登録日:2023/08/22 Tue 12:26:00
更新日:2025/05/04 Sun 09:30:54
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いけ!スピア・ドラゴン!!
【概要】
《スピア・ドラゴン》
効果モンスター
星4/
風属性/
ドラゴン族/攻1900/守0
(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
(2):このカードは攻撃した場合、ダメージステップ終了時に守備表示になる。
発売当時に大きく話題を呼び、第2期後半という当時の環境やその後のOCGのカードの能力の基準にも大きく影響を与えたターニングポイントの一角と呼べる名カード。
当時のデュエリスト諸君の脳裏にも深く刻まれているであろうほど、このカードの存在感は大きかった。
効果は貫通能力と、攻撃後に守備表示に変わる効果の2つ。
このうち2つ目の表示形式の強制変更効果はせっかくの高い攻撃力を活かせず守備力0をさらけ出してしまうので、状況にもよるがデメリットとなることが多い。
【強み】
このカードの目玉は貫通効果であり、2024年現在でこそ何の珍しいものではないが、登場時はまさに画期的だった。
貫通効果モンスター自体はこれ以前にも《猛進する剣角獣》が存在していたが、攻撃力が1400と当時としても低く採用率は低かった。
しかし《スピア・ドラゴン》の攻撃力は1900と、当時のデメリットなしレベル4最強モンスターだった《ヂェミナイ・エルフ》や《
ブラッド・ヴォルス》と同等。
さらにそいつらを倒すために採用された守備表示に変わる
デメリットアタッカーの《
ゴブリン突撃部隊》の守備力0を狙い撃ちすることができたため、瞬く間に環境トップのモンスターに躍り出た。
しかもこのカードのレアリティはレアと、当時は確実にレアカードが封入されてはいなかったことを差し引いても、封入確率は高い方で、かつ単品価格も子供でも手に入れやすいくらいだった。
こいつの登場により、《人喰い虫》や《ペンギン・ソルジャー》などの除去持ちリバース効果モンスターは低守備力を貫通されてしまう恐怖を味わうことになってしまった。
この当時は《聖なる魔術師》などの強力なリバース効果モンスターが猛威を振るっていたこともあり、先攻は《
地割れ》や《強奪》を恐れるのも加わって、上述の高い攻撃力を持ちながら守備力が900しかない《ヂェミナイ・エルフ》さえもこれらのリバース効果モンスターと誤認させるために裏守備表示で出すことも度々あった。
しかし《スピア・ドラゴン》の登場で、そうした戦略は大きく見直しを余儀なくされた。
特にライフが少ない時には《サイバーポッド》でさえ逆転の切り札にはならない。ライフが減ってきた場合は常に《スピア・ドラゴン》を恐れなくてはならなかった。
だが、それほどの高い採用率がありながらも《スピア・ドラゴン》は制限を経験したことはない。
その点は後述の弱点が大きかったことがあるだろう。
【弱点】
上記の通り、《スピア・ドラゴン》には攻撃すると強制的に守備表示になってしまうデメリット効果がある。
しかも守備力は0。いくら当時が低速環境だったとしても次のターンまで破壊されずに残ることは難しい。
なによりも、このデメリットをもっとも効果的に突いてくるのは他でもない《スピア・ドラゴン》自身だった。
守備表示の《スピア・ドラゴン》を《スピア・ドラゴン》で攻撃されると1900の大ダメージを受けてしまう。
さらに当時は《スピア・ドラゴン》を3詰みしていることも珍しくなかったので、
後攻で《スピア・ドラゴン》で相手の守備表示モンスターを攻撃→相手のターンで守備表示の《スピア・ドラゴン》を相手の《スピア・ドラゴン》で攻撃される→さらに次のターンで相手の《スピア・ドラゴン》を2体目の《スピア・ドラゴン》で攻撃……。
といった光景が日本中で繰り広げられた。
中には4回も5回も《スピア・ドラゴン》のループが繰り返された思い出のある人もいるだろう。
《スピア・ドラゴン》の最大の抑止力は《スピア・ドラゴン》自身とは皮肉なものである。
こうして活躍した《スピア・ドラゴン》だったが、効果モンスターの種類も増え、直接カードを破壊できたり後続のサーチ・展開ができる下級モンスターが出そろってくると、1ターンしか持たない貫通アタッカーは迂遠と評価されて環境から退いていった。
特に守備表示モンスターとの遭遇率が極端に低下したため、属性・レベル・攻撃力が同じ《サファイアドラゴン》の方が場持ちが良く豊富な
通常モンスターサポートを受けられる点で優位になりやすくなった。
そもそも下級モンスター自体アタッカーよりも大型召喚のための素材扱いされやすくなったため、役立つかどうか分からないモンスター効果よりも
バニラサポートで展開しやすい方が有用だったりする。
【後継者達】
それでも高攻撃力の貫通アタッカーが強力であるという認識は残り、その後も《激昂のミノタウロス》などの貫通アタッカーの子孫は生まれ続けている。
《
マシュマロン》や《魂を削る死霊》といった戦闘破壊耐性を持つ低ステータスの壁モンスターが跋扈した時代には、その対策に壁モンスターも兼ねられる《イグザリオン・ユニバース》が選ばれたりしたことがその証明と言える。
始祖でこそないが、貫通アタッカーという分類をデュエリストたちに知らしめ、後の環境にも大きく影響を残した功労者と呼んで間違いはないだろう。
後にドラゴン族の貫通アタッカーには守備力1800のでサポートの多い
闇属性である《ランサー・ドラゴニュート》が後に登場したが、攻撃力は1500と不足気味と貫通ダメージ目当てや攻撃表示で立たせるには微妙。
《ランス・リンドブルム》は守備表示になってしまうデメリットはなく攻撃力も1800と下級にしては高めで、同じ風属性でもある。
もっとも、現環境では次のターンまでモンスターを安定して立たせておけること自体が稀なので、最初から攻撃力の高い《スピア・ドラゴン》で良いのではないかと見る向きもある。
いずれにせよ、お好みで選べる力関係となっている。
現環境で活躍させるのはさすがに厳しいが、それでもドラゴン族の下級貫通アタッカーとしては最強の攻撃力を持っている。
【ドラゴン族】のアクセントとして投入してみるのも悪くないかもしれない。
【アニメの活躍】
アニメではドラゴン族使いの
海馬が
乃亜編以降にしばしば使用。
必殺技は口から竜巻を飛ばして攻撃する『ドラゴン・スクリュー』。「
おい、鼻先の槍を使えよ」とは、全国のちびっこたちが突っ込んだことであろう。
劇場版『光のピラミッド』ではドローした直後に《
命削りの宝札》のデメリット効果で墓地へ送られていた。
その場にいた《
青眼の光龍》の攻撃力UPに寄与したとはいえ、
《スピア・ドラゴン》を場に出して攻撃が通れば海馬は勝利できていたため、
《命削りの宝札》のデメリットがデメリットであったと感じさせる一幕となっている。
追記修正は冥伝の〇〇〇を貫通してお願い。
- 忘れられたランスリンドブルムくん… -- 名無しさん (2023-08-22 14:12:51)
- スピアやリンドブルム、ストロングウインドなどで固めた風属性貫通ドラゴンデッキなんてのを昔作ったこともある思い出。 -- 名無しさん (2023-08-22 18:04:40)
- スピアで殴るよ→キラトマ -- 名無しさん (2023-08-22 19:00:42)
- 逆に守備表示になるのも一体分の壁になると考えるとビートバーン軸ならそこまで悪くもなかったり -- 名無しさん (2023-08-22 19:06:11)
- 今リンドブルムと聞くとアルバス君の方を思い浮かべちゃうな -- 名無しさん (2023-08-22 19:19:19)
- 乃亜編は直近のパックの販売促進の意味もあったなあ -- 名無しさん (2023-08-22 21:14:17)
- ランスリンドンブルムが出た時にはもうシンクロ時代だからなぁ、加えてVジャンの定期購読だから持ってる人自体少ないし -- 名無しさん (2023-08-24 09:22:22)
最終更新:2025年05月04日 09:30