魔王城でおやすみ

登録日:2018/10/06 Sat 08:40:34
更新日:2025/04/27 Sun 20:00:10
所要時間:約 6 分で読めます






静かに! 姫が起きちゃう!




■概要

『魔王城でおやすみ』とは『週刊少年サンデー』にて、2016年24号より連載している漫画。既刊28巻(2024年9月時点)。
作者は『ぬいぐるみクラッシュ』の熊之股鍵次(くまのまたかぎじ)くまのまたかぎつくって読むなよ!絶対読むなよ!

本作の連載開始時、ちばてつや氏はブログに応援メッセージを書いている。
第1巻が発売して間もなく、同時期に連載が開始した『古見さんは、コミュ症です。』と一緒に重版。

TVアニメ版が2020年10月から放送された。
制作は動画工房。
さあみんなに言いふらそう!


オープニングテーマ「快眠!安眠!スヤリスト生活」歌:スヤリス姫(水瀬いのり)
サビ部分のパートは中毒性がかなり高い。
他にも、ゴシック風味からポップでキューティな曲調に変わる際に吐くとあるフレーズには、あの悪魔バンドの『蝋人形の館』を思い出した人もいたとか……。
パッケージ絵はでびあくまに囲まれたスヤリス姫。
カップリング曲は魔王タソガレ(松岡禎丞)&勇者アカツキ(下野紘)によるラップ「ナイトウェルカム」。こちらも必聴の価値あり。

エンディングテーマ「Gimmie!」歌:ORESAMA
ED映像ではSDスヤリス姫の七変化と所々に現れる魔王軍のみなさんも必見。



■あらすじ

かつて、人と魔が存在していた時代。その安定を乱す魔王が人間の姫をさらい、自らの城に幽閉した。
「返してほしくばこの世の支配を全て魔の物に引き渡せ!」と……。

人々は怒り、勇者は姫を救うために旅立った!! 
魔が棲まう城で姫は泣き、絶望し、助けを待つ……はずだった。……が!?

暇を持て余したスヤリス姫が、安眠を求めて魔王城で好き放題! 新感覚、睡眠ショートコメディ―♥

(公式より引用)

ギャグマンガなのだが時に人間と魔族の対立を巡ったシリアスめな物語も展開される。
人間界を離れ、魔族サイドの実情を知ったスヤリス姫が選ぶ道は、果たして―――?

■主な登場人物

CV:水瀬いのり
本作の主人公。通称『スヤリス姫』。HP400以上。
人間の世界の統一国家『カイミーン』の王女であり、瞳の中の☆は王族の証。
魔族に誘拐されて牢に入れられた結果、『寝る』以外にやることがなくなってしまった。
そのため日常的に牢から脱出し、安眠のための材料を手に入れるべく魔王城内(たまに外も)をウロついている。
魔物を倒して素材を剥ぎとったり重要アイテムをぶっ壊して寝具の材料にし、魔物たちの行事にも参加とやりたい放題。
あまりのヤバさに魔物たちからはサイコ扱いされるときもあり*1、姫なのに「はさみ魔物すやすや」とも呼ばれている。
さらには魔界の怪談本に巨大バサミの殺戮幽霊*2として載ってしまった。
そのうちにすっかり魔物たちとも打ち解け、人質ライフを満喫している。人質とはいったい……

衣食住のステータスはほぼ住に極振りで、睡眠関係ならばすさまじいDIYスキルを発揮する。また衣についても人並みの器用さは持っている反面、食については壊滅的。
ただ、自作のプリンやチョコレートは普通に絶賛されているので、作成するスキルがないというより、その産まれから嗜好品ではない日々の食事を作る感覚が皆無なのだと思われる。
王族としての教育は受けているため、ピアノも普通に弾けるなど基本やればなんでもできるタイプ。ただしやる気は基本的にない。
“快適に眠る”ためなら、どんな苦労も危険も厭わないという矛盾してるのか一貫しているのかわからない性質の持ち主。

戦闘スタイルはシザーマジシャンからもらったハサミを駆使しての近接格闘がメイン。
そのほかに王族護身用の小型爆弾や「禁断の魔導書」(後述)による魔法も扱え、戦闘力は高い。
技は「ひっかく」「はたく」「ねむる」「はさみギロチン」の4つ。


年齢は不明。幼児体型なので幼く見えるが、作中描写的に年齢は十代後半と思われる*3
囚われの姫のはずだが、週一で死んでいる。原因はだいたい自滅。
自由恋愛の許されない王族故か、恋愛感情を理解できず、性的表現にも疎い。対等な友人もいなかったため友達への対応も手探り。
ただ、意外と周囲の人物関係には敏感で、それぞれの微妙な距離感を些細な仕草から的確に見抜く洞察力を持つ。その一方で自分自身に向けられる感情にはかなり鈍感。
そんな姫も6歳の頃に「魔法少女ミラクルキュート」にはまっていたり、8歳の頃によく見ていたドラマを見て「キスがうまいとどうなるの?」と城内の者に問い詰める過去を持っていたり、舌が短いのがコンプレックスだったり、といった場面も見せている。

  • 勇者アカツキ
CV:下野紘、小市眞琴(幼少期)
姫を救うため立ち上がったカイミーン国の勇者。魔族に唯一抵抗できる存在。
彼に倒された魔物は魔力の大半を封印されてしまう。
魔王の徹底したサポートもあって順調に冒険を進めていたが、スヤリス姫の介入のせいで先に進むためのアイテムを手に入れることが出来なくなり、いつの間にか正規のルートから外れて迷子になった。

好物は『カイミーン風ハンバーグ』。
名前の由来は『春眠暁を覚えず』。ゆえに姫には名前を覚えてもらっていない。
アなんとかくん。

  • キショウ
アカツキの仲間である魔法剣士。
侍にも似た姿で、日本刀が武器。
老け顔だがアカツキより2~3歳上な程度で、アホな行動が多いアカツキのストッパー役として気苦労が絶えないことがうかがえる。
また、姫の王冠にある宝珠から「安らぎのオーラ」を受け取ることで魔王城と空間をつなげる術を使えるが、間接的にアカツキの悪夢を見せてしまったことも……。
名前の由来は文字通り『起床』から。

  • ウェイカー
アカツキの仲間である魔導士。
フードで全身を覆っており、その素顔を隠している。
名前の由来は『Wake up(目覚める)』から。


アカツキの旅に追加で加わったマジックフェンシングの達人。
「カイミーンの輝ける貴公子」と言われ姫を含めた女性人気が凄い大スター、もちろん魔王城の男子は全員嫉妬していた。
しかし性別は正真正銘、女性である。
名前の由来は『雷光』…ではなく『ご来光』から。

  • モルゲン
CV:三宅健太
カイミーン国の聖騎士で、大柄な身とどデカい声が特徴だが、注意散漫でドレスに身を包んだ姫が隠れても見当たらないほど。
名前の由来はドイツ語の『グーテンモルゲン(おはようございます)』から。

  • ヨイノ・ミョウジョウ
CV:浜田賢二
カイミーン国の聖騎士部団長で、タソガレとあくましゅうどうしも認めるほどのかなりの手練れの身だが、夜型人間で朝日を浴びるとすぐ寝てしまうのが欠点。
実は姫の黒歴史過去をよく知る身で、モルゲンに変装していた姫もタソガレ&あくましゅうどうしに取り押さえられるほどに悶絶するほど。
別部隊の隊長として弟のアケノ・ミョウジョウがいる。
名前の由来は『宵の明星』から。

  • オーロラ・音無・リース・カイミーン
CV:早見沙織
カイミーン国の女王様。スヤリス姫を育て上げた苦労人。
姫が独り立ちしたあたりからおっとりした性格になったらしいが、とある理由でカイミーン城に来たタソガレからは「あの親にしてこの子ありか……」と言われている。娘の事が大好き。
後にとある理由から自分で魔王城に訪れており、そこでも魔族の面々を振り回した。

CVの早見氏はアニメのナレーションも務めており、アニメ最終回では女王のナレーションで〆ている。

  • ビアンコ&フローレンス
CV:杉田智和悠木碧
通販番組『ヒューマンズ☆ショッピング』で司会をやっている男女のコンビ。
ビアンコはビアンカを似非外人風にした男性で、フローレンスはフローラそのまんま。
ちなみに本当はテポラという人を含めた3人番組だったらしいが、彼女は寿引退したらしい。
この通販番組は魔王城でも視聴可能で、時々安眠グッズを紹介しては姫の暴走の原因となっている。

■主な被害者の皆さん登場魔族

魔王と魔物達。
魔王を頂点とし、直属幹部の「十傑集」、その配下の魔物の皆さんから成る。
同誌のエルフのお話とは違いみんな気立てのいい親切な奴らである。

  • 魔王タソガレ
CV:松岡禎丞
魔族を束ねる若き王様。
スヤリス姫をさらった張本人でラスボスだが、性格は繊細かつ結構ピュア。
人間界への侵攻を主導する立場だが、普段気にしている事は「ゲームバランス」と「フラグ管理」。
勇者の冒険を陰に日向にサポートしており、ダンジョンも苦労はしても心は折れない程度の難易度に調整している。
スヤリス姫が冒険のキーアイテムをしょうもない目的でぶっ壊して回るため、そのフォローが日課となりつつある。

姫を誘拐した事を後ろめたく感じており、魔族なりの丁重なもてなしをさせている。
姫が基本寝ているか城内で暴れているかのため、当初は姫と会話した時間より勇者と会話した時間の方が長かった。
本気を出すと姿が変わる。死ぬと魔王城が崩れ出す。


  • あくましゅうどうし
CV:石川界人
魔王城内のエリア『悪魔教会』のエリアボスで十傑集の一人。本名は「レオナール」、姫からの愛称は「レオくん」。
一見穏やかな青年に見えるが、魔王が少年の頃から今の姿。腰痛持ちのおじいちゃん。座右の銘は『悪魔の耳は黒ヤギのみみ』。
蘇生のエキスパートでありスヤリス姫および姫に殺された魔物を蘇生するのが仕事。
姫が来てからおばけふろしきを筆頭に大量の死者が出るようになり、姫本人も週一ペースで命を落とすため物凄く忙しくなった。
そういう事情で姫を気にかけていたが、気にかけすぎていつの間にかガチ恋してしまった。
姫との距離が近い男を呪ったり無自覚にストーキングしたり暴走しては自己嫌悪に陥る非常にアレな恋煩い中。

意外と少年の心を持っており、テレビに影響されて教会の地下に秘密の部屋を作ったことも。
また、かつてはかなり悪魔的な生活を送っていたようで、本人はそれを黒歴史扱いしている。
組織内での立ち位置はヒーラーだが、前線に出る際はネクロマンシーを駆使して戦う。
昔取った杵柄で、直接殴り合っても強い。

レオナール(魔女と毎晩淫らな宴をすることで知られている名)という本名を嫌っていて一部の友人以外には隠している。

そっくりさんの従弟のカモシュがいる。
とある用事で魔王城を留守にした際にすり替わったこともあるが、姫からはすでに見破られていた。

  • レッドシベリアン・改
CV:小林親弘
魔王の腹心中の腹心たる魔獣族。十傑集の一人で、魔王が子供のころから飼っていたペットのモフ犬。
規律を重んじる性格だが、かなりの堅物で趣味嗜好もあまりない。
配下のレッドシベリアンを引き連れ、魔王城の風紀を守ることが使命であり、
規律や風紀を乱す姫は天敵にして人質としてあるべき姿を説く教育相手でもある。
ここ数年の悩みは『愚かな人間どもが魔王様を敬わない』、最近の悩みは『毛を刈りたいが諸事情で刈れない』。
このところは姫が胸の毛で寝たがるのでいい加減刈りたいのだが、タソガレが「その毛を刈るなんてとんでもない!」と無限ループで拒否するため、未だ実行出来ていない。
また犬特有の癖(他人の靴を土に埋めるなど)が抜けきっていなかったり雷が怖かったりと近頃はかわいいワンちゃんな側面が強い。

集団戦を得意とし、サバット・爪・牙による攻撃で敵を蹴散らす。その場にあれば武器も使う。

  • ネオ=アルラウネ
CV:大原さやか
植物エリア『秘密の花園』でエリアボスをしている美人。十傑集の一人で植物族。花言葉は「幸福の再来」。
長身長髪の巨乳で姫からは「セクシー」と呼ばれている。
規律より自分の信じる正義を優先し、基本的に性善説推し。ゆえに姫に対して同情的だったが、その所業を目の当たりにして認識を改めた。
しかし何だかんだで女性どうし仲良くやっている様子。

美人のお姉さんらしく、状態異常とチャームによる搦手を得意とする。
ログベッドの素材ことわるもくじん(CV:玄田哲章)とは同じ植木鉢で育った兄妹の間柄。
エリア内での立場を守ってあげているが、内心超ポンコツ切り株な兄からいいかげん解放されたいようだ。
少し前までの悩みは「兄には困ってます」、最近の悩みは「姫がいっそ兄を殺せばよかったなんて思っていませんわ」。

何故かドルオタな一面があり、芸能活動には一家言ある。

CV:大塚剛央
深海エリア『忘れられた深海』のエリアボス。十傑集の一人で神族。3人兄弟の次男。
それゆえ、地位はとんでもなく高いはずだがなぜか魔王の傘下にいる。
後述する旧魔王軍のハデスとは犬猿の仲で、ふとした瞬間に仕草が似てしまうので会うたびにその悔しさで蹴りを入れている。
最近の悩みは「(ハデスに)にーてーねーえーよ!!」。
見た目は少年のようだが、実はレッドシベリアン・改と同い年。ただし精神年齢は見た目相応。
牢の近くで水遊びしたことで姫と喧嘩になって以降、姫とは犬猿の仲。
お互いに「裸族」「激ヤバサイコ姫」だの散々な言い様。だが、姫から褒められると怒りながら照れる。
互いにやり合ううちに、次第に喧嘩友達のような関係になっていった。
可愛いもの好きで、姫とはたびたびナスあざらしを取り合っている。兄ともども辛いものはかなり苦手でちょっとでもピリ辛でも喋れなくなるほど。
神族らしくテレポート能力持ち。

そんな彼も姫が人質になる前は「神族ってなんだよ。神だろ、クソッ」と不満を持っていた模様。


  • サンドドラゴン
十傑集の一人でドラゴン族。かえんどくりゅうとは同郷。
十傑集の一番手として勇者に挑み敗北を喫する。1コマで。
後に立ち直り、イケメンメガネ男子の人型形態で登場。
敗北を経て達観した悟り系男子を気取るものの、その実むちゃくちゃ短気。かえんどくりゅうと共に荒事に乗り込もうとする場面も見られる。
怒ると砂を出す体質で、その短気さと体質を砂風呂を作ろうと目論んだ姫に利用されたことも。
驚くなどするとメガネが割れるが、予備のメガネを無数に持っているため問題はない。
彼にとってメガネは穏やかに見せるためのアイテムでしかないようだ。

アニメでは大幅にモンスター時代の出番が増加。
第2夜では勇者パーティーを待ち伏せてウェイカーを負傷させ、パーティーを撤退に追いやるほどの強さを見せたが、第5夜でついに倒され砂塵と化してしまった。

  • かえんどくりゅう
CV:黒田崇矢
炎エリア『古の大火山』のエリアボス。十傑集の一人でドラゴン族と悪魔族のハーフ。サンドドラゴンとは同郷で年配。仮面を外すとかなりイケメン。
十傑集の二番手として勇者に挑むが、様々な不運が重なり敗北。実は姫ではなく魔王軍幹部の皆さんがいろいろとやらかしたせいだが。特にあくましゅうどうしは確信犯。
本名は魚っぽい「アジ・ダハーカ」。一部の者からは「アジ」と呼ばれている。
姫のことは「やばい奴」と認識している模様。だが、なんだかんだで慣れてしまっている。

  • m.o.t.h.e.r.

  • 魔女シルモス
『絹の森』に住む元・十傑衆の魔法使い。
白尽くめの衣装を纏い、身長は姫よりも小さい。ただし外見は幼いが当代魔王のタソガレを「坊ちゃん」と呼ぶなど実年齢は結構高い。
カイコガに似た魔蟲族のおかいこさまという種族で、羽はあるが生身では飛べず、体力がなく少食。
そのかわり魔術ではなく自分の魔力で直接様々なことを発動させる希少な「魔法」のエキスパートである。
かつて人間の王族に手を出したこともある人間嫌いであり、少しでも人間の話をすると怒り出す。
そのためか魔王とは方針が合わず、物語開始時点では退職している。


  • 十傑衆最後の一人
十傑衆はその名の通り結成時点で魔王を除き10名いたことは明らかだが、何故かどの記録でも9人までしか存在を確認できない。
十傑衆メンバーも魔王さえも、10人目について誰も知らないのである。
ネオ=アルラウネのおぼろげな記憶では「巨大なでびあくま」という本来あり得ない姿をしており、何故か当時誰も不自然に思わなかった。
スパイの暗躍の可能性などが議論されていたが、長らくその正体は不明のままであった。



  • でびあくま
CV:水瀬いのり&早見沙織
悪魔族の下級魔物で、魔王城にたくさん生息している。
前作のクマの人形『むーむーたん』に小さな悪魔の翼が生えた姿をしている。つまりめっちゃ可愛い。超可愛い。おまけにいい綿が取れる。羊毛とか言わない
姫のブラッシングが大好きで、毛繕いしてもらうために姫に牢屋のカギを渡している。
すなわちスヤリス姫が牢屋を抜け出すきっかけと安眠クエストを作り出した元凶。でもかわいい。
戦闘力は低いが、本気のときは「なかまをよぶ」で数の暴力を振るってくるため危険。最近は時々姫も呼ぶらしいのでものすごく危険。
でびあくまの着ぐるみを着た姫とでびあくまの区別がつかないなど、おばかさんっぷりをちょくちょく見せる。

  • でびあくま亜種
でびあくまの「なかまをよぶ」コマンドで時折確認されるレア魔物。
見た目はでびあくまの着ぐるみを着た女の子だが、極めて凶暴。出現するやいなや問答無用で冒険者を攻撃し、瞬殺する。
的確に急所を狙い、拳やハサミに道具類、果ては強力な魔法も扱う危険な存在。



  • シザーマジシャン

  • おばけふろしき
CV:相馬康一
九十九族の魔物。あまりにも素晴らしい生地のためもったいぶって保管しすぎた布が魔物になった。
美しく霊気に満ち溢れ、肌触りもサラサラ。しかも丈夫(ただし通常使用の範囲内)なため、姫に安眠シーツの素材目当てで殺されてしまう。
それ以降一族揃って姫への怒りに燃え、ことあるごとに姫に戦いを挑んでは殺され、あくましゅうどうしに蘇生され、また挑んでは狩られている。
果たして一番大変なのは誰なのか。
使いでの多い素材なため、姫の中ではおばけふろしき狩りはノルマ。ボスのかいぶつふろしきは姫の蚊帳になった。
戦闘スタイルは締め付け。

  • はりとげマジロ
CV:小山力也
トゲトゲがいっぱいの魔獣族。見かけ通り肉弾戦と防御力に秀でている。
頼まれると断れないタイプかつやれやれ言いながら周囲のボケにツッコむタイプで友達が多い。姫からも「とげちゃん」と呼ばれ慕われている。
現在では半ば親御さん扱いである。
背中の針は引っこ抜かれて姫の裁縫道具や武器になった。なお、引っこ抜かれるとなぜか付け根が尖っているお肌にやさしい仕様。
魔界の温泉地ジゴ=クサツの出身で、実家ではトゲユキと呼ばれている。弟妹が沢山いる。
好物は「怪鳥茶碗蒸し」だが、以前城中の卵を茶碗蒸しにしたせいでブラックサンタが来たことがある。


  • ミノタウロス
CV:山根雅史
ウシ型の魔獣族。魔族の一般人。右のツノが折れている。
はりとげマジロと仲が良く、友達とのバカ話が日々の癒し。一緒にいたら姫の凶行の被害に遭うとわかっていながらツルむのをやめない。
比較的常識人な気苦労人で、実は可愛い物好き。牛乳よりも豆乳派でもある。
少し前までの悩みは『ビーフっていうのをやめろ』、最近の悩みは『人間ってみんなああ(=姫)じゃねーよな?』。

CV:高橋伸也
ゴブリンの精霊族。魔族の一般人だが風呂でえらいテンションが上がる。体がガリガリ。
はりとげマジロやミノタウロスとツルんでいる事が多い常識人。

  • フランケンゾンビ
CV:相馬康一
フランケンシュタインな頭部のアンデッド族。はりとげマジロらとツルんでいる4人組の1人。
改造されたゾンビで、他の常識的な3人と異なりズレた性格。姫の凶行を見ても笑って流す。
姫には基本好意的だが、姫の奇行でドギマギしたりもしない、メンタル面での地味な強キャラ。
バカっぽく見えるが、実際のところセンスがずれているだけで、知性面でバカというわけではないようである。

  • 上級ガイコツ兵(ガイコツ兵)
CV:中山祥徳
頭に矢が貫通したガイコツ兵士。軍服を着ている。
漫画ではフェニックスの卵防衛に出たモブキャラ
アニメでは複数の名無しモブ(風使いの盾の報告をする半魚人、神器の森捜索班を指揮するリザードマンなど)が彼一人に統合されて中間管理職のポジションに。

  • ふたくびドラゴン
CV:小林康介
二頭の首を持つドラゴン
二つの頭にそれぞれ脳があるが、困ったことに両方おバカなため、聞いている方の頭が痛くなるような会話しかできない。
空気が読めない発言をかまし、姫の機嫌を損ねては殺されるのが日課。そしてバカなので全く懲りない。
どう考えてもただのバカだが、魔王城はエリートしか勤められない職場であることを考えると、知能面を補って余りあるほど戦闘力その他が優秀なのでは…?とも推察されている。

  • タイヤ魔神(タイヤ魔人)
九十九族の魔物。無数のタイヤにガス状の魔物が融合したことで人型をなした。
姫に殺されタイヤ部分を耐電・耐寒防具として使われる。本人はガス魔人として蘇生された。
本人の出番はそれ以降無いが、姫が氷エリアに入る際は必ずタイヤ防具を着用したジョブ「じゅうせんし」になる。

  • アイスゴーレム
CV:真木駿一
氷エリア『氷雪の楼閣』のエリアボスで、氷ブロックで構成されたゴーレム。十傑集ではなくポセイドンの部下。
タイヤ装備を身に着けたスヤリス姫は彼そっくり(?)の姿であり、姫の活躍が本人の知らない武勇伝と化していく。
氷エリアの部下からは絶大な支持を受け、彼も良い部下に恵まれたことを感謝している。そのため氷エリアの結束の強さは魔王城トップクラスだという。
マグマへの集団デモも人望があるからこそだろう。
原作第75夜では体の冷たさを活かし腕相撲で無双した。

  • ナスあざらし
魔海獣族の魔物。見た目はデフォルメされたあざらしでゴマが好物。姫からゴマちゃんって名付けられそうになったこともある
でびあくまに続くマスコット枠。かわいい。
ひんやりもちもちな抱き心地で夏場は大人気。口から氷の風を出すことができ、失火の後始末にも活躍する。
一体が姫とのお昼寝とポセイドンの餌付けの合わせ技で巨大化。次期エリアボス候補筆頭にのし上がった。
姫もポセイドンも大好きで、泣いていると皆で慰めに来る。
氷エリアの他の大勢の魔物と違い、姫とアイスゴーレムの区別がつく。

  • ハーピィ
CV:大橋彩香
鳥獣族のゆるふわ系魔物女子。背は高めでカロリーはすべて胸に行く体質
背中の翼を活かした人間の諜報が仕事だが、人間を観察しすぎてその生活を見る機会が多くなり、人間の友達になりたくなった。
好きな言葉は「パジャマパーティー」だが、実態は良く知らない。
姫の初めての友達になったものの、(羽毛布団的な意味で)体だけ求められたので悲しんでいる。
それでも頑張って話しかけ続け、どうにかパジャマパーティーをやる仲にまで進展。
手足はもこもこの毛で覆われており、そこから黒い鉤爪が伸びている仕組み。
アニメ第5夜のアイキャッチでも「私の手……可愛くなさすぎです」との悩みをこぼし、常に萌え袖で両手を隠している。
そんな最近の彼女の悩みは「姫と仲良くなりたいんですけど……」。がんばれ鳥ガール。


  • のろいのおんがくか
CV:八代拓
そんなハーピィの弟で、かつては「トリース」と呼ばれていた。
本職の音楽以外の分野でもマルチに活躍する天才肌。モチーフはニワトリ。ゆえに「鳥だけど飛べない」ことを気にしている。
姫が歯痛を起こした際は「のろいのしかいし」として診察を行った。
なお、アニメ版ではむしろおんがくかバージョンの方に出番がなく、アニメしか見ていない人には「歯医者やっていた人」としか認識できなくなっている。
自他ともに認める「出来るヤツ」なのだが、そのおかげで仕事を多く回されてしまう貧乏くじ引き。
姉から聞いていた姫のイメージと実物のギャップに驚愕し、姉の性癖に一抹の不安を抱く。


  • あくむーwithバクムー
でびあくまの黒い奴とバクの魔物コンビ。両方夢の世界と現実世界を行き来できる魔獣族。
誰かが見た夢があくむーに宿り、それが悪夢だと『悪夢の霧』を発生。
それを栄養にするバクムーがあくむーを食べて体内で浄化し、あくむーが夢の世界へ帰るというプロセスを踏むことで、魔王城にいる魔族は悪夢を見ないで済む。
しかし姫が来てから城の魔族たちは日々悪夢を見るようになり、その悪夢の量がバクムーの消化スピードを上回ったため、魔王城の皆は悪夢を見るようになってしまった。
あくむーを姫がブラッシングして浄化すると、あくむーに宿った夢の持ち主もブラッシングされる夢を見る。

黒いサンタクロースの姿をした精霊族。
クリスマスになると会議で決まった悪い子のもとに現れ、ジャガイモと石炭と何か嫌な物を靴下に入れていく。
魔王城は毎年平和なため、悪い子はささいな悪事で決まっていたが、今年は断トツで悪い子がいた。

  • ギアボルト博士
CV:大塚芳忠
魔王城や各地ダンジョンのギミック、発明担当の魔獣族。自分の体を改造している。
神父のような黒服にフード、丸眼鏡に後頭部の大きなギアが特徴。
シン・ギアボルターなどの巨大機械兵器や、わんこ用モフモフ乾燥機も開発した。

  • さっきゅん
CV:小澤亜李
みんな大好き淫魔の娘で、呼び名は淫魔仲間からつけられたもの。
髪の色と瞳の星以外の容姿は姫そっくりで、おばけふろしきを除く魔王城の魔族はともかく、カイミーン王国国民でさえ気が付かないほど。
モテることが必須条件の種族でありながら、なかなかモテない落ちこぼれ。
モテモテ(さっきゅん視点)のスヤリス姫に「姫みたいになりたい!」と弟子入りするが、その容姿から影武者志願と勘違いされる。
姫が真似しちゃいけない類の人だと後から気付くも、時すでに時間切れ。
以降、姫の身代わりとしてあくましゅうどうしやタソガレにも使われ命の危険にさらされることになる。かわいそう。
しかし高額の報酬に釣られて本格的に影武者を目指すことに。おばかさん。
最近は主に姫に人質らしい振る舞いが求められるときに引っ張り出される。がんばれ。
なお基本的に口を閉じようとしない。うがー。
そんな彼女は旧魔王城の睡魔と遠い親戚で、妙に姫に気に入られているのが共通点だったりする。他にも実兄にインキュバスのいっきゅんがいるが、イケメンなのにかなりの怠け者なため、気苦労が絶えない。
当初は姫からの愛称は特になかったが、さっきゅんの方から友達になりたいと伝えられた際に姫が「さっきゅん」を上手く言えず「サキュン」になった。
前までの悩みは「モテないー!」、最近の悩みは「ヤバい影武者にされた上にモテないー!」、好きなお菓子はふがしのはじっこ。


■旧魔王城の皆さん


放棄された古い魔王城に住む居残り組。
建物は先代魔王であるウシミツの魔力で維持されており、未だに多数の罠が稼働する危険スポットとなっている。
魔力切れにより城が崩壊しかかった際には、タソガレ自らウシミツに会いに行き助けを求めた。

  • ハデス
CV:谷山紀章
先代魔王の引退後、現魔王タソガレの就任から少しして魔王城を離れた十傑集の反乱分子。
ポセイドンの兄で神族。3人兄弟の長男。
魔力もかなりのもので、戦闘時には青白い炎の大鎌を錬成する。
魔王の地位を巡ってタソガレと対立し、旧魔王城にスヤリス姫を攫った。

しかし人質生活に馴れた姫はさくっと脱獄。
旧魔王城内を徘徊されたあげく、自分が着ている服を剥ぎ取られたことにさえ気付かないなど、異様な鈍さを知らしめただけに終わった。

小型犬派で、ケル・ベロ・スゥという三匹の子犬を飼っている。
大型犬派のタソガレとの論戦は、傍から見ると犬トークで盛り上がっている仲良しさんにしか見えない。

タソガレを「バカ」だの「アホ」だのと罵って現体制から離反しているものの、
幼少期はタソガレと協力して職務に励み、魔王城新人研修と同じタイミングでこっそりジゴ=クサツに来ている等、本当にタソガレを嫌っているのかどうかはちょっと怪しい。
そして実際のところ、ハデスが出て行ったのはタソガレに魔王としての自覚を促すためだったという。

魔王城にいるポセイドンからは少し疎遠になったと思われていたが、寂しがるポセイドンを鬱陶しく思った姫の介入で頻繁に会うように。
弟の好物のからあげを作っては旧魔王城のメンツと兄弟で食卓を囲んでいる。
どうやら他にも弟がいるようだが……?


  • ケル・ベロ・スゥ
CV:石上静香(ケル)/戸松ゆきな(ベロ)/小坂井祐理絵(スゥ)
ハデスに仕える魔獣族のあまったれ三兄弟。
手の平サイズの頃に三人揃ってハデスに拾われそのまま育てられたため、ハデスのことが大好き。
「敵には強く出て良い」という教えから敵には強気で接するが、地の性格はケルは強気、ベロが泣き虫、スゥが笑い上戸である。
散歩が好きなので、ハデスは朝晩合わせて毎日3時間もの時間を散歩に割いている。
同じ犬型の魔獣族でも大型犬のレッドシベリアン・改がとにかく恐ろしい。三兄弟曰く「大きい犬こわい!」
旧魔王城に人質としてやってきたスヤリス姫にも高圧的に接しようとするが、結局モフモフ欲しさに暴れられてから「人質の姫こわい!」と恐れている。

  • 睡魔
CV:三木眞一郎
眠気の化身である精霊族の魔物。
旧魔王城に住んでいるが、特に含むところはなく、静かでよく眠れるから残っただけ。
一日のうち20時間は眠らないと死に至るという難儀な性質。

トラップだらけの旧魔王城でも安眠する方法を日々模索。
姫から「睡魔師匠」と呼ばれ、睡魔も眠りにかける姫の情熱を認めて師弟関係を築いた。
あくましゅうどうしとは旧知の仲。

ほぼ寝ているだけのサボり魔なのにクビにならないのは、夢の中で呪いや悪霊の類を祓うという実は非常に重要な仕事を行なっているため。寝ている彼を無理矢理起こすとその呪いが跳ね返ってくる。


■その他関係者の皆さん

  • アラージフ
CV:佐倉綾音
人間の闇の叡智が詰まった禁断の超高位魔導書。
魔王を含めた魔族そのものをまとめて葬ることも容易く、その危険性ゆえに魔王が魔王城に封印している。
『アラージフの精霊』が宿っており、王族のスヤリス姫を『仕えるべき存在』として自分の使用者に選んでいる。精霊の見た目は褐色肌の少年。
強大な魔力と魔法を授けることが可能で、効果範囲半径一キロの炎や水の魔法などが使えるようになる。
対象を異次元に飛ばす魔法もあるが、あまりに下級な魔族相手だと種族そのものを消し飛ばし世界に悪影響が出る。
スヤリス姫に魔族を滅ぼし脱出するよう促したものの、彼女にその気がなく基本はパシリか知恵袋扱い。ゆえに魔族への攻撃に使用されるとイキイキとする。
封印されていた時期が非常に長いため、年季の入った魔導書の割には精神年齢が幼い。
ここ数百年の悩みは『魔族滅ぼすべしですよ』、最近の悩みは『姫』。本人曰く『ネクロノミコン、元気してますかねー?』とのこと。
そんな彼もさっきゅんから尊敬されて頼みを断り切れないチョロさも見せており、さっきゅんもまた「本から引っこ抜き大魔術」などを研究している模様。

元ネタはクトゥルフ神話の最もポピュラーな魔術書、ネクロノミコンの原題でアラブ語版のアル・アジフと思われる。

  • 先代魔王ウシミツ
先代の魔王でタソガレの父親。
10年前に魔王の地位を降り、現在は魔王城奥深くの伏魔殿にて隠居生活を送っている。
隠居中とはいえその実力は圧倒的。身体のサイズも圧倒的。
自らとは違ったやり方で魔界を統治しようとするタソガレを認め、励ましの言葉を贈った。


  • オーロラ・胡裳・リース・カイミーン
スヤリス姫の父(現カイミーン国王)の姉。
王族としての暮らしを捨て、人間界と魔界の境界にある「境界山天空寺」の後継ぎとなった。
天空寺は人魔両方を受け入れる修行場であり、ゆえに人魔両方を捻じ伏せられるくらいには強い。
ウシミツとは旧知の間柄で、人間と魔族の在り方にも思うところがある様子。

  • ゼツラン
ドラゴン族の長の娘。
幼少期にはタソガレとともに武道の修業を積んでおり、今もほのかな想いを寄せている。
サンドドラゴンやかえんどくりゅうとは長い付き合いで、彼らからは「お嬢」と呼ばれる。

かつて人間に誘拐された際、タソガレが助けに来てくれなかったことでこじらせモードに。
そのうえ当のタソガレは人質を甘やかしまくっているという噂を聞きつけ、積もり積もった感情が一気に爆発。
サンドドラゴンとかえんどくりゅうを使ってタソガレを攫い、積年の恨みをぶつけようとしたが……?








どこでもドアで突然魔王城を訪れた、かわいい青タヌキ未来のネコ型ロボットと寝付きのいい小学生。
何やら会話した後に、ひとしきり四次元ポケットを探ってからすぐに退出するが、偶然一部始終を目撃した姫にポケットを盗まれてしまい……






■用語

本作では人間も魔族も教会にいる神父がザオリクしてくれる。
人間の場合は死んだ場所で本人の『墓』が出現し、復活する時は棺桶に入る。
しかし、どんな状況でも蘇るという訳ではなく、墓の状態で一週間放置されるとゾンビになってしまう。
また、違う種族同士で一緒に蘇生すると稀に合体蘇生してしまい、融合した状態で蘇生される。
魔王城ではあくましゅうどうしが一手に引き受けているが、姫のおかげで蘇生件数が爆増し、大量蘇生で疲労が溜まっているご様子。
そのため姫とネコスタンプが合体したり、自身とでびあくまの精神が入れ替わるなどのやらかしも……。
勇者に敗れた場合も蘇生自体は可能だが、魔族は魔力を封印され、力が大きく制限されてしまう。
十傑衆で現在明確に勇者に殺されたことがあるのはサンドドラゴンとかえんどくりゅうの2名。
ポセイドンとネオ=アルラウネは交戦しているが勇者に殺された描写がない。

  • 魔王
本作の魔王は先代の魔王が自らの魔力を練り上げて創り出す存在であり、王妃は基本的に存在しない。
そのせいか、現魔王のタソガレはだいぶファザコン気味である。
ちなみに先々代の魔王はヤハン。その前はザンヤ。






追記・修正は魔族にさらわれてからお願いします。


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最終更新:2025年04月27日 20:00

*1 ポセイドンに至っては激ヤバサイコ姫とまで言っていた。

*2 姫は自分の事だと気が付いていらずにこれのせいで眠れないほど恐怖していた。

*3 具体的な年齢は伏せられているが、一応成人しており酒も飲める年齢ではあることは作者から語られている。

*4 オチには藤子・F・不二夫先生の絵柄に溶け込んだスヤリス姫があの押し入れの中で寝ているという徹底ぶり。