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ジングル・オール・ザ・ウェイ(映画)

登録日:2026/04/19 Sun 11:03:31
更新日:2026/06/03 Wed 18:19:33
所要時間:約 11 分で読めます




「どうする、シュワ!」*1

Jingle All the Way
ジングル
オール・ザ・ウェイ

『ジングル・オール・ザ・ウェイ(原題: Jingle All the Way)』は、1996年11月16日より公開された米国のクリスマスコメディ(ヒーローアクション)映画。
20世紀FOX配給(製作は1942ピクチャーズ)。
日本での公開は同年12月14日。
……と言うか、日本を含む本国以外の地域では12月になってからの公開であり、これは米国とそれ以外の国でのクリスマスシーズンの長さの違いからの配慮であったのかもしれない。

アーノルド・シュワルツェネッガー主演。
シュワちゃんの明確なコメディ作品としてはバットマン&ロビン』を除くのなら実は最後発に当たる。


概要

クリスマスに愛する息子の為に巷で人気のプレゼントを手に入れる為に奔走する父親の姿をコミカルに描く。

本作の脚本の元ネタとなったのは、この当時(1990年代前半)に日本の東映の『戦隊ヒーローシリーズ』を原作として、現地で追加撮影を加えて独自のローカライズを施して放映すると共に爆発的な人気を呼んだマイティ・モーフィン・パワーレンジャーと、その玩具の売り切れ騒動にまつわる社会問題である。

映画内には空飛ぶオリジナルヒーロー『ターボマン』が登場。
コメディ映画であると同時に、彼の活躍するヒーロー映画としての側面も持つ。

監督は、賛否がありながらも数々のコメディ映画を手がけてきたブライアン・レヴァント。
クリスマス映画として、何処となくコンセプトと雰囲気が似ている『ホーム・アローン』シリーズのクリス・コロンバスも製作に名を連ねている。

……実は、シュワちゃん主演のコメディ映画に共通した理由で本国では否よりの賛否両論でラジー賞にもノミネート(監督賞)されている程なのたが、映画そのものは本国でも世界基準でも大ヒットとなっている。尚、日本では最も目にする機会が多いのがフジテレビ版吹替ということもあってか普通に高評価作品である。

物語

健康器具販売会社社長のハワードは、やり手であるが故についついワーカホリック気味で世界一愛している筈の愛妻リズと何よりも一人息子のジェイミーと過ごせる時間を作れていない落第パパさん。

クリスマスイブを明日に控えた今夜も、如何に仕事納めとはいえ空手稽古昇級試験を見に行くと約束していたのにギリギリ……どころか絶対に間に合わない時間まで営業電話を止めずに秘書にすら呆れ顔で送り出される始末。

……しかも、それでもリズとジェイミーが会場に居る間に到着できたかもしれなかったのに、渋滞に捕まった焦りから路肩を抜けて出ようとした浅はかな行動から渋滞を見守っていたベテランの白バイ警官に見咎められて捕まえられてしまい、必死に訴えるもそれが更にマズかったのか嫌味たっぷりにゆっくりと時間をかけられた末に尋問された後で違反キップを切られてしまうのであった。

……その後で、それでも会場には行ってみたハワードだったが、当然のようにリズとジェイミーの姿はない。

慌てて自宅に戻るも、なぜか屋根の上には隣人のテッドがクリスマスの照明の飾り付けを。
何となくイヤ~な物を感じつつもこの場は流して慌てて釈明をするハワードだったがリズは勿論のこと、ジェイミーには目の前で部屋に逃げられてしまう始末。
……何とかおべっかを使いまくって機嫌を直していき、遂には希望するターボマン人形をプレゼントすることで許してもらえることになったのだが、その経緯を自慢気にリズに話している中でそもそもターボマン人形は2週間も前に買っておいてくれるように頼まれていたことと、今頃はもう買えなくなっているであろうことを聞かされて衝撃を受ける。

……翌朝のクリスマスイブ……昼からはジェイミーと共にパレードを見に行く予定もあるのにリズの追求を誤魔化しつつターボマン人形を買いに出かけるハワード。
出発前にテッドが人気取りのためだけに呼び寄せたトナカイに異常に嫌われた上に絡まれたりと幸先悪い……と思っていた通りにハワードはターボマン人形をすんなりと入手できないばかりか自らが騒動の火種になっていく。
更に、デパートの開店前に顔見知りとなった同じ目的を持つ郵便配達夫のマイロンとは行く先々で出くわすばかりか、お互いに容赦のない争いを繰り広げることに。

━━果たして、ハワードは無事にジェイミーのためにターボマン人形を入手することが出来るのか!?

主な登場人物

最も有名で人気が高いのはフジテレビ版で、DVDはソフト版吹替が収録されている一方、Blu-rayとNetflix等のVOD配信では吹替対応がフジテレビ版になっているという、視聴者のニーズに応えたのだろうが中々に珍しいことになっている。

本作の主人公で、やり手の脳筋ワンマン社長にしてビジネスマン。
筋トレをやりながらの電話での営業トークの得意技は「あなたが1番のお客様です。」である。これを平然と口にする営業マン、販売員、親戚のおばちゃんは信用しないこと。
家族への愛情は深いはずなのに映画を見る限りは落第必至の駄目なパパで、流石にジェイミーの心からの訴えには心を痛め、今回のクリスマスにて生まれ変わるべくターボマン人形の入手に文字通りに命を賭けて挑むことになる。
……尚、シュワちゃんが演じているので何事もないかのように流されている感があるが、所々で常人離れした部分が垣間見える部分も多く、サンタを装った違法詐欺グループと大立ち回りを演じた上に大塩さん演じる巨漢サンタをワンパンK.O.したり、トナカイもワンパンK.O.したり、痴漢撃退スプレーやスタンガンを受けても直ぐに回復してたり、ガソリン切れした愛車を割と平然と押して歩いたりしている。
━━別に、正体はスパイでも潜入した刑事でも都合のいい夢を見ている訳でもないはずなのだが。
各々に自業自得気味とはいえターボマン人形を入手できない上に名前を聞くだけで虫酸が走る程となり、遂にはテッドが用意していたプレゼントのターボマン人形を奪おうとする程に追い詰められるも失敗、大体を察したリズにも呆れられてしまうが……。

「ターボターーーーーーイム!!」

  • リズ・ラングストン
    演:リタ・ウィルソン
    日本語吹替:山田栄子(ソフト版)/吹替:鈴木弘子(フジテレビ版)
ハワードの妻。
夫のことは愛しているもののジェイミーを放っておかれていることにはいい加減に怒り心頭に達しようとしている美人な奥さん。手作りクッキーは絶品級らしい。テッドに狙われている。
中の人はトム・ハンクスの妻。

  • ジェイミー・ラングストン
    演:ジェイク・ロイド
    日本語吹替:矢島晶子(ソフト版)/吹替:折笠愛(フジテレビ版)
ハワードとリズの愛息。
基本的に我慢強く我儘も言わないいい子だが、流石に最近のハワードからの仕打ちには我慢の限界に達しているようで感情を爆発させてしまう場面も。
事情を理解出来ないとはいえ(出来ていても悪いのはハワードで全く弁明も同情の余地もないのだが)リズに弁解のための電話をかけてきたハワードに空気を読まない受け答えをしたために怒らせてしまい、遂に親子の溝が決定的になったかと思いきや、その後のパレードの見物ではハワードのことを心配していた……ホンマにええ子や。
というわけで落ち込み気味だったが、パレードでは何故かターボマン直々に名前を呼ばれて(すっとぼけ)特製ターボマン人形をもらえる特別な子供として選ばれるも、その直後に乱入してきたやけに口汚いデメンター(すっとぼけ)に襲われてしまうことに……?
中の人は翌年アナキン

  • テッド・マルティン
    演:フィル・ハートマン
    日本語吹替:江原正士(ソフト版)/吹替:有本欽隆(フジテレビ版)
ハワードのウザい隣人で、以前はハワードのように家庭を省みない系パパだったらしいが、奥さんに出ていかれてからは打って変わったようにコボンノーで近所の奥様方にも人気の人当たりのいいパパに生まれ変わったとは太っちょ息子のジョニーの弁。
……クリスマスに合わせて本物のトナカイを取り寄せるなど、サービス意識も極まれりと思わせておいて、事が済んだら適当な場所に放すつもり*2だと悪びれもせずに語るなど、本来の人間性を窺える部分は序盤からフラグを重ねられていた。
ラングストン家にも不自然に踏み込んでくるが、奥様連中に優しくしてたのも下心があったためらしく、つまりは最も好みのリズを狙っていたためだった。
終盤、ハワードのことで心を痛めたリズに対して機は熟したとばかりに迫るが……。
余談だが、カナダを代表するコメディ俳優として『サタデー・ナイト・ライブ』等にも出演していた中の人は1997年に奇禍に見舞われて命を落としてしまっている*3

  • ジョニー・マルティン
    演:E・J・デ・ラ・ペーニャ
    日本語吹替:佐藤智恵(ソフト版)/吹替:神代知衣(フジテレビ版)
テッドの息子でジェイミーとは親友。
太っちょなのは母親が出ていった後で甘やかされてからなのか元からなのか。
典型的な洋画のいじめっ子みたいなキャラ付けなので勘違いされがちだが、ジョニー自身は全く悪い事をしておらずジェイミーに意地悪もしていない。
……にも関わらず、テッドが(人気取りのためにも)確りと確保していたクリスマスプレゼント用のターボマン人形を(テッドがやりすぎていたからとはいえ)ハワードに盗まれかけた上にトナカイの方のテッドの乱入で煖炉にボッシュートされて知らない所で失われることに……ジョニーが何をした。

  • ハンメル巡査
    演:ロバート・コンラッド
    日本語吹替:稲葉実(ソフト版)/吹替:滝口順平(フジテレビ版)
ハワードが渋滞から抜け出すために路肩へと飛び出して暴走していたのを捕まえて以来、ハワードとは(悪い意味で)腐れ縁が生まれた惚けたベテラン白バイ警官。
……尚、映画ではお邪魔虫ポジだが、基本的に損な目に遭っているのはハンメルの方である。
中の人は1960年代の人気ドラマ『0088/ワイルド・ウエスト』の主演で有名。

  • ラジオDJ
    演:マーティン・マル
    日本語吹替:掛川裕彦(ソフト版)/吹替:茶風林(フジテレビ版)
昼の(誰も聞いてなさそうな)番組で「サンタの飼っているトナカイの8頭全部の名前を1番初めに答えられた人にターボマン人形をプレゼント」と言ってしまったことで、ハワードとマイロンに直接にラジオブースに押しかけられてしまい、思わず警察に通報してしまった老DJ。「ビックスいるか。ビックス、頭のイカれた大男がいる。ひとりでは手に負えん。」
……が、正確には「ターボマン人形の引換券をプレセント」であり、結果的にハワードとマイロンは無駄骨だったばかりか、駆け付けた警官隊に逮捕されかけるなど散々な目に遭うことに。

  • モールの偽サンタ
    演:ジェームズ・ベルーシ
    日本語吹替:稲葉実(ソフト版)/吹替:緒方賢一(フジテレビ版)
クリスマスのドサクサに紛れて、従業員でもないのにモールに居座り、ハワードのような希望する品を買えなかった負け犬をターゲットに、自分達の作ったガワだけ似せた粗悪品を高額で売りつけようとしていた詐欺グループのリーダー格。ハワードに似た旧ソ連の鋼鉄マンと熱い友情を築いた女好きの刑事と似ている気もするがきっと別人だろう。
ムショ帰りのエルフのジョニー(演:ダニー・ウッドバーン、日本語吹替:大川透〈ソフト版〉/吹替:茶風林〈フジテレビ版〉)を相方にしているが、TV版吹替では、彼は放送局(フジテレビ)ネタなのか仲間(詐欺サンタや詐欺エルフ)相手に大暴れするハワードを止めるために悪い子にはお仕置きだっちゃ♡と言いつつスタンガンを押し当てた。
しかし、騒ぎを聞きつけて駆けつけた警察たちによって、ジョニーたち共々逮捕された。
なお、根城にしているアジトへ入るための合言葉は「ジングル・ベル。バットマンは滑る*4」。
シュワちゃんが悪役を演じた翌年公開のバットマン映画の評価を予見したかのような合言葉である
また、未公開シーンではアジトの仲間全員で"The Little Boy that Santa Claus Forgot"を合唱するシーンもある。

  • マイロン・ララビー
    演:シンバッド
    日本語吹替:内海賢二(ソフト版)/吹替:屋良有作(フジテレビ版)
本作のハワード最大の宿敵にしてもう一人の主人公。
ハワード同様にターボマン人形を買うために仕事を抜け出してした郵便配達夫だが、その果てにハワード以上の大暴走を見せることになる。
ウザい位のマシンガントークが特徴で自ら人種差別と職業差別をネタにするために余計に相手に反論し難い空気を作って自らの意見をゴリ押そうとする悪癖がある。
また、最後まで“ターボマン”を“タートルマン”卑猥と勘違いされそうな名前と間違えていたってか亀男要素言うほどある? ジェットパックはギリ甲羅っぽくも見えるが。
中の人は喋くり芸のコメディアンが本職。
フジテレビ版ではソフト版でハワードを演じていた(そして、玄田哲章と共にシュワ役を多く担当していた)屋良有作がマイロン役なので、ある意味シュワvsシュワである。 

「そのとおりだタートルマン(●●●●●●)!俺を出し抜けるとでも思ったのかぁ!?」

ターボマン

本作のシンボルとなる架空のスーパーヒーローで、赤と金のスーツとジェットパックにより空を飛ぶことが売りらしい。
……パレード用に用意されていたスーツは劇中の性能そのものというレベルの謎技術の代物なのだが、あの番組は特撮無しで撮影でもしているのだろうか……。

相棒は、同じく空を飛ぶ能力を持つピンク色のサーベルタイガー(?)のブースターだが、そんなポジションにも関わらずに異常な不人気で各所で売れ残っていた黙ってろ、人気が無いくせしやがってよ!

宿敵は緑色のコスチュームに身を包んだ知性派ヴィランぽいデメンター
……彼に敗れると文明社会は支配されてしまうらしい。(単に“世界征服”を小難しく言ってるだけの気もする。)

尚、本国ではLCD携帯(簡易型)ゲームメーカーとして有名なたまにAVGNがネタにしてるので日本のネット民も名前は知ってるタイガー・エレクトロニクスが実際にフィギュアの販売を行っていた模様。やっぱりブースターは不人気だったのだろうか?

余談

というわけで、基本的には日本では(特にフジテレビ版)吹替が有名で、TVで見る人間のが多いかと思われる本作だが、例外的に原語だと人気があるだけの大根役者扱いで余計にコメディ物の評価が低くなりがちのシュワちゃんの台詞の言い回しの中でも、本国ではミームになるレベルでネタ扱いされているのがput that cookie down!(今すぐクッキーを置け!)という台詞である。

……電話の向こうでリズの手作りクッキーを貪り食うテッドにキレたハワードが発した何気ない一言なのだが、辿々しい発音もあってかツボにハマる人が続出したらしい。


ちなみに、2014年にはWWEのスーパースターのラリー・ザ・ケーブル・ガイ氏主演のビデオスルー続編『ジングル・オール・ザ・ウェイ2』が製作されているが、知名度が低く評判はお察し下さい。





追記修正は「ターボターーーーーーイム!!」してからお願い致します。

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最終更新:2026年06月03日 18:19

*1 当時のガチな日本国内向けキャッチコピー。……ふざけてるのかとも思ってしまうが、それ程に当時のシュワちゃん(及び洋画産業)はサブカルの一つとして日本に馴染んでいたのだ。

*2 曰く、似たようなもんの鹿がいっぱい居る地域に捨てるつもり。

*3 女優だった妻に撃たれ、彼女も後追いで自殺した。没後に公開された1998年の『スモール・ソルジャーズ』が遺作となった。

*4 原語では「Jingle bells,Batman smells(ジングル・ベル、バットマンは臭い)」なのでどちらにせよ悪口