登録日:2024/01/19 Fri 13:40:00
更新日:2025/03/15 Sat 18:23:36
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『
幼なじみが絶対に負けないラブコメ』は、二丸修一によるライトノベル作品。
イラスト担当は
しぐれうい。
電撃文庫より2019年6月から刊行されている。
略称は「
おさまけ」
(この略称だと幼なじみ負けるんじゃね?というツッコミはなしで)
既刊11巻。
「このライトノベルがすごい!」(2020)において文庫部門総合5位、新作2位を獲得。
2021年4月時点でシリーズ累計発行部数は100万部を突破している。
2019年より井冬良によるコミカライズ版が「月刊コミックアライブ」で刊行されておりこちらは既刊7巻。
あわせてスピンオフ漫画『幼なじみが絶対に負けないラブコメ お隣の四姉妹がほのぼのする日常が』2021年から2023年にかけて連載された。全3巻。
【概要】
電撃文庫で連載されているラブコメ。
文字通り、
幼なじみヒロインが並み居るヒロイン達とチキンレースを繰り広げ、文字通り「
絶対負けない」ように駆け引きを繰り広げていくところが見どころである。
近年のラブコメアニメ・ライトノベル・漫画において、幼なじみといえば「
負けフラグ」、「
永遠の二番手」みたいな風潮もあった。このため、本作ではそのアンチテーゼとして幼なじみが「負けない」展開が盛り込まれている。
これに加えて「
恋と復讐」という、過去に主人公やヒロインが受けた仕打ちが復讐として自分たちに返って来るという因果応報な展開も用意されている。その結果、後悔してしまうというオチが待っている。
とはいえ、
一部のギャルゲーに見られるようなドロドロな修羅場展開になることはない。そのあたりはギャグ描写とのバランスが取れている。
ちなみにメインヒロイン全員+サブヒロイン数名が主人公と子供の頃からの知り合い(つまり幼なじみ)なので誰がヒロインレースに勝ってもタイトルに偽りは無いのだが、1人の幼なじみとのラブコメを期待すると肩透かしをくらうので注意。
【あらすじ】
彼女は俺にだけ密かに笑ってくれる。
相手の可知白草は芥見賞を受賞した現役女子高生作家! しかも美少女!
普通の高校生の俺・丸末晴には分不相応だってことくらいわかってる!
けど、脈アリだと思うんだよ、たぶん、いや絶対!
……なんて思ってたら……可知に彼氏がいただとぉぉぉっっ!?
落ち込む俺に、ロリ可愛、陽キャで世話好き……更には何故か俺を好きだと公言してはばからない、幼なじみの志田黒羽は言ってきたんだ……
「復讐しよう」
初恋の恨みは海より深い―― けど決して暗くない! ドロドロしない!
初恋復讐が動き出す!
【キャラクター】
キャラ名については作者がXにて「名前を創作するのは苦手」と前置きした上で以下の2つの縛りを設けていると明かしている。
【主人公とメインヒロイン】
【出典】
「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」
第2話「彼と彼女と彼女の事情」
2021年4月~6月動画工房©2021
二丸修一/KADOKAWA/おさまけ製作委員会
本作の主人公。
かつて天才子役と言われ世間の注目を浴びたが、母親を事故で亡くしたショックで演技が出来なくなり、引退した。しかし、その表現力は今でも健在である。天才的な才能に満ち溢れていたため、彼の子役時代を知る者たちからは復帰を望むファンも少なくない。
優しい性格である反面、年頃の男子高校生らしく己が欲望(主に性欲)に忠実になっている。結果、下ネタ関連の失言を招き、ヒロインたちから引かれることもある。
しかし、ヒロイン達をフォローする気づかいの高さが彼女らの心を射止めているのは確かである。そして時折見せる繊細な性格故から生じる気の弱いところがヒロインたちの母性本能を刺激しているとも言える。
高校一年の頃から可知に恋していたが、彼女にはすでに彼氏がいるという話を聞き。失恋してしまう。結果、黒羽の悪魔の囁きもあって、彼女に復讐しようと持ち掛けられるが……
【出典】
「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」
第2話「彼と彼女と彼女の事情」
2021年4月~6月動画工房©2021
二丸修一/KADOKAWA/おさまけ製作委員会
本作のメインヒロインその1。末晴の幼なじみ。
末晴とは家が隣同士で四姉妹の長女。末晴からは「クロ」と呼ばれる。
妹たちの面倒を見てきた世話好きな性格とナイーブな末晴のメンタルをフォローしてきた経緯から、自身は末晴に対しては姉のように振る舞う。末晴も「黒羽お姉ちゃん」と呼ぶ場面も散見される。ちなみに同じクラスなため、二人は同い年である。ずっとそばで見てきた末晴に恋している。
見た目はロリ可愛く巨乳でスタイルの良い容姿であるため、クラスからは人気がある。
しかし、実際は腹黒な性格で、想いを寄せている末晴を手に入れるために、様々策を張り巡らせることがあったり、他のヒロインをけん制することもあったりする。もちろん自己アピールも欠かせない。抱き着く、胸を末晴の身体に当てるといったボディランゲージを欠かさず行っている様子。語尾に「好き」を連呼して誘惑することもある。
なおこうした「黒い」性格は本人も気にしているわけだが、とりわけ末晴から「腹黒」と呼ばれると怒ってしまう。
また、料理の腕は壊滅的で、常人ではありえないような味覚の持ち主でもある。これには周囲を驚かせるレベルである。
本篇スタートの前段階で末晴に告白したが、悩んだ末に末晴は初恋相手である可知への想いを大事にしている故に断ってしまう。ここから初恋をめぐる末晴・黒羽・白草の恋のバトルと復讐劇が始まることになる。
【出典】
「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」
第11話「あの日のわたしをつかまえて」
2021年4月~6月動画工房©2021
二丸修一/KADOKAWA/おさまけ製作委員会
本作のメインヒロインその2。
権威ある芥川賞芥見賞を受賞した女子高生作家。
末晴にとっては初恋の人で、とあるエピソードをきっかけに末晴は彼女のことを「シロ」と呼んでいる。自身は末晴のことを「スーちゃん」と呼んで慕っている。
クールでスタイルもよく、学園のアイドルという高嶺の華のような存在。
しかし実際は寂しがり屋で泣き虫なポンコツヒロイン。頑張って末晴にアピールしようとしているが黒羽をはじめとする他のヒロインの抵抗もあり、なかなかうまく行かない。
本人は「えちぃ」ことは嫌いと称しているが(末晴の下ネタに冷たい視線を送るなど)、末晴の裸や腹筋をまじまじと見るなど、そういった部分にも興味がある模様。
料理は黒羽に比べればまだマシ・・・だが、レパートリーは広くはない。ただ末晴の好きな食べ物である唐揚げを作れるように練習するなど努力家なところがある。
実は末晴とは子どもの頃に出会っており、その時はボーイッシュな恰好であったため、女の子として見られていなかった。天才子役だった末晴にあこがれており、いつか自分が描いた脚本を末晴が演じてもらうことを夢見ていた。
しかし、末晴が子役を辞めてしまったこと、自身の容姿も代わり最初は認知されなかったこと、末晴の側には黒羽という幼なじみがいたことでなかなか言い出せなかった。
加えて、黒羽が末晴に告白したという話を聞いて、プライドの高さ故に自身も彼氏がいるという話をしてしまったことで、関係がこじれてしまったところがある。
このように、本来であれば末晴とは相思相愛になっても可笑しくない関係であるが、上述のすれ違いや黒羽の存在により、現在は黒羽と壮絶なチキンレースを展開せざるを得ないことになる。
【主要人物】
・桃坂 真理愛(ももさか まりあ)
CV:
大西沙織
本作のサブヒロイン。現在は若手人気女優とされている。
子役時代の末晴と面識があり、末晴は彼女を妹のような存在として接していた。
一方で彼女は末晴に想いを寄せており、「初恋の相手」となった。
「理想の妹」と国民的人気を得ている彼女だが、実際は末晴への想いを成就させようと色仕掛けを含め様々策を巡らす肉食系女子でもある。
なお黒羽・白草と比べると胸は劣る。海に出て水着を着たときはパットでごまかしていた。しかしあるハプニングで末晴にそのことがバレてしまった時は発狂していた。
「末晴お兄ちゃんを殺して桃も死ぬううううう!!」
幼い頃は、両親の不和により、自身の心も荒んでしまっていた。
その中で末晴と出会い、彼から演技の素質を見抜かれ、アドバイスを受けたことで、それまで荒んだ心を変えるきっかけを作ってくれたことがきっかけで、彼のことが好きになった。
その後彼が役者を辞めてしまったことから、本人としては末晴の芸能界復帰を心待ちにしている様子。
後に、末晴の学校に「金と権力」でねじ込んでもらう形で転校してきた。
末晴の友人。
イケメンな容姿であるのだが、中身が残念過ぎるためクラスの女子たちから嫌われている。
可知とトラブルになった時も可知は「こいつ嫌い!」と末晴の後ろに隠れるほど。
本人はあまり気にしていない様子ではあるのだが。
エンタメ同好会を基に「群青同盟」という動画作成・配信を行う部活を作った。この活動を通じて自身は広告収入目当てに動画制作を楽しんでいるほか、入れ知恵などを駆使してヒロインたちによるチキンレースに様々エッセンスを加えるなど、暗躍ともとれる打算的な活動も行っている。
とはいえ、基本的には末晴の親友であることも相まって、彼に協力的である。
自分の目的の為に色々動いている所も見られ、この作品の裏の主人公ともいうべき存在である。さらに彼の素性は作中キャラの中でも極めて謎であり、判明していることは「末晴が過去に所属し、現在真理愛が所属している会社の社長と何かしらの関係がある」「玲菜とは兄妹関係にある」という事である。
【その他】
・阿部 充(あべ みつる)
CV:
寺島拓篤
白草の幼なじみ。
子役時代の末晴の大ファンであり、演技の道から遠ざかっていた彼に何とか芸能界に復帰してもらいたいと思っている。そのためには自身が悪役を演じることも厭わない行動を取るなど、実は良い人でもある。
が、アニメ勢からは3話のアレのせいで作画崩壊ダンスをした男という印象が強い。哲彦以外のメインキャラクターとは殆ど絡みがないにも関わらず、作画崩壊ネタの話題になると必ず彼の画像がピックアップされることもあって、おさまけのキャラクターの中では特に(悪い意味で)目立っている。
・浅黄 玲菜(あさぎ れな)
CV:高柳知葉
末晴の後輩(つまり真理愛と同級生)そして本人は知らないが、哲彦の妹である。
群青同盟の準メンバーで撮影担当。哲彦とは以前からの知り合いであり、女の子からの評判の悪い哲彦の事にあまり嫌悪感を示さない数少ない人物。お金次第ではあるが彼の頼まれごとを引き受けてくれる。
末晴のことは「
パイセン」と呼んでおり、とても尊敬しているとは思えない。
「お前ら少しは言葉選べ、特に玲菜、完全に俺をバカにしているだろ」
「ぶっちゃけるとバカにしてるっす」
作中のキャラの中でも
大層立派な物を持っている。
白草の友人。
ぽっちゃり体系な女の子。何かと不器用な振舞っている白草をサポートすることもある。
白草の専属メイド。末晴たちとは同級生。
身寄りを失い可知家に引き取られた経緯がある。
白草とは幼いころから一緒に過ごしており、家族以上の感情を秘めている(推しと言ってよい)。そのため、白草が想いを寄せている末晴にはいい感情を持っていない。
・志田 碧(みどり):次女
・志田 蒼依(あおい):三女
・志田 朱音(あかね):四女
CV:藤田茜(碧)・島袋美由利(蒼依)・日岡なつみ(朱音)
黒羽の妹たち。黒羽含めて色に関連した名前であることから「カラフルシスターズ」と呼ばれている。
碧がボーイッシュな性格で運動神経抜群ついでに胸もでかい。蒼依と朱音は双子の姉妹であるが、蒼依は清楚な雰囲気で甘い物が好きなカワイイ系、朱音は淡々とした性格で合理的な思考の持ち主と性格は真逆。ただし2人とも胸は小さい
スピンオフでは姉の黒羽と共に主役に抜擢。
・桃坂 絵里(えり)
CV:
髙橋ミナミ
真理愛の姉。
両親が不和で喧嘩の絶えない家庭環境だったことから、中卒で就職し、自身が真理愛の母親代わりを務めた。現在は大検を取得し大学2年生。
青春時代を真理愛の育児のために費やしてきたことから、真理愛としては姉には幸せになってもらいたいと思っている模様。
・恵須川 橙花(えすかわ とうか)
生徒会副会長で紫苑とはクラスメイト。
背が高くスレンダーな美人。
黒羽とも友人であり、末晴のファン達が暴走しないように纏めるため、末晴ファンクラブ会長を引き受ける。
・小熊(おぐま)
野球部キャプテン。
黒羽ファンクラブ「ヤダ同盟」を立ち上げる。
・那波(なば)
テニス部部長。
白草ファンクラブ「絶滅会」を立ち上げる。
・ニーナ・ハーディ
哲彦と玲菜の祖母。
芸能プロダクションハーディ・プロの創業者で、末晴や真理愛を見出した張本人。
末晴達には「ニーナおばちゃん」と慕われている。
既に息子に会社を譲り、夫と共に世界を旅行している。
哲彦と玲菜の実父でハーディ・プロの社長。
趣味の悪い紫色のスーツを着ているが、人の才能を見抜く点においては天才的。
だが、母:ニーナや息子:哲彦と関係が冷え切っている。
【用語】
・群青同盟
哲彦が考案した部活。主に動画制作や配信を行う。
部活には正式メンバーと準メンバーがおり、それぞれ役割や権限が異なる。
なお白草が動画作成の脚本と演出を担当して、哲彦は動画撮影と編集を行う。(アシスタントとして玲菜が担当することもある)
【テレビアニメ】
2021年4月から6月にかけて放送された。
1クールで12話。
制作は動画工房。原作者はシナリオ会議に参加して、脚本やコンテのチェックもしていたとされる。
黒羽と白草のチキンレースぶりを見て、どちらがリードしているのか、逆転があるのか、各話・各エピソードで楽しめる内容となっている。
一方で動画工房の制作体制が厳しかったのか、第3話で披露した末晴や阿部のダンスシーンの作画を筆頭にクオリティが低い場面が見られ、視聴者から突っ込まれたことがあった。
一応、第9話で黒羽・白草・真理愛が見せたPVのシーンの出来は良い。野郎のダンスよりもヒロインのダンスパフォーマンスの方が見たいという気持ちの表れか。
さらに前述の通り、原作者がシナリオチェックしたにもかかわらず演出や脚本にも問題が散見され、仕舞いには「動画工房が二軍に作らせた捨てアニメなのではないか」という声すら出たほど。
結果として世間からは失敗したクソアニメの烙印を押されてしまった。
この出来には作者である二丸氏は自身のTwitter(現・X)にて不満を吐露し、執筆作業にも多大な悪影響を及ぼしてしまった。
さらにアニメ化後はそれまで順調だった原作の重版がピタッと止まっており、アニメの出来の悪さが原作側に明確な損害を与えた一例となった。
とはいえ、アニメの出来が悪くても原作の売り上げが悪くない、もしくは原作は人気な例の作品も多数存在しているため、一部からは原作者が自分の実力不足をアニメの出来の悪さに責任転嫁していると批判の声もある。
【主題歌】
安月名莉子によるオープニングテーマ。
末晴・黒羽・白草をめぐる恋の行方をChanceとRevengeという文言を用いて明るく表現しているとも言える。
斜度90度の河川敷の存在に突っ込んではいけない。
- ED:「戦略的で予測不可能なラブコメディのエンディング曲」
志田黒羽(
水瀬いのり)と可知白草(
佐倉綾音)によるエンディングテーマ。
悪魔の囁きを告げる黒羽、策を巡らせる白草、それぞれの恋の行方をテンポよく表現した楽曲である。
追記・修正は幼なじみが強敵ヒロインを撃破して想いを成就した時にお願いします。
- アニメ版1話で二丸修一さんとういママがモブで出演してるっけ。 -- 名無しさん (2024-01-19 16:59:29)
- 微妙だったな、アニメ -- 名無しさん (2024-01-19 20:26:36)
- ヒロインが皆幼馴染だから確かに誰が勝とうとタイトルに偽りはないんだが、幼馴染と1対1のラブコメ期待してたら肩透かし食らった感はある -- 名無しさん (2024-01-19 21:26:09)
- まぁそりゃ負けはしないけどさぁ・・・って感じになるがっかり作品 -- 名無しさん (2024-06-01 01:04:50)
- アニメは動画工房の会社内でのゴタゴタに巻き込まれて失敗だからな···(アニメ企画にも積極的に参加してたらしい)作者もブチギレるし俺が作者でも同じように思うわ -- 名無しさん (2024-07-07 05:55:22)
- アニメ化前は原作は結構重版される程の人気だったけど、アニメ放送後は全然重版されなくなったと聞くが本当? -- 名無しさん (2024-07-17 05:53:22)
- 天才子役の設定がいきなり湧いてきてついてけなくなった -- 名無しさん (2024-09-30 23:08:30)
- 大西沙織の為のアニメ -- 名無しさん (2024-10-01 06:58:26)
- おさまけの作者、またメンタル面悪くなってるようだが、大丈夫か? -- 名無しさん (2025-01-16 15:05:43)
- 全13巻で完結したみたいだな -- 名無しさん (2025-03-15 18:23:36)
最終更新:2025年03月15日 18:23