ボルシャック・決闘・ドラゴン

登録日:2023/01/04 Wed 19:00:00
更新日:2024/09/18 Wed 11:45:40
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20周年 2色 DM DMART-02 DMBD-16 アーマード アーマード・ドラゴン クロニクルデッキ コスト9 スピードアタッカー デュエマ デュエル・マスターズ ドラゴン パワード・ブレイカー ボルシャック ボルシャック・決闘・ドラゴン ボルスレッド・ファイアー・ドラゴン ボルバルザーク・紫電・ドラゴン ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン ボルメテウス・武者・ドラゴン メタルカオス・ドラゴン 切札勝舞 多色 多色クリーチャー 奇跡の覚醒者ファイナル・ストーム XX NEX 星龍パーフェクト・アース 決闘 決闘!! ボルシャック・デュエル 決闘竜←ではない 火文明 火文明のクリーチャー 火文明のドラゴン 無双竜機ボルバルザーク 自然文明 自然文明のクリーチャー 自然文明のドラゴン 赤緑





そしてその後の切り札たち。


ボルシャックの決闘(デュエル)心は受け継がれていく。
*1


ボルシャック・決闘(デュエル)・ドラゴン》とは、TCGデュエル・マスターズ」のクリーチャー。
DMBD-16「20thクロニクルデッキ 決闘!! ボルシャック・デュエル」に収録された自然レインボーアーマード・ドラゴン

このカードが収録されたDMBD-16は、デッキ名の通りデュエマ20周年を記念した「ボルシャック」がテーマのクロニクルデッキで、その切り札として新規収録された。
同時発売されたアウトレイジがコンセプトなDMBD-17の《熱血武闘 カツキング》とは対になっている。


解説

ボルシャック・決闘・ドラゴン P(R) 火/自然文明 (9)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 9000+
スピードアタッカー
パワード・ブレイカー(このクリーチャーは、そのパワー6000ごとにシールドをさらに1つブレイクする。)
このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを1体選び、持ち主のマナゾーンに置く。その後、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つ、名前に《ボルシャック》とあるドラゴンを1体、自分のマナゾーンから出してもよい。
このクリーチャーのパワーを、自分の墓地にある火のカード1枚につき+1000する。

ボルシャック」に属するドラゴンの1体。
スピードアタッカーとパワード・ブレイカー、ボルシャックらしい墓地にある火文明の数だけパワーアップする効果を有している。
こちらのパンプアップはボルシャックとしては珍しく攻撃時限定ではなく常時適用される効果であるため、火力や殴り返しに強いというメリットがある。
ただ、上昇値自体は控えめなので過信は禁物。
実際に回せばわかるが【赤緑ボルシャック】はそこまで墓地にカードが貯まらないため、精々2000~4000程度のパンプアップに留まる事も少なくない。
3枚以上墓地にあればT・ブレイカー相当に至れはするが、あくまでおまけ程度に考えておこう。

そしてcipで相手クリーチャー1体をマナゾーンへと送りつつ、自身はマナゾーンから貯まっているマナ以下のコストを持つ「ボルシャック」と名の付いたドラゴン1体を場に出す能力を持つ。
除去をこなしつつ展開もできる器用な動きを可能としてくれる効果で、序盤にマナゾーンへと埋めたボルシャックを踏み倒せるのはなかなかに魅力的。


しかし、その前評判はイマイチ芳しくなかった。
理由は9ものコストにある。

コスト9のカードと言えば《偽りの王 ヴィルヘルム》や《新聖綺神 クロスオーバー・ヨミ》に《地封龍 ギャイア》とった、フィニッシャー級の能力を備えた切り札と呼ぶに相応しいクリーチャーが軒を連ねている。
その中でcip限定の単体除去とマナ制限があるコスト踏み倒しのみだった決闘ドラゴンは、確かに強い事は強いのだが重さに見合う性能とは言い難かったのだ。
対となるアウトレイジデッキの《熱血武闘 カツキング》は普通に強力だった事、収録時期の王来篇ディスペクターを中心とした強大な大型クリーチャーが多数登場していたのも拍車を掛けていたと言える。

このような背景事情もあり、一部では「クロニクルデッキの歴代切り札で最弱では?」との声も挙がった程。
20周年を祝したデッキのメインカードであるにもかかわらず、ハズレの烙印を押されてしまう



…と思われたが。


真価

DMBD-16の発売後、《決闘・ドラゴン》が入ったデッキは幾つもの大会で結果を残し、対戦環境で目覚ましい活躍を見せた
しかも収録デッキのコンセプト通り、【赤緑ボルシャック】におけるキーパーツとしての活躍であった。

事前評価を覆してこれ程の強さが発揮できた秘訣は、「ボルシャック」の名称カテゴリとドラゴンの種族から来るサポートの豊富さにあった。

【赤緑ボルシャック】では、これら3枚を駆使してマナをブーストしていけば

2ターン目:《メンデルスゾーン》で2マナ追加して4マナ

3ターン目:普通にマナチャージして5マナ、《決闘者・チャージャー》で手札にボルシャックを引き込みつつ1マナブースト、残り3マナで《ボルシャック・栄光・ルピア》を召喚して更に2マナ追加し8マナ

4ターン目:マナチャージして9マナ到達

という爆速でマナが貯まるムーブを可能としてくれる。
上記の例はあくまで該当カードを上手く引けた場合の最速パターンだが、そうでなくとも凄まじいスピードでマナが貯まっていくデッキである。
ボルシャックかつ、ドラゴンでもある《決闘・ドラゴン》も勿論この流れに組み込む事が出来るため、最大の懸念点だったコストの重さが問題では無くなっていた。

また、《ボルシャックライシス・NEX》や《龍騎旋竜ボルシャック・バルガ》といったフィニッシャー級のボルシャックに対応してない事から微妙扱いされる事もあった踏み倒し効果についても、実際には上述のマナブーストで次々とマナゾーンに埋まっていくボルシャック達を掘り起こせる点で噛み合っている。
上記の大型ボルシャックを踏み倒しにくい点も、《ボルシャック・モモキングNEX》を踏み倒せば運が絡むものの間接的に踏み倒せる可能性がある事である程度カバーできたため余り問題視される事はなかった。
他にも《とこしえの超人》等の踏み倒しメタ効果持ちのクリーチャーを除去した後で安定して場に出せる事、マナゾーンにある《決闘・ドラゴン》自身を踏み倒して相手クリーチャーを除去しながら速攻の打点として並べられる事も評価された。

かくして、決闘ドラゴンは潤沢なマナブーストデッキのコンセプトに合致した絶妙な性能により、一線級のクリーチャーとして名を揚げる事となった。


相性の良いカード

ボルシャック・クロス・NEX SR 火文明 (9)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 12000+
スピードアタッカー
パワーアタッカー+5000
T・ブレイカー
すべてのプレイヤーは、コスト4以下のクリーチャーを召喚できない。
ボルシャック英雄譚 SR 火文明 (8)
呪文
自分の山札の上から6枚を見る。その中から、《ボルシャック》と名前にあるドラゴンを好きな数、バトルゾーンに出してもよい。残りを好きな順序で、山札の一番下に置く。

《ボルシャック・クロス・NEX》のツインパクト
クリーチャー面の優秀さは言わずもがなで、登場からかなりの月日が経っているがその強さは健在。
《決闘・ドラゴン》から踏み倒せるのは勿論のこと、自分も《ボルシャック・栄光・ルピア》を召喚できなくなるデメリットはあるが踏み倒しなら問題なく、相手の小型クリーチャー展開や軽量ニンジャ・ストライク、S・トリガーからの《終末の時計 ザ・クロック》なんかを抑制できる貴重な札である。

呪文面の《ボルシャック英雄譚》は最大で6体もの展開が狙えるロマンカード。
その分コストが8と高めだが、先述の通り【赤緑ボルシャック】はマナが貯まりやすいデッキなのであまり支障はない。
決闘ドラゴンはこの呪文で場に出されても召喚酔いせずに攻撃を仕掛けられるボルシャックのため、意外と重宝する。

ボルシャック・ドギラゴン LEG 火文明 (7)
進化クリーチャー:メガ・コマンド・ドラゴン/革命軍 12000
革命0トリガー:クリーチャーが自分を攻撃する時、自分のシールドが1枚もなければ、このクリーチャーを手札から見せてもよい。そうしたら、自分の山札の上から1枚目を表向きにする。そのカードが火の進化ではないクリーチャーなら出し、このクリーチャーをその上に置く。
進化:火のクリーチャー1体の上に置く。
T・ブレイカー
このクリーチャーが出た時または攻撃する時、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。このクリーチャーとその選んだクリーチャーをバトルさせる。

革命0トリガーの代表格であるドギラゴン。
《決闘・ドラゴン》はトリガーを発動させる際の進化元に最適であり、cipで攻撃を仕掛けた相手クリーチャーをマナゾーンに飛ばしながらドギラゴンへと進化すれば、ダイレクトアタックが1回は確実に防げる。
もちろん《決闘・ドラゴン》の踏み倒しやドギラゴンの強制バトルを発動させる事も可能。

革命0トリガーなので《決闘・ドラゴン》を引けるかどうかは運次第だが、相手からすればトドメを刺すはずが相手に2体展開され自分はマナ送りと強制バトルで2体除去されるという理不尽な展開を強いられる羽目に…。

ボルシャック・モモキングNEX KGM 火文明[ジョーカーズ] (6)
スター進化クリーチャー:ジョーカーズ/アーマード・ドラゴン/レクスターズ 9000+
スター進化:レクスターズまたは火のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
パワード・ブレイカー(このクリーチャーは、そのパワー6000ごとにシールドをさらに1つブレイクする)
このクリーチャーが出た時または攻撃する時、自分の山札の上から1枚目を表向きにする。それがレクスターズまたは火のクリーチャーなら出す。それ以外なら墓地に置く。
攻撃中、このクリーチャーのパワーを、自分の墓地にある火のカード1枚につき+2000する。

ボルシャック・NEX》を継承したモモキング。
パワード・ブレイカーやcipの踏み倒しなど《決闘・ドラゴン》と似通った効果を持っており、相互での踏み倒しを実現している。

王来英雄 モモキングRX》からこのクリーチャーに進化し、cipかアタックトリガーで引くことが出来れば最速3ターン目に《決闘・ドラゴン》が着地可能。
逆に《決闘・ドラゴン》からマナゾーンに埋まったモモキングNEXを進化させれば、厄介な踏み倒しメタを除去した後でcipとアタックトリガーにより最大2体を展開できる。

ボルシャック・秘伝・ドラゴン UC 火/自然文明 (5)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 5000
アタック・チャンス:火または自然のコスト7以上のドラゴン(自分の火または自然のコスト7以上のドラゴンが攻撃する時、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい)
マッハファイター(このクリーチャーは、出たターンの間、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる)
このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。それがドラゴンなら、カードを1枚、自分のマナゾーンから手札に戻してもよい。

秘伝呪文の要素を兼ね備えたボルシャック。
アタック・チャンスの条件に《決闘・ドラゴン》も対応しており、場に出ればマッハファイターで即座にアタックトリガーを起動できる。
山札から1枚マナブーストすると共にそれがドラゴンなら好きなカードをマナゾーンから手札に戻せるため、《決闘・ドラゴン》がマナに埋まってなかなか手札に来ない場合に回収できる。

ボルシャック・テイル・ドラゴン R 火文明 (4)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 5000+
S・トリガー(このクリーチャーをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ召喚してもよい)
このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。その選んだクリーチャーとこのクリーチャーをバトルさせる。
シビルカウント3:自分の火のクリーチャーまたは火のタマシードが合計3つ以上あれば、このクリーチャーのパワーを+2000し、「W・ブレイカー」を与える。(「W・ブレイカー」を持つクリーチャーはシールドを2つブレイクする)

S・トリガーと強制バトル効果を持つS・トリガー獣のボルシャック。
【赤緑ボルシャック】においては貴重な防御札となる他、《決闘・ドラゴン》からの踏み倒しで一気に2体除去も狙える。
パワーと打点が増すシビルカウントに関しても、《決闘・ドラゴン》→《決闘・ドラゴン》→テイルドラゴンと連鎖的に踏み倒せばわりと簡単に満たす事が可能。


イラスト

決闘ドラゴンのデザインには、切札勝舞が無印から『SX』までに使用してきた歴代切り札の要素がふんだんに盛り込まれている。
所謂「全部乗せ」とでも呼ぶべき超重装甲で、これ程までにアーマード・ドラゴンを体現したクリーチャーもそういないだろう。
記事冒頭の文章もDMBD-16で同時収録された《ボルシャック・ルピア》のフレーバーテキストであり、モチーフが示唆されている。


また、《ボルシャック・ルピア》のフレーバーテキストには記載されていないが、手の甲にある五つの丸を《神羅ドラグ・ムーン》の手先に備わっている砲台の要素と見る考察もある。


余談

  • 切札龍 ボルシャック・マスターズ》と「決闘」の名を冠したこのクリーチャーの登場により、「デュエル・マスターズ」のタイトルがボルシャック一族で揃う事となった。

  • DMBD-16収録のカードではフレーバーテキストでボルシャックの概念なものについて触れるに留まっている。
    そのため、誕生経緯やどのような存在なのかといった決闘ドラゴンに関する背景ストーリー的なものは特に語られていない。

  • 意外にも、レアリティは後にR(レア)に設定された。入手難度が緩和されたとポジティブに捉えておこう。

追記・修正は複数のモチーフを取り入れたアーマーを纏ってからお願いします。

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最終更新:2024年09月18日 11:45

*1 画像出典:タカラトミーモール デュエル・マスターズ クリエイターズ・レター Vol.42 2021年7月2日公開 https://dm.takaratomy.co.jp/cls/creatorsletter42/ ©Wizards of the Coast/Shogakukan/Mitsui-Kids