丸尾末男

登録日:2023/06/07 (Wed) 00:24:10
更新日:2023/11/30 Thu 17:48:28
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ズバリ、次の学級委員選挙は丸尾末男

この丸尾末男に一票!



丸尾末男(まるおスエオ)」とは、漫画及びアニメ・ドラマ『ちびまる子ちゃん』の登場人物。
CV飛田展男/演:佐藤和也、牧野晴、山里亮太、春奈柊夜、井之脇海、佐川大樹



【概要】

主人公のまる子(さくらももこ)と同じ3年4組のクラスメイト。
たまちゃん花輪クンに続く、最初期から登場していた名有りクラスメイトの一人。
初代ED「おどるポンポコリン」をはじめ、『まる子』の男子キャラの代表格として登場する機会が多い。
誕生日は12月31日(なので「末男」)、血液型はAB型。自分のイニシャルが「Sueo Maruo」なのを気にしている。

坊ちゃん刈りにグルグル眼鏡と、如何にもなガリ勉スタイルの小学生。
普段は眼鏡に隠れて見えないが、「ピカソみたい」と形容されるまつげが長くつぶらな瞳をしている。
特に体調が悪かったり性格が暗いわけではないが、顔に影(|||←これ)が掛かっていることが多い。

クラスの席順は一番前の左から4番目、左側はとし子ちゃん、右側はケンタ、真後ろはとくちゃん。

母親は「母さま」、クラスメイトの男子は名字に「君」、女子は「さん」付けで呼んでいる。
母親には「スエオさん」、クラスメイトには「丸尾君」と呼ばれている。

名前の元ネタはカルト的名作『地下幻燈劇画 少女椿』で有名な『ガロ』系漫画家の丸尾末広。



【人物】

初登場は『まるちゃん目覚まし時計を買うの巻』。
小学生とは思えない敬語口調で、一人称は「わたくし」。
口癖はさして重要ではないことでも「ズバリ○○でしょう!」と強調すること。

丸尾君最大の特徴は学級委員選挙に命を懸ける男であること。
とにかく学級委員たることに己の全存在を燃やし、学級委員として皆の模範になるべく日々勉学に励んでいる。
良くも悪くも行動力があり、良い方向に発揮されると頼りになるが、悪い方向に発揮されると暴走に暴走を重ねる超危険人物と化す。

教育熱心なお母さんの影響もあり成績優秀で、自分の部屋には賞状が数多く飾られている。
しかし音痴な上に運動神経が皆無なため、音楽と体育に阻まれてオール5は実現できていない。
好きなものはビワ、ざるそば、天ぷら、柏餅。まる子が忘れていった柏餅を10個全部食べて自己嫌悪に陥った事もある。
苦手なことは人前で歌うこと。



【性格】

学級委員の座にこだわるあまり奇行に走る滑稽さばかりクローズアップされがちだが、基本的には真面目で公平な人物。
ルールや決まりごとを重んじるので、遅刻の常習犯でルーズなまる子にはやや厳しい。
クラスメイトの登校前に自ら進んで掃除を行っており、まる子にはそうした地道さが良いところと褒められている。

オカルトは信じる主義で、不幸の手紙が来た際はストレスのあまりゲッソリと痩せた上、送り主が藤木と分かるや学級会議で徹底的に糾弾した。
UMAやノストラダムスの大予言も信用している。

学級委員の座にこだわるあまり他クラスメイトの善意の行動を「選挙を見据えた点数稼ぎ」と捉える卑屈なところがあり、
男女問わず人気・人望のある花輪クンやえびす君のような「A級男子」を学級委員の座を巡るライバル候補としてマークしている*1
花輪クンの人気が高いと知るや口調を真似てみたり、ひょうきんなはまじがクラスの中心になっているのを見るやお笑いの練習を試みるなど、学級委員の座に関係する事柄であればすぐ他人に影響される。
また、他人を手助けする代わりに学級委員選挙の一票を要求する打算的な面があり、見返り抜きに手を差し伸べる花輪クンと比べて人望に欠ける事に気付いていない。
学級委員絡みの事を抜きにしても『ちびまる子ちゃん』のキャラらしく結構口が悪く、慇懃無礼な態度で他のクラスメートを不機嫌にさせてしまう事も多い。
また、まる子の誕生パーティーに出席した際にはヒロシに対して「あなたは時期PTA役員の座を狙っていますね?」と質問をぶつけ、ヒロシを唖然とさせてしまった。

決して性格が悪いわけではないのだが、そんな言動から友達はいないようで、まる子にとってのたまちゃん、はまじにとってのブー太郎、永沢にとっての藤木、大野君にとっての杉山君のような普段から連んでいる友達はいない。
本人はあまり気にしていないが、初期のまる子には直球で「友達がいない」と言及されており、そのことを聞いたまる子の母親からも心配されたことがある。

【主な活躍】

  • 『丸尾君 学級委員選挙いよいよ出馬の巻』
初のメイン回。
いつも通り学級委員選挙に立候補するも、班と女子の固定ファンを足した約3割の票を持つえびす君が推薦され大ピンチに。
学区内に選挙ポスターによる貼り紙活動、登校時間には校門前で街頭演説するという本物の選挙並みに気合の入った選挙活動を展開した。
ライバルとなったえびす君(とまる子)は丸尾君の熱心な姿にドン引きして辞退し、無事丸尾君(とみぎわさん)は学級委員の座を死守して、嬉しさのあまりお母さんへ公衆電話で連絡するのだった。

  • 『まるちゃんたち犬をひろうの巻』
まる子が見つけた野良犬をクラスで飼うかどうかを協議する事になった。
その際に、自らの株を上げようと画策してクラスメイトからカンパを募り、丸尾君は大量のドッグフードを購入する。
しかし、その間に件の野良犬はまる子たちとは別の女性に拾われ、ドッグフード代をみんなに返すために自分の貯金を切り崩さなければならなくなる*2というギャグ漫画としてのオチに見事に貢献した。

  • 『まぼろしのツチノコ株式会社の巻』
たまちゃんが目撃したというツチノコと懸賞金100万に興味を示し、捕まえた暁にはまる子、たまちゃんと各人の頭文字を取った「スタモツチノコ株式会社」を起業して一儲けしようと画策。
「自分が社長」と主張してツチノコ探しでは先導を取り、まる子とたまちゃんに命令して反感を買っていた。

  • 『永沢君の家 火事になるの巻』
クラスメイトの永沢君の家が火事で焼失したことを知った丸尾君は「ます」を開くことに。
まる子を含む大半のクラスメイトは「そっとしておいてあげるべき」と考えていたが、どうも雰囲気が読み込めない丸尾君は会を強行
ずっと沈黙したまま皆の白々しい励ましを聞き続けていた永沢君が漸く発した言葉は「みんなはいいよな、火事にならなかったんだから」だった。
落ち込んでいる永沢君を励まして立ち直らせるどころか、限りなく嫌がらせに近しい形の公開処刑になってしまい、結果として永沢君の性格が歪んだ*3



【関係人物】

  • 丸尾君の母さま
『ちびまる子ちゃん』でも珍しい和服のお母さん。語尾は「ザマス」。
丸尾君と同じ形の眼鏡を掛けた如何にもな教育ママ風の女性。
まる子の破天荒な行動を子供らしくて元気と受け流す懐の広いところがある。
また、教育熱心な一方で子供を信用してあれこれ指図せずに自主性を重んじているため丸尾君とは「母さま」「スエオさん」と呼び合う仲良し親子。
特に学級委員選挙に当選した際には嬉しさのあまり、いの一番に学校の公衆電話で連絡しているほど。
年齢は49歳と登場するクラスメイトの母親達の中では最年長*4
そのせいか丸尾君はクラスメイトの母親より年上なことを気にしているらしく、20歳も離れている花輪クンのお母さんと会った際には帰宅後に「若返ってほしい」と珍しく無理難題を突きつけ困惑させた。
『ホットパンツに憧れるの巻』では心機一転普段とは違う洋服に挑戦するも……。

まる子と直接関わる事は少ないが、まる子の母親のすみれとは仲が良いようで、「買い物中のすみれと遭遇し、丸尾君が高得点を取った事を報告した事でテストの返却があった事が判明しまる子がテストの確認を求められる」「丸尾君が友達がいないことを心配してまる子の誕生パーティーに出席させる」という形で、まる子にとっては要らん事しい的な役回りになる事が度々ある。



【派生作品】

史上最悪クラスのクソゲーでお馴染み、ちびまる子ちゃん おこづかい大作戦ではミニゲームで勝つと引けるカードの一つとして登場。
その効果は、引き当てると貯金箱に触ると「お金が減っている!」と表示され、貯金が半減するというとんでもないもの。
丸尾君の性格的にさくら家に侵入して貯金を物色するとも考えにくく、またそれに丸尾君が割り当てられたのも謎。
対策法は無い。精々、「貯金箱に触れる前にデパートで所持金を使い果たしておく」程度。



【余談】

演じる飛田展男は当初花輪クンこと花輪和彦を担当する予定だったが、原作者のさくらももこの意向で菊池正美と逆になり丸尾君を担当する事になった。
キザなお金持ちの花輪クンと違い、「ズバリ」が口癖で学級委員に異常なほどこだわる丸尾君はキャラが掴みづらく当初は苦労した事を語っている。

漫画『12歳。』には眼鏡、おかっぱ、緑の服と丸尾君そっくりな「委員長」というキャラクターが登場する。



さくらさん、追記、修正を忘れましたね?

ズバリ、そうでしょう

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最終更新:2023年11月30日 17:48

*1 もちろん丸尾君以外に誰もその気はない。

*2 買ったドッグフードはすぐに開封してしまい、返品が利かなかった。

*3 中学生になった永沢君を主人公にしたスピンオフ作品では、ちびまる子ちゃん時代よりも悪化しており、連載終盤ではとうとう藤木や小杉にも愛想を尽かされていた。

*4 中年扱いのすみれでも作中では40歳と設定されている。