花輪和彦

登録日:2023/06/04 (Sun) 00:22:28
更新日:2025/01/16 Thu 16:12:55
所要時間:約 9 分で読みたまえよベイビー






ヘイ、レディーたち。ボクのことを呼んだかい?



花輪和彦(はなわかずひこ)」とは、漫画及びアニメ・ドラマ『ちびまる子ちゃん』の登場人物。
CV:菊池正美/演:馬宮輝、石堂天山、竜星涼、波岡一喜、佐奈宏紀、ウエンツ瑛士



【概要】

主人公のまる子(さくらももこ)と同じ3年4組に通う小学生。たまちゃんに続く、初期から登場する名ありクラスメイト。
容姿端麗、文武両道、紳士的と、「ある一点」を除けば完璧な男の子。専ら「花輪クン」と表記されたり呼ばれたりする(「くん」でも「君」でもない、ここ重要)。
更に『ドラえもん』の骨川スネ夫、『名探偵コナン』の鈴木園子、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の中川圭一秋本麗子白鳥麗次といった、日本を代表する二次元お金持ちキャラクターの一人であろう。

誕生日は8月7日(ハナワ)*1、血液型はB型。
制服の無い公立小学校ながら、普段はジャケットとネクタイでキメ、夏場は錨のマークが描かれたセーラー服
自宅は数十人の使用人を抱える広大な敷地の豪邸、登下校は執事のヒデじいが運転する高級車で送迎され、のビッキーを飼い、大きな休みごとに国内の高級リゾート地や海外へ旅行に行っている大金持ち。

名前の元ネタは丸尾、藤木と同じく『ガロ』系漫画家の花輪和一。
登場当初は嫌味な性格だったが、原作者のさくらももこが知り合った気のいいお金持ちの影響を受けて優しいお坊ちゃんにキャラ変。
キャラクターとしてのさくらももこはお金持ちという面で仮の結婚相手として名前を挙げている。


【人物】

一人称は「ボク」、クラスメイトは男女問わず名字に「君」付けで呼ぶ。
ヒデじいには「ぼっちゃま」、母親には「カズちゃん」、クラスメイトには「花輪」「花輪クン」と呼ばれている。
「ヘイ」「レディーたち」「ベイビー」、たまに「コマンタレブー太郎君」など、各国の言語が混じった話し方をする。

初登場は『生き物係のキザ野郎参上の巻』。
この頃はお金持ちを鼻に掛ける嫌味なキザ野郎で、一人称は「オイラ」誰だお前!?
人間性も「でしゃばり、小心者、まぬけ、分からず屋とどうしようもない性格の持ち主」と解説される、現行のアニメから入った人が見たらあまりの違いに卒倒しかねないほどの男だった。
生き物収集に精を出すアグレッシブな一面を見せるも、同じ生き物係のまる子が捕まえたカエルやザリガニを帽子とスカーフに入れるハメになり、挙句クラスではカナリアに話題を攫われる憂き目に遭う。
『まるちゃんの町の大洪水の巻』では水浸後の教室で誰かのウ◯コを踏む屈辱を味わい、『恐怖のにわとり小屋そうじの巻』*2では、まる子を囮にするも金属好きの鶏に股間を襲撃されるという明らかな三枚目の役割だった。

『まるちゃん自転車の練習をするの巻』では、苦戦するまる子に善意から補助輪付き自転車を貸し、激励して練習に付き合う優しさで見直され、同話から徐々にお馴染みのナルシストながらも善良で紳士なキャラクター像に変化していった。
『花輪邸ついに公開の巻』以降はクラスメイトを花輪邸に呼ぶ定番のイベントも解禁。

最大の弱点は字が下手というもの。
これを補うべく、冬休みの宿題である書き初めは花輪邸の使用人総出で手伝い、その中から綺麗な小学3年生に見える字を選別するズル作業が行われる。
習字の授業で「好きな字を書きなさい」という課題が出た時にはそんなごまかしが出来ず窮地に陥ったが、結局「努力」という字を選択。
講師の書道家から思った以上の高評価を受け、どうにか面目は保った。

ちびまる子ちゃん』のスピンオフ漫画『永沢君』にも中学生になった永沢のクラスメイトとして登場。
相変わらず女子にモテモテで、旧友の永沢たちにも親切。


【性格】

カッコつけだが紳士的なお坊ちゃん。
山田や藤木といったB級男子にも優しく手を差し伸べる姿からクラス内の人望も厚く、バレンタインの時期はチョコを沢山抱えている人気者。こうした性格には、学級委員を狙う丸尾君も一時期嫉妬したほど。
いじめや喧嘩が起きると止めるものの、双方どちらにも肩入れしない自称平和主義者。金持ち喧嘩せずってやつである。

まる子やはまじ、永沢ら平民にとっては「全てを持っている人間」と映っている……が、実際には海外の仕事でフランスとニューヨークを行き来する両親は家に不在がちで非常に寂しい思いをしており(母親がニューヨークに戻ってしまう日には、一緒に見送りに来てくれたクラスメイト達に涙を見せないよう強がっている)、執事のヒデじいと愉快なクラスメイトを心の拠り所にしている
故に花輪クンにとっては癖の強いクラスメイトたちも寂しさを埋めてくれる大事な存在で、誰にでも優しいのは彼なりの感謝の印なのかもしれない。

ちなみに『七夕の願い事の巻』では屋敷の短冊に使用人の願い事が数多く吊るされていたが……
  • 給料が上がりますように!!
  • 残業手当がほしい!
  • 今年の夏休みは一週間もらえますように!!
  • 完全週休2日!!!
と切実に改善を要求する内容で、まる子に待遇の悪さを指摘されていた。
そして中には紛れ込むように「字がうまくなりますように」という拙い字による願いも……。誰が書いたんですかねえ
性格が固まっていない頃のエピソードだが煌びやかな家の割にシビアなのかもしれない。



【特技・嗜好】

バイオリン、歌唱、テニス、空手、その他数多くの習い事により通知表オール5の文武両道の優等生。
中でもバイオリンはたまに会える両親に披露すべく日々腕を磨くいじらしさ。
『花輪君 子供歌合戦に出場するの巻』では小学生と思えない優れた歌声を披露し、同じく子供歌合戦に出場する中学生の石井姫子に幻想を抱くも夢破れた。曲の歌詞は「赤いポルシェに乗らないかい」「俺の家は金持ちさ」等と金持ちである事を主張する謎の歌(多分オリジナルソング)。
空手の腕前は小3ながら黒帯の有段者で、クラスメイトに暴漢対策の護身術を教えた事もある。
更にストレスを嫌ってインド哲学も学んでおり、お香を焚きながら禅を組み瞑想する事でリラックスしている。お前のような小学生がいるか。

好きなものは寿司、イタリア料理給食酢豚
まる子 おすし屋さんに行くの巻』に登場する友蔵が地獄を見た石松寿司の常連で特注セットを毎回頼んでいる。
一方酢豚は花輪邸のレパートリーに入ってないらしく、『お楽しみ給食回の巻』では候補に挙げた。
また、巨人ファンでもある。

常に連んでいるような子はいないが、まる子、たまちゃん、出演率の高いはまじ、ブー太郎、永沢、藤木、丸尾君など、どのクラスメイトにも親切に接している。
同じテニス好きの城ヶ崎さんとは比較的話が合い、優雅な暮らしぶりから憧れの視線を向けられている。ちなみに花輪くんの家ほどではないが彼女も裕福な家庭で育ったお嬢様である。
みぎわさんからの一方的なラブコールは流石に苦手。
男子の中では動植物や星などの自然を好む感性が近いためか優等生の長山くんと特に親しい。
一方でキザな花輪クンを疎んでいた大野君と杉山君に対しては自分も野蛮な二人のことは好きじゃないと珍しくネガティブな感想を口にした
…が「(互いに好きじゃないということは)わりと気が合うんじゃないかな?」と投げキッスをして彼らをドン引きさせた。
英語やフランス語にも堪能で、マークやいとこのルリ子といった外国暮らしの友達が多く、映画『イタリアから来た少年』では、通っている英会話教室に頼まれ、アンドレア、シン、ネプ、ジュリア、シンニーを引き受け、ホームステイ先をさくら家などに手配した。
『花輪くんとミッチーとビー玉の巻』では、ゲスト声優の及川光博をモデルにした、庶民ながら高貴な心を持つミッチーと親友になったが、彼はエピローグで遠くへ引っ越してしまうのだった。


【関係人物】


ヒデは幸せ者でございます…

  • ヒデじい
花輪家のじいや。一人称は「私」、まれに本心を出す際は「ヒデ」。
本名は西城秀治といい、ヒデキこと西城秀樹と一文字違い*3

弁護士兼大地主の花輪クンの祖父の代から支えている執事
自分より目下・年下にも敬語で喋る物腰の柔らかい老紳士で、作中で出会うほぼ全員から好感を持たれ「まる子の心のオアシス」とも形容される、『ちびまる子ちゃん』における屈指の善人。特に、両親が不在がちな花輪クンにとって使用人以上の存在
送迎のロールスロイス運転から何からなんでもござれのハイスペックおじいちゃん。

23歳から花輪家一筋勤続45年を誇るが、その背景には、同じく花輪家の使用人だった妻のトシ子を亡くして孤独な余生を過ごしていたところ、幼少の花輪クンに生きる希望を見出したからという深い事情がある。
また若い頃には小山貯蔵というトシ子を好きな同僚に嫉妬され、高価な壺を割った罪を擦りつけられるも洗濯係のおヨネさんに助けられた「ツボ割り貯蔵」なる逸話が使用人の間で語り継がれている。
結婚後に娘の春子が産まれるも太平洋戦争に巻き込まれ、従軍先で愛する家族を思いながら事切れた敵兵に戦争の悲惨さを感じ、無事に終戦を迎えて家族に囲まれ再び花輪家に勤めた。
真摯な姿からまる子を始め数多くの3年4組生徒にも慕われ、体調を崩すとみんながお見舞いに訪れるほどで、ヒデじいは真心に涙した。
普段は適当なはまじが毎回気に掛けてくれる事を感謝し、物事を斜に構えて悪く考える声が同じ茶風林永沢も純粋に慕っている。
スピンオフ漫画『永沢君』では中学生の永沢がバレンタインデーにチョコを貰った「H・J」の正体だと思い照れたほど。なお、真相はヒデじいではなく姫子城ヶ崎(H・J)
友蔵には「ヒデじいさん(orヒデさん)」と立派な人間として引き気味に尊敬を受けている。

  • 花輪クンのお母さん
女優さんとも形容される29歳の花輪クンの母。本名不明。得意料理はチーズケーキ。
花輪クンの母親だけに美人、優しい、料理が上手いと非の打ち所がない。
仕事で夫と共にフランスとアメリカを行き来し、静岡の花輪邸には不在がち。
花輪クンを「カズちゃん」と呼び、長く留守にして寂しい思いをさせてしまうも、まる子たち賑やかなクラスメイトが側にいる事には喜んでいる。
なかなか一緒に過ごせない分、短い滞在時の間だけでも目一杯甘えさせていることにしている。

  • 花輪クンのお父さん
ダンディな風貌の花輪クンの父。花輪クンのお母さんに比べると出番は少なめ。
大きな休みでは花輪クンをレジャーや旅行に連れ出し、親子水入らずの時間を楽しんでいる。

  • マーク
『花輪邸ついに公開の巻』『花輪クンちに来た友人帰るの巻』の前後編に登場する花輪クンの友達。
まる子の使い古した黒ひげ危機一発を贈られたが、片言の日本語と気のいい性格で日本の遊びを通し友人になり、花輪クンのお母さんと共にアメリカへ帰国した。
『イタリアから来た少年』で再び日本を訪れ、花輪家にホームステイする。

  • ルリ子
「花輪クンに恋人が!の巻」に登場する美人な女の子。
まる子たちに彼女と勘違いされ一騒動起きたが、その正体は花輪クンのいとこ。普段はアメリカに住んでいる。

同じ生き物係のクラスメイト。
ドジでマヌケなまる子をいろいろと気に掛け、学校に遅れそうなところを車で拾い一緒に登校する事もある。
密かに好意を持っているような描写も散見されるが、当のまる子も花輪クンと結婚するなら「悪くない」と述べたこともある。ただし財産目当てだが。
「花輪クン目当てなわけないじゃん」
海外土産のオルゴールをプレゼントしたこともあるが……。
「曲名は『ろくでなし』。君にピッタリだろ」

『花輪クン子供歌合戦に出場するの巻』によると、まる子は花輪クンの名前を書く際に、いつも「輪」の字を間違えるらしい(しかも2種類の間違え方をしていた)。

持ち前の感受性で花輪クンがマークやお母さんと別れる際に寂しがる本心を機敏に察したが、すぐに気持ちを切り替えていつものキザな笑顔を見せる姿に安堵した。
もしもの設定で立場を逆転させたクリスマススペシャルが存在している

  • みぎわ花子
おかめみたいな顔のクラスメイト。
花輪クンに恋心を持っているが押しが尋常ではなく、紳士的な彼すらドン引きして流石に苦手意識を持っている。
それでもみぎわさんを心底嫌っているわけではなく、賑やかなメンバーに入ってる辺り、彼の人柄が感じられる。
『花輪クンちに来た友人帰るの巻』ではマークにも恋心を持って二人に取り合いされる妄想に浸っていた。
安心したまえ、絶対大丈夫である。



「ヒデじい、僕の項目を追記、修正しておいてくれ」

「かしこまりました、ぼっちゃま」

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最終更新:2025年01月16日 16:12

*1 ナレーターに「それでは8月70日生まれではないのか」と突っ込まれたことがある。

*2 原作は『まる子』とは別の短編『特典付き飼育当番』。

*3 余談だが恐らくメタ的にはヒデじいの方が西城秀樹由来のネーミングなのだが、実は「西城秀樹」という名前は1972年のデビュー時に公募で決めた芸名なので、作中世界では偶然の一致だったりする。