グラビティー・ビートブード

登録日:2022/07/02 (土曜日) 11:47:15
更新日:2025/05/03 Sat 22:51:31
所要時間:約 5 分で兄貴と一緒に読もうぜ!!





グラビティー・ビートブードとは「ロックマンX3」に登場するボスである。


パワー6200rp
スピード3600rp
異名:鋼鉄のリベンジャー



【概要】

イレギュラーハンター第17部隊所属のカブトムシ型レプリロイド。
ロックマンX」に登場した同じく17部隊所属のブーメル・クワンガーであり、兄を倒したエックスを恨み復讐するためにドップラーの反乱に加わった。
反乱後は空軍の空母を奪取した。
ゲーム内ではエクスプローズ・ホーネックのステージと相互でクリア後に影響が出るなど、元イレギュラーハンター同士連携して任務に当たっていた様子が見受けられる。

ブラックホールを操る能力を持つ。さしずめ兄がスピード型で弟がパワー型として設計されたということか。
クワンガーはカットマンスタイルなら、ビートブードは「ロックマン5」のグラビティーマンといったところか。
小ジャンプで少しずつ距離を詰めてくるなど、ロックマン2のウッドマンのような挙動も併せ持つ。


【ボスとして】

攻撃パターン自体に複雑さは無く手数も少なめであるものの、高威力かつ対処の難しい攻撃をいくつか持つためバスターで撃破する際の難易度は高め。
ただし被ダメージは多いため初期ライフだと辛い場面があり、ステージもエアダッシュ等がないと辛い場面もある。
バグホールはホーネックやバッファリオの攻撃のように「破壊する」という抜け道が通じないため、肥大化してくるバグホールをいかにかわせるかが勝利の鍵となる。


弱点シャイニング・タイガードから入手できる「レイスプラッシャー」。
ブラックホール=闇はに弱いということか。
連射が利くうえ突進してきた際にもダメージを与えて足止めできるため、レイスプラッシャーがあればほとんど何もさせないまま倒すことも可能である。

本来なら弱点を突く側であるエクスプローズ・ホーネックの「パラスティックボム」も実はダメージが多め。重装甲に爆発が響くということもあるが、スズメバチとカブトムシは餌場の取合いで喧嘩することがある*1ので、そのライバル関係からだろうか?
因みにこの弱点のラインナップはゴッドカルマシーン・O・イナリーと共通だったりする。


【技】


  • バグホール

小型ブラックホールを投げつけてくる。
壁に当たると斜めに反射して巨大化、攻撃力も上がる。
ボス部屋が狭いのとビートブードの接触ダメージも合わさって回避するのは困難。
正面→真上と連続で投げることもあり、最大で画面に2発まで存在する。この場合は壁の真ん中あたりが安地。

  • チャージバグホール
体力が減ってくると天井にチャージ版バグホールを展開させる。
これで天井への移動を封じ、更にダメージも大きい。
更に吸引力があり、うかつにジャンプすると接触してしまう。
この後は小型バグホールを使わなくなるため行動を読みやすく、またフットパーツがあるとジャンプの高さを調整できるので多少楽になる。


  • 突撃

角を振りかざして突進してくる。
突進中は無敵で、天井にチャージバグホールがある場合は角でかち上げてぶつけられてしまう。




【入手武器】


  • バグホール

約3秒間、小型ブラックホールを発生させるポッドを射出。
このポッド自体に攻撃判定はないが、ブラックホールの発生中は画面内に入った敵を片っ端から爆散させる。敵がブルブル震えて爆発したらブラックホールが効いたサイン。
ただし、一部の雑魚敵とホーネック以外のボスには全く効果がない。
また、破壊した敵の残骸や弾を吸い込むことができ、僅かながらハイパーチャージのエネルギーに変換する。
ブラックホールが止まると使用済みのポッドは戻って来る。また画面上に射出できるのは一発ずつ。

効きやすい敵の目安は「飛行している敵」および「ノートルバンジャー*2位の小さいザコ敵」。
といっても目安なので、実際に試してみる方が早いが。


チャージするとポッドを上に射出し、強力な重力波で画面全体の敵を上空に吹き飛ばす。
ただし丸ごと吹き飛ばしてしまうため、これでアイテムを落とさせることはできない。特定の地形を動かすこともできる。
威力ならびに有効な敵は通常版と変わらないため、もっぱらギミック操作向けの武器。
その代わり、ポッドを射出してから発動までの隙にわざとダメージを受けて怯むと、上空に吹き飛ばす判定を発生させたまま自由に移動できるというテクニックがある。
こうなってしまえば一転して強力な広範囲技へ早変わり。
敵の近くで攻撃されるタイミングを見計らって撃つだけなので狙うのは難しくないが、ダメージを受けるのが早すぎると、ポッド射出自体がキャンセルされて不発に終わってしまう。


エクスプローズ・ホーネックの弱点であり、適当に撃つだけでダメージが与えられるため、初心者が苦戦しやすい彼女?を簡単に倒せる。
ちなみに、上述の『ロックマン5』には同じく空中移動を得意とするジャイロマンが登場しているのだが、こちらも重力操作系のグラビティーホールドを弱点としていた。
更にアニコレ収録のエックスチャレンジでは、ホーネックと共に登場するブレイズ・ヒートニックスや、他のミッションで登場するストーム・イーグリードもバグホールでダメージを与えられる事から、重力操作系の特殊武器は空中移動を得意としている相手に対して効果的であるようだ。


漫画版での活躍】



殺す…殺す…



ロックマンエックスブチ殺してやるーーーーーーっ!!


岩本先生の漫画版でもクワンガーの弟であり、エックスの元部下。
もっともエックスはビートブードがクワンガーの弟であったことは知らなかったらしく、本編での対峙で初めて知った様子。
そのクワンガーとて面白半分でシグマに従っていた、イレギュラー認定されるだけのことをしたという事実は重々承知しており、そんな兄を倒したエックスの判断は間違ってなかったと認めつつ、やはり兄を奪われた恨みを消すことはできなかった。

劇中での登場順は、奇しくも兄と同じく八大ボスの中では最後。
まずは所有する戦闘空母ビーグ・ビートルで街を襲撃し、乗り込んできたエックスとゼロをバグホールで捕らえる。
この漫画版でのバグホールは飲み込んだ対象を別の場所に飛ばすワープ能力だけでなく、対象を拘束したり、サイズも自由自在に変えられる機能も備えており、まるでワームホールのようなスグレモノ。
そして残されたわずかなチップからクワンガーを復活させ、ゼロの頭脳とケーブルで接続。*3
自分が倒されればゼロの頭脳が上書きされて中身がクワンガーになってしまうように仕向け、それと同時に街への破壊活動を続けることでエックスを精神的に苦しめる。
だがエックスは危険を承知でバグホールを右手で受け止め、それを逆利用してクワンガーを破壊。
ビートブードはこれに動揺して錯乱状態になる。

そして上空にはクワンガーの魂と同化した巨大ブラックホールが…





ひひひ、やったぁ〜



兄貴は生きてる!!生きてるぞぉ〜





隊長!!兄貴があっちにいるよぉ〜


そうだ!あっちに二人で行こうぜぇ 兄貴と一緒に暮らそうぜ!!




そうのたまうビートブードにエックスは





お前の心のブラックホールは俺が打ち消す!!






そう言って飛び出していった。

ビートブードはそんなエックスに…何があっても諦めないその目に本心では憧れていたことを打ち明ける。
だが、やはり兄の直接の仇である恨みを忘れる事はできず、この葛藤につけ込んだドップラーにワームチップを植えつけられていた。
この時ほど自分がレプリロイド…心を持つ者として生まれたことを悔やんだことはなかったという。
一方で、ワームで狂気に犯されている状態でさえ、上記のようにエックスとクワンガーと過ごしたいと言うあたり、エックスへの敬意は本音である事がうかがえる。

そしてエックスは、かつてクワンガーと戦った時と同様に戦艦のエネルギーケーブルを強引にバスターへ接続し、莫大なエネルギーを無理矢理注ぎ込んでの特大チャージショットでクワンガーブラックホールを破壊した。

茫然自失のビートブードをゼロは破壊しようとするが、エックスの頼みで思いとどまり、その場を後にするのだった。




俺たちは相手を憎むことができる。そして尊敬することもな。


俺たちはレプリロイド、心あるロボットだからな…



最近、俺はそんな自分が好きになってきたよ。誰かさんの影響かな…





この後、他の生存組と違ってビートブードは再登場しなかったため、彼がどうなったかは不明。
だがO・イナリー戦後のメカニロイド軍団との戦いにおいて、エックスはチャージバグホールを使用している。
エックスの性格上、倒してもいない相手から武器チップを無理矢理奪うとは思えないので、ビートブードが譲渡したと考えるのが自然か。
この時に和解を果たしたと思いたいものである。

心あるロボット、レプリロイドである事を肯定するエックスとゼロ。
心あるロボット、レプリロイドである事に苦しんだビートブード。
膝をつき、俯くビートブートを残し立ち去るエックスとゼロの顔は勝者のソレとは程遠い、沈痛なものであった……。




【余談】


ロックマンゼロシリーズにて彼等と同じくカブトとクワガタの兄弟「アンカトゥス兄弟」が登場している。ただしあちらはカブトが兄。

兄弟レプリロイドという例は、前述のアンカトゥス兄弟の他にもカーネルアイリスミディとテクノが挙げられる。
だがアンカトゥス兄弟は同じテクノロジーで製造されていて共通の技も存在する、カーネル&アイリスとミディ&テクノは本来1体のレプリロイドとして開発される予定だったと、いずれも兄弟として扱われる明確な理由が設定されているのに対し、クワンガーとビートブードには、そのような明確な設定は特に無い。

1997年、当時まだ出始めたばかりのコンテンツだった『デジタルモンスター』が第2弾の登場デジモンの公募をしていたが、その採用イラストの一つに明らかにビートブードとしか思えないイラストが投稿されていた。
そのまんまビートブードにしか見えないイラストから生まれたデジモンこそ、後にアニメでも活躍した人気デジモンの一角である「カブテリモン」である。
ただ、公式で改めてデザインされたカブテリモンはビートブードとは似ておらず、後に登場した進化系のアトラーカブテリモンの方がビートブードに近い。



追記・修正はエックスを恨み復讐してからお願いします。

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最終更新:2025年05月03日 22:51

*1 一見カブトムシが圧倒的不利に見えるが、1対1であればカブトムシがスズメバチを追い払うこともある。

*2 オープニングステージにも登場する、頭に投射砲の付いた紫色の雑魚。

*3 日本が吹き飛ばされるほどのエネルギー量を喰らったのに、むしろよく復元できるほど残っていたものである。ただし上半身しか復元できておらず、取れる戦闘行為と言えばブーメランカッターを投げるのがせいぜい。かつての高機動を誇ったクワンガーの性能は見る影もない