テイルズ オブ リバース

登録日:2011/03/29 Tue 22:17:33
更新日:2025/03/20 Thu 22:58:30
所要時間:約 7 分で読めます





クレアーーーー!





ポプラおばさん
特製ピーチパイ発売中










クレアクレアクレアクレア、バカみたい★


「知」を司るものヒューマ、「力」を司るものガジュマ。
ふたつの種族の物語。


君が生まれ変わるRPG
Tales of Rebirth
2004年12月16日にナムコから発売されたPS2用RPG。
その後2008年3月19日にPSPに移植された。

主題歌「good night」
歌:Every Little Thing

あらすじ
一年前、ある月夜の晩、突如それは起こった。
己の死期を悟ったカレギア国王ラドラスは、最期の力を振り絞って自らの「月」のフォルスを世界中に解放し、息を引き取った。
世界中に注がれた彼のフォルスを浴びた人々は次々とフォルスの力を覚醒させた。が、その多くは突然のフォルスの発現に対応できずフォルスを暴走させ、世界中で甚大な被害が相次いだ。
それと同時に、世界中で異形の怪物「バイラス」もまた、その数を爆発的に増やし人々に被害を与えた。
カレギア国王の突然の崩御とそれに連なる一連の大被害。人々はそれを「ラドラスの落日」と呼ぶようになった。

山村スールズに住む青年ヴェイグもまた、突然氷を操るフォルスに目覚めて暴走し、偶然居合わせた幼なじみのクレアを氷漬けにしてしまう。
ヴェイグは彼女を救い出さんとあらゆる手を尽くすが、どんなに斬っても炎を浴びせてもびくともしない氷塊。彼女を救えない絶望感と彼女を氷の檻に閉じ込めてしまった慚愧の念で、彼は心を閉ざしてしまった。

それから一年。
助ける術を講じ、氷付けのクレアのそば(村の集会所)に居続ける彼の元に、噂を聞きつけたマオとユージーンが訪ねてくる。
心を閉ざしていたヴェイグは彼らを追い出そうとするものの、マオの炎のフォルスは氷を溶かし、クレアを救い出してくれた。
感動の再会もままならないまま、ユージーンは世界の現状と自らの目的を語り、フォルス使いであるヴェイグに共に来て欲しいと申し出る。

その時、突然村にきた王の盾の最高頂点たる「四星」のサレとトーマに、「美しいヒューマの娘を寄越せ」とクレアは連れ去られてしまう。
それを阻止しようと奮闘するヴェイグだったが全く歯が立たず、サレの高笑いと共に攫われるクレアの姿を見送る事しか出来なかった。
ヴェイグはクレアを取り戻すため、マオ、ユージーンと共に旅立つ。

王の盾の目的などどうでもいい。ただクレアを救い出せればそれでよかった筈だった。
しかし、この旅立ちが誰にも予想できない事件を生み、やがて世界の運命さえ左右する戦いに発展する事など、誰も知る由はなかった…。

★システム
歴代のテイルズオブシリーズの中でも、特に戦闘に力を入れた作品。
同じく戦闘ゲーと名高い「D2」チームのこだわりがよく出たものと言える。
RPGなのに回復技がほぼ無い と言えば誰しも驚くだろう。
他にも「回復アイテムがやたら高値」「GRADEが1つの敵グループにつき1度しかもらえない」など、近年のシリーズでも類を見ない独特の仕様が多い。
PS2版に至ってはアップルグミが非売品というトンでもない仕様だった。

「3ライン・リニアモーションバトルシステム」 と呼ばれるシステムを採用しており、
これは戦闘フィールドに3つのラインが並んでおり、プレイヤーやラインを自在に移動しながら戦えるというものである。
事実上「2D描画だが実質3D移動」を可能としており、アクションの自由度はかなり高い。

戦闘中はこのラインを行き来しながら戦線を保ちつつ立ち回る事が求められ、ファンからは「陣取り合戦」と評されている。
高難易度になると、僅かな位置調整のミスであっという間に包囲されフルボッコを食らうことも。
身をもって戦闘を教えてくれるグランバスク先生も、序盤という良い位置取りをしている。

攻防一体とも言える回復手段やチャンスメイクの判断力等、覚える事が多く複雑だがやり応えのある戦闘となっている。
その辺に現れるカンガルーに殺されかけるRPGなんてのもPS2じゃこれぐらいじゃなかろうか。

★パーティーメンバー

ヴェイグ・リュングベル
(CV.檜山修之)
剣士。氷のフォルス能力者。ヴェイグちゃん。
どこかの王に似ているかなに、気にすることはない。
根暗で無愛想で無口かつクレアとうるさいが、決して悪い奴ではない。
本当は熱い心の持ち主で、困っている人を見ると助けずにはいられない。ピーチパイが大好物だったりする。
どことなく誰かに似ている気もするが、何、気にすることはない。
どぉぉけぇぇぇ!裂氷撃!
戦闘面は主人公らしくバランスが良いが、武器が大剣ゆえに通常攻撃の出が遅く弱い。
通常攻撃はオマケ程度と考え、特技奥義主体の立ち回りを身に着けることがこのキャラを上手く動かす第一歩。
よって、主人公でありながらゲームシステムに慣れた中〜上級者向けというキャラ。


マオ
(CV.渡辺明乃)
術使い。炎のフォルス能力者。「王の盾」の一員だったがユージーンと共に出奔。
火、風、闇属性を使いこなすショタ。ただその気になれば前でも戦える。
記憶喪失だが、あまり気にしてない。一応取り戻したいという気持ちはあるらしいが…
暗かったり寡黙だったりするパーティーを明るく引っ張る健気な子。怖い話が好きな独特音感様。


ユージーン・ガラルド
(CV.石塚運昇)
槍使い。ドMのフォr…鋼のフォルス能力者。元「王の盾」の隊長だったがある事件をきっかけに脱走。
ガジュマという種族のヒトであり、パーティーでは唯一獣の姿をしている。黒豹に近い。
クールかつ聡明でメンバー(主にヴェイグを)を引っ張る頼れるおっさん。
アニーにナイフで何回えぐられても耐える鋼の肉体を持つ。
なお身体以上に精神力は鋼鉄仕様であり、リバースはおろかテイルズ界でも屈指の精神力の持ち主でもある。
人によっては目が4つあるように見えるが正解は下の奴。
親友だった筈のアニーの父親を殺した訳は…?
戦闘面では見た目通りのパワーファイターであり、HPや攻撃力防御力に優れるが術防御やHP回復力が非常に低い。
ステータスには癖がある一方で技には癖のない物がある程度揃っており、特に通常攻撃は出の速さリーチ共に優れているため非常に動かしやすい。
実は初心者向けのキャラ。ヴェイグが動かしにくいと感じたらユージーンに変更してみるといいだろう。


アニー・バース
(CV.矢島晶子)
術使い。雨のフォルス能力者。ラドラス王の侍医であるバースの娘で、彼女もまた医者を目指している。
地面に円陣を描きその範囲内にいるキャラに影響を与える、陣術という特殊な術を使う。
実は打撃攻撃力の数値がパーティ内最強で、場合によってはヴェイグを上回るダメージを文字通り叩き出す事ができる。アニーを前線に配置し敵を次々に撲殺するのも悪くないかもしれない。
ユージーンに父を殺されたため彼と(無自覚ながら)ガジュマそのものを憎んでいる。
序盤はヴェイグに関心がありそうだったが、ある出来事をきっかけにその関心の向く先が増える。その相手とは…


ティトレイ・クロウ
(CV.山口勝平)
格闘弓士。樹のフォルス能力者。工業都市ペトナジャンカで働く若者。
最初の台詞が「姉貴を返せ!」というテイルズオブシリーズでも指折りのシスコン。最初から最後まで姉貴姉貴とうるさい。
情の厚い熱血漢で非常に仲間想い、仲間を助ける為ならば二つ返事で仲間になってくれる。更に世界中で大なり小なりヒューマ・ガジュマの種族間の軋轢があるにも拘わらず、一切の差別意識を持っていない。マオに次ぐパーティの賑やかせ役。
終盤のヴェイグとのイベントは作中屈指の名シーン。
戦闘面では格闘技とボウガンを使って戦うスピードキャラ。
ただし、格闘技とボウガンは参照する攻撃力が異なるため、基本的にはどちらか片方に特化させて戦うことになる。両立させることも可能だがその場合は専用の装備が必要。
格闘技は出が速く手数にも優れるがリーチが短い。ボウガンは遠距離から攻撃できるが火力には劣るといった具合。さらに、どちらも共通して広範囲攻撃に乏しく一対多の状況を苦手とする。
お手軽な強さがあるとは言い難く、やや上級者向け。
また、HP回復力に優れた特技を持っているため、ひっそりとパーティの回復役を担うことが多かったりも。
秘奥義で鳥になって昇天する。


ヒルダ・ランブリング
(CV.大原さやか)
術使い。雷のフォルス能力者。21歳。特に関係ないが、Gのパスカルは22歳。
水、土、光属性を使いこなすお姉様。「王の盾」の一員だった。
占い師で、タロットを使った占いをしてくれる。条件さえ満たせばプレイヤーが占いたいことも占える。
ヒューマとガジュマのハーフで、強い力を持っているが、ハーフである証の角を折ってしまったため、力は控えめ。
酒豪で馴れ合いを嫌うドライな性格が、旅をするうちにメンバーとは打ち解けていく。
なかでもティトレイとはいい感じに?
口癖は「ぶつよ」


★ヒロイン
ポプラおばさん
言わずとしれたメインヒロイン
ピーチパイ作りの名手であり、村人全員を虜にしている小悪魔レディ。
作中で一時ヤンデレ化し、ヴェイグの首を絞めたりする様が男共のピーチにヒットした。本作屈指の萌えキャラ。


クレア・ベネット
(CV.安田未央)
ヒロイン。ヴェイグの幼なじみで、極めて薄幸。
どこかのDQ主人公よりはましだが。
そんな中でも決して諦めず頑張り続ける、優しくも強い美女。

アガーテ・リンドブロム
(CV.篠原恵美)
ヒロイン。カレギア国王の一人娘で若くして女王様。
美人だと有名で、ちょっと猫っぽい。ガジュマだが、ちょっとヒューマっぽい。
月のフォルス能力者。常に側近であるジルバを従えている。


★用語
☆フォルス
作中で物を操ったりする力。『○○(大抵漢字1文字)のフォルス』といった呼び方をする。
あとよく暴走する。

☆フォルス使い
フォルスを使う人。新手のフォルス使いか!
元々はごく少数のガジュマばかりだったが、ラドラスの落日以降は種族を問わず色んな能力者が居る。



☆種族
ヒューマ→俺らみたいな人。頭脳労働タイプ。
ガジュマ→獣人っぽい人。肉体労働タイプ。
基本的にフォルスはガジュマにしか現れなかった(ヒューマにもごく少数だが居る)。
しかしあくまで傾向…程度のようで、ヒューマにも単純馬鹿は居るしガジュマにもユージーンのような聡明な者も多い。
また、どちらも「ヒト」という括りの扱いでありバイラスからは平等に狙われ、翼を持つガジュマも空を飛べたりする訳ではない。

両者の混血である種族「ハーフ」も存在するが、そもそもヒューマとガジュマの間に恋愛感情が芽生える事自体稀な事*1、難産な事、仮に生まれたとしても子供のうちは病弱で死亡率も高い…と、数自体も極めて少ない。
成人まで生き延びたとしてもこのテの作品のお約束としてヒューマ・ガジュマのどちらからも「呪われた子」として忌み嫌われる為、ハーフとして生まれた時点で人生アンノウンモードまっしぐらである。
ハーフにとっても「ガジュマの角や耳があってもガジュマではない」「外見自体はヒューマであっても角や耳のせいでヒューマでもない」、どちらの世界でも生きられない苦渋を背負う事になる。
ただしガジュマをも凌駕するフォルスの素質を持って生まれる事も多く、王の盾のような実力主義の環境でなら重宝される事もある。
ヒルダの回想を見る限り、そこでも決して扱いは良くない事が殆どのようだが。



☆ラドラスの落日
先代の王様が死んだ日。この日を境にヒューマにもガジュマにもフォルス能力者が激増した。

☆王の楯
フォルス能力者で結成された国王直属の特殊部隊。
いわばカレギア王国の「陰」の部分であり、正規軍と違い基本的に表舞台に現れることはない。

★敵キャラクター
☆漆黒トリオ
ギンナル、ドルンブ、ユシアの3名からなるシリーズお馴染み漆黒の翼だが、名前がコロコロ変わる。
憎めない奴らだぜ。
実は1周目と2周目で微妙に名乗りのボイスが変わっている事が発売20周年の2024年に当時の開発スタッフにより明かされた。

☆四星
王の盾の頂点に立つ4人のフォルス能力者。

  • ワルトゥ
CV:大塚芳忠
ガジュマ。音のフォルス能力者で、紳士的な性格。かつての同僚だったユージーンを信頼している。
  • ミリッツァ
CV:水谷優子
ハーフの女性。光を操る虹のフォルス能力者で、ヒルダとはハーフ同士で仲が良かった。
  • トーマ
CV:郷里大輔
ガジュマ。磁のフォルス能力者で、見た目通り獰猛な性格。更にヒューマを見下しているやな奴。
  • サレ
CV:菊池正美
ヒューマ。嵐のフォルス能力者。ラドラスの落日以前からフォルスを持っており、キザな態度だが残虐非情。
プレイヤーの気持ちを代弁した(?)勇気のあるドS。
彼がちょっかいを出すのはおばさまが多いので、熟女好きが噂されている。
「グミなら僕も持ってるよ★」

中の人ネタだが、上記4人はZガンダムにて全員敵キャラだった。
ワルトゥ→ヤザン・ゲーブル
ミリッツァ→サラ・ザビアロフ
トーマ→バスク・オム
サレ→ダンケル・クーパー


☆カレギア正規軍
ミルハウスト・セルカーク
(CV.三木眞一郎
正規軍の将軍の1人。27歳のヒューマ。
他の将軍はほとんど40歳前後なのとガジュマであることを考えると、異例の出世であることがわかる。
フォルスを持たないが剣の実力はユージーンに匹敵するほどで、四星も迂闊に手を出せない程。更に人望もあるので彼の部隊は結束力がとても強い。
実際に彼と戦ってみると超強い。
こっちの攻撃1ケタって…

ヒューマとガジュマの共存世界を作る為各地を奔走する。アガーテのことである悩みを抱えている。
ふともも派でも尻派でもなく、ネコ耳派である。




ネタっぽさが多いが、作品自体はシリーズ全体から見てもかなりシリアスかつ生々しい内容である。
ライターが旅先での民族問題を目の当たりにした経験から、思想や種族をどう捉えるかがテーマとなっている。物語中盤のピーチパイ演説は必見。

また、精神的にも堪える展開が多く、上記のキャラへの執拗さもそうしたものが積み重なった結果である。
一方NPCの話をくまなく聞かないと伏線すらつかめないラスボスの唐突さ、やたらお使いイベントばかりな展開、メインとなる種族対立の収拾やヒロインの1人の最期の不可解な展開など粗も多く、好みが分かれる作品でもある。

ちなみに、『自分の能力が原因で引きこもる主人公が、能力の正体を知っている年長者と炎の能力者によって引っ張り出される』といった冒頭の流れがジョジョ3部のそれであり、『フォルス使い』という呼称やバクショウダケの展開も併せて当時一部でネタにされていた。


「追記修正を願いたい心に種族はありますか?」

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  • 鬱展開の嵐
  • 2004年
最終更新:2025年03月20日 22:58

*1 世間的にタブー視されてるのもあるが、作中のやりとりから大抵の人物は種族間の外見に性的な魅力を感じない様子。