ソリッドビジョン(遊戯王)

登録日:2020/09/23 Wed 11:46:08
更新日:2020/10/18 Sun 06:25:22
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ソリッドビジョン(立体幻像)』とは、遊戯王シリーズに登場する技術である。


概要

海馬瀬人闇遊戯と行った「闇のゲーム」、
それはオカルティズムなパワーでカードのモンスターが立体映像として現れ、互いに動き回るという衝撃的なものであった。
そして瀬人は敗北し、カードに封印されグロテスクなモンスターに襲われる罰ゲーム「死の体感」を味わう事となる。

闇のゲームによって生み出されたそれらはあくまで幻覚であったが、これが印象に残ったのか、瀬人はこれを科学力で再現、
DEATH-T編で「3D映像」「バーチャルリアリティ」等と曖昧に呼びながらも実用化に成功した。
その後も王国編では海馬コーポレーションの技術をもらい受けたペガサスにより、四方の壁と天井を投影機としてモンスターを実体化する「バトルボックス」、そしてテーブル周囲の四隅に投影機を設置した「デュエルテーブル」として実用化され、迫力溢れるデュエル描写が繰り広げられる。

さらに回るカップ焼きそば…もとい決闘盤(初期型)の登場と共に「ソリッドビジョン」と名付けられ、以降はその名で定着、やがて遊戯王シリーズには無くてはならない存在となる。
立ってカードゲームが出来るデュエルディスクと同じく、カードゲームプレイヤーと使役するカードが同時に描写されるこのソリッドビジョンはビジュアル的にも洗練されており「カードゲーム漫画」というジャンルを生み出したと言っても過言ではないだろう。

一方でアニメDMでは闇のゲームの一件がなく、瀬人は完全に独自にこのシステムを開発している。
この経験の有無が影響したのか、完成したデュエルシステムは原作に比べて10倍近く大型化した「デュエルリング」となっている。
メタ的に言うと原作のような「机の上での立体映像」では小さくて少々見づらい為このような形になったと思われる。


前身

原作では遊戯との罰ゲームにヒントを得て完成したものだが、実はプロトタイプとして瀬人が中学生のころに開発した「バーチャルシミュレーション具現化システム」が存在している。
だが父親の剛三郎がこれを軍事シミュレーションに無断で使用。
当時は兵器産業を営んでいた海馬コーポレーションはこれで膨大な利益を得たらしく、その当時からかなりのリアリティある映像かつ高性能だった事がわかる。
最もそのおかげで瀬人は更に父への恨みを募らせていくのだが、それはまた別の話。


機能

基本的には立体映像なので、触ったりする事はできない。
また漫画では実体のあるデュエリストたちとの違いの表現の為か、ソリッドビジョンで生み出されたモンスター達はオーラのようなものをまとっている事が多い*1
オーラに関してはアニメなどではオミットされている。
出現するモンスターは「互いに触れることができない」事以外は言動が明らかに生物のそれであり、プログラムや計算では説明できないような現象が多数起こっている。

具体的な機能をアニメや状況問わず箇条書きすると
  • 動きや言動が非常に生物的で、まさしく生きているモンスターと共に戦っている気分となる。
  • 装備魔法や「DNA改造手術」での種族変更など、如何にも見た目が変わりそうなカード効果によるイメージもちゃんと反映される。
  • 勿論フィールド魔法を発動したら周りがそれに乗じた景色となる。
  • 息使いも再現されており水中に隠れているモンスターの居場所が気泡でわかった事もある。
  • デュエリストがダメージを受けた際、モンスターが心配するような表情で見つめる。
  • 新しいモンスターが現れた時フィールド上の別のモンスターがその方向を見る。
  • 「生贄に捧げる」とに説明されたモンスターが冷や汗をかく。
  • デュエリストの決め台詞の後に咆哮を上げる
  • デッキマスター能力を質問すると説明してくれる。
  • 召喚→リリース→再召喚と酷使されると疲れたような表情をする。
  • それ以外にもモンスター(特に人型は)表情をコロコロ変える。
  • 禁止カード今創造されたカードもしっかり映像化する。
  • カード以外にもコロシアムなどを観客ごと具現化できる。
  • モンスターの下着もしっかり再現されている。
  • カード自体の力が強大であればソリッドビジョン越しに現実世界へ干渉できる。
  • カプセルモンスターチェスやD・D・Dにも流用可能。
  • 精霊など意志の宿るカードの場合、ソリッドビジョンはカードに宿る意志がコントロールする。

等々…。
瀬人が闇のゲームから得たヒントは生物的な動きだけと思われるが、なんというかリアルすぎる。別名「空気の読めるソリッドビジョン」。
恐らく瀬人としても想定外の動作をしていると思われるが、当の本人の評価は「美しい」と自画自賛していた。*2

なお原理としては原作漫画では「決闘盤内部にV2エミュレーターを搭載し、カードの画像データをハイパー3Dエンジンによって立体幻像化する」というもの。
そしてアニメでは「サテライトシステムを経由してKCの中枢コンピュータでデータを高速処理し再びモンスターデータを転送、いかなる場所でもモンスターを立体化させる」という原理らしい。

説明されてもなんのこっちゃ分からないが、ともかくどの国、どの場所、どの状況でも迫力溢れるデュエルが出来るシステムと言っても過言ではない。*3
メタ的に言うならば遊戯達は海外で活動することも多い為、世界のどこでもデュエルができるこの技術は物語的にも必要なのである。
なお「触れない」と冒頭で説明した通り、基本的にソリッドビジョンで作られた立体映像に触れてもすり抜ける。
実際に立体映像のコロシアムの壁面からマリクにゅっと現れるシーンもある。
しかし臨場感を持たせるためか「体感システム」というものも搭載されており、全く無干渉というわけではないようだ。

ちなみにペガサスが海馬コーポレーションを買い取ろうとした最も大きな理由はソリッドビジョン技術の獲得の為、更に言うならば亡き女性を立体映像で再現する為だったのデース!
後アニメ版ではどっかの没落貴族が似たようなのを作っていたが、完成がタッチの差で遅れた。
そのせいで色々と厄介な事になるのだがそれはまた別の話


後続作品での扱い

『遊戯王ZEXAL』の「ARシステム」は似て非なる要素が多いため、後述する。

遊戯王R

天馬夜行の介入でオカルト全開。
  • 事前に拉致した杏子をソリッドビジョンとして投影し日常に戻らせる
  • 夜行自身が遠隔操作のソリッドビジョンとして現れ闇遊戯と戦う
  • 杏子の魂を封印した「魂の牢獄」のカードをディスクにセットすることでソリッドビジョンに意志を投影させる
  • 邪神アバターの超神秘エネルギーとペガサスのカードを利用して「ペガサスらしきモノ」を召喚させる
などやりたい放題、というかこの作品はソリッドビジョンが万能過ぎる。

THE DARK SIDE OF DIMENSIONS

脳内映像を可視化するパワービジョンが登場。よりリアリティが増している。
カードはクラウドネットワークにてデータ化されており、実物のデッキを持たずともどこでもデュエルが可能となる。
またモンスターだけでなく、デュエリストの脳内情報や既存のデッキデータなどを元に仮想相手すら作り出すことが可能であり、
劇中にて登場したこれにより再現された闇遊戯はほぼほぼ本人の戦法、性格をしていた*4
他にも戦闘機とそのパイロットも立体映像で作り出し、トラブルにより墜落してきた戦闘機を真青眼の究極竜が迎撃するというパフォーマンスまで作られた。

さらにこれを応用した海馬瀬人のある種狂気とも言える産物も存在している。
それは自らをソリッドビジョンにして、生きている人間では到底たどり着けない領域に飛び込むというもの。
闇のゲームを科学力で再現した瀬人が作り出した、ソリッドビジョンシステムの究極系と言っても過言ではない。

遊戯王デュエルモンスターズGX

特に変化なし……と思いきや一部のカードは普通に現実世界に干渉していた。
デュエリストをバリアで守ったり、人工衛星をぶっ壊したり……。
本作では「カードの精霊」が物語全体を貫くキーとなっているため、システムの相違というよりは、先述したように精霊側のエネルギーがシステムに干渉しているものと思われる。

ちなみに単純な時系列では上記の「DSOD」から10年後くらいなのだが、実際にはDSODは原作漫画の続きなのに対して、
GXはペガサスが生存しているなどアニメ版をベースとした世界観のパラレルワールドとなっているため、
こちらではパワービジョンは開発されず、ソリッドビジョンは別の方向へ進化していったと思われる。
当然ながら公開順ではGXが先なので、当たり前と言えば当たり前ではあるが。

遊戯王5D's

前述の「データに送られるサテライトシステム」が、無限機関「モーメント」で処理されるようになった。
その為かライディングデュエルによる高速状態でも問題なく映像化できている。
また町を覆い隠すような巨大なモンスターもしっかり再現した。
逆にコンパクトな用途にも使えるらしく、机の上で行った神経衰弱デュエルではモンスターが小さく立体映像化されていた。
ちなみにバイクと共に高速で走り回るモンスターの状態をわかりやすくするためか、この時代のみ守備表示のモンスターは青いモノクロで描写されていた。


遊戯王ARC-V

「質量のあるソリッドビジョン」が開発されており、モンスターに乗って動き回るアクションデュエルが流行る事となった。
勿論衝撃も質量を持った危険なものだが、子供向けにその衝撃を柔らかくする安全なモードも存在する。
これは「リアルソリッドビジョン」と通称され、元は「一つの世界」において開発された「実体を持つ立体映像技術」を赤馬零王がデュエルモンスターズに流用したもの。
だが、この結果モンスターたちの情動のみならず、生理的反応や情動を現実に反映する「肉体」を与えてしまったことが裏目になり、結果ズァークの暴走と四天の竜に集約された敵意の激発という形で世界の崩壊を招いてしまっている。

スタンダード次元におけるリアルソリッドビジョンは、記憶を失い町工場の親父になった零王が、無意識のイメージから旧来のソリッドビジョンを改造して作り上げたもの。そのため、当時彼の友人だった榊遊勝は「リアルソリッドビジョンは零王が開発したものである」と認識していた。


遊戯王SEVENS

特に説明なくモンスターの具現化が行われており、第15話で初めて「ソリッドビジョン」という単語が出た。
デュエル開始時には対戦者の周囲をドーム状の空間が覆う演出があり、恐らくこの内部に立体映像を投影していると思われる。


遊戯王OCGストラクチャーズ

完全にただの立体映像。恐らく、歴代でもっとも現実的なソリッドビジョンである。


遊戯王のゲーム

一部ゲームにてモンスターの画像が浮き上がるシステムを「ソリッドビジョンの再現」と銘打っている。



類似システム

遊戯王ZEXAL

「ARシステム」となっており、現実世界の技術の発展となっている。
この世界で一般的な端末である「Dゲイザー」のゴーグルを通すことでソリッドビジョンと同様の映像を見ることが可能。
そのためDゲイザーを外すとARビジョンは見えなくなるらしいが、それ以外の扱いはソリッドビジョンと変わらず、
モンスターがずっこけたり創造したカードを即座に立体化したり即興の特殊ルールにも逐一対応したりとこちらも空気が読めている。
デュエル外でも召喚可能であり、針剣士を使って水の流れる方向を探ったりもしていた(さらっとちゃんとDゲイザーをつけている)。
またシステムの応用として「存在しないものを映像にする」他「存在しているものを不可視にする」事も可能。
例として相手のデュエリストと観客以外の通行人を視界から消すことができる。
ある意味では「現実の技術がアニメの仮想技術に追いつきつつある」証明であるだろう。

フィールド魔法を使ったらモンスターだけでなくプレイヤー、更にその場にいた見物客の少女を強制的にコスプレさせ、更に更に豪華特典として少女の友達2人(セイ、サチ)も特殊召喚するという良く分からないファンサービスもしてくれる。
ちなみにその友達2人はデュエル中は小鳥と一緒に楽しく動いていたが、デュエルが終わると消えたので本人を召喚したわけではない模様。

なおバリアン世界・アストラル世界の住民は本来の姿に戻ることでARビジョンを視認でき、バリアン系の技術を持つ者もそれらの力を発言すればDゲイザー無しでARビジョンの視認が可能。
また強力なナンバーズが関わるデュエル(いわゆる闇のデュエル)ではARではなく実際にモンスターなどが実体化しており、Dゲイザーを外しても映像は消えない(ただしARシステム自体は起動する)。

遊戯王VRAINS

2戦程度しかリアルでのデュエルがなく、デュエルのメインが電脳世界に現実の人間が飛び込む方式だったので詳細は不明。
ただしAiや不霊夢は現実世界でも(デュエルディスク上のみであるが)ホログラムとして登場していたので、高水準の立体映像技術はあるようだ。



余談

ソリッドビジョンのデータサーバーが海馬コーポレーションにある為、それがバグったらやばい事になる。
デュエル中のモンスターの映像がブレるだけならまだしも、特にデュエル関係ないところで実体化し大混乱に陥る事もある。
黎明期は特にそれが顕著で、そういったことが起こるたびに海馬コーポレーションの株価は下がっていた。


また初代においては、プレイヤーの精神力によってモンスターを投影する闇のゲームの存在や、モンスターたちの原型は古代の世界に存在していた魔物や精霊であることが語られている。
ソリッドビジョンのモンスターたちが異常なほど生物的な挙動を見せている「イレギュラー」については、ここに原因があるとみる向きもある。

事実として、三幻神・三幻魔・ナンバーズや地縛神などは明らかにソリッドビジョンの領域を超えた干渉を見せているため、これらのカードについては部分的に「闇のゲームのルール」が適用されている可能性も高い。




ソリッド追記・修正システム作動!!


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最終更新:2020年10月18日 06:25