遊戯王マスターデュエルの未収録カード

登録日:2025/05/17 Sat 09:52:53
更新日:2025/06/04 Wed 08:07:07
所要時間:約 5 分で読めます




2025年現在、今や遊戯王OCGをデジタルで楽しめるツールとして一定の地位を築いているゲームである『遊戯王マスターデュエル』(MD)。
これまでの遊戯王OCGのゲームとは異なり、継続的な更新により、最速ではないもののOCGと原則的に全く同じ内容をプレイできるのが売りである本作。
だが、実際のカードと違いコンピューターゲームであるためか、様々な事情で収録が見送られたカードも、ごく僅かだが存在する。

【概要】


遊戯王のコンピューターゲーム」の項目に詳しいが、遊戯王関連のゲームは多岐に渡る。
勿論遊戯王OCGのゲームもいくつか登場しているのだが、それらはいわゆる「集英社」や「スタジオダイス」、即ち原作漫画やアニメが主体であり、カードゲームはそれに付随している状態であった。
(『エキスパート2006』というゲーム自体はOCGのみな例外もあったが、パッケージに遊城十代は描かれていて集英社・スタジオダイスの権利表記も当然ある)
しかし、『遊戯王マスターデュエル』はそういった原作やアニメの要素は排除され、「OCG」のみに終始した初めてのゲームとなった。

だが、どうにも「原作アニメ」と「OCG」では版権の取り扱いが違うらしく、また時勢の変化もあり、今までのゲームに収録されていたカードが収録されていないということも多い。
この項目ではそんなカード達を紹介していきたい。

なお、OCGで登場したばかりのカードは確かに未収録カードではあるが、本項では取り扱わない。
これらに関しては原則的にあくまで一時的、短期的なものなので、いちいち扱っていたらキリがない。
本ゲームはOCGを体験出来るゲームであるが、それでもメインは紙のカード。
OCGとMDが同時実装であれば、売上に打撃が入るのは安易に想定できるだろう。
基本的にOCGで登場してからMDに実装されるのは約半年~一年ほど後。
ただし間隔は不定であり、たまに3ヶ月程度で実装されたり、果てにはほぼ同時実装されたりすることもある一方で、初登場から一年以上経過しているのに未実装のカードもある。
OCGで使いたいカードがあるデュエリストは今日か今日かと待ち続けるのであった。

この項目では基本的に登場から2年以上収録されていないカードを主に取り扱う。


【未収録カード達】


モウヤンのカレー

この手の話題でトップクラスに驚かれるカード。
まず、効果自体はテキスト不備で敵にも自分にも使えること、そしてあまりにも微量すぎることで知られる初期特有の雑なライフ回復効果。
更にこのカードは当たり前のようにゲーム作品に多数登場。
それどころか『遊☆戯☆王タッグフォース』なんかではイベントに絡んだりしているほか、ゲームが離れた場合でもとあるキャラの生命維持装置の中にあるという裏設定すらある、実用性は皆無だがデュエリストからの知名度は非常に高いカード。
そんなカードが収録されないのは意外中の意外と言えるだろう。

とは言え、根拠がないわけではない。
何故ならこのカード、上の項目を見て貰えれば分かる通り実在するカレー屋「もうやんカレー」が元となっている。
一応ひらがなとカタカナの違いはあるが「モウヤンってなんぞや」と調べたら即座に出てくるので余り意味はない。
これらの事からグローバルタイトルを謳っているMDにそれが取り扱われるのが問題視されたのだろう。
もしくは、Steam「ゲーム内での有料広告は禁止」というルールに抵触させないためである可能性もある。実際はKONAMIがもうやんカレーから報酬を貰ってカードとして収録しているわけではないのでそのルールには抵触しないはずであり
そのために後述の遊戯王デュエルリンクスでの収録もそのままになっていると考えられるが、Steamから疑いをかけられるリスクを鑑みれば未収録もやむなしか。
その場合、2025/2/10にSteamから「ゲームと関連性がない実在のブランド、製品、人物などをゲーム内に登場させることの禁止」制限改訂明記されたため尚更厳しい状況となってしまっている。

『遊戯王デュエルリンクス』では実装されているので使いたい人はそちらで使おう。使う意味があるかはともかく。
大体「未実装で驚かれる」理由としては、誰も使おうとも思わない効果の為でもあるし。

各種コラボカード

《ナナナ》(テレビ東京)や《ポテト&チップス》(カルビー)、《包焼蒸騎-ハンバルク》(COCO'S)といったコラボカードも実装されていない。
権利が関わるものなので実装されていないことに不思議はないのだが、COCO'S関係のカード等、実用性や独自性があるものも多いので、何かしらの形で実装して欲しいところだが……。
一方で自社コラボであれば問題ないのか、『実況パワフルプロ野球』関係のコラボカードは登場している。


《六芒星の呪縛》

原作にて多くの闇遊戯のピンチを救った罠カードであるが、『マスターデュエル』では未実装。
というのも「六芒星」というのは特定の宗教の要素が強すぎる、実は非常に扱いが危険なものなのである。
ドラゴンクエスト ダイの大冒険』でも令和アニメ版では六芒星のシーンが六角形になっていたのも同じ理由。
そのため、そもそも普通に登場できたのは原作漫画やOCGだけで、アニメや原作文庫版、海外版(TCG)では軒並み名前やイラストが六芒星要素のない別物に変えられている
名前はその場その場で決められたのか《呪縛の円陣》(原作文庫版)《闇十字星の呪縛》(東映劇場版)《三角星の呪縛》(遊戯王R)とやたら多岐にわたっている。アニメDM~GXのみ名前は変わっていない。
アーリーデイズコレクションではイラストが差し替えられている。
諸々の事例を踏まえるとイラスト差し替えさえすればそんなに問題なさそうにも思えるが、今となっては独自性も乏しい下位互換的なカードでしかないので余計なリスクを負うに値しないということだろうか……。

なお、《五稜星の呪縛》という似たようなカードはあるが、こちらは実装されている。
ただし、イラストに描かれている五芒星*1はやっぱり危険故に、海外版はイラスト変更されて五芒星も五稜星の要素もなくなっている。


おとり人形》《二重魔法》《霊魂消滅》《天変地異》《ポールポジション》《クイズ》

処理が複雑すぎてゲームで実装されない典型的カード。
複雑と言っても、いずれもテキスト自体が長く複雑な訳ではない。
基本ルールに反するような処理や、他のカードの効果との干渉が強い処理など、特殊性が強くプログラム上の再現が難しいのだろう。
特に《ポールポジション》はその処理の難解さ、そして安易に無限ループを引き起こせるため現実のOCGですら使用非推奨扱いされるほどのカードであり、ゲームでは実装されない代表格。
《天変地異》はかつてはDSのゲームなどで実装されていたが、変な挙動が多かったりデッキからカードを捲って処理する効果を使った場合わざわざ裏側にひっくり返す演出が入ったりしたためか、MDでは未実装となっている。
《クイズ》も発動後に墓地の確認が出来ないことがネックなのか、これも未実装。ただし、アイコンとして実装されている。


《戦場の惨劇》

遊戯王Rに登場した由緒正しきカードなのだが未収録。
そして、『マスターデュエル』未収録カードの中でも特に未実装理由が不明なカード。
効果も
永続魔法
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):モンスター同士が戦闘を行っていないターンの自分メインフェイズ2に、手札を1枚捨てて発動できる。
デッキから「戦場の惨劇」1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットする。
(2):モンスター同士が戦闘を行ったターンのエンドフェイズに発動する。
ターンプレイヤーは自身のデッキの上からカードを5枚墓地へ送る。
というわかりやすいもので、処理上の問題があるとは考えづらい。
「戦闘を行っていない(行った)ターン」というテキストがやや稀だが、《ポイズン・チェーン》などに類例がありそっちは収録されている。
イラストも朽ちた剣や小手が落ちているという、恐怖を掻き立てはするがおかしいものではない。
仮にその小手が千切れた手を想定させたとしても、海外プラットホームなどでイラスト修正すればいいだけの話である(なお、実カードでは未修正)。
だが、全世界で配信されているゲームゆえに、それこそ本物の戦場の惨劇を目の当たりにしたプレイヤーもいるが為に、彼らに対する配慮なのかもしれない。


《共鳴する振動》

2015年登場のカードだが未実装。
これも『デュエルリンクス』には実装されているがMDには未実装。
相手のペンデュラムスケールを利用してペンデュラム召喚をするというものだが、その処理が難しいのだろうか。


マッチキルモンスター

元々公式デュエルで使用できない殿堂入り級の禁止カード群であることに加え、シングル戦オンリーな『マスターデュエル』においては効果が意味をなさないためか未実装。
たとえ実装されていたとしても、召喚条件が重いだけのバニラなので使われることもまずないだろうカード達である。
ヴィクトリー・ドラゴン》を除いていずれも世界大会の最上位入賞者に対する景品として渡されるカードであり、レプリカ版を用意されていないカードはゲーム作品で日本語名をつけられたりもしているが、
世界の頂点に立ったデュエリストへの記念品という扱いのためか、グローバルな環境の『マスターデュエル』に実装ができないのだろう。


E・HERO エアー・ネオス》《シャトルロイド》

著作権及び商標権が絡むカード。
《E・HERO エアー・ネオス》については個別項目を参照のこと。
アニメの主人公カードの一部でありコンタクト融合の中では特に実用性が高いカードながら、なぜかOCGの再録もぱったり止まっているしゲームには全然出てこないという、なにやら非常に難儀な事情を抱えたカードだった。
2025年になって事情の解明が大きく進展し、どうやら和解済みであることが判明したため、希望が持てなくもない状況ではある。
逆に言えば、実はとっくに解決している*2のに全然進展していないとも言えるが……。
《シャトルロイド》はその背格好が目のついたスペースシャトル故に全てのゲームで登場していない。



高橋和希氏のサインが書かれたイラストのカード

グローバルタイトル故か、あるいは権利事情が特殊なのか未実装。
高橋和希氏が手掛けたり、原作キャラクターが描かれたカード全てが禁止されているわけではなく《ファラオの審判》などは普通に収録されている。
当然ながらファンの関心を集めるカード達であるうえ、《真紅眼の亜黒竜》といったデッキのメインエンジンとなるカードも多いため、何かしらの方法で実装してほしいと願われている。
また、唯一の創造神族である《光の創造神 ホルアクティ》や、カズキングの飼い犬をモチーフとした《柴戦士タロ》といったものもこれに含まれるほか、《青眼の白龍》もサイン入りイラストのものは未実装。


イラスト違いカード

紙のOCGでファンやコレクターを唸らせるイラスト違いカードも基本的には収録されていない。
ゲームをする以上は支障がないのだが、後に少しずつであるが実装されている。
特にリアルでは高額な烙印関係のイラスト違いが使えるのは大きいだろう。
だが基本的にレアリティは元のカードのレアリティに関係なくURで固定。更に生成が出来ず、パックで引き当てるしか無いと現実さながらの激レアカードとなっている。
ロイヤル絵違いなんか見せたらすぐタイヤ案件だろう。





アニヲタwiki。
余りにも内容がディープ過ぎるため、追記、編集しなければ実装は難しいだろう。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年06月04日 08:07

*1 カード名は「五稜星」だが、実際のイラストでは内部にも五角形がある「五芒星」が描かれている。

*2 タッグフォースシリーズの扱いも時系列的に納得の変化となっていた。