逃走中 グレートミッション

登録日:2023/10/06 Fri 23:34:35
更新日:2025/04/24 Thu 08:31:10
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君は、逃げ切れるか。


「逃走中 グレートミッション」は2023年4月から2025年3月までフジテレビ系列で放送されたアニメ。全97話。
東映アニメーション制作。

概要

同局で放送中のゲーム番組「run for money 逃走中」をアニメ化した作品。
同番組内での設定である「未来の月世界」を舞台に、クロノス社が開催する逃走中に挑戦する逃走者たちを描く。ナレーションは本家でも務めるマーク大喜多氏が担当。
また、キャラクター原案は「地獄先生ぬ~べ~」で知られる岡野剛先生が担当。エンディングでは書きおろしイラストが使われており、登場人物達の日常生活を垣間見ることが出来る。
声優陣も90年代・2000年代の東映アニメを支えてきたベテランたちが揃っているなど何気に豪華な布陣となっている。

ストーリー

舞台は人類が月に移住した未来の月世界にて、クロノス社が開催する一大エンターテイメント「逃走中」が人々を熱狂させていた。
貧民街であるグレーエリア出身の青年・トムラ颯也は病弱な弟・ハルとの夢を叶えるために逃走中への参戦を決意する。
名家のお嬢様である西洞院ルナ、逃走中の絶対王者であるモーリス・シューメーカーなど、個性豊かでクセ者揃いの逃走者と共に、過酷なミッションが待ち構える逃走中が始まる…

逃走人物

メイン逃走者

  • トムラ颯也
「バチバチしてきたぁ!」
CV.森久保祥太郎
本作の主人公。
前述の通り貧民街であるコロニー下層部・グレーエリアに弟のハルと共に二人暮らしをしており、普段はバックパックに入れた荷物を配達する運送業をしている。
特技はパルクールであり、普段はビル群やスペースエレベーターを飛び回りながら迅速かつ最短ルートで運んでいるが、その技術は逃走中の舞台でもいかんなく発揮され、崩壊するビルや怪物たちの背中にすら簡単に飛び乗りミッションをクリアしていく。
一方、かなりの熱血バカでもあり、特に最初のゲームでは人助けに焦りすぎてミッションに必要だったり助けてくれるはずのアイテムを手に入れないで向かおうとするなど無茶なことをしていた。ある程度立ち回りを理解してきた現在でも「逃走中は個人戦」という前提に対し「自分の逃走成功よりも他の人を助ける」という姿勢は変わっておらず、そのためには自分の身を犠牲にすることも。
好物はとうもろこしの天ぷら

  • トムラハル
CV.小林由美子
颯也の弟。病弱であり、特に喘息に似たグレーエリア固有の病気「煙月病」を患っており家から出られない状態。
一方、頭脳明晰でもあり、颯也がゲーム中ミッションに難航した際は往診の医師から借りたクロノブレスと自作ハッキング装置を使いクロノス社のサーバーをハッキングしてヒントを伝えた。
その後、モーリスからの賞金を使い煙月病を完治。一方で病室にやってきたハーヴェストからは先のハッキングを咎められるどころかこっそりと逃走中の舞台に招待され「兄と共に逃走中に参加する」という夢を抱くが、颯也からは危険ということで反対されてしまう。
そこで仮面を被り「ジョン・ドゥー」という偽名で参戦。ゲーム途中でアクシデントで仮面が外れ正体がバレてしまうも、自分のひらめきでミッションをクリアしたことを颯也に「一人前の逃走者」として認められ対等に扱われるようになった。
身体能力では兄には勝てないが、ミッションではひらめきを生かした打開策に強みがある。

  • 西洞院ルナ
「ベリーラッキー!」
CV.井上麻里奈
富豪たちが住まうコロニー最上部・ホワイトエリアに住む令嬢。一見何不自由なく生きているように見えるが、逆に束縛が厳しい家庭において「自分の幸運を試す」ために逃走中に参戦する。
「ラッキー!」が口癖であり、その通りに大小構わずゲームを上手く進める幸運も多いが、その分ピンチになることも多い。初参戦時は不運で逃走成功を逃したが、2回目では逃走成功も果たしており一躍強豪逃走者の仲間入りを果たした。が、当然の事ながら父親を筆頭に執事たちからは参戦を反対されている。
また、逆にトラブル属性持ちの姉・西洞院ナギ(CV.ゆかな)もいる。

  • モーリス・シューメーカー
「いや、ゼロではない!」
CV.置鮎龍太郎
資産家にして逃走中の絶対王者。物語が始まった時点で9回連続逃走成功*1を果たしており、フィジカルの強さ・判断力の正確さ・そして経験と実績から颯也を始め多くのファンを持ち、「モーリスの近くにいれば安心」と考える逃走者も少なくない。
その経験からミッション失敗を自分のせいと責める颯也に対し「それが逃走中だ」と叱るなど「逃走中は個人戦」という前提を崩さない戦い方をする一方、成長を見せた颯也の案に乗っかる切り替えの速さや機転、そして絶望の淵からでも生還するタフネスさを見せており、時にはエリア内の登場人物の攻撃に巻き込まれ本部ですら通信が途切れ「生死不明」とされた中でもハンターから逃げ続け生還して見せた。その分満身創痍で終えることも多く、「絶対王者」の看板を背負いながらも2ゲーム目で負った傷の治療のため3ゲーム目の参戦を見送る判断を見せている。

  • シグマ・レッドウィング
「俺は影すら踏ませない…」
CV.中井和哉
普段はホワイトエリアの富裕層相手に「怪盗アポロン」として金品を盗む怪盗。手に入れた金品はお金にしてグレーエリアに寄付しているという噂もある。スイングショットを武器にし警察をも振り切る身のこなしを見せる。
「逃走中最大のお宝」を手に入れる為に参戦しており、情に篤すぎる颯也をライバル視しているが、なんやかんや共闘して敵を倒すシーンも多い。
この次の番組同じ声の三刀流の剣豪同様、剣術も得意とする。

サブ逃走者

  • ペンタ・バッカーナ
「ミッションに行くんじゃなかった~」
CV.岸尾だいすけ
公式のあだ名ですら「借金大王」と呼ばれるプー太郎。逃走中で一攫千金借金返済をもくろんでいる。
基本的にミッション不参加・自首狙いという現実の逃走中で言う「批判を喰らうパターンの逃走者」タイプ。だがボーナス賞金がかかるミッションなどには積極的だが、逆にわかりやすすぎる性格のため警戒されることもしばしばであり、モーリスからは隠れてるゴミ箱をバズーカで狙撃され怪獣の囮に使われた(もちろんペンタが防御手段を持っていることを見越しての判断だが)。
一方、ゲーム内での恩義の貸し借りはゲーム内で決着をつけるなど彼にも彼なりの仁義はあるようである。お金を返す気はないけれど。

  • シド・フェニックス
「おやめなさい、こんないかつい武器。あなたのようなお美しい方には似合いませんよ。」
CV.石田彰
自らを「スター」と呼ぶ超ナルシストアイドル。女性ファンも多く、自身も他の女性逃走者に対し独自のあだ名(ルナに対し「ルナティン」など)を付けるが、当の相手からはかなり嫌われている。ミッションは積極的だが自分が活躍できないとみると投げ出すことも。それでも時には囮になるレディファーストな面も見せ、本編前には逃走成功経験もある強豪逃走者。
どこかのプロデュエリストとは声も同じで名前も1文字違い。

  • 信楽たぬき男
「…(サムズアップ)」
CV.???
あの信楽焼きのたぬきみたいな逃走者(?)。これまで一言もしゃべった事が無い。
イロモノ枠かと思いきや意外な活躍を見せることも多く、特にルナを何度も助けている。

クロノス社

  • 月村サトシ
「ミッション…発動…」
CV.浪川大輔
クロノス社が誇る科学者にして逃走中ゲームマスター。1人で運営する本家逃走中と違い数人の部下を擁している。
本家の月村とは性格が異なり、たとえエリア内の登場人物が想定内の行動を取ろうが、逃走者が生死不明になろうがゲームは続行する。
演じる浪川は大の逃走中ファンでもあり、本家逃走中にも度々参戦。その度に「クロノス社に入りたい」と願ってきていたが、こういった形で本当に「クロノス社の人間」として逃走中に携わることになった。

  • ハーヴェスト
「それでも…本気で逃走中に挑む覚悟はある…?」
CV.嶋村侑
謎の美女。逃走中への素質を持つ逃走者をスカウトしているらしく、セキュリティを強行突破した颯也の実力を認めクロノブレスを授けたり、サーバーハッキングを行ったのがハルと突き止めた上でゲーム内に招待しクロノス社にスカウトしている。

ハンター

お馴染み逃走者を追う黒い影。逃走中では新型コロナ期間に付けていたグローブを常時つけており、放出時に手首を触るのが恒例のモーション。
その身体能力は本家以上であり、逃走者を追うためであれば「壁にパンチで穴を開けながらビルを登る」「強引に隙間をこじ開けて逃走者を捕まえる」「ビルの屋上から大ジャンプ」など様々。

用語

  • コロニー
舞台となる月面に建てられたコロニー。上層から順に富裕層が住むホワイトエリア、中流層が住むブルーエリア、貧困層が住むグレーエリアの3エリアあり、下層部ほど空気もよどんでいる。

  • クロノブレス
逃走中のエントリーに必要な緑色のスマートウォッチ。ゲーム中はゲーム時間・マップ・賞金の確認、逃走者との通信、アイテムの収納などを一手に行える。
ブルーエリア以上の住民には普及しており、普段でも荷物受け渡しや送金などに使えるものの、グレーエリアの住民は手に入れられない。
しかし過去にクロノス社の警備を突破しエントリー場所に到達したグレーエリア出身者が実力を認められクロノブレスを与えられて逃走者となった逸話があり、それを聞いた颯也もエントリー場所まで走り抜けたことでクロノブレスを与えられた。
この番組唯一の商品展開玩具でもあるが、その実態は前番組のデジモンゴーストゲームに登場したデジヴァイスVV色替え製品である。
そのため、本番組のキャラクター以外にもデジモン各種BEメモリにも対応している。

  • 逃走中
クロノス社が開催する一大エンターテイメントゲーム。ハンターからゲーム時間いっぱいまで逃げ切れば賞金が手に入る。もちろん自首制度も存在。
逃走者はエントリー制となっており、本家逃走中では見られないような様々な業界の逃走者も多い。
また、逃げるエリアは仮想空間内となっており、そこで起こる出来事もゲームに大きく影響する。
尚、エントリーした時点でゲーム内における負傷及び死亡事故などはクロノス社は一切責任を負わない。
その通りにゲーム中には時に敵からの攻撃、あるいは高所からの落下と言う形で本当に命を落としかねない事態も度々ある。が、今のところハンターによって確保(確保された瞬間球状の檻に閉じ込められ牢獄へ転送される)され命を落とした者はいない。ある意味ハンターが「最後のセーフガード」として機能しているということでもある。

  • 逃走中グレートチャンピオンツアー
2ゲーム目から月村から発表されたルール。1年間のゲームを通し「逃走時間」「逃走成功」「獲得賞金」「ミッション貢献度」「ハンター振り切り数」などをポイント化。獲得ポイント上位が最終決戦に駒を進め、ここで優勝した逃走者が「グレートチャンピオン」の称号と賞金1億ムーンドルを手に入れる。ゲーム終了後ポイントランキングは確認できる。
実際の中国でライセンス放送された「全員加速中」に近いルールの一方、「逃走時間・逃走成功・自首(一部回ではミッション結果も左右する)」のみが基準となる本家に対し、ミッション貢献度や振り切り回数も加味されるため「同じ逃走成功でもミッション貢献度で差がつく」「『ミッションに奮闘したが逃走時間が短い逃走者』の方が『長く逃げたけれどミッション貢献なしの逃走者』よりも順位が高い」といった事も起こっている。

  • エニグマ

難攻不落の逃走中。ゲームマスタの間では世界最高の宝が手に入るとされているが、クリアしたものはまだいないという。怪盗アポロンや狼月マコトも狙ってる。

主題歌

オープニングテーマ

  • Runaway World 歌:fhána
1年目(2023年度)は1番、2年目(2024年度)は2番を使用。

エンディングテーマ

  • Fly Away 歌:AB6IX(第1話 - 第12話)
  • TOP SPEED 歌:Wienners(第13話 - 第24話)
  • 克己心 歌:Mr.ふぉるて(第25話 - 第37話)
  • Baddest Behavior 歌:TEMPEST(第38話 - 第49話)
  • ビリミ 歌:ICEx (第50話 - 第62話)
  • 大変でエスケープ(^o^)/ 歌:AXXX1S(第63話 -)

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最終更新:2025年04月24日 08:31

*1 本家逃走中では2回逃走成功を果たした人はいるが、連続逃走成功はまだ生まれていない。