ツメゲリ部隊(ONE PIECE)

登録日:2024/10/05 Sat 08:30:00
更新日:2025/04/26 Sat 15:32:57NEW!
所要時間:約 7 分で読めます





七武海が相手となれば

卑怯などとも言っておれぬ

「「「「我ら四人で」」」」

カタをつけさせて

貰おうか

ツメゲリ部隊とは、漫画ONE PIECE』のアラバスタ編で登場する部隊である。


【概要】

アラバスタ王国護衛隊副官のチャカの部下でネフェルタリ・コブラ直属の護衛部隊。
アラバスタ国内ではエリート部隊として多くの国民から支持されており、国民からはツメゲリ部隊ならなんとかしてくれると大きな期待を寄せられていた。


初登場は単行本第22巻・第196話・『1』より。

【メンバー】


  • ヒョウタ・CV:鈴木貴宏
無精髭を生やした巨漢の男。
クロコダイルに挑む場面で『怒りを!』と大声で叫んだコマが描写されているのは彼。

  • ブラーム・CV:高崎拓郎
目が隠れており、メンバーで一番細身の男。

  • アロー・CV:藤原勝也
顔が細長く長剣を武器にしている男。

  • バレル・CV:不明
目の下の隈取りが特徴な腹が出ている男。武器は斧。


【作中での活躍】


アラバスタ編中盤の、ルフィを下したクロコダイルが王宮でコブラに古代兵器プルトンについて尋問している場面で登場。
ツメゲリ部隊はミス・オールサンデーことニコ・ロビンのハナハナの能力で塞がれていた王宮の扉をブチ破り、突入することに成功する。*1

精鋭であるツメゲリ部隊が門をぶち破ったことにより、周囲からは『ツメゲリ部隊ならコブラとビビ王女を救ってくれる』とツメゲリ部隊に対する周囲の期待の声が上がっていた。
クロコダイルから『随分と人気者らしいが、お前ら見逃してやるからウチへ帰れ』と忠告されるが、メタ的に見ればこの時本当に帰っていたら完全な無駄死にだったのもあり護衛部隊としての義務や矜持もあり当然そうはいかず、反乱の元凶であるクロコダイルに鬼気迫る表情で挑むのであった。
この時の様子がおかしいとビビとチャカも察するが、それもその筈でツメゲリ部隊の4人は一時の力を得る代償として命を削る水『豪水』を飲んでいたためであった。


やつら……!!!
“一時の力”を得る為に!!!……
命を削る水(・・・・・)を…

豪水(ごうすい)”を飲んでいる
もはや…数分の命
………助からぬ!!!

チャカは迂闊にも『豪水を飲んだ者は数分の命でもう助からない』という重要な情報を口に出してしまい、クロコダイルは『そんなこったろうと思ったぜ』と嘲笑。
そんな状態でもツメゲリ部隊は全ての元凶たるクロコダイルを討つため武器を振るう。


チャカ様…我等ノ勝手ヲオ許シクダサイ……

デスガ知ラシメネバ

コノ国ノ“痛ミ”ヲ…コノ男二……コノ国ノ…

怒リ”ヲ!!!!


しかしクロコダイルにはあっさりと回避されてしまう。
そこから余裕尺尺な態度でツメゲリ部隊をあっさり返り討ちにするかと思われたが、戦う価値もないと判断したクロコダイルは全く相手にせず、スナスナの能力でツメゲリ部隊の攻撃を回避して王宮の高台に避難してしまう。
その直後に豪水の副作用により『チャカ様…』の一言だけ発し4人は事切れるのであった。
それを見たクロコダイルからは『アーアー、…スマートじゃねえな…命は大切にしろよ‥!いや…もう手遅れか…』『勝手に死ぬんなら、俺が手を下すまでもねぇよな?』ともっともな返答をされ、『クハハハハハ!間抜けってのはまさにこの事だな!!!』と大笑いされてしまい、それを見たチャカは完全にブチ切れてクロコダイルに挑むも瞬殺されてしまい、クロコダイルはチャカに対し『弱ェってのは‥罪なもんだ‥‥』と呟くのであった。



【豪水】


アラバスタ王国に存在する劇薬で、飲むと一時の力を得る代わりに命を削ると言われている危険な代物。
ドーピング薬の一種であろうがこの一時が具体的にどのぐらいの時間なのかは不明だが、飲むとアザが出来るのが特徴。
作中ではツメゲリ部隊が飲んでしまい命を落としたが、この2人のような規格外の怪物が飲んでも命を落とすのかどうか気になる所ではある。
毒として使ったほうが良いんじゃないかとの声も多数


【反響】

一時の力を得る代わりに命を削る水『豪水』を飲んでクロコダイルに挑むも、クロコダイルに歯牙にもかけられず死亡。というあまりに救われない結果に終わってしまったツメゲリ部隊。
命がけの覚悟で挑む忠臣と、それをあざ笑う悪役という図式は王道ともいえるが、あまりにもあんまりな展開は語り草。

特に味方であるチャカの迂闊な言葉が招いたように見えることも話題を集めた。

とはいえ『そんなこったろうと思ったぜ』というセリフから、
クロコダイルは豪水を知っていた、そうでなくともツメゲリ部隊がかなりリスキーなドーピングを行っていることは察していたようであるが。

クロコダイルからも『間抜けってのは、まさにこのことだな』と煽られたが、それに対して様々な理由から残念ながらクロコダイルの言うことはごもっともで反論できないと考える読者も少なくない模様。


反論できない理由:能力への対策不足

まず言われるのは『クロコダイルに挑むなら何故海楼石を用いなかったのか?』という指摘。

自然系悪魔の実の能力者には海楼石、あるいは能力の弱点(クロコダイルのスナスナの実ならば「水」)を用いない限り物理攻撃は通用しない。
武装色の覇気や上位関係にある実の能力やヤミヤミの能力でも通じるが、この時点ではそれらの情報は出てきていない)
クロコダイルが王下七武海として活動している中でスナスナの能力を使っており、詳細はともかく悪魔の実の能力者だと把握できる可能性は高い。
水の弱点はクロコダイルが隠匿しているため、もっとも手っ取り早い対策は「海楼石」になる。

アラバスタは偉大なる航路に位置する世界政府加盟国の一つであるため、海楼石の存在を知らなかったとは考えにくい。
また、クロコダイルも海楼石の檻を用意していることから、アラバスタにも入手ルートもあるはずである。
しかし、そういった能力対策もなしに、時間制限付きの身体能力強化だけで攻めるのはあまりにお粗末と言わざるをえない。

能力対策がないならいくら身体能力を強化してぶん殴ろうがクロコダイルはノーダメである

後の空島編では半裸の部族男が海楼石を切り札として自然系悪魔の実の能力者である自称・神に大ダメージを与えることに成功しているため、彼らの『豪水を飲んでクロコダイルに真正面から突撃』という作戦が短慮で頓珍漢であることを皮肉にも際立たせてしまった。



反論できない理由:基本スペックの差

仮に彼らがスナスナへの対抗手段を用意していたとして、そもそもツメゲリ部隊の力量で勝てたのかという見も蓋もない疑問。

クロコダイルがわざわざ逃げていることから、実は武器に海楼石を仕込んでいた可能性も考慮できるが、
海楼石の武器であっても、当たらなければどうということはない。
能力の対策は大前提であり、それだけで簡単に勝てるというものでもない。

実際、クロコダイルは直後に「水を使えば物理攻撃が通る」と看破して大量の水を準備したルフィを返り討ちにしており、攻撃が通るとしても充分に手強い海賊なのである。

それに対して、ツメゲリ部隊は高台に退避したクロコダイルに追いすがることすらできていない。
クロコダイルが戦う選択をしていたとして、この調子でツメゲリ部隊が制限時間内に勝ち切れたのかと言われると……


【余談】

  • 実はこのツメゲリ部隊、作中の現在進行形の時系列の描写で初めて死亡した描写が描かれた罪のないキャラなのである。アラバスタ編以前の過去の回想で主に麦わらの一味関係者が死亡したこと敵の死亡確認が報告されたことはあっても、後のマリンフォード頂上戦争でポートガス・D・エース白ひげが戦死するまでは超新星編では現在進行形の時系列で登場人物が死亡することは基本的になかったため、1話しか登場していなく当然エースや白ひげと違い主要人物ではないが『現在進行形の時系列で作中最初に死亡した描写が描かれた罪のないキャラ』としてインパクトはあったとも言える。



追記、修正は自分の部下の命懸けの行動を無にしない方にお願いします。

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最終更新:2025年04月26日 15:32

*1 ちなみにこの時ツメゲリ部隊の攻撃を受けたためか、ロビンは手から出血している