MARVEL SUPER HEROES(格闘ゲーム)

登録日:2023/12/07 (木) 21:29:52
更新日:2024/09/19 Thu 01:08:27
所要時間:約 20 分で読めます




マーヴル・スーパーヒーローズ*1は、1995年にカプコンからアーケード筐体として稼働を開始した格闘ゲーム。
主な略称表記はMSH、マヴスパ、等。
後にセガ・サターン初代PSに移植されている。
また、欧米向けのPlayStation Network(PS3)とXbox Live Arcade(Xbox 360)にて2012年より続編の『MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES』とカップリングされる形で『MARVEL VS. CAPCOM ORIGINS』として配信されていた。(2014年に契約期間終了により配信停止。)

それから約10年後の2024年に『MARVEL VS. CAPCOM ファイティングコレクション アーケードクラッシックス』に収録される事が発表された。隠しキャラであるドクタードゥーム、アニタ、サノスも使用可能となっている。


【概要】

前年に稼働していた『X-MEN』の流れを汲む続編であり、前作と同じく本作から後に『MVC』シリーズが続いていくこととなった。
チーム、アシストプレイを除くシステムに関しては、殆どが本作にて完成されている。

前作『X-MEN』よりも遊びやすく、前作から引き継がれたド派手なグラフィックとアニメパターン等、より独自のシステムを持つ格闘ゲームシリーズへと進化したのを感じさせた。

……が、当時の日本ではまだまだMARVELヒーローが浸透していなかったために格闘ゲームとしてもキャラクターゲームとしても一部に刺さっただけで大ヒットしたとは呼べず、開発者達も手応えを感じなかったという。
しかしながら、MARVEL本社のある本国では大ヒットを記録し、その手腕が認められたことが上記の『MVC』シリーズの展開へと繋がっていくことになった。

前作に引き続き版権元のMARVELからは相当に原作コミックのイメージに忠実なゲーム化を求めるようにとの御達しがされたらしい。
しかし、CAPCOM側も前作で相当にやらかしたことには謝りつつも負けずに応酬(格闘ゲームとしての面白さとキャラクターの魅力の可能性を責めた技を作りたいと依頼する等)したとのことで、MARVELからは「キャラクター作りは最高だが版権的には最悪の会社」とまで言われたとか。でも「ジャガーノートはジャンプしない」は流石にゲームになりませんって…

実際、前作『X-MEN』に引き続き、ゲーム内のドット絵キャラクター以外のイラストは全てMARVEL原作コミック内の一コマから引用したものとなっている。
ただし、2Pカラーについては前作とは違って原作コミックに元ネタと説明出来るものがあるとしつつもかなり緩くなっており、特に“黄色いマグニートー”が許されるとは思っていなかったとCAPCOM側が驚いた程。*2

本作の大ヒットにより改めてキャラゲーとしても過去の別会社の作品群とは別次元の完成度を見せつけられたことでMARVEL側としてもCAPCOMの手腕を認めざるを得なくなったようで、
本作の時点では採用は見送られたもののCAPCOM謹製のMARVELキャラクターのイラスト等も好評価を受けていたことから、次作『X-MEN vs STREET FIGHTER』以降はゲーム内イラスト(そして突き抜けた2Pカラー…etc.)もCAPCOMにお任せする形となったのだという。(当時のCAPCOMがリリースしたタイトルの開発裏話やイラスト等を掲載してゲームセンターで配布していた小冊子シークレットファイルは本作が第一弾となる筈で、そこに上述のCAPCOM謹製イラストが掲載されていたのだが、シークレットファイルの刊行自体が見送られてしまったとのこと。)
ちなみに、家庭用移植については早々にCAPCOM謹製のイラストでの販売が前作を含めて認められている。
本作に出た各プレイアブルキャラのBGMの一部(と言うかX-MEN勢以外)はのちのシリーズにもアレンジされて採用されている。
『MVC3』のハルクは再び暴走設定になってしまったため本作の陽気なメロディーとは逆に荒んだ感じになってしまったが


【ゲームの基本設定】

原作として扱われているのは、91年に刊行されたMARVEL COMICSのクロスオーバー作品『THE INFINITY GAUNTLET』である。
MARVELスーパーヒーロー達の共演作品……ということで選ばれたとのことだが、前作『X-MEN』同様に参考程度といった所に落ち着いている。
しかしながら、ゲーム本編には無関係となった原作コミックの重要人物をモブキャラとして多数配置しているのも前作同様で、原作(というかコミックファン向け)への配慮は十二分にされていると言える。

しかし、日本人向けでは全然ない……と言いたい所だが、前作『X-MEN』が同時期にテレ東系にて吹替版アニメが放映されていたのと同様、今作では先駆けて『X-MEN』を初めとしたMARVEL他、DC、ダークホースの邦訳版コミックを出版していた小学館より時期を合わせて刊行されていた『マーヴルクロス』にて原作コミックの掲載が開始されていたので、本作を機にアメコミに興味を持った人間なら情報を集められる環境にはあった。
2017年に小プロから再翻訳&単体独立タイトルとして発売されているので、現在入手するならこちら。
ただ、再翻訳版は翻訳がやや直訳気味*3でマーヴルクロス掲載当時のやけにケレン味とコミカルさを兼ね備えた独特のニュアンスが光る翻訳の味は薄れているので好みが分かれる。

プレイアブルキャラクターの選出に関しては、上述の通りで殆ど原作が無視されている。そもそも敵が強すぎて、劇中にて事実上の当時のMARVEL最強ヒーローチームを結成したのに、捨て駒にされて前半であっさりと全滅するのは内緒だ。
前作『X-MEN』からの残留組等、ヒーロー側はともかくヴィラン勢は原作ではそもそも登場していないキャラクターばかりである。
これには、原作ファンからのツッコミや惜しむ声もあったとのこと。原作には登場しているのに削られてしまったサイクェ……まぁ、出てたら出てたでキャップ&社長と技が被る上に殆どX-MENファミリーかつ♂ばかりになるしね。
前作『X-MEN』ではCPU専用だったマグニートーとジャガーノートが初プレイアブル化したのはともかく、他の面子がブラックハートにMARVEL担当すら「誰じゃコイツ?(意訳)」と言わしめたシュマゴラスと謎の采配。
一応、ブラックハートはメフィスト関連と言えなくもないがシュマちゃんは……。

もっとも、原作コミックに忠実にキャラ選びをしてしまうと、今度は能力的に格闘ゲームには落とし込むのが難しいキャラばかり*4になるし、
そうでなくても当時のデザインだと見た目がダサすぎて日本ウケしなさそうな奴も多いので納得出来る采配なのだが。見た目も能力も格闘ゲームに落とし込みやすそうなのに見送られたンーさんェ……。アレか、この頃は中身が別人*5だったからか。

そして、原作コミックに拘らなくてもいいなら……という訳でCAPCOMは人気キャラのガンビットやヴェノムを出演させようとも思ったとのことだが本作の時点では断念したとのこと。(ガンビットは次作。ヴェノムは3作後で登場。)

なお、原作コミックではタイトル通りにラスボスであるサノスが前日譚にて6つのインフィニティ・ジェムを集め終えてから後の物語なので開始時点で既に“インフィニティ・ガントレット”を完成させているのだが、
ゲームではヒーローやヴィランが戦いながらジェムを奪い合い、最後にサノスに奪われるという展開となっている。
インフィニティ・ジェムゲーム中の攻防で所有者が入れ替わり、プレイヤーが入手した場合にはジェムに応じた特殊効果を発動することが可能。
また、キャラクター毎に相性の良いジェムが存在しており、前作『X-MEN』のXパワーのようにキャラ毎の特殊能力や特殊効果を発動させることが出来るようになっている。

【基本システム】

当時のCAPCOM格ゲーお馴染みの8方向レバー+6ボタン。
前作と同様キャラ別でルートが異なるチェーンコンボが採用されている。チェーンコンボの種類は以下
  • 2ボタンチェーン「弱→中or強(いずれもPK問わず)」
  • 3ボタンチェーン「弱→中→強(いずれもPK問わず)」
  • 6ボタンチェーン「弱P→弱K→中P→中K→強P→強K」
  • P→Kチェーン「P→K(いずれも威力問わず)」
  • K→Pチェーン「K→P(いずれも威力問わず)」
の何れかで、キャラ毎に異なる。

ただし、個々の通常技に設定された吹き飛びやダウン性能の関係上、特定のルートが繋がらないキャラも居るので注意。
さらに地上と空中でチェーンコンボの分類が違うキャラもチラホラいる。
また、前作であまりにも遠距離での牽制・逃げ・反撃タイミングの狂いを後押しするのが問題視されたのか、本作以降「空振りでのチェーンコンボ」は不可能となった。
そして、前作に引き続き気持ちよくコンボを繋げてもらおうとした結果、調整ミスでお手軽な永久パターンが見つかってしまうこととなり、格闘ゲームとしてのバランスは崩壊レベルにあるとの評価

前作にて一部のキャラに存在していた打ち上げ→スーパージャンプからの空中チェーンコンボ*6のインパクトが強かったためか、本作では正式に目玉システムエリアルレイヴ(Air Combo)として本採用。
空中に打ち上げてから弱Pから順番に攻撃ボタンを繋げることが可能になり、上述のようにチェーンが繋がらないキャラの場合は、こっちがメインのHIT稼ぎとなっていたりする。
スーパージャンプ中は全キャラ6ボタンチェーンとなるが、強攻撃が地面に吹き飛ばして叩き付ける性能となるため、強P→強Kのチェーンを繋げるには高度調整・チェーンにディレイをかけるなど一工夫必要。

一方、前作にあった各キャラ毎に用意されていた特殊能力(Xパワー)といった要素は削除。
代わりに、空を飛べるキャラはパワー消費無しで飛行が可能に(代わりに飛行中はガード不可になった。)、件の特殊能力が普通の必殺技やジェム・パワー扱いになってたりと色々。

■インフィニティ・ゲージ
前作のXパワーに相当。
攻撃によって溜まるが今作ではガード時には一切溜まらない。また、電気属性の攻撃で微量に減少する*7
前述の通り今作ではキャラ毎の特殊能力発動という要素がオミットされたので、単なる超必ゲージ扱い。
フルパワー状態でインフィニティ・スペシャル(超必殺技)かインフィニティ・カウンター(ガードキャンセル)を発動可能。
キャラ毎に溜まりやすさが違い、超必の威力が低いキャラは溜まりやすい傾向にある。
また、キャラによって最大ゲージストックが異なる。最低1本~最大3本*8と、最大ストック数が戦局に与える影響はかなり大きい。

インフィニティ・ジェム
原作を活かした、シリーズでも本作のみの独自要素。本当に原作通りなら1つ手に入れられただけでもバランス崩壊なんてレベルじゃなくなるのだが。
試合中に6つのインフィニティ・ジェムの何れかを獲得、発動させることで以下の特殊効果を得られる。
ガード中にも発動を受け付けており、疑似的なガードキャンセルカウンターとして活用可能。
また、前述のように各キャラ毎に相性の良いジェムが存在しており、それを使用した場合には固有の特殊効果や技が発動する。
相手が持っているジェムは必殺技を当てることで落とすので、それを先に拾った方が奪うことになる。
ただし、ラスボスのサノスのみはインフィニティ・スペシャルを当てないとジェムを落とさない。

  • パワー:一定時間攻撃力増加・通常技に削り効果。適当に発動してもとりあえず機能するので使いやすい。
  • タイム:移動速度向上。重量級キャラほど効果がある。元からスピードが高いキャラはむしろ攻めのタイミングが狂いやすいのであまり利点はない。
  • スペース:スーパーアーマー付与。飛び道具や突進技が強力なキャラへのカウンター。性質上相手の投げや飛行を誘発させやすくなるので、発動中は立ち回りがまるで別物に。
  • リアリティ:攻撃ボタンに応じて飛び道具が発動。パワー同様にとりあえず発動して問題ない。特に5WAYの強K版や、被弾時にも出せるスタート版は割と壊れ性能。
  • ソウル:一定時間、ライフが回復。自分のライフが最大状態でも、相手を回復させないために使うのが常套手段。そういう意味では本来の役割を果たせないことも多い。
  • マインド:一定時間、インフィニティ・ゲージが自動で増加。発動中は最大ストック数を超えたゲージ消費コンボも狙える。こちらも相手のゲージを増やさないためにさっさと使うのが定石。特にシュマゴラス相手には絶対に入手させたくない。

小ネタだが、勝利時のスコアリザルトでジェム1つにつき10,000点加算されるので、スコアラーはジェムを必ず入手した上で意図的にジェム発動を封じるプレイが強要される。

【物語】

死の女神デスの命を受けて、全宇宙の生命の半分の抹殺を画策した狂神サノスを倒すべくヒーロー達はジェムを求める。
一方、ヴィラン達もまた混乱に乗じて自らがジェムを手にするべく動き出していたのだった……。


【ヒーロー】


■キャプテン・アメリカ
『CAPTAIN AMERICA』他、から登場。
全米最強のヒーローチーム・アベンジャーズのリーダーとしても知られる国民的ヒーロー。
第二次大戦中に生み出された超人兵士第一号で、正体はスティーブ・ロジャース。
サイクがリストラされた原因1号。
MCUが存在する現在では公然の事実だが、MARVEL版のヒーローの中のヒーローはスーパーマン系ではなく、バットマン系のクライムファイターだったのだ。

原作でもサノスに挑んだメンバーの一人。決戦時は窒息して死にゆくサイクロップスを前に何もできず、(作戦遂行のための演技込みで)激高してサノスと対峙するもヴィヴラニウム製のシールドをサノスに砕かれてしまうなど戦闘面ではいい所がなかった。
ちなみに後にコンパチとして出演した危ない愛国心をこじらせた元キャップの代役ヒーローのU.S.エージェントはインフィニティガントレットの効果で他のヒーローと一緒に消滅してました。

得意のシールド投擲「シールドスラッシュ」を主軸に、地上でも空中でもチェーンを繋げられる高い格闘能力が特徴の波動昇龍キャラ。
以降の出演作に引き継がれなかった要素として、必殺技の一つである対空技の「スターズ&ストライプス」が通常時は単発ヒット、シールドが手元に無い時は多段ヒットするという違いがある。
相性のいいジェムは“パワー”。各種必殺技が多段ヒット化する。後のハイパースターズ&ストライプス/ハイパーチャージングスターはこのパワージェム発動時の性能が元。

企画段階では「寝ガード(絵コンテ付き)」なるものがあったが、強過ぎるのでボツとなったそうな。
確かにダウン追い打ち前提のゲームで1人だけルールを壊す防御行動をされたらフェアではなさそうであるが。

■ハルク
『INCREDIBLE HULK』他、から登場。
怪力無双の緑色の大男。
物理学者ブルース・バナーが実験の失敗により大量のガンマ線を浴びて変身した。
2Pカラーは原作初期の灰色(通称グレーハルク)。後に狡猾な性格のジョー・フィクジットとしてハルクの別人格の一人となった。

原作でもサノスに挑んだメンバーの一人。ドラックスと共にサノスをブン殴って吹き飛ばしたり、多くのヒーローが無残に殺されていく中で最終盤のガントレット争奪戦にも登場していたりと見せ場は多い。

MARVELヒーローでも随一の身体能力の持ち主という設定に従ってか、格ゲーのパワーキャラという常識を打ち破るような高機動で画面狭しと動き回ることも可能。
本作の時点ではスーパーアーマーを実装しておらず、インフィニティスペシャルのガンマクラッシュの隕石も燃えていない。
相性のいいジェムは“タイム”。スピードアップに加えて、通常攻撃が自動的に3連発で繰り出される様になる。特に範囲が広く削り能力もある立ち強Pが高速で3連発されるのは爽快。その分カウンターの的でもあるが

本作稼働以前からマヴカプ2辺りまでは本来の肉体のブルース・バナーと精神的な繋がりが安定しており、人間的な理性と知性を兼ね備えていた時期であった*9
2から11年ぶりのマヴカプ3での勝利メッセージが知性が欠如したものであったため、原作に触れる機会が無かった日本人プレイヤーの多くは一体何があった!?と困惑することに。

■アイアンマン
『INVINSIBLE IRONMAN』他、から登場。
サイクがリストラされた原因2号。
ベトナム戦争にて捕虜として捕らえられ心臓を負傷した天才科学者トニー・スタークが、自ら作り上げたペースメーカー付きアーマーの力で脱出後、その力を正義のために使うべくヒーローとなった。
2Pカラーは原作でのシルバー・センチュリオンカラー。渋い所をチョイスしたものである。

原作でもサノスに挑んだメンバーの一人。テラクシアに生首にされました。
同族嫌悪なのかメンバーの中でも特にドゥームとの相性が悪く、作戦遂行前にもめ事を起こして頭を冷やすように説得されていた。さもありなん。

やや動きは鈍いものの、サイクから引き継いだ極太ビーム、マグニートー以上に有用な飛行も含めた機動力、それに多彩な飛び道具が魅力。
空中から斜め下2WAYで放たれるスマートボムと特殊技の急降下ニーキック、さらに空中ダッシュも兼ね備えた空対地攻めも強力。
また、手元は忙しいものの地上チェーンから手動スーパージャンプ→低空空中ダッシュからチェーン→着地→地上チェーンからry…といったループコンボも持ち合わせ、熟練者のアイアンマンは地上だろうと空中だろうと一瞬の隙に決定打を叩き込んでくる脅威となる。

MCU始動後の第一線での活躍は知っての通りだが、95年当時はクロスオーバータイトルで主役を務める程ではなかった地味ポジション。
相性のいいジェムは“ソウル”で、通常攻擊が電撃を纏うようになり、相手のインフィニティ・ゲージを減少させる。

EDはヒーロー勢の中でも異質な、苦味をともなう後味。
カプコンのスタッフはセガサターンマガジンで連載していたコラムにおいて、
トニーの事を「ドロドロ悲劇のヒーロー。苦くて渋い、オトナの味わい」と評した。
+ EDネタバレ
ソーをはじめとする仲間達を蘇生した後、ジェムを処分した…つもりだったが、無意識にジェムの力を少しだけ使い自分の心臓を治していた。「もうアーマーなしでもあるくことができる」。自分だけの望みのためにジェムの力を使ったのはヒーロー勢では彼だけ。その事実、自分の心の弱さに愕然とし、深く凹んでいた。しかし、キャプテン・アメリカに「君だって人の子さ。それよりその力をどう使うかだ。ムダにしちゃいけない」と諭され、五体満足となった体を改めて正義のために使おうと決め、「これからが本当の戦いだ」という趣旨の発言をして幕を下ろす。

■スパイダーマン
『AMAZING SPIDERMAN』他、から登場。
ピーター・パーカーがギーグな高校生時代に放射能を浴びた蜘蛛に噛まれて超人的身体能力を得た“あなたの親愛なる隣人”である。
圧倒的なスピードと画面を縦横無尽に駆け抜けられる機動力が武器。
DCのバットマン&スーパーマンと並び、作品そのものは知られてなくても知名度だけは日本でも高かったアメコミヒーローの代表選手。

原作でもサノスに挑んだメンバーの一人。アイアンマンの生首を持ってきたテラクシアにねぎらいの言葉をかけるサノスの顔面にウェブを当て、続けざまにウェブスイングで追撃するもテラクシアとの戦闘で一方的に押し倒され、コマ外でいつの間にかやられていた。

波動昇龍タイプだがやや通常技のクセが強く、空中制御にしても三角飛び止まりで、2段ジャンプや空中ダッシュなどはない*10
隙が少なく使いやすい飛び道具のウェブボールでフォローしつつループ性の高いエリアルレイヴで纏わりつく戦法が滅法強く、大半のダメージソースはエリアルレイヴに集約される。
ただインフィニティスペシャルの「マキシマムスパイダー」は発生が非常に遅い上、初段がヒットしたとしてもその後の追撃演出にムラがあり、場合によっては追撃が当たらずに大幅にダメージが減ってしまうというランダム性からほぼ死に技と化しているため、今作でのゲージ使用用途はほぼカウンター一択。

日本では過去に映像作品としては当時としては最高のものと言われた作品が生み出されていたこともあってか、スタッフの解像度が高く、前述のように版権イメージに厳しかったMARVELをして「最高のスパイダーマン」とベタ褒めだったとか。
相性のいいジェムは“パワー”で、相手を挟み込む形で分身が出現する。*11

ウルヴァリン
『UNCANNY X-MEN』他、から登場。
前作からの残留組。本名(通称)はローガン。
X-MENの顔として、ちゃんと原作でも当時のリーダーのストームを差し置いて登場している。(サイクも出てるが、彼は当時はX-FACTORのリーダー。)

原作でもサノスに挑んだメンバーの一人。サノスの胸部に両手の甲のクローを突き刺すという見せ場はあるものの、直後に全身のアダマンチウムをグニャグニャのゴムにされて立ち上がる事も出来ずに完敗を喫する。

体力回復効果のヒーリングファクターは受けたダメージの20%が自動回復する仕様となっている。
前作のハイパーXだったバーサーカーバレッジは通常版とインフィニティスペシャル「バーサーカーバレッジX」に枝分かれ。
また、乱舞技のウェポンXは本作が初お披露目。

前作の特殊能力の内、スピードアップ効果のバーサーカーチャージは削除。
空中で垂直降下して反動で跳ね返る踏みつけも削除されたが、代わりに追加された斜め下への降下蹴り(通称・流星キック)が極悪な強さを誇り、崩しにコンボにと大活躍。
本作と続編のX-MEN vs ストリートファイターではこの流星キックが猛威を振るうこととなり、やり過ぎた反動かマヴストでは初代の踏みつけと入れ替わりに削除される程であった。
まぁマヴカプ2でアダマンチウムを失ったウルヴァリンに対してオリジナルと差別化させる形でしれっと復活させてた上に3ではさらに凶悪性能で搭載されたけどな!

相性のいいジェムは“パワー”で、残像のような分身が出現して攻撃力がアップする。

■サイロック
『UNCANNY X-MEN』から登場。
見た目は日本人(女忍者カンノン)だが中身は英国淑女で、本名はエリザベス(ベッツィ)・ブラドック。
キャプテン・ブリテン*12の妹。現在は紆余曲折あって本来の肉体を取り戻し、兄のコードネームであったキャプテン・ブリテンの名も彼女が襲名している。

前作からの残留組だが原作には未登場。ゲーム的に「初見で格闘が出来ると分かる女性キャラ枠+エロ枠」として貴重なポジションなので続投したものと思われる。
サイクがリストラされた原因その3……女キャラ成分が無くなることへの対策だろう。単純に労力も減らせるしね
同じく続投したウルヴァリンとは頭の中をいじくられた者同士で翻訳版X-MEN4巻「異次元人モジョー」後半の過去編で行動を共にするエピソードもあり、似た者同士として共演することに違和感も生じない組み合わせである。

使いやすい通常技と飛び道具、姿勢が低い上に強Kからキャンセルで発動できる高速の前後ダッシュ、空中での立ち回りやエリアルレイヴのバリエーションを増やせる3段ジャンプ、設定を活かした新技の忍術によるテレポートといった風に単体のスペックは悪くないが、一芸に特化した連中が多いこのゲームでは良くも悪くもスタンダードな凡キャラ止まりであまり目立ってはいない。
使用プレイヤーも少ないようだ。やはり飛行できないのが決定打なのか

相性のいいジェムは“パワー”で、本体を挟み込むように分身2体が出現する。前作『X-MEN』のXパワーのような効果だが本体の位置は変更出来ない。


【ヴィラン】

本作のデフォルトキャラクターでは全員原作には未登場*13

ジャガーノート
『UNCANNY X-MEN』他、から登場。
前作ではCPU専用の中ボスだったが、初プレイアブル化。(一応、家庭用で使えたが。)
本名はケイン・マルコ。
X-MENの指導者プロフェッサーXの義兄が邪神サイトラックの秘石の加護を受けて変身した存在。
再三言われていることだが彼の力の源は邪神サイトラックによるものであり、彼自身はミュータントではなくどちらかと言うとオカルト系のキャラに分類される。
全然そうは見えないって?まぁ本人が物理的な肉弾戦しかしないからしゃーない。

原作同様にハルク並のパワーを誇るが機動力は高くなく、典型的なパワーキャラという方向性。その分通常技のリーチはハルクより遥かに長い。
一撃で4割規模の体力を奪っていた攻撃力は相応に落ち着き、通常攻撃の常時削り効果が削除されるなどプレイアブル化に関して性能がオミットされているが、本作の時点では常時発動のスーパーアーマー持ちは彼だけ。
このスーパーアーマー、なんとシュマゴラスのミスティックステア「全段」に対して効力を発揮するという地味にとんでもないことになっている。
まぁあちらもコマ投げ持ちなので実は結構いい組み合わせのカードだったり。

ちなみにカプコン謹製のゲームでの彼は本作以降何故かちょくちょくメタ発言をすることでも知られる。

「おめえ、今度プレイする時は俺様を選ぶんだぜ!」
「なーにが『対戦相手求む』だぁ?」
「チッ!強すぎるってのも考え物だぜ!なーんかバランス悪くねぇか?
「待ちプレイ?知ったことかい!なんたって俺様はジャガーノートだぜ!」
「俺様の新技は1個だけかあ!(続編)」

相性のいいジェムは“スペース”でスーパーアーマーを超えたハイパーアーマー状態となる。(ただし、攻撃を受ける度に制限時間が減少。また、この状態でも投げ技とブラックハートの悪魔は食らう。)

なお、EDでは唐突に表れたアダム・ウォーロックの策謀戦略によりヴィラン系で唯一ジェムの力を使いそびれてしょんぼりしていた。
このEDを見たマーベルの担当は「COOL IDEA」と言わしめたそうな…おかげでジャガーノートのギャグキャラ化は決定的なものとなった。
まぁジャガーノートが宇宙最強になったところで、彼のことだからその内つまらなくなって自らジェムを手放しそうな気もするが…

また、初登場の前作では話の通じない野蛮な怪獣的な恐怖を煽るBGMが印象的だったのだが、本作ではコミカルなブートキャンプ的なものになり、次回作では完全にヒーローチックなBGMにまで変貌するなど、演出面では順調に愛されキャラへと変貌していくことに。

マグニートー
『UNCANNY X-MEN』他、から登場。
前作ではCPU専用のラスボスだったが初プレイアブル(rya…。実は前作から担当声優が変更されている。
本名はエリック・レーンシャー。
磁力を操る地球最強クラスのスーパーヴィランで、最強格のミュータントの一人。
流石に、前作のラスボス仕様では高性能過ぎるので色々とオミットされた(自動追尾ビーム、重力球のガード不能効果、通常技の削り効果、無敵のバリアー……は流石に削除。)が、素早いダッシュや空中性能の高さ等、後のシリーズ通しての活躍の片鱗は見せている磁界王。

尚、企画段階では“人類から見れば脅威でしかないが本質的には善人と認知されてるキャラクター”=ヴィランというよりはダークヒーローという立ち位置なこともあってか、EDの選択肢次第ではヒーロー側と同じく石化していたヒーロー達を救わせる案もあった。飛行持ち。

スパイダーマン同様にインフィニティスペシャルの性能がよろしくなく、マグネティックショックウェーブはY軸に射程制限が設けられたことでスーパージャンプで回避可能になり、マグネティックテンペストは発動時に相手がいた位置をサーチする多数の飛び道具となったものの地上では簡単に回避され、空中でもガード安定…とこれまた立ち回りで使いにくい。
テンペストは投げ後の追い打ちに使えるので主な使用用途はコンボ用という形になるだろう。
ゲージ使用用途を考慮してか、マグネティックテンペストは本作以降の続編では大量の磁石を多方向にバラまくという性能に変更された。

相性のいいジェムは“スペース”で、代名詞のバリアー(マグネティックフォースフィールド)を展開する。しかし、ブラックハートの悪魔とシュマゴラスのカオスディメンションは食らってしまう他、アイアンマンのプロトンキャノンとは相殺でバリアーを消されてしまう。

■ブラックハート
『GHOST RIDER』から登場*14
悪魔王メフィストの不肖の息子。
父の玉座を狙ったものの、失敗して狂気に陥らせられてから人間界に追放された魔界の王子。
なお、原作コミックではメフィストは登場しているがブラックハートは登場していない。

動きは鈍いが、通常攻擊に炎や氷や電撃を纒わせたり悪魔共をけしかけることが出来、リーチが長い。
特に、悪魔共は前述の通りで他キャラの特殊な防御能力をも無視して攻撃を当てることが可能。
性能のいい空中ダッシュで空中から駆り立て、画面端での削り用途として使えるインフィニティスペシャルの「アーマゲドン」及び「ハートオブダークネス」で強引に体力を減らしていくのが主な狙い。
インフィニティスペシャルは双方ともガードさせてしまえば先に動ける様になり反撃を受けず、削り殺しに拍車をかけてはマズいと判断されたのか彼のインフィニティゲージストックは1本のみ。

相性のいいジェムは“リアリティ”で完全に透明化する。プレイヤーからも見えなくなってしまうが、空中で炎か氷を出すと一瞬だけ見える。

ハートオブダークネスの技名の元ネタは、ゴーストライダー誌に登場した際のタイトルの中の一つ「ハーツ・オブ・ダークネス」から。
本作のEDや勝利ポーズで採用されたグラフィックの大本は小プロ翻訳版ゴーストライダー3巻に元のコマがあるので興味があれば探してみよう。

シュマゴラス
『DOCTOR STRANGE』から登場。
現世以外の異次元であるカオスディメンションの主でシュ。
Dr.ストレンジの宿敵……というレベルでは済まされない宇宙規模の難敵(サノスを超えるレベル)なのでシュが、当時の時点で数十年の刊行の歴史の内の僅か3回しか登場していないレア敵*15だったために、MARVELの交渉担当も前述の通り困惑……が、希望が通ってコミックよりはだいぶ縮んだ姿*16でイロモノ枠として参戦が叶ったでシュ。
版権イメージ云々は何処へやら……の担当した女性デザイナーが面白がって使っていたのを正式採用してシュまったでシュまシュ口調やカオスな必殺技と、MARVEL側も交渉の繰り返しの中で麻痺してたのかと思うくらいのやりたい放題でシュた。

以下語尾統一が疲れるので切り離し。

見た目こそイロモノOFイロモノと言えるも、リーチの長い中/強攻撃で固めつつ飛び道具で削りコマンド投げで崩すといったスタンダードな立ち回り、エリアルレイヴを絡めた高いコンボ性能、K投げでの体力回復とそこからの追撃など、全体的な性能は案外クセがなく初心者から上級者まで扱いやすかったりする。
インフィニティスペシャルの「カオスディメンジョン」は発動後の一定時間、中&強攻撃がガード不能の打撃投げに切り替わる強力な性質を持つ。
こんな技を立て続けに発動されたら双方の立ち回りが崩壊してしまうからか、シュマゴラスのインフィニティゲージストックもブラックハート同様に1本だけ。
この仕様は続編で参戦した際も同様、2連続発動できない様に消費ゲージ数を多く調整されている。

相性のいいジェムは“タイム”で、通常攻擊に石化効果が付く。更に石化させた相手には追撃可能。
なお、家庭版では修正されたが、隠しキャラのアニタちゃんを石化させた場合にはグラフィックが用意されていない都合上、強制リセットがかかるバグが存在していた。

勝利メッセージの一つ「弱いでシュね。もっと骨のないやつはいないでシュか?」は続編のマヴストでは「骨のあるやつはいないでシュか?」とシュマゴラス故に通じる意味合いだったのに修正されている。
その他、企画段階ではインフィニティスペシャルに「周囲に目玉を複数出現させて本体と同時にビームを放つ」「シュマゴラスが踊り、その間相手の体力が減っていく」といった技があったが、採用されずに終わった。
それらの事情を掲載しているゲーメストムックでは、キャラ紹介ページにてカプコン描き下ろしの無着色のイラストと共に「何色にぬってもマーベルコミックスは文句言ってこないぞ!!」と担当者のコメントがある。
そりゃ版権元でさえ忘れていたキャラに対して文句も出まい…

【隠しキャラ】

※隠しコマンドで使用可能。

■アニタ
当時のアーケードで大人気となっていた『ヴァンパイアハンター』のマスコット(?)キャラ・アニタさんがドノヴァンより色々と引き継いだ姿で参戦。
ちっこくて破格の性能。ドノヴァンのソードエレメンタルを模した技で豪鬼やリンリン(レイレイの双子の姉)を召喚可能。
加えて、インフィニティ・スペシャル「LOVE FOR YOU」は手に持つ首なし人形から98個の首が大量放出され、ヒットさせてもガードさせても大量の体力を奪い取る。
前作の豪鬼に続く怒られ案件だが、アーケードではフリープレイモードでのみ解禁等、登場させるのに条件が付けられた。
アーケードでは専用グラフィックが用意されておらず、サノスのグラフィックにジャガーノートのBGMの流用。台詞はパロディ、及び開発スタッフのメッセージ。
前述の通りアーケードでは対シュマちゃんで致命的なバグが存在したこともあってか、出現コマンドは最後まで正式公開されることはなかった。
その後、家庭用にて正式に隠しキャラとなり、バストアップのみ専用グラフィックも描き下ろされた(勝利メッセージ画面はサノスのまま)。
……また、海外版ではアーケード、家庭用移植共にオミットされていたのだが、前述の『ORIGINS』では使用可能だった。海外追いついたな。
何気に人気だったのか『MVC』ではスペシャルパートナーに選出。召喚出来るものが増えた。
だが『MVC2』ではまさかのリストラを喰らった
相性のいいジェムは無し。
『スーパーパズルファイターIIX』にも家庭用追加キャラとして参戦しているが、演出は『MSH』を意識したものになっている。


【ボスキャラクター】

CPU専用キャラだが、隠しコマンドにより使用可能。

Dr.ドーム*17
『FANTASTIC FOUR』他、から登場。
ラトヴェリアの専制君主にして、世界征服を夢見る科学者かつ魔術師。
FFの宿敵だが、同時にMARVEL全体でも屈指の有名キャラクターにして、地球最強クラスのスーパーヴィランの一人。
原作では自身が“ガントレット”を奪うという目的を内に抱えているからだが、一応はヒーロー側に付いて戦っているのだが、ゲーム中では何故か中ボスとしてプレイヤーの前に立ちはだかることに……。
自らの超科学で生み出されたガントレット由来の、強力なエネルギーブラストが武器。
ちなみに、原作ではミニ・シリーズだから仕方ないとはいえ宿敵であるFF(特にリード・リチャーズ)が消えたことについては特に気にしている素振りも無いという不自然な姿が。
代わりに(?)こちらも仲の悪いサーファーやアイアンマンと喧嘩していた。飛行持ち。
相性のいいジェムは無し。

サノス
『THE INFINITY GAUNTTLET』他、から登場。
“狂えるタイタン人”と呼ばれる、ニヒリズムに捉われた狂気の半神。
原作コミックではラスボスであると同時に主人公の一人であり、寧ろ6割位はサノス視点の物語だったりする。
宇宙最強クラスのスーパーヴィランの一人。
……なのだが、本作やMCUで知名度を上げすぎたために、この後のコミックなんかでは登場機会が増える→敗北の機会も増えていくことに。地球で逮捕・勾留されたことがあるのは内緒だ。
原作では死の女神“デス”の願いを受けて完成した“インフィニティ・ガントレット”により宇宙の生命の半分を抹殺した。
ゲームでは、サノスとの戦いの前に問答無用で集めてきたジェムを奪われるという演出となっており、奪ったジェムを利用した多彩な超必殺技で攻撃してくる。
非常にアグレッシブにステージを走り回る姿が割とシュール。
原作ではコズミック・ビーイング達が束になっても叶わない位の強さに達するのだが、ゲームでは一応は倒せる。
まぁ、必殺技以外ではガントレットの力を使ってない状態(それでもサーファーやソー、ハルク以上の強さ)なのだろう。
相性のいいジェムは無し。
なお、サノスの6つの超必は全てジェムを利用した技という設定なのだが、別に対応するジェムを取られてしまっていても使用可能である。
加えて「インフィニティ・スペシャルを食わわない限りジェムを落とさない」という特殊能力もあるため、ジェムをかなり溜め込みやすい。

アーケード版と家庭用でEDが異なるキャラ。
前者ではマグニートーのEDと全く同じメッセージで「ジェムを目の前に佇む→ジェムで宇宙支配→農場で畑を耕すシーン」と切り替わっていき、傍から見ると謎に自作自演にしか見えないのだが、
後者では「ジェムを目の前に佇み、ジェムでの宇宙支配を望むか望まないかの選択」がまず最初にあり、その後の選択肢次第で前述のそれぞれのシーンに合わせて「宇宙支配」か「虚しくなってただの農民として生きる」かのどちらかとなる。
ちなみに原作では謎の自作自演は論外として後者の農民EDが一番近い*18
見た目はシュールだが別にギャグEDではないのだ。


【主要なモブキャラ達】


■デス
或いは“ミストレス・デス”とも呼ばれる、一見するとフード姿の美しい女だが、実は宇宙の“死”そのものの擬人化であるというコズミック・ビーイング。
ある意味では今回の騒動の元凶なのだが、原作コミックではサノスがやり過ぎた結果、途中で反旗を翻している。

■メフィスト
狡猾なる悪魔王で魔界の支配者。
原作コミックに倣い、ゲームでもサノスステージにて赤くて痩せた爺さんの姿で登場。
尚、ブラックハートのEDでは巨大な悪魔としての姿も見られる。
原作ではサノスの腹心として事件に関わるも、ヒーロー達の総攻撃の際にジェムの力を使わないように進言して受け入れさせたりとイレギュラーを引き起こす可能性を常に生じさせようとしており、コズミック・ビーイング達の大攻勢の際には狡猾なる本性を顕してガントレットを奪おうとした。

■テラクシア
サノスの勝利ポーズにて登場してくるサノスそっくりの姉ちゃん。
……原作コミックではサノスがデスに相手にされない寂しさから生み出した“理想の女”であり、つまりは宇宙を支配出来る力で生み出された2次元彼女(イラスト・3DCG)や3次元彼女(フィギュア・等身大ドール)を超越した高次元彼女でアイアンマンの首を中身付きでもぎ取れる位の力を持つ。
その後、サノスがネビュラにガントレットを奪われ共に宇宙に放り出された際、サノスは彼女を“宇宙環境では生きられない設定”にしていた*19ために窒息死する。
さらにはネビュラがジェムの力ですべての出来事を24時間前に戻したことにより、死んだことどころか「創り出されたこと」さえも無かったことにされるという哀れな末路を迎えた。
似た形で消滅するも転生したウィッカン*20などと比較するとその後の再登場もなく、ある意味でインフィニティ・ジェムの最大の被害者と言える。

■ソー、スカーレットウィッチ、シー・ハルク、ドラックス、ノヴァ
原作コミックではそれなりに目立ってたけど、ゲームには登場出来なかったラスボスステージにて石化させられてる人達。
プレイヤーがヒーローを使ってると石化から解放してもらえる。
ちなみに、原作ではもっと酷い殺され方をしているので石化止まりなのはまだマシである。

シー・ハルクとノヴァは後のマヴカプ3とアルカプ3で参戦。
ソーはこのゲームでは代役の別人で、後にマヴカプでのスペシャルパートナーを経て3にてようやく本人が参戦することとなった。

■アダム・ウォーロック
ジャガーノートのEDにて登場し、ガントレットを奪っていってしまう謎の人物。
実は、彼こそが原作コミックの主人公と言ってもいい位の人物なのだが、能力が分かり難い&見た目が裸マントレベルなので、色々とゲームに出し難かったんだろうなぁ……と。(因みに、原作では彼がサノスから放棄したガントレットを受け取って丸く収める形で事件を収める。)
本作の稼働後にSFCで発売された『Marvel Super Heroes: War of the Gems』でもサポートキャラ扱い。


【余談】


  • 上段に配置されてるキャラは↑方向を入れながら、下段に配置されてるキャラは↓方向にレバーを3秒以上入れっぱなしにして選択することで2Pカラーでプレイ可能。

  • 上記のドラックス、アダム・ウォーロックは後の原作やMCU映画の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で主要キャラクターとして大幅に設定やデザインを改めて登場する。ちなみにガーディアンズ・オブ・ギャラクシーでの主要キャラクター、ガモーラも原作インフィニティ・ガントレットにチョイ役で登場している。

  • 本作はマーベル社からの持ち込み企画であり、企画そのものは前作X-MENと同時期に開始していた。企画開始から完成までは2年版程で、X-MEN発売から差し引いた実質的な開発期間は1年程とのこと。



追記修正はインフィニティ・ジェムを手に入れてからお願い致します。

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  • MARVEL.VS.CAPCOM
最終更新:2024年09月19日 01:08

*1 当時の表記。現在は日本国内での“MARVEL”はマーベル表記されるのが主流だが、当時は“マーヴル”表記が多かった。

*2 これに関しては、アイアンマンの2P等、原作コミックに(細かいデザインこそ違うが)同じカラーパターンも存在していたのも理由。実は黄色いマグニートーも一回だけとかだがコスチュームパターンとして存在していたとか。

*3 「マーベルマスターワークス:アメイジング・スパイダーマン」などの近年の翻訳本にも言えた話で本作に限った話ではないが

*4 ヒーローの中で原作コミックで最も活躍するのはシルバーサーファー)なのだが、CAPCOMも毎回のように何とか登場させようと思ってはいるらしいが未だに実現していない。

*5 実は、この時にソー本人は人間を守るためとはいえ義弟のロキを殺すという罪を犯したことで封印状態にあり、ソーがロキを殺す原因となった一般人のエリック・マスターソンがムジョルニアを託される形でソーに代理で変身していた。本物と同じ姿とはいえ、正体バレを避けるためかこの時期のソーが仮面を付けているのはこのため。

*6 この仕様を取り入れたプレイヤーネームに伴い、一連のコンボの通称は「ブラックコンボ」と呼ばれていた。

*7 ブラックハートの必殺技「インフェルノ」、アニタの必殺技「リンリン召喚」など

*8 家庭用隠しキャラのアニタに至っては4本。

*9 MCUで言うアベンジャーズ:エンドゲーム以降の「スマートハルク」をアグレッシブにした様な感じ。

*10 空中ダッシュはマヴカプで実装。

*11 原作でスパイダーマンが文字通りの分身をしたことはないが、これについて「『クローン・サーガ』で有名なスカーレット・スパイダー(ベン・ライリー)の加勢を表現しているのでは?」と言われることも。

*12 『EXCALIBUR』のメンバー。英国を代表するスーパーヒーロー。余談だが、元々『バトルフィーバーJ』のバトルジャパンは、この流れを汲んだ“キャプテン・ジャパン”になる予定だった。

*13 もとい、原作で戦うヴィランがサノスオンリーなのでどう転んだとしても本作のヴィランが原作未登場になるのは避けられなかったのだが。

*14 ちなみに設定もデザインもまごう事無きオカルト系キャラだが、初登場はデアデビル誌だったりする。まぁウルヴァリンも初登場がハルク誌だったりするし、ルーツが意外な所にあるのはアメコミではよくあることである。

*15 本ゲームで話題になりコミックでも言及や匂わせがされるようになったのだが、正式に4回目とカウントされる登場を果たしたのは2018年と、ファンの認知度に対してMARVELは原作への登場には消極的だと思われる。

*16 本作のエンディングにて宇宙規模にデカくなった姿が描かれているが、本来は元からあれくらいデカい姿でも顕現出来る上に星々も破壊出来る存在である。

*17 シリーズでは、本作のみ現在の主流の“ドゥーム”ではなく“ドーム”表記。

*18 そもそもゲームと違って原作は負けを悟って自爆したわけで、自ら考えを改めたゲーム版EDとはそこに至るまでの経緯が異なる。

*19 と言うか宇宙空間で生きられる自分の境遇が普通の感覚なので、そもそもその発想自体なかった。でなければ空が宇宙そのものと見分けがつかない神殿を舞台にサイクロップスを「空気のある地上で窒息死」させる発想も出なかっただろう。

*20 スカーレットウィッチが人造人間のヴィジョンとの間に魔法で作り出した、かつての彼女の子