできない。

しかもこの破壊は、発動時に破壊するかを決めるわけではないため、対象を取らない。
そのため、《オベリスクの巨神兵》のような対象耐性持ちのモンスター達も問題無く破壊できる。
もっとも、破壊を無効にする効果にチェーンされない+対象を取らないだけなので、破壊される代わりに自身を墓地に送ったり除外したりするカードの効果は適用される。

相手の場にモンスターがいれば破壊し得に思えるが、2でリリースまたは特殊召喚するモンスターによっては、破壊を行わず3で終わった方が良い場合もある。
それは、それらのモンスターが「フィールドから墓地へ送られた時~できる」「(召喚・)特殊召喚(に成功)した時~できる」といった「時の任意効果」を持っている場合。
これらのモンスターが効果処理に絡んでいる場合に4の破壊効果を使うと、その処理が挟まるせいで効果の発動タイミングを逃してしまうのである。
が、「(特殊)召喚した/された時」に発動できる《奈落の落とし穴》や《激流葬》なども4の処理が挟まると発動タイミングを逃すので、時の任意効果持ちが関わる場合でも破壊効果を使うメリットは一応ある。

利点その3. 専用サポートカードが存在する


ディメンション・コンジュラー
効果モンスター
星1/闇属性/魔法使い族/攻 500/守 500
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分のデッキ・墓地から「ディメンション・マジック」1枚を選んで手札に加える。
(2):このカードがモンスターゾーンから墓地へ送られた場合に発動できる。
自分フィールドの魔法使い族モンスターの数だけ、自分はデッキからドローする。
その後、ドローした数だけ手札を選んで好きな順番でデッキの上に戻す。

第11期第7弾「BATTLE OF CHAOS」にて、登場から18年もの歳月を経て現れたサポートカード。《ディメンション・マジック》に描かれた箱とそっくりな人型の存在。
同パックでは原作漫画『遊☆戯☆王』25周年を記念して《ブラック・マジシャン》関連の新規カードが幾つか登場しており、これもその1枚である。

召喚・特殊召喚した場合に《ディメンション・マジック》をサーチまたはサルベージする効果と、モンスターゾーンから墓地へ送られた場合に手札交換を行える効果を持つ。

レベル1なので《ワン・フォー・ワン》《ワンチャン!?》《金華猫》などサポートが豊富。これがそのまま《ディメンション・マジック》へのアクセスのしやすさに繋がる。

場に出した後は《ディメンション・マジック》の発動条件兼リリース要員にしても良いが、《聖魔の乙女アルテミス》や《サクリファイス・アニマ》のリンク素材にするのも手。
そうすることで、発動条件を満たしたまま《ディメンション・マジック》を温存し、即座に手札交換ができる。
手札にあると不都合なカードをデッキに戻せる他、デッキトップを参照する《黒の魔導陣》や《真実の名》のサポートにもなる。

原作での活躍


初代のバトルシティ編の決勝、遊戯VSマリクにおける遊戯の切り札。

その効果は簡単に言えば
場に魔術師がいる時モンスターを2体生贄に捧げ 手札より魔術師を1ターンのみ特殊召喚できる。
このターン魔術師の連携攻撃によってモンスター1体を破壊する。
というものだった。

オベリスクの特殊能力を無効化(原作とアニメで意味合いが異なる)し、1ターンキルで破壊しようとしたラーの翼神竜に対して発動。

オベリスク(とガゼル)をサクリファイス・エスケープで生贄にさせてラーの攻撃を無効化。
既に場に召喚していたブラック・マジシャン・ガールと、カード効果で召喚したブラック・マジシャンの連携攻撃「ブラック・バーニングマジック」で遂にラーを破壊した。
神のカードに普通に魔法カードの効果が効いていることに突っ込みが入ることもあるが、
作中の描写や記載を見ると分かるが、原作においてのこのカードの破壊効果は「戦闘を行って破壊」という、神のカードの耐性を絶妙に抜ける効果を持っているという特徴があった。


遊戯王Rでも登場しており、ある意味で《ダブル・アップ・チャンス》の先駆けカードである。


追記・修正はサクリファイス・エスケープを華麗に決めてからお願いします。

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最終更新:2024年11月28日 08:31