TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す~ヘンダーソン氏の福音を~

登録日:2023/11/07 Tue 22:29:20
更新日:2024/11/27 Wed 15:50:28
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ヘンダーソンスケール行方不明のハイファンタジー冒険譚、ここに開幕



TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す~ヘンダーソン氏の福音を~』とは、「小説家になろう」において執筆された小説である。
作者はSchuld氏。
2020年4月にオーバーラップ文庫より書籍版が発売された。書籍版のイラスト・漫画版キャラデザはランサネ氏。既刊12巻(10章)(2024年10月時点)*1
2022年8月より電撃コミックスNEXTより漫画化、漫画版の原画は内田テモ氏。既刊1巻(2023年4月時点)。

絵師のランサネ氏はpixivにおいて多種多様なモンスター娘…もといアラクネ娘を描いている他、DMMより運営中のゲーム「モンスター娘TD」において「【アラクネ娘】カヅネ」や、「【アラクネ娘】フランシ」の立ち絵を担当していることで有名である。


あらすじ

「データマンチ」――それは、データ上可能であれば神殺しにさえ興じる変人。
そんな「データマンチ」だった前世を持つ少年・エーリヒは、異世界への転生時に授かったキャラビルドの権能を活用して理想の強キャラにならんと画策する。
妙に蠱惑的な幼馴染との遊戯やブラコンな妹のお世話をする中、頭を捻ってデータを隅まで舐め回し、熟練度をやりくりしながら極悪コンボを模索していくエーリヒ。
しかし彼が思うよりも早く物語(セッション)が動き出し、エーリヒは大切な者を守るため戦いに身を投じる(サイコロをふる)ことになり……!?
ヘンダーソンスケール行方不明のデータマンチ冒険譚、ここに開幕!

(以上、オーバーラップ公式サイトより引用)


作品概要

言ってしまえば、現代日本人(商社管理職、独身アラサー、TRPGヲタク)が、剣と魔法の存在する異世界に転生するという、「小説家になろう」でよくある「異世界転生もの作品」である。
しかし、主人公及び作者がTRPGガチ勢である関係から作品における注釈の量が凄まじいことになっている。
また、主人公が「この世界はTRPGゲームの世界だ」と認識し、理不尽とも取れる文明や制度について1人で考察して納得する一方で、オタクらしく「世界や文明がどのように回っているのか」をとことん調べまわるため、世界観の描写もまた凄まじいことになっている。
そして、主人公は前世で商社の管理職として得た人間関係構築能力から、前世の知識を以てしてなお身内を見下したりせず適応し、多くの人達と身分問わず良好な人間関係を築くことに成功する。
一方で、主人公が「お金」や「将来」のことについて長々と思案したり、転生前より憧れていた冒険者という職業が異世界ではどんな扱いかを否定的な側面より描いたり、単行本1巻のボスが「主人公と同じく異世界転生して『なんとなく魔法が使える』チートを貰うも、その上への努力と身内への礼節を忘れて転落人生を送った、人攫い組織のボス」であったりと、「なろうアンチ」的な側面も見え隠れするので、その手の話が苦手な人は気を付けて欲しい。
ちなみに、この作品は書籍の表紙を人外系ヒロインが飾っており、モンスター娘フェチ向け作品という側面もある。

また、ウェブ版では一区切りごと、単行本版では各巻末ごとに「ヘンダーソンスケール1.0」または「ヘンダーソンスケール2.0」と呼ばれる、「本編以外の道筋を辿った世界」を描いたアナザー(バッド)エンド短編が掲載されている。
区分すると「1.0」は「あり得たかも知れないもう一つの可能性」、「2.0」は「本編的にはあり得ないが書いてみたかったifカップリング」にあたる。


登場人物


  • エーリヒ
舞台となる「ライン三重帝国」中南部に位置するケーニヒスシュトゥール荘の自作農の四男。*2種族は「ヒト種(メンシェ)」。
5歳の時に明確な自我が芽生えると共に現代日本での記憶が蘇る*3
転生前の名前は「更待朔」(ふけまち・さく)。転生後は珍しい金色の髪から地の文でしばしば「金髪」と呼ばれ、後に「金の髪のエーリヒ」なんて二つ名も出来た。
商社の管理職として働き、それなりに幸せな人生を送っていたが、すい臓がんによって命を落とした。
前述の通り重度のTRPGガチ勢であり、異世界がゲームの世界だという認識を持っている他、行動を起こすときも「ダイスを振る」などとゲームに例えての言葉を漏らす。
そして得た力と前世でのTRPG経験から「冒険者になる」という夢を抱くようになるも、その前には様々な試練や鍛錬の日々が待ち構えていた…。
2D6を1000回振った平均値が4だったり、がんで亡くなったりしたことから分かる様に不幸体質であり、異世界でも弱冠12歳ながら幾度も死線を乗り越える羽目になる。
故にTRPGセッションでは固定値を信奉し、奇策にアンブッシュなど和マンチとも取れるえげつない戦法を得意とする
人間としては基本周りの人々を守ろうとする善性を持っているのだが、前述したゲーマー属性や自分の成長が文字通り目に見える特性から、喜々として周りを巻き込み積極的に事件に飛び込む面があるそして作中でもある人物から狂人扱いされた
異世界転生時に「自分の経験を熟練度に変換し、データやスキルツリーを参照して自由に成長を決定できる」という異能を獲得。剣を握る、本を読む、魔術を嗜むなどといった経験を積むことでスキルツリーが解放され、「スキルポイント」を割り振りし様々な能力を取得・成長させられる。
但し専門的技能の効率的取得には先人からの指導が必須であり、幼い頃マルギットからの口伝だけで「宮廷語」を覚えたせいで女性口調で両親に詩を吟じ父から改めて宮廷語を教わる羽目になった失敗から、それ以降武術や魔法等はちゃんとした師や教本を得てから習得するようにしている*4
武術系では村にいた元傭兵の男性から教わった「戦場刀法」を習得し、主に器用度に長けた技巧型剣士として活躍。8巻ラストではついにアンデッドや魔法をも魔法に頼らず極限集中で切り裂く奥義技能「概念破断」を習得した。
装備する剣は帝都へと向かう時元傭兵だった父から貰った名剣「送り狼」。他にロロットから貰った「妖精のナイフ」・3巻ラストで迷い込んだ魔宮でエーリヒの元に押しかけてきた愛が重い黒色の魔剣「渇望の剣」をいざという時の隠し武器として秘めている。
魔法習得後は汎用型念動術式「見えざる手」を多刀流や防御等に応用して主要術式にしつつ、現代で得た知識から事前に触媒制作が必須だが範囲無力術式「閃光と轟音」や超高温で敵を焼く「焼夷テルミット術式」等爆薬系独自術式をも開発。
他に3巻でこっそり半ば廃れかけた超高等魔法「空間遷移」の基礎術式をアグリッピナから貰って以降暇を見て少しずつ鍛えていき、自分の移動までは無理だが7巻時点で緊急時の空間裂け目発生による最終防御・箱を発動媒体にしての物体の取り寄せが出来るまで成長させている。
しかし、作中世界ではいくら特化させようが主人公以上に強い人間がわんさか存在する他、不幸体質ゆえに強敵とエンカウントしやすく、頻繁に窮地に立たされることになる。
6章からはアグリッピナから与えられた課題「魔法の大っぴらな使用自粛」から、彼女から貰った盾を装備し主に高火力魔法の使用を控え、魔法使いな事はマルギットと家族以外には秘密にしている。
また、巡り合わせと(本人は半ば無自覚だが)周囲から隔絶した実力から笑えないレベルで友人が少なく、9上ではその点を先達から指摘され同世代の友人作りに挑もうとしたが、
ものの弾みで同世代の弟子達が出来てしまい、周囲からの意見や自身を取り巻く状況から、(微妙に自分本来の夢とは違うなとは思いつつ)若手冒険者団体「剣友会」を設立。頭目の座につく事になる。

  • エリザ
エーリヒの5歳年下の妹。
病弱で発達も遅れているが、エーリヒからは前世関係なく実の妹として愛情を注がれており、エーリヒは彼女の為にスキルポイントを浪費することも惜しまない。
エーリヒが女性と仲良くすることを良しとしないやきもち焼きであり、兄が妖精狼に堕ちるヘンダーソンスケール1.0では永い時を妖精狩りの戦士として兄を取り戻すため追い続ける等見事にヤンデレ妹として覚醒。本編でもアグリッピナの好奇心からの唆しで順調に兄への愛を重くしていっている。
実は妖精との「取り替え子」(チェンジリング)である半妖精であり、高い魔力の素質を持つ。*5…がその危険性のせいで帝国では人権がなく
放っておけば暴走しかねないその素質に、冒険者として旅立ちの準備をしていたエーリヒは彼女のために「彼女が人権を得られる魔導師になるための学費をちゃんと賄うまで」その道を一端後回しにすることとなる。

  • マルギット
ケーニヒスシュトゥール荘の代官お抱え猟師の家の長女。
ハエトリグモ種の蜘蛛人であり、エーリヒの幼なじみであるとともに、単行本1巻の表紙のロリアラクネ娘。
先祖代々狩人の家系であり、狩人として英才教育を受けた彼女は優れた隠密、弓の技能を持つ。なお糸は吐けない。
私塾の座を長男に譲ったエーリヒに対し、私塾で習ったことをエーリヒに教えたり、一緒にサウナに入ったりする関係である。
蜘蛛だけあって超肉食系であり、1巻のヘンダーソンスケール1.0ではエーリヒ12歳、マルギット14歳の際に逆レイプしてショットガンウェディングを成し遂げ、エーリヒは冒険者としての道を諦めた。
そして他のルートでも余程の事がない限りエーリヒと結ばれており、*6本編でも9上でついに初体験を迎えたが、エーリヒがストレス解消に夜のスペックも熟練させていたため事後は一日ろくに歩けない程消耗していたが、冒険者稼業ゆえか、まだ子作りには至っていない。

  • アグリッピナ・デュ・スタール
三重帝国の隣国であるセーヌ王国の男爵令嬢。
長命種であり、その実力は作中でも頭一つ抜けているチートキャラ……なのだが、その実態はニート。トイレにも行かず、長年ずっと三重帝国の国家公認魔法使い「魔導師(マギア)」を育成する国立魔導統括・教育施設「魔導院」で本を読んで過ごしていた。
そしてキレた所属学派の学長により*7フィールドワークという名目で蹴りだされてしまうも、そこで偶然エーリヒと出くわす。
エリザはチェンジリングで魔力の制御が出来ないと危険だからと引きこもりの口実にして強引に弟子入りさせ、農民には賄いきれない高額な学費の代わりということでエーリヒを丁稚もとい都合の良い召使い兼奴隷として受け入れた。
貴族だけあってエーリヒが心配していた金銭の問題を軒並み解決してくれ、召使技術の向上も兼ねて魔法の師匠にもなってくれたのだが、一方でエーリヒに無理難題を課すことになる。
また師匠や学閥の傾向もありかなり実戦的で、6章でエーリヒが奉公を終え旅立つ際、各種餞別と共に「魔法の濫用禁止」(やたらに使うと手札がバレてすぐ対処されるからから密に使うべき)という課題を与えた。
+ かくしてのんびり趣味生活を送れるかと思っていたら…
4章でライゼニッツ卿を介して吸血種の魔導師にして帝国の元皇帝エールストライヒ公マルティンと知り合ってしまった事で彼に数か月間拘束される程に気に入られてしまい、
マルティンが前皇帝の意向で再戴冠を余儀なくされた際すっかり隠居気分だったので娘ツェツィーリアに帝位を押しつけようとして失敗した後、彼から「ウビオルム」の家名の帝国伯爵位と魔導院教授の座を与えられてしまう
本人も自身の人生ポリシーからあまりにもかけ離れた勤労ライフの押しつけにブチ切れるも、キレた後はそれを逆手にとって自分がやりたい放題するための布石を打っていく事になる。
また伯爵位に付いた最初の頃に家来としての最後期の勤めとしてこき使ったエーリヒに対し、旅立つ際餞別や教え、馬車用に使っていた双子の馬と共に自身の家の者である事を示す家紋入り指輪をも贈呈。
結果エーリヒはアグリッピナというコネにして重圧…そして4章で勝手に事件に飛び込んだ事に対し彼女が下した「(いつか返してもらう事になる)貸し一つ」をも冒険者になって以降も背負っていく事になる。

  • ウルスラ
褐色肌に白髪の全裸な妖精娘。
妖精族が金髪碧眼の人間をいたく気に入る性質より、エーリヒに付きまとうことになる。
ロロットを助けた報酬として、見えないものが見えるようになる「目」か、彼女の名前を呼んで彼女の協力を仰げる「唇」を提示されるが、ここで目を選んでしまうと彼女にとことん気に入れてしまい、人の道から外れて妖精狼になってしまうバッドエンドになる。*8
エーリヒが成長し初体験を済ませ他の妖精達が距離を置くようになってもロロット共々彼に寄り添っており、(後の借りが怖いのでたまーにだが)彼の助けを求める声に応え窮地を助けている。

  • ロロット
天真爛漫で暢気者な風の妖精にしてウルスラの親友。
捕らえられていたところをエーリヒに救出され、お礼として装甲点無効のぶっこわれ装備「妖精のナイフ」を贈る。
彼女を助け出したことでエーリヒは本格的に妖精たちから気に入られ付きまとわれるようになり、古傷が残らなくなる、熟練度を注ぎ込んでも然程背が伸びなくなるなど、妖精好みの身体に人体改造を為されてしまうのであった。

  • マグダレーネ・フォン・ライゼニッツ
アグリッピナの魔導院での師匠で、魔導院の学閥「払暁派」を率いる死霊の女性教授。通称は「ライゼニッツ卿」。
生前その優秀さが仇となり19歳で命を落としながらも幽霊として再起?し1代で払暁派の力を高め、生来の勤勉さから、有能なのに怠惰なアグリッピナをあの手この手で動かそうとしている。
…但し、可愛い少年少女を見ると愛でて着せ替え人形にしたがる生命礼讃主義者という困った性癖の持ち主でもあり、近年その地位ゆえに幼い弟子がいなくなっていた事からエーリヒとエリザを見て新たなターゲットにした(その分魔法知識等の報酬も与えているが)。

  • ミカ
定期的に性別が変化するヒト種の近縁種「中性人(ティーウィスコー)」の少年(少女?)。庶民ながら故郷の代官に推薦され魔導院入りした秀才でもある。
専門は土地や建物を主に扱う「造成魔導師」であり、地面や無機物を操作する事に長けている。
エーリヒとは歳も近く、また魔導院では数少ない庶民出身同士ということ、そしてオタクゆえに彼女の体質を気味悪がらず受け入れたこともあって、唯一無二の親友となる。
その後エーリヒの「ちょっとしたお使い」に付き合い、お互いの命を預けあったことで、親友以上に意識が向くようになり…
なおその容姿からエーリヒは(ミカの学派は払暁派の対立学閥「黎明派」だが)ライゼニッツ卿に見つかる事を恐れていたが、結局お忍びで街を歩いていた彼女に発見され盛大に揃って愛でられてしまい、ド派手な衣装もプレゼントされた。
10章では一人前になるための経験を積む巡検のラストとしてマルスハイムの魔導院出張所に派遣されエーリヒと再会し、貧乏学生ゆえの生活費稼ぎも兼ね「剣友会」に加入している。

  • ツェツィーリア
エーリヒが小遣い兼熟練度稼ぎの一環として街でボードゲーム「兵演棋」の自作駒を売っていた時に知り合った、「夜陰神」の尼僧(シスター)。親しい人々からの愛称は「セス」。
が、実は外見&精神年齢10代・実年齢40代の長命種族「吸血種」で、しかも今在籍している帝都聖堂の座主の先輩格でもあり優れた奇跡をも扱う貴族出身の高位神官。
…そして、さらにエーリヒ達にはずっと内緒にしているがライン三重帝国の皇女でもあり*9、彼女が父から押しつけられた無茶な望みから逃げようとしていた所でエーリヒとミカに助けられ、
彼らに「家族から望まぬ婚姻を押しつけられようとしている」と一部正しいが黙っている部分も多々ある説明をした事で、2人は帝都を巡り彼女を尼僧のままでいさせるための冒険に乗り出す事になる。

  • ナケイシャ
帝国の長命種貴族ドナースマルク侯に仕える密偵一族の一人で(表の顔は普通の侍従)、一族の長老の孫でもある「百足人」の少女。6章からの登場で、ウェブ版未登場の書籍版追加キャラでもある。
下半身がムカデという目立つなりながら優れた隠密力とその形状ゆえの移動力を持ち、口に備わった牙を見せない礼儀も兼ねての口を閉じたままの会話や、服に隠した隠し腕をも使った分銅付き棍による武術等に優れた武闘派密偵。
エーリヒとは主君が謀略の邪魔になると見做したアグリッピナへの工作の過程で遭遇し、クライマックスでの全力戦闘で彼に腕を切断されるも、その後主君の計らいで高価な魔導による接合治療が行われ復帰。
アグリッピナのイカれた人格と魔導によってボコボコにされるもなお逆襲を諦めないドナースマルク侯の元、時に謀略のためアグリッピナ側とも呉越同舟をも厭わない上の意向から、いつしかエーリヒとも名前を交換しあい未来の再戦をも匂わせる関係に。
エーリヒが冒険者になった後も9下・10で工作のため辺境に派遣され、彼と再会している。
+ 実は…
かなり女好きなドナースマルク侯が、長老の娘との間に作った庶子
6章エンディングでは治療中、様子を見に来た父や同じく療養中の祖父の前で親へのおねだりとして「エーリヒの子種」を希望当然家族は呆れていたエーリヒを倒しついでに子作りもするというとんでもない夢を抱くように…(なおエーリヒは気づいていない)。
ちなみに彼女メインのヘンダーソンスケール1.0では、マルギットと結ばれ夫婦密偵となったエーリヒと愛人関係になり、マルギット側も薄々その事実に気づいているという修羅場一歩手前の状況と化していた。

  • ディードリヒ
エーリヒがケーニヒスシュトゥール荘に帰る旅路の途中で遭遇した芦毛色の「馬肢人」のハルバード使い女戦士。ウェブ版未登場の書籍版追加キャラその2。ちなみに名前は帝国読みで、故郷での読みは「デレク」。
武力自体はあるものの考えなし過ぎてやり過ぎ、片耳を罰として千切られ故郷から追放兼武者修行の旅に出され、その後も素行面ではポンコツだったが、その実力を交戦で惜しいと思ったエーリヒが共に一時旅をした事で浪費癖は酷いが性格が改善される事に。
10章では偶然ミカの護衛となった縁でエーリヒと再会し、J強者であるエーリヒの子種を勝負によって欲しがりつつも「剣友会」と行動を共にする事になったなお正規加入が叶うかは今後の素行次第である

  • ジークフリート
マルギットと一緒に晴れて冒険者になったエーリヒが、拠点とした街「マルスハイム」で知り合った同期の新米冒険者の少年。主な武装は槍(サブ武装に剣)。
元々は「ディルク」という名だったのだが、故郷を幼馴染と共に出る際、有名な物語の主人公から今の名を名乗るようになった。
成り行きでエーリヒとパーティを組む様になり、最初は彼の修羅場慣れし過ぎて無茶や冷徹な判断をし過ぎるアレさに愕然としつつも馴染めないながらも徐々に空気があっていき、
自身の勘と運の良さエーリヒのものと合わさった不運の連続から、名があがると共にいつしか「幸運にして不運」と呼ばれるようになった。
「剣友会」発足以後はその気のいい面等から、会員たちにカーヤからの呼び名のせいで「ディーの兄貴」と呼ばれ親しまれている。

  • カーヤ
冒険者になろうとしていた大切な幼馴染ディルク(ジークフリート)を心配し、彼のパートナーとして共に冒険者となった魔女医の少女。種族は幼馴染共々ヒト種。
彼が今の名の由来とした物語の原典たる「シグルス」の話がろくでもないオチだと密に知る事もあり、今でもジークを昔と同じ「ディーくん」と呼んでいる。
魔法使いとしては直接的発動こそ下手だが各種効用を持った「魔法薬」の生成に長けており、メインとする治療薬の他(こっそりエーリヒから伝授された)範囲結界・妨害薬も使っている。


余談

タイトルにある「ヘンダーソン」とは、プレイヤーを全滅させる気しかない殺意マシマシのGMが主宰する卓にカチ合った際、テクニックの限りを尽くしてシナリオを脱線させ、見事キャンペーンを大団円へと持ち込んだ伝説のTRPGプレイヤー「オールドマン・ヘンダーソン」氏のことを指す。


追記、修正はサイコロを片手にお願いします。

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最終更新:2024年11月27日 15:50

*1 4巻・9巻は上下巻。

*2 農民の中では裕福な方だが、収入は貴族階級よりも圧倒的に劣る。

*3 但し成長するにつれ細かい前世記憶は薄れており、10章時点ではTRPG系等一部思い入れのある記憶や技術系記憶以外は大分忘れていたりする。

*4 魔法に関しては独学の場合熟練度効率が悪いか、非合法的な術系統くらいしか選択肢がなかったのも影響している。

*5 現代世界にとっての「取り替え子」は、病弱や手足が不自由な子供を妖精のせいにするための方便

*6 3章・4下・6章の「エーリヒが帝都に留まった」ヘンダーソンスケール1.0世界群でも帝都に移住しており、今の所「2.0」世界観でない限り確実に彼と添い遂げている。

*7 魔導院は現実に例えるなら「国家公務員育成大学兼高度研究組織」であり、最低限の論文提出だけで講師にすらなろうともせず読書三昧していたアグリッピナはかなりの異端にあたる。

*8 通常ルートでは「知りすぎるとロクなことがない」というTRPGの経験から唇を選んだ

*9 父からの無茶を何とか切り抜けた後も、父を止めてくれた親族(元女帝)の計らいもあり皇族である事は隠し「普通の貴族令嬢尼僧」としてエーリヒ達と交流している。ちなみにアグリッピナは5章で自室に残る痕跡からツェツィーリアの存在とその素性に気づいたが、彼女もまたエーリヒにはツェツィーリアの背景を知らせていない模様。