テイルズ オブ デスティニー2

登録日:2011/03/08 Tue 23:50:36
更新日:2025/09/28 Sun 22:18:01
所要時間:約 7 分で読めます










この項目が面白かったら…馬鹿なっ!










父さんは言った。
――信じる事を 最後まで貫ける それが 本当の強さだ。


運命を解き放つRPG
Tales of Destiny2


2002年11月28日にナムコから発売されたPS2RPG。タイトルの通りテイルズ オブ デスティニーの続編にあたる。あくまでも「PS版のデスティニー」の続編であるため、描写などはそちらに準ずる。
その後2007年2月15日にバルバトスなど多くの要素が追加されたPSP版も発売。
なお、この作品は日本国内と韓国でしか発売されておらず、海外で「Tales of Destiny2」と言えば日本でいうところの『テイルズ オブ エターニア』になる。



★ストーリー

「神の眼」を巡る争乱から18年……
世界は空中都市の残骸落下により深く傷つきながらも、着実に復興の一途を辿っていた。

クレスタの町にある『デュナミス孤児院』
ここはかつて天上王ミクトランを倒し、世界に平和を取り戻した英雄、スタンとルーティが運営する孤児院である。
2人の息子、カイル・デュナミスは英雄である両親に憧れ、自分も英雄になりたいと考えるようになる。

ちょうどそのとき、アタモニ神団で働いているカイルの兄貴分、ロニがクレスタに戻ってきた。
なんでも、クレスタの近くのラグナ遺跡に巨大なレンズがあるという。なんとその額、300万ガルド。
傾きつつある孤児院の経営を少しでも楽にしたいと考えるロニは、こっそりこのレンズを手に入れようというのだ。

冒険に憧れていたカイルが黙っている訳がなく、渋るロニを根負けさせて共にラグナ遺跡へ向かう。
しかし、紆余曲折を経て見つけた巨大レンズは突然割れ、中から女の子が出てきた。
『英雄を探している』という女の子にすかさず『自分が英雄だ』と主張するカイルだったが、女の子は『あなたは、私の英雄じゃない』と冷たく吐き捨てどこかへ去ってしまう。

直後、同じくレンズの発掘に向かっていたアタモニ神団の兵士たちに囚われるも、謎の仮面の剣士の助力により脱出。
カイルはその中であの少女との出会いは運命だったと語り、『自分が未来の英雄だとあの少女に分からせ、英雄になるための旅』をする決意を固める。

そして猛反対する母ルーティを必死で説き伏せ、彼女に見送られてロニと共に偉大なる冒険に旅立つ。
喜び勇んで旅路を歩むカイル。だが彼はまだ知らない。この冒険が自らの、そして世界の運命さえ左右する壮大な戦いの幕開けであった事を…。


★パーティーメンバー

カイル・デュナミス
(CV.福山潤)
主人公。15歳。剣士。18年前にソーディアンマスターとして世界を救ったスタンとルーティの息子
両親はいるものの、デュナミス孤児院で育った仲間との絆の名前である「デュナミス」を名乗っている
父親に似た髪と寝起きの悪さを持つ。
英雄の息子である自分も英雄になれると信じて疑わない。
そんないわゆるアホの子な彼が真の英雄へと成長していく姿を描くのが本作なので、序盤はイライラするかもしれないが見守ってあげよう。

リアラ
(CV.柚木涼香)
ヒロイン。16歳。ラグナ遺跡にあった巨大レンズから出てきた少女。ある目的のため、英雄を探している。
出会って間もないカイルに辛らつな言葉を吐いたりするクールっ娘かと思いきや、パーティー加入後一気にデレる。ダメージボイスがとてもエロい。我らが性女様。

ロニ・デュナミス
(CV.関俊彦)
23歳。デュナミス孤児院出身で、カイルの兄貴分で、ノーブレーキのカイルを止めるストッパー。ついでにコンボも止める
女好きかと思いきやカイルとフラグを立ててみたりストライクゾーンは未知数である。
カイル以外の好きな人に対してツンデレになってしまう体質。スキットや戦闘前掛け合いでしょっちゅういじられている。
自操作では大体秘奥義封印安定といういろんな意味でネタキャラ。だが真面目な時はかっこいい。

ジューダス
(CV.緑川光)
16歳。謎の剣士。カイルがピンチになるとどこからか現れ、カイルを助ける『仮面ストーカー』……?
リオン・マグナスと関係があるのではないかと噂されているが、その正体は謎に包まれている。
リオンと違って船酔いもしなければ、空を飛ぶイクシフォスラーを余裕で運転できる。
後衛を下回る紙装甲はしばしネタにされる。ある意味本作の裏主人公。

ナナリー・フレッチ
(CV.川上とも子)
ロニの旦那。19歳。サブミッション使い(正しくは弓使い)
カイルたちが飛ばされた10年後の世界で出会う姉御肌の女性。つまりカイルたちの時代では9歳。
しっかりと自分を持っており、スタッフからはカイルの少し先の姿のような人物造形だと語られている。
料理や裁縫が得意で、リアラに教えてあげたりもしてる。
他方、道具の名前を覚えない等の大雑把な一面もある。「ソーサラーなんとかを使うんだよ!」
公式サイトには「さっそうと軍馬を操り、百発百中の弓の腕を持つ」という設定が記載されているものの本編では乗馬するシーンが一切なかったが、『テイルズ オブ ザ レイズ』で念願の?乗馬を実現した。
カルバレイスの出身なので、天上人の子孫にあたる。弟がいたが、幼い頃に病気で亡くしている。
しかしどうもシナリオの中核から離れている感があり、後半以降はメインシナリオでの存在感が薄くなってしまう。
戦闘面でもステの伸びは悪くないものの、肝心の弓が今ひとつ迫力に欠け、何故か秘奥義も一個しかない。
下級・中級晶術の使い勝手は良いため、妨害中心の術師と割り切って使えば便利ではある。*1ただ、ナナリーをそこまで鍛える暇があるならカイルで殴ったり、リアラやハロルドが上級晶術をぶっ放す方が早いことも多く、どうにも不遇感が否めない。*2
一応、戦い方が制限される初期ハロ(ハロルドを初期レベルで仲間にすること)では、貴重な単発ダメージソースとしても大活躍してくれる。
担当声優の川上氏が亡くなった後、外部作品等ではかかずゆみ氏が代役を務めている。


ハロルド・ベルセリオス
(CV.平松晶子)
天地戦争時代で出会う、ソーディアンを作ったというマッドサイエンティスト。23歳。
前作からの設定変更の最たるキャラでもある。*3
オリジナルのソーディアンマスターの一人、カーレル・ベルセリオスの妹にあたる。童顔かつ兄が老けてるから余計に若く見える。
勝手にスペクタクルズを使うので、よく『アイテムなぞ使ってんじゃねぇ!』の被害に遭う。
だがこの特性のお陰でバルバトス第三戦のカウンター条件が違うことを見抜けたりする。
男の名前を名乗って、未来人まで騙そうとする変わり者。あとよくカイルやロニを解剖したがる。ロニはガチで実験台にされた。そんな関係で実は本名不明。
設定上はそこまで巨乳ではないが今作における乳揺れ要因にされた。
普段はケバいメイクのせいで分かりにくいが、すっぴんorちゃんとしたメイクの時は超美人……らしい。
やり込み派のプレイヤーは彼女を初期レベル加入させることを目標にしたりする。


★『テイルズ オブ デスティニー』のメンバー

あくまでもサブキャラで操作することはできない。

スタン・エルロン
カイルの父。カイルが幼い頃に旅に出たと言われているが…?
ディムロスと別れても普通に強かったのだろうが*4、今作では彼の実力を見る機会が殆どない……。

ルーティ・カトレット
カイルの母。かつて自分が世話になったクレスタの孤児院を引き継ぎ、今ではデュナミス孤児院として切り盛りする、肝っ玉母さん。

フィリア・フィリス
アタモニ神団でかなりの地位になったようである。さすがにフィリアボム作りはデータだけ残して止めた。
ルーティを差し置いてジューダスとある意味深なやりとりをする。

ウッドロウ・ケルヴィン
髭が生えて、ファンダリアの王になった。マリーへの想いは成就しなかったようで独身。
40代の王様が未だに独身なのは大丈夫なのだろうか。
「なに、気にすることはない」

マリー・エージェント
亡夫ダリスへの操を貫き、独身でハイデルベルグの宿屋をやっている。
ちなみに前作で夫が死なずに助かる方法もあるのだが、その場合は18年の間に亡くなったということか。*6
彼女がルーティに教えた料理は、ロニとカイルの好物になった。

チェルシー・トーン
なんと18年前と同じ格好で……消滅した町を元に戻そうと頑張っている。
一応性格は成長しており普通のお姉さんと言う感じになっている。

ジョニー・シデン
相変わらず流浪の吟遊詩人。いる場所が場所なので出会うのが大変。

マイティ・コングマン
引退はしているが闘技場で観戦している。人気は健在のようだ。
ノイシュタットの至るところに「コングマン印の~」というものが出てくる。

リリス・エルロン
カイルを暖かく迎えてくれる。父親は出てこないが……子供がいる。
そしてのぞき英雄との18年越しの決着が付く事となる

ソーディアンチーム
スタンたちが使っていたソーディアンのオリジナルメンバー。詳しくは項目参照のこと。
ディムロスとアトワイトのイベント、シャルティエの日記くらいで残りのメンバーの出番はあまり多くないが、ドラマCDやノベライズで補完されている。

★敵キャラクター

本作に登場するボス格は名前がゴエティアから引用されているものが多い。


バルバトス・ゲーティア
(CV.若本規夫)
天地戦争時代の地上軍の将兵だったが天上軍に寝返りディムロスに処刑され、彼への逆恨みからエルレインの誘いに乗り蘇った。
英雄嫌いの紳士。英雄を次々と襲い、エルレインによって改変された未来ではついに自分が英雄になってしまう。
アイテムなぞ使ってんじゃねぇ!
だがとある戦闘ではアイテムに反応しない。そしてこのカウンターが有名過ぎるだけで原作である本作ではもっとえげつないカウンターがいくつもあったりする。

サブノック、ダンタリオン、ガープ
(CV.長嶝高士)
一行の前に立ちふさがる、バルバトス同様エルレインの手下らしき人達。全員素性は謎だが戦うと強い。
サブノックはペットのオセとの連携が厄介な居合の使い手。ガードが固いのでそのままでは効かぬわっ!
ダンタリオンは年の功と思わせて得意技は杖でぶっ叩くという武闘派じいちゃん。セクシー(で場違いに強い)な侍女達は趣味なのか。
ガープは飛行能力と対晶術バリア付きの魔導アーマーと超絶回避で完全武装。前衛を無視して後衛を蹂躙する鬼畜。変態ではなく変身です。

エルレイン
(CV.榊原良子)
リアラと対になるもうひとりの聖女。荒廃した世界の人々を強大な奇跡で救い、その功績からアタモニ神団の筆頭に成り上がった。性女ではなくBB……いや外見年齢こそ27歳だがTOD本編の後に生まれたので実際はもっと若いはず。
中の人はハマーン様。
『愚愚愚愚愚かな…』
やり方は過激で独裁的であるものの、彼女も人々の事を思って動き、多くの人々を救って来たことは間違いではない。

フォルトゥナ
巨大なレンズに「幸せになりたい」という人々の願いが蓄積した結果誕生した神様。晶術の基礎設定を考えれば「多くの人々の無意識な願いが発動させた大規模な晶術」ともいうべきか。
ただしエネルギー不足から完全には顕現しきれていないため(なので代行者である聖女を生み出した)登場が少なく空気。
「人々を幸せにする」為に生まれた存在だが、ある意味「満たされない欲求」の裏返しなのでむしろエゴの権化。思いつきであれこれ施しを押し付けたり、自分の望み通りにならなければ勝手に見捨てたりも平気でする自己中な神様。


★用語

一部用語はTODの用語を参照のこと。

☆晶術
エターニアともデスティニーとも違う独自のもの。レンズさえ持っていればソーディアンなしで発動できる上に、今回はパーティーキャラ全員が使用可能。(ただし厳密には前作のソーディアンを用いた「強力な晶術」とは別物。『晶術的な力』とも。)
ちなみにこの設定、実際のところ前作で「敵モンスターや人間系の敵はソーディアンなんてないのに晶術を普通に使えているのになんでこっちはソーディアン持ちのキャラクターしか使えないの?」
という点で突っ込まれてもおかしくなかったのだが、その点を誤解しているプレイヤーが相当に多かったため、当初は相当批判された。
ただ、その点を見越してか、本作で使える晶術は回復術を除けば全て前作に登場していないもので、むしろ前作にはかなり配慮していたりする。

実際資料集などを見ればわかるが、晶術そのものは前作時点でソーディアン無しでも使える設定はきちんと存在している。
というのも、晶術とは本来レンズの力をもってエネルギーを引き出し、思いのままに扱う技法全般でしかないためである。
これは追加設定などではなく、前作デスティニーの攻略本の用語解説にきちんとこのように記載があり、ぶっちゃけ前作の時点でもあきらかに人業ではない技*7を非ソーディアンメンバーが使えており、リメイクデスティニーでそれらが明確に「術剣技」という分類に設定されたことを考えると元々本作と同じく修行すれば真似事みたいな事はできると設定されていたものだと思われる。
本作でもロニの雷神招なんかは修行して使えるようになった技とか書いてあるし。
ソーディアンはその点高性能なレンズを内蔵しているのでより手軽に強力な術を扱える(前作の術)が、ソーディアンが存在しない本作では一般的なレンズ製品を用いた晶術なので前作と全く同じ術は使えないという原理である。
ちなみにカイル達の公式絵を見ればわかるが、レンズの意匠がついた装備をしているのだが、これが上記のレンズ製品だと思われ、作中でもそこそこ貴重なものらしい。((ジューダスには確認できないが彼の正体を考えると使用しているレンズ製品の正体は自ずとわかる)
女性陣とジューダスと馬鹿二人カイルとロニに使える晶術の数に差があるのはこのレンズ製品や加工品の性能差があるからという理由付けがされている。

体内に取り込んだり拾ったレンズを利用しているというプロセスが変わっていないモンスターの術も変わった理由は流石に設定的に妥協したのだろう。
この辺りの数少ない考察材料は、前作と同一個体と思わしき「18年前のダイクロフト」の雑魚敵達。
といっても切り札が火の中級術(フレアトーネード)止まりだったウィザードが本作では火&水の上級術を使う危険なモンスターだったり、逆に光晶術のエキスパート(レイ&ホーリーランス)だったエリアルナイトが下位のデルタレイしか使わなくなったりと安定はしていないが。

実際、本作でもストーリー中ソーディアンを使用したキャラが前作の術を使用する描写もあるので、そこら辺は徹底されている。
例外的に回復術は前作と同じ名前だが、そこら辺は恐らく制作側の事情が絡むため突っ込むべきではない。どうしても命名法則上新しい名前を作るのが難しいため仕方ないところもあるのだろう。
それなりに工夫したためか、ファーストエイドやアンチドート、リカバー、ディスペルは登場していないし、シャープネスやディープミストといった補助晶術は分類ごと登場しない。

つまるところ、前作の晶術絡みの設定のゲーム内での説明不足が思いっきり祟り、本作特有の矛盾と勘違いするプレイヤーが多かった設定筆頭である。
本作はこの設定を筆頭にPS版デスティニーの裏設定込みで理解しておかないと割と矛盾した描写も多い。
本当に矛盾してる設定もあるが。

☆イクシフォスラー
空を自由に飛べる、ハロルドが作った乗り物。要は小さな飛行竜的な装置だが見た目や構造は大幅に異なる。
自称飛行艇経験者のジューダスが初見で操縦できる位なので操作は特に難しくはない模様。
実はロニでも操縦できる。
1000年近く地下に安置されていたが難なく起動し、時空のひずみに落ちて行方不明になっても遠隔で戻って来れるくらいの高性能…な筈が、いざ使うと濃霧に弱かったり着陸場所に注文つけまくったりと結構ポンコツである。


☆レンズ
基本的にデスティニーと変わらないが、ストーリーの影響でレンズに需要が無くなったので売買は不可能に。
ただしソーサラーリングの燃料として*8、「リファイン」の材料として、一部ダンジョンで200枚くらい求められたりエルレインがよく集めていたり別の方面で大活躍。前作用語集の記載を考えればこれぐらいはできるのはある意味当然ではあるのだが。

というより本作に登場する「神」であるフォルトゥナはレンズに人の願いが結集して生まれた存在であり、彼女の化身であるエルレインやリアラが起こす奇跡も言ってしまえば元はレンズの力である。*9
元々デスティニー世界には神はおろか他テイルズにおける精霊や神獣といった上位存在は存在しておらず*10、信仰されているアタモニ神も「神の眼」を管理する組織が作り出した架空の神であるため、本当に神を生み出してしまったレンズこそ、この世界の神であるといえる。
神の眼という名前に偽りはなかったのである。

★作品への評価

テーマソングは倉木麻衣の「key to my heart」。シングルカットはされておらず、アルバムのみで聞ける。OP映像は出来の良い部類。

PS2テイルズの第一作にして、あの『デスティニー』の続編という事で期待が集まったが、前作との食い違いや唐突な後付け設定、前作との関連が薄く粗削り過ぎるストーリーや良くも悪くもクセの強いキャラ描写、制約の多い戦闘システムなどによって、当時は前作ファンを中心に批判が少なくなかった。*11

ただ年月を経たことか、はたまたリメイク版TODでの改変具合が大きかったことか、粗削りでこそあるものの、なんだかんだ完全に破綻せず一つの物語が描かれ切っていることから現在では結構愛されてもいる作品である。パーティメンバーの仲も変な裏表も少なく非常に良好。
特にとあるキャラの前作を経た上で一つの決着をつけたことは評価が高い。

また、今作で生まれた『スピリッツブラスター』『グレードシステム』『戦闘中の各種コマンド』などの多くのシステムやノウハウの多くは後のシリーズ作品にも引き継がれており、シリーズの一つの基盤となったのも確かである。
地味に見逃せない点として、メインシナリオはほぼほぼフルボイスレベルでボイスが搭載されており*12、ロードも極めて爆速、処理落ちなども見られないなど、
「PS2にハードを移行した初の作品にもかかわらずゲーム一本としての完成度は非常に高い」ことは紛れもない評価点だろう。

発売順はTOD→TOD2→リメイクDだが、TODともリメイクDとも矛盾の生じる事態になっている。(ただし台詞回しなどから前述の通り基本的にはリメイク前のPS版に描写が合わせられている)
…というか、リメイク版のTODだともろもろの変更点のせいでデスティニー2に繋がるフラグがかなり折れてしまっているため、
神が介入した事により歴史がネジ曲がった為などとファンには言われてしまっていたりする。

★戦闘システム

戦闘システムが非常に独特で、特に目玉である『SP』によりキャラの行動に制約が生まれ、他のシリーズ作品のようにずっと前でひたすら攻撃するような事はできない。
ロニ「スピリッツが無いときに攻撃するな! はじかれるぞ!」

名前のトラスト&タクティカルを地で行く、仲間との連携がメインのシステム。
役割分担も兼ねているので、前衛タイプであるカイルやロニも晶術が使える。
実は正式なシステムとしての『秘奥義』が搭載された初の作品。(前作エターニアにも秘奥義は存在したがシステム上のものではなく、単純にやり込みの果てに出てくる強い技の扱いだった)

TPの上限値が100に固定されており、上限が増えることはないが、エンチャント「TP消費軽減」やステータスの「TP軽減」の上昇で消費量を軽減することが出来、テクニック次第で殆ど消費を気にせず連発したり術を絡めたコンボや複数の技を絡めたコンボが可能。
この仕様のおかげで、他作品では意味がない「通常攻撃一発で1ずつTP回復」がかなり強かったりする。

そして本作が非常に独特と言われるのが、敵も味方と同じくTPだけでなくSPも存在し、そしてその数値もやはり最大100で固定されていること。
このため狙いをうまくやれば相手の行動を完全に制御出来たりするなど、非常に奥が深い。
そしてこのシステムの為か、他作品では戦闘中一回だったり、使用するのに複雑で出しにくいと言われる秘奥義も、やり込み次第では連発可能なシステムとなっている。

しかし、色々と制約が多く敵も一筋縄ではいかないので、慣れない人からは「戦闘が複雑」「戦闘がムズ過ぎてクリアを諦めた」という声も……。

だが、このシリーズは敵が固いだけorハメるだけのどちらかになりがちな単調な戦闘が多いため、今作のテクニカルな戦闘を支持する人も多い。
詠唱キャンセルを利用し、コンボコマンドによる魅せコンボも動画サイトなどに投稿されており、もはや芸術である。
他のシリーズ作品では中々出来ない無茶プレイも、プレイヤーの熟練によって可能になるのがこのシステムの魅力である。
これらの制約からAIがシリーズ屈指の有能AIであり、いくら自操作で戦っても勝てなかったボスが、オートにしたら簡単に勝てたなんて話もよく言われる程。
当時のアンソロジー作家も「CPUにしたカイルがめっちゃ動いた」と感激していた。
更に言えばこのオートのみやり込みも可能であり、最高難易度のラスボス&隠しボスをオートで倒すなんてやり込みも可能である。

称号によるステータス育成にバリエーションが出来る事、戦闘後の掛け合いやエンチャント(後のスキル)の導入、武具の合成、グレードシステムなど後の作品の基本になった要素が多く導入されている。
戦闘ランクの「アンノウン」が登場したのも本作から。*13

ただ、初導入もあってかグレードショップの値段が後のシリーズに比べても非常に高価だったり、条件が他作品と比べてシビアだったりするなど、まだまだ未発達のシステムでもある。
だが慣れれば後の作品と比べてもよりグレードが稼ぎやすかったりもする為、その点でもやはりやり込み派からは好評だったり。

★PSP版

前述の通り、2007年に様々な追加要素・調整がなされたPSP版が発売された。当時既にPS2のリメイク版デスティニーは発売されていたが、基本は移植であることと本編の描写などに関わるためあくまでも本作はPS版デスティニーの続編のまま。
戦闘システムの尖り具合そのものはそのままだが多くの要素や制限が緩和され、それでいて 有益なバグ技の多くは残されてる などユーザー目線な措置の数々により地味にだが確実に快適になっている。
またバルバトスや闘技場を筆頭に多くのボスが追加されており、前作の スタンを除く ソーディアンチーム(四英雄)とも戦える。

主な追加要素(これ以外にも沢山あるよ)
  • 裏ダンジョンでバルバトス・???が追加ボスとして出現。
    • バルバトスは一度勝利するとサブノック・ダンタリオンが追加され3人で襲いかかってくるように。何度でも蘇る。
  • 闘技場にてルーティ、リリス、ウッドロウ&フィリアが追加。
    • ルーティはカイルのみ、それ以外は全員と戦える。ボイスやドットはPS2版TODの流用*14三十路の人妻がふみゅっふみゅっとか喘いでくれるよやったね
  • 様々なイラストが見られる「イラスト本」が追加。
  • グレードショップで新たな引き継ぎ要素が追加され、近代のテイルズ並の品ぞろえに。
  • 秘奥義のカットインが近年のテイルズのようなフルカラーに変更され、敵にも幾つか追加された。
    • グレードショップでPS2版のものに変えれる。その場合敵のカットインが無くなる。
  • 新たな称号が追加された。



主な調整要素(これ以外にも(ry)
  • 中断データが消えなくなり実質どこでもセーブ可能に。これにより特にアクアラビリンス攻略が楽になった。
  • グレードの判定が良い意味で甘くなった。
    • これに関連し、グレードショップの値段もかなり良心的に。『取得GRADE2倍』を購入すれば更に取得グレードを上げられる。
  • バルバトス(3戦目)で低難易度時限定で一部カウンターが緩和された。
  • ラスボスのHPが減った。
  • 術技の使用回数を増やしやすくなった。
  • ジューダスの隠し秘奥義の発動条件が緩和された(実はPS2版のジューダスの秘奥義発動周回数が3周目に解禁なのはバグの一種なんだとか)。
  • ある意味本作で最も有名だった「称号バグ」がマイナス方面のミスだけ修正され、恩恵のみを受けられるようになった。




追記・修正は英雄になってからお願いします。

※もし英雄になって紳士にボコボコにされても関知しません

この項目が面白かったなら……\蒼破刃/

最終更新:2025年09月28日 22:18

*1 優秀なエンチャントが揃っており、晶術に敵の回避力を下げる効果を付けたり、SPを消費してTPを回復したり、詠唱時間を大幅に短縮したりといったことが可能

*2 彼女も上級晶術は使用できるが他のキャラと共通のものしか使えず、バグを除けば具現結晶は使うことが出来ない

*3 前作設定ではある意味真の黒幕だった

*4 ドラマCD版では、ロニが見せられた過去の夢の中にて、ディムロスなしでバルバトスを圧倒していた。夢の中の話だろ?と思うかもしれないが、作中の描写から少なくともバルバトスを一度圧倒したまでは事実だった模様。

*5 逆に言えばその介入が既に完了した歴史であるため、本作でいう最終現代では決してスタンは助からない。ついでに言えば本作で訪れる「18年前のダイクロフト」も実は前作とは根本的に異なり、「千年前の天地戦争にカイルたちが介入した歴史のダイクロフト」であり、矛盾のように見えて描写が異なるのは当然とも言える

*6 必ず助かるリメイク版とは異なり、本作の元となっているのはPS版であるため半隠しルートであった生存ルートではなく、大半のプレイヤーが初見では進むであろう死亡ルートの方を正史としたのはそれほどおかしい話ではないが

*7 ソーディアンメンバーであるフィリアのストップフロゥなんかも晶術ではなく特技に分類されていた

*8 一応レンズ無しでも使えるがグレードをごくわずかに消費する。

*9 ある意味前作時点で設定されていた「晶術」の本来の意味に最も近いことを極めて高い技術で行っているのと同様である

*10 PS版だと召喚アイテムなんかがあったりするが、あれもエナジーブレット等と同じくレンズ製品に近く、本当に実在しているのはブルードラゴンくらいである。そしてそのブルードラゴンもクラウディスで発見されている以上純粋なそういう物かと言われると異なる

*11 一応矛盾とされる描写に関してはそもそも本作は「前作のゲームのみの続編」というよりはPS版ゲーム、ドラマCD、攻略本記述などメディア化した作品諸々の描写を総合した結果なのと、気づきにくい話としてゲーム開始時点で既に歴史改変が起きていることを考えればある程度仕方のない部分はある

*12 後のシンフォニアではむしろ減っていたりする

*13 なお、本作のアンノウン解禁のために必要な称号「御乱神」は、「累計獲得グレード6400以上+マニアで500回戦闘」が獲得条件となっている。

*14 ただしウッドロウはよく見るとヒゲが生えているなど今作に合わせたアレンジはされている。