登録日:2010/04/28 Wed 23:08:04
更新日:2025/04/22 Tue 22:25:26
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恐怖を捨てろ 前を見ろ
進め 決して立ち止まるな
退けば老いるぞ
臆せば死ぬぞ!
叫べ!!
我が名は…
『斬月』!!!
【外見】
始解前は普通の
日本刀と大差ない見た目であったが、始解後は見た目は殆ど、柄のないデカい
包丁である。
初めて始解を使用してからは『常時解放型』という特性からかずっとその特徴的な見た目のまま。
全長が一護の身長ほどあり、本来ならば持ち手となる柄はなく、包丁や刀でいうところの茎(なかご)に納まる部分に巻き付けたサラシが実質的に柄として機能しており、非戦闘時は柄頭から伸びるサラシを刀身に直接巻き付けて覆うことで鞘の代わりにしている。
「斬月のオッサン」
…敵ではない 味方でもない
だが 言葉にも心にも嘘はない
───お前に名乗った名以外は
「長身痩躯」「髭」「ロン毛」「グラサン」のおじ様。
浦原との修行で虚になりかけた一護の精神世界で、一護を導く役目を果たす。
一護の精神世界に居る為か、一護が悲しむ時に降る雨が嫌いで、
「雨を降らさない(悲しまない)ようにするためにはなんだってしよう」とかなり協力的。始解に必要なことや、戦いの心構え、
斬魄刀と共に戦うことなどを教えたほか、剣八との一戦では具象化し、一護と共に戦った。
これと一転、卍解状態では、内なる虚の要素が少し混じったかなり幼い容姿に変化する。
悲しい結末を避けるために完全虚化した内なる虚と合体(通称:白斬月)してまで一護を冷たく突き放して剣を交え、「最後の月牙天衝」を教えた後は霊力消失に伴い姿を消す。
死神代行消失篇での霊力復活に伴って復活し、千年血戦篇で相変わらずおっさんの姿で再登場。
真相を知った一護と和解し、王悦の浅打に吸収されたのか斬月の一振りになって以降の出番は全くない。
内なる虚
”斬月は何処だ”と訊いたな?…答えてやるよ
俺が…”斬月”だ!!
CV:森田成一
外見はほぼ一護と同じでも眼球は黒色で、髪や肌、死覇装も
斬魄刀も驚きの白さ。ある意味、この漫画の
タイトルを象徴するキャラクターである。
最初は斬月(オッサン)の一部だったが、一護が虚化した後は自ら
「斬月」を名乗った。
斬月の力を引き出そうとするほど力が増す“
斬魄刀の化身=霊力を司る存在”として、一護を乗っ取る野望を抱く。その一方で「自身だけが強くなればいい」と思い込む一護を守るために恋次や剣八戦いでは致命傷を虚の仮面で防御したり、本能を通した戦い方をおっさん同様に教えたり、斬魄刀にも“心”があることを
自画自賛説明したりする。
本体の一護よりも優れており、精神世界では
- サラシを持って斬月を振り回し、遠心力を付けて投擲するという投げ縄を思わせる攻撃
- 鍔迫り合いに持ち込み、至近距離で月牙天衝を発射
など、斬月をはるかにうまく扱ってみせた。
卍解にまだ慣れていない白哉戦の最中にまったく身動きが取れなくなった一護の意志を抑えて表層化。白哉を逆に追い詰めるが、自分以外の力で白哉との決着が付くのを良しとしない一護が顔半分を覆う仮面を剥ぎ取ったことで沈黙。これ以降、追い詰められたときに出現するようになり、一護が自分の力を恐れるようになってしまった。
破面編における虚を抑えるための特訓の際には全力で戦えない一護に対し、虚化ひよりを素手による
首絞めだけで殺しかけるほどの膂力を発揮している。
そして、本体の一護と精神世界で邂逅した際には、一護の「戦いに関する本能の薄さ」について「刀の先に鞘を付けたままで斬りつけるようなもの」と言及し、「そんな本体に付き合って一緒に殺されるのはごめんだ」として一護と成り代わり、“王”(本体?)になろうと戦いを仕掛けた。
最終的に追い詰められて戦闘本能が目覚めた一護に倒され、自身の“王”と認めて力を貸すことを約束。
それ以降は大人しくなっており暴走することはなくなった。
…後述する完全虚化の一件を除けば。
完全虚化後は本来の姿を思い出したためか、なぜか某虚を彷彿とさせる完全虚化の姿で登場。
天鎖斬月と合体し(通称:白斬月)、一護と再び剣を交えた。
一護に最後の月牙天衝を教えた後は霊力消失に伴い姿を消す。
死神代行消失篇での霊力復活に伴い彼も復活し、千年血戦篇で再登場。精神世界ではなく王悦の術で具象化させられる形で再登場した。
破面篇と打って変わって通常の虚化一護そっくりの姿になっていた。
但し仮面のデザインは仮面紋が全くないシンプルなもの。
完全に一護に忠誠を誓ったのか以前とまるで別人になっており、大人しくなっていた。台詞は一言も発さず。
その後は王悦の作った浅打に吸収され、斬月の一振りになった。
PS2の
ゲーム『ブレイド・バトラーズ』ではなんと単独でプレイアブルキャラとして登場。
名前表記が鏡文字の
黒崎一護であり、通常一護との区別が難しい。
ぶっちゃけ原作での戦闘描写がほとんどないキャラなので、例の「サラシを持って斬月をブンブン振り回す」という戦闘スタイルほぼ一辺倒の超遠距離特化キャラとなっており、主人公らしくスタンダードな性能の通常一護とはかけ離れた性能。
一方、卍解時は通常一護とほぼ同じ戦闘能力(ただし衣装は白)を発揮する。
【始解】
名は項目通り「斬月」。
数多ある斬魄刀の中でも珍しい、一度始解するとずっと開放状態となる
『常時解放型』の斬魄刀。
一護は夜一からそれを聞かされて初めて知る事になったのだが、刀の名前を呼んでも変形しない事など、他の
斬魄刀との違いには疑問を感じていた様子。
その性質故に解号は不明だが、8巻にて斬月自身が発した台詞(項目冒頭の台詞)が解号なのではないかという説がある。
因みにアニメオリジナルの『斬魄刀異聞篇』では、村正が
斬魄刀を具象化して奪う際に解号を言う必要があるのだが、斬月を奪う際の解号はこれが採用されている。
なお、8巻の帯には『“閃け(きらめけ)"! 斬月』という文字があったが、恐らく解号
というわけではない。
大きさに見合ってというべきか刀身はかなりの強度を誇り、
市丸ギンの始解を受け止めても無傷。
更には始解の時点で
斬魄刀100万本の破壊力を誇る“双極”の突撃を受け止め、その双極の突撃を受け止める為に作られた磔架をも破壊した。
何このチート。
ただし、気を張っていなければ本来の強度を発揮できないということが
更木剣八との戦闘で発覚している。
要するに持ち主である一護の精神状態が万全でなければ斬月も本来の力・強度を発揮できないということであり、例えば、『内なる虚』を恐れて全力で戦えなかった時には、相手が虚化していたとはいえ、ひよりの
斬魄刀との打合いで刃が折れかけるほど脆くなっている。
また、そんな刀身を覆っているサラシについても、一護は鞘や柄として扱っており、戦闘に用いることはなかったが、後に虚化の訓練で白一護(内なる虚が白黒反転させた一護の姿を取ったもの)が、後述のように投げ縄の要領でサラシを振り回して刀身を投げつけるという戦法を見せており、普通の白い布と大差ない見た目だが、このサラシもそれなりに耐久性が高いことが窺える。
能力
自身の霊圧を刃に喰わせて斬撃を巨大化させることができる。
ただそれだけしかないというシンプル極まりない特性を持つ。
それ以外の特殊能力はないが、刀身の高い強度とそれに見合った攻撃力はそれだけでも驚異的であり、実際に一護は強敵を斬月と共に何度も下している。
これと言った特殊能力を持たない代わりに素の攻撃力と硬さが群を抜いている…という、いかにも主人公のメイン武器っぽいスペックである。
卍解:天鎖斬月
始解に比べ著しく小型化、鍔の形は『卍』。
見かけは浅打と大差ないが、上述の鍔の形以外にも、刀身や柄等がやや長い、冑金に短い鎖があるという違いがある。
また、「刀身」「柄」「鍔」など全てが真っ黒である。
卍解することで死魄装も変化し、黒いロングコートを纏ったような姿になる。
一護が言うにはこのロングコートも卍解の変化の一部なので、破れてしまうと彼の霊力が回復するまで元に戻らない。
逆に言うと一護の霊力が回復するとロングコート部分は修復される。
卍解は「卍解の状態で破壊されると二度と元に戻らない」という性質があり、一護の卍解も刀の部分はそうなのだが、ロングコートは斬魄刀による生成物なので破れても時間経過で修復可能。
この性質上、ロングコートの破損度合いが一護の霊力の残りを示すメーターのような役割にも(傍から見て)なり、一護の霊圧を回復させようとした卯ノ花が「十分回復した」と思っていたのにロングコートは半分も無い状態で、一護から霊圧とロングコートの破損度合いが連動している事を聞き「これでも半分以下なのか」と驚愕している。
通常、卍解習得には10年以上掛かるが、一護は浦原から提供された「転神体」という特別な道具を用い、短期間で習得した。
始解が
斬魄刀との「対話・同調」が必要なのに対し、卍解は「具象化・屈服」が必要となる。
転神体はこのうち「具象化」を強制的に引き起こす道具であり、人形のような形をした転神体に斬月を突き刺す事で発動する。
内容は無数の斬月によく似た刀の中から本物を探し出し、具象化した斬月(刀の化身)を打ち倒すこと。
なんやかんやで卍解は修得出来たが、最終的にどのような経緯で成し遂げたかは不明。
当時は物語のテンポが非常に良かった為、それを重視する為に省いたのだと思われる。
実際、『
BLEACH』全体を通して、作中で殆ど触れられなかった展開は多く、修行を長々と見せられても読者は面白くなかったかもしれない。
また、卍解すると竜のような氷を身に纏ったり(大紅蓮氷輪丸)、巨大な刀身が何本か出現してその全てが花弁のような破片となって敵を襲ったり(千本桜景厳)と、見た目にも始解とは隔絶された能力を持っていることが分かりやすい解放状態に変化するのが大半なのだが、この『天鎖斬月』はそれらとは異なり、一護の姿や刀の形状こそ変わるが、サイズだけ見るとむしろ始解よりも小型化しており、初めて見た際白哉は卍解ではないと断じ、「卍解を騙った」として一護に激昂しているなど、卍解の常識にない形態変化をしている。
その能力は、白哉の見立てでは「卍解としての戦力全てを小さな形に凝縮することで超速戦闘を可能とする能力」とされ、実際、卍解後は白哉の目にも止まらぬ高速移動で彼の喉元に刃を突きつけるという脅し(挑発?)を行えるほど、超高速移動による戦いが可能になっている。
剣戟の威力なども卍解相応に向上しているため、基本戦術が「目にも止まらぬ速度で移動し、高威力の斬撃を繰り出す」とすると、地味ながら強力と思われるのだが、劇中では特に強敵との戦いでその能力が敵から脅威と見られるような描写が非常に少ないため、あまり強力な卍解という印象が持てない。
と言うのも、初戦の白哉戦では連戦と修行による疲労と怪我が深刻な程に蓄積していたために、白哉に追いつかれ始め、
十刃のグリムジョーには帰刃前にも拘わらず、当初は実力差があったために
「卍解してマシになったのはスピードだけか?」と揶揄され、そのグリムジョーよりも強いウルキオラには、至極当然のように簡単に追いつかれ、スタークに至っては一護が剣八共々全く反応出来ないようなスピードで織姫を掻っ攫っている。
という具合に一護より高い身体能力を誇っている相手には流石に通用しないか、もしくは卍解してやっと応戦できるようになる。
もちろん一護自身の実力が高まることでより効果的になるため、グリムジョーとの三戦目では一護が成長したこともあって相手が帰刃してもなお互角以上に戦って勝ち、ウルキオラとの戦いでも帰刃される前でも未だ本気の動きだと翻弄される程に実力差があったものの、虚化と組み合わせることで帰刃を強要させている。
目立つことこそ少ないが、充分強力な能力であることは間違いないだろう。
また、移動速度だけでなく攻撃速度・反射神経も超速化するのは、単なる歩法には無い天鎖斬月の大きな利点である。
回避しきれず、自分を捕捉した白哉の千本桜の花弁(刃)を全て叩き落して防御してみせたり、キルゲに「あのスピードは厄介だ」と思わせ、その攻撃に対応するために静血装に集中させるほど翻弄している。
特にキルゲは、「静血装を全開にしないと一護のスピードに対応できないが、そうすると動血装を使えず、一護にダメージを与えるほどの攻撃が出せない」という、単独行動中で味方の援護がないという状況のせいもあるが、ほぼ詰みといっていい苦境に立たされていた。
前述のグリムジョーやノイトラ、ウルキオラ戦も卍解で反応速度が向上していなければ命が無かったであろう場面が何度かあった。
更に特筆すべき点として、卍解は維持するだけでも大量の霊力を消費して扱いが難しいという一面があるのだが、天鎖斬月はそういった描写が殆どない。
虚園でのグリムジョー戦から無月を用いての藍染戦まで卍解状態のまま物語を駆け抜けていたり、最終決戦前に折られた時も卍解した後は戦闘後も何気なしにずっと維持し続けているという描写になっている一方、他の卍解が使える死神は、無駄な霊力消耗を嫌ってか戦闘終了後にすぐ解除することがほとんどである。
一護自身が無理をして卍解状態を維持しているという描写も無い以上、戦闘中はともかく、いわゆるアイドル状態だとわざわざ解除する必要もないくらいには霊力消費が少ないと思われる。
卍解を維持できなかったのは虚夜宮でウルキオラに倒されて瀕死の重傷を負ったときのみ。
なお、ウルキオラ戦が終わった頃にはただの卍解でも霊圧が隊長格の2倍以上に増えていたようで、虚化なしでも藍染にまだ剣を素手で受け止められるレベルとはいえ、一応互角以上に戦えるようになっていた。
月牙天衝
自身の霊圧を刃に喰わせて斬撃を巨大化させ、黄色い三日月型の斬撃を飛ばす斬月の代表的技にして固有能力。
非常にシンプルであり、ストーリーが進むと技が多くなりがちな少年漫画では珍しく、一護はこの技一つで戦っている。
その威力は高く、
護廷十三隊隊長朽木白哉に
「高い能力を持つ」と言わしめた。
だが始解を会得してすぐの頃は威力を加減できず、浦原の勉強部屋をかなり吹き飛ばした。
自発的に使うことも始解習得後しばらくは出来なかったが、卍解の修行を通じて自由に使えるようになった。
しかし、白哉もその能力の高さに言及した後すぐに「鈍重極まる大技」と言っていたように、威力がある反面、基本的には大振りの斬撃で飛ばすので、よほど相手が一護より弱くなければ考えなしに打っても有効打になり得ず、よって不意を衝いたり、力勝負に持ち込んだりして、確実に相手に命中させないといけないという側面もある。
実は遠くからコソコソ打つ技だが一護は気付いてない。
このように基本的には遠距離攻撃なのだが、確実に倒すために
- 接近して放つ
- 射出せずに刀身に纏わせたまま斬りつける
等、使い方は多少幅がある。
死神の力を一旦失った後、
完現術習得後に再び死神の力を取り戻してからは、完現術の力も取り込んでパワーアップ。
ただの剣圧にも物理的な攻撃力を伴わせ、月牙天衝は巨大な雲をも切り払う威力にまで昇華された。
卍解後
卍解することで撃ち出す月牙が黒くなる以外は変わらず。
性質は概ね同じと思われるが、卍解による霊力向上によって威力は強化されている。
天鎖斬月による速度向上により、
- 月牙天衝を高速移動しながら連射して弾幕を張る
- 月牙天衝を放った後に月牙天衝以上の速度で動いてセルフ連携
といった戦法が可能になっている。
連射自体は元々出来ていてもおかしくはないが、後者の使い方は始解だと難しそうである。
ただし、この「黒い月牙」は元々白哉戦で一護の身体を一時的に乗っ取った『内なる虚』が使ったもので、一護はそれを模倣して使用しているのだが、そのためか卍解状態で月牙を使うと『内なる虚』の表層化を早めるらしく、当初は連発出来なかった。
後に『虚化』を習得し、『内なる虚』の力を制御できるようになってからは、始解同様にノーリスクで月牙天衝を使用可能となった。
なお、元々虚由来の技のためか、ウルキオラはこの“黒い月牙”が破面の“黒虚閃”に似ていると指摘している。
生成した月牙をすぐに射出せず、刀身に纏わせたまま斬りつけるという応用もあるが、ウルキオラに「浅知恵」と一蹴された。
ちなみに、『内なる虚』は鍔迫り合いの状況から至近距離で月牙を撃ち出すという、特攻めいた見た目の戦術も繰り出している。
【虚化】
内なる虚の発現と共に一護に芽生えた力。
『
仮面の軍勢』のもとで修行し、内なる虚を精神世界で屈服させたことでその力を完全に制御できるようになった。
この力を行使する際には虚の仮面を出現させ、顔に着ける。
一護の仮面は髑髏状のもので、左半分に血のような色の紋様におおわれている。
この紋様は虚化習得以前から、内なる虚が表に出てくるたびに数が増えていた。
後述の完全虚化後には、その紋様は眼窩部を走る2本の縦縞のものに変化し、そのことに違和感を覚えたり、仮面を出現させることが出来なくなったりしていた。
実はこの時、一護は虚化の力を最大限に引き出せておらず、天鎖斬月曰く、完全虚化して破壊衝動に飲まれることを無意識に恐れていたためのこと。
その一方でこのデザインは完全虚化の仮面紋を踏襲しており、暴走するかどうかはさておいても、少なくともウルキオラより遥かに格上の筈の第0十刃ヤミーを月牙で少しだけ斬ることが出来た辺り、ウルキオラ戦前は帰刃ウルキオラに全く及ばなかったが、戦後は帰刃ウルキオラよりも強い力を出せるようになった可能性は十分ある。
精神面から不安定になっていただけで、完全虚化が切っ掛け(おっちゃんたちの制御)で一護の実力自体はパワーアップしていたとも考えられる。
藍染を倒そうとしていた
ギンが一護の才能を評価しつつも、まだまだと判断したり、あげく虚化一護を殺さないように手加減していても圧勝してしまい呆れたり、次元の異なる実力差のため浦原達では感じ取れなかった進化時藍染の霊圧を、一護は感じ取れたことも説得力が増す。
ウルキオラ戦前までは他の隊長とそこまで大きな差だったとは思い難いことと、現世への移動中に
卯ノ花隊長が一護の霊圧を過小評価していた(半分程度でも隊長格並)ことも納得の描写と言える。
なお、基本的に一護は『虚化』を卍解状態でのみ使用しているが、他の『
仮面の軍勢』のように始解状態でも使用できるかは不明(最終章では少し違う形だが、始解状態で使用した)。
天鎖斬月は他の多くの卍解と異なり負荷が小さく周囲を巻き込む恐れもないので、『卍解が通用しない→ならば虚化』という発想なのだろう。
死神でありながら虚の力を混在させることで、卍解にも増して爆発的に戦闘力や霊圧を上げることが可能になった。
月牙天衝の威力も上がっており、その威力は卍解状態でも敵わなかったグリムジョーを瀕死にさせるほど。
当初は仮面の出現時間が約11秒と短く、霊力の消費も激しく、仮面が割れた際に戦闘力が激減し隙を見せてしまうというデメリットがあったが、後にその時間も増えていき、かつ仮面が割れたり傷が入った際に自ら修復することも可能になった。
破面篇序盤は猛威を振るっていたが、ウルキオラ戦後は一護が使用に不安を覚えるようになったこともあり、その強さは目立たなくなっていった。
完全虚化
対ウルキオラ戦で再起不能にされた際、織姫に「助けて」と叫ばれ登場。
恐らく
破面の刀剣解放に相当する姿。
ただし帰刃ではないためか、
斬魄刀は消えない。
外見は二本角の仮面、胸には穴とまんま虚。
肌が真白くなり髪も長髪になる。
言葉は通じず敵味方の区別もつけず、ただただ本能のまま戦う。
戦闘力はヴァストローデ級をも圧倒するまでに上昇し、それまで全く歯が立たなかった二段解放したウルキオラを一方的に叩きのめした。
十刃をここまで圧倒する彼に対し
なん…だと……?と思った読者も多かっただろう。
一護の意識が無いので自ら解除することは不可能であり、ウルキオラの不意打ち攻撃で角を折られ解除された。
因みに後の卯ノ花との会話で霊圧が万全ではなかったことが判明したため、本来は少なくともこれの2倍以上には強かったと思われる。
劇場版『地獄篇』でも登場。
地獄へと流れ込んだ完全虚化一護とウルキオラの死闘の記録を垣間見た黒刀が、一護の力で地獄の門と咎人の鎖を破壊し、地獄からの脱出を目論み、自身への怒りを誘発させる事で一護を完全虚化させてしまう。
虚閃で地獄の門を半壊したが、少しだけ一護の意識は残っており、恋次に角を折られた事で強制的に元に戻された。
なお、終盤で再び完全虚化してしまうが、破壊衝動や黒刀への憎しみを必死で抑え込み、自分で角を折る事で元に戻った。
後に理性を保ったまま扱えるようになった。
詳細は後述。
【最後の月牙天衝】
天鎖斬月と実は生きていた白一護が融合した姿の斬月との、2000時間に及ぶ戦いを経て手に入れた。
天鎖斬月の卍型の鍔が一回り大きくなり、卍解の外套が袖まで破れて柄尻から伸びた鎖が右腕に巻き付いている。
一護本人も背や髪が少し伸びていたが、修行に付き合った(らしい)一心も髭が濃くなっていたことを考えると、この技の影響ではなく単に長い修行中に成長しただけとも考えられる。
小説によると霊王の代わりになる技とのこと。
完全虚化よりも遥かに別次元であり、あちらは卍解の出来ないルキアでも霊圧を感じ取れていたのに対し、こちらは死神と虚を超越し、誰も霊圧を感じとれない次元に達した藍染が『霊圧を感じられない』ほどの力を手にしており、
- 岩山を吹き飛ばす
- 藍染と互角に渡り合う
- 藍染の本気の一撃を素手で受け止める
- 完全詠唱の『黒棺』をなんなく破壊して抜け出す
などの圧倒的な力の差を見せつけた。
藍染の本気の一撃を受け止めたシーンは
- かつて藍染が尸魂界篇で指一本で天鎖斬月を受け止めたシーン
- 同じく天鎖斬月を「がっかりさせないでくれ」と言いつつ素手で受け止めたシーン
- 完全虚化一護が第二階層ウルキオラの最後の一撃を素手で受け止めたシーン
を連想する場面であり、読者を興奮させた。
後に小説で判明した設定を踏まえると霊王の代わりに匹敵する技である上、また斬月の正体を考えると「滅却師最終形態」に相当する形態であった可能性もあり、もしこの説が当たっていれば「卍解」+「完全虚化(帰刃)」+「滅却師最終形態」+「霊王クラス」の力と融合していたということになる。
そりゃ開発者の浦原さんでさえ破壊できなかった崩玉を取り込んだ崩玉藍染より遥かに強くなってもおかしくない。
【完現術との融合】
『最後の月牙天衝』を使った後、失った死神の力の代わりに『完現術』を習得した一護。
その力自体は味方のフリをして一護の力を狙っていた銀城に奪われてしまったが、護廷十三隊の面々に力を分け与えられたことで死神の力が復活。
同時に斬月も一護の手に戻ったが、銀城曰く「『完現術』と死神の力が融合した」とのことで、以前とは少し見た目が変化した。
具体的には、刀が前よりも峰の方向へ反り、根元の形も変わっている。
完現術完成形の影響だけではなく隊長格から力を分け与えられたこともあってか、柄自体も茎にサラシ巻きではなく、ちゃんと柄巻きのあるまともなものになった。
サラシがなくなった代わりに黒い鎖がつき、サラシで刀身を巻けなくなった代わりにそれとは別に包帯型の鞘が出来た。
刀身は従来と大差ないが、柄は従来の天鎖斬月そのもののデザインになっている(ただしあくまで始解なので卍型の鍔はついてない)。
一護の首元と手首には黒いX字の装飾が現れ、卍解時にも白いXの装飾が付いた手袋が追加された。
なお、天鎖斬月のデザインは死覇装がボタンをひとつも止めてないロングコートのようになり、刀身がノコギリザメの鼻のようなギザギザしたものになり、卍の形も細くなった。
銀城曰く「何て力だ。身体能力が上がってやがる!俺の与えた完現術が奴の基本性能を昇げたのか!!」とのことで、能力自体も強化されている。
事実一護は始解だと破面篇の頃には十刃落ちのドルドーニに未解放では月牙を使ってなお押されるレベルであったのに対し、死神の力を取り戻した直後の始解では、十刃落ちのチルッチに勝てるだけの強さをもった石田の矢を軽く弾き、不意討ちとはいえ瞬殺し気絶させた銀城(一護から奪った力を使う前)を圧倒している。
更に銀城が元死神代行であり卍解や虚の力も使えることから隊長格クラスの実力を持っていることはまず間違いないこと、少なくとも以前の一護以上の戦闘力がある可能性が高いこと、一護は完現術時でも月島さんに「な…」「速い!!」と思わせるような動きで腕を斬り落としたり蹴り飛ばしたりして戦えていたことを考えると、それより遥かに強い消失篇以降の始解は以前の始解より遥かに強くなっていると見て間違いない。
なお、後のキルゲ戦においても始解では彼の放った矢を簡単に二指真空把のように素手でカウンターし、卍解ではアヨンの力を取り込んだキルゲを圧倒している。
キルゲは帰刃していないとはいえハリベルの
従属官である彼女達に無傷で圧勝するほどの実力者で、一護の発言から昔の石田より強いことも確定しており、少なめに見積もっても隊長格以上の実力をもっている。
その彼に始解で圧勝し、更に完聖体になった彼と劣勢ではあるものの互角に近い戦いをした時点で消失篇以降の一護は素の状態でも十刃クラスの実力を持っていると言える。
また、彼が完聖体を披露し、更に同じく隊長格より強いアヨンの力を取り込んだにもかかわらず、卍解した一護には全く歯が立たず、防戦一方になっていた。
このことも一護が以前より遥かにパワーアップしたことを物語っており、刀剣解放したウルキオラ以上の実力をもっている可能性が高い。
また、館の中でXCUTIONのメンバー達と戦っていて、銀城は力を取り戻した一護の剣圧に対して、月牙天衝と勘違いして「確かに月牙天衝の威力は上がったが…」と言っているため、威力としては
消失篇以降の始解一護の月牙>>剣圧>完現術の月牙
ということになる。
破面篇で剣圧らしきものを虚化一護が使っていたため、ただの始解が従来の虚化+卍解みたいなものということなのかもしれない(卍解一護は完全虚化+卍解)。
ある意味、常時解放型の一護にふさわしい形態とも言えよう。
完現術の残骸が従来の虚化の代わりを果たしている可能性も。
ちなみにこの形態以降は仮面をつける虚化はしなくなった。
そして最終章アニメ化で強調されたのが
ユーハバッハとの戦いである。
原作では月牙を1、2発放っただけで取り押さえられたのだが、アニメでは相当な数の斬撃の応酬を繰り広げている。
この時点の
ユーハバッハは聖文字も開放しない、一護を殺す気もないという状態だったが、それでも何一つ消耗していない状態で、翻って一護はキルゲの策により満身創痍という有様である。
言うまでないが、聖文字を開放していないとはいえ、素の状態の
ユーハバッハの身体能力は藍染(死神状態)は愚か、元柳斎や零番隊の和尚に匹敵するという怪物である。
つまりこの状態の一護の身体能力は騎士団や十刃どころか、
作中最強クラスのメンツに追随するレベルということになる。
頑張って完現術を覚えたのは無駄じゃなかった…
以下最終篇ネタバレ
そう、君は知っているはずSa
今まで君の魂の内側で
斬魄刀のフリをしていた男のことを!
ずっと考えないようにしてた
あそこに呼び寄せられたような気がしたんだ
それがなぜだったのかずっと考えないようにしてた
何の情報もないなかでどうしてまっすぐあいつの所へ行ったのか
どうしてあいつを一番重要な敵だと思わなかったのか
そして
誰かを思い出しそうになったことも
“死神の力”じゃア無い
その男は君の中の”滅却師の力”
その姿は 千年前のユーハバッハだ
自身の出自――父の過去と母の真実を知った後、王悦によって浅打を打ち直してもらった際に判明した事実。
斬月…正確には「一護の死神の力」の化身は内なる虚である白一護の方であり、これまで斬月を名乗っていたオッサンの方は
一護の滅却師の力の化身だった。
そしてその姿は、千年前の
ユーハバッハのもの。
姿なき人格が
ユーハバッハの姿を借りているといった感じである。
なお、王悦は最初から知っていた模様。
このようにややこしいことになっていたのは、父の死神の力、母の滅却師の力の2つ、そして母親を通じて受け継いだ「虚化」の力を一護が有していたため。
一護の母・真咲は、藍染の作り出した実験体虚「ホワイト」の襲撃によって虚化させられたが、浦原と一心の尽力によって一命を取り留めた。
だがそれは虚化を「食い止めた」だけであって、虚の力そのものは真咲の中に宿り続け、やがて生まれた一護に受け継がれていった。
一方で、藍染が造った「ホワイト」は数多くの死神の魂魄を重ねて造られた虚であり、その有り様は
二枚屋王悦が造る浅打達と同様であった。
そのホワイトが母親を通して一護の中に入り、父親より譲り受けた一護本来の死神の力と溶け合った事で、奇しくも「死神が浅打を保有する」のと同種の条件が成立。
結果、虚の力が一護の
斬魄刀になった。
よって一護の斬月は史上唯一二枚屋が作った浅打を元としていない
斬魄刀なのであった。
この特異な斬魄刀は、ルキアとの邂逅を経て覚醒を果たしたが、滅却師の力たるオッサンは一護を戦いに巻き込ませないためにその力を押さえ込んだ。
そして一護の前に、自分こそが「斬月」だと名を偽って姿を現したのだ。
その証拠――というか、伏線は、物語の随所で実は見え隠れしていた。
かつて白哉との戦いで「名前なんてねぇよ」と語っていた白一護が、一護の内部での主導権を得てオッサンを一部にした時に「俺が斬月だ」と語っていたのは、滅却師の力に奪われていた自身の名前を取り戻していたということ。
始解習得時や尸魂界での剣八との戦いの最中を始めとして、一護の内面において
斬魄刀の力を引き出す際には必ず虚が関わっており、虚の仮面が要所で出て致命傷を避けたり、一護の後ろから虚の仮面のような霊圧が沸き上がったりという描写もあった。
虚化暴走時も必ず斬月を手に持ち、そして使っていた。
そう、今まで窮地に一護を助けてきたのは、いつも白一護だった。
なおちゃんと天鎖斬月の正しい戦い方もレクチャーしてあげたのに無視された
白一護こそが、黒崎一護}が有する本来の死神としての力であるが故に。
…そしてオッサンもまた剣八戦の際、滅却師の影を使って助けたり、血を使って出血を止めたりしてくれた。
よくよく見れば実は天鎖斬月も卍解っぽく見えるようにそれらしく見た目を整えただけで、性能面では
- 「霊圧の射出(月牙天衝)」
- 「高速機動(飛廉脚)」
- 「防護服の展開(静血装)」
- 「身体能力(攻撃力)・反応速度の上昇(動血装)」
という『滅却師としての基本性能』を発露させているだけにしか過ぎない。
朽木白哉の「卍解ではない」という発言は、その実的を射たものであった。
卍解特有の「本人のみならず
斬魄刀の霊圧も数倍に膨れ上がるため燃費が悪く持続時間が短い」というデメリットが無く、長時間維持できるのも『オッサンによる封印から漏れ出た死神の力』と『生来の滅却師の力』だけを発現させているのが理由。
言ってしまえば、オッサンと白一護が本当の卍解の代わりに
突貫工事で作り上げたハリボテでしかない事がわかる。
私が 世界には危険が満ちていると信じ
その危険からお前を護りたいと願うのは
私の中にその危険と同質の
衝動があるからに ほかならない
(BLEACH 千年血戦篇 #13「THE BLADE IS ME」予告)
斬月が一護本来の力を抑え込んだ理由。
それは「一護を戦いや危険から遠ざけたい」というシンプルな願いと、もう一つ
「死神の力を得て戦い続ければ、やがては
自分自身の手で一護を殺すことになる」という考えからだった。
一護を守るために、一護を死神にしてはならない。
だがその願いとは裏腹に、一護は
キッカケと出会い、そこから自らの意志で死神としての道を進み始めた。
そして、その姿を見続けた事で
斬月の心境は変わっていった。
一護を死神にさせまいとするではなく、一護の意志を助け、支えることに。
そして、一護に全てを告げた後、一護の戦いを一番側で見守り、その成長を見届けられた事に満足しながら
斬月は静かに、その姿を消した。
最後の真実……今まで一護が使ってきたのは、自身が抑え込みきれなかった一護の力の欠片に過ぎない事を告げて
一護の本当の力
『斬月』を託して――
ああ 嘘は無かった
あんたの言葉にも あいつの言葉にも
斬月 俺はあんたが誰だってかまわねぇ
あんたは違うと言うだろうけど
あんたも あいつも
きっと どっちも 斬月なんだ
なあ それでいいだろ?
斬月────
自身の生まれと力の在処、そのすべてを知った一護は燃え盛る浅打を掴み、自身の魂を込めると同時に引き抜き…
Doだいチャン一 やっていけそうKai?その───
斬月"たち" と
その手には二本の斬魄刀───新たな斬月が在った
【新斬月】
斬月
もうあんたに「力を貸してくれ」とは言わない
「俺の邪魔をするな」とも言わない
そして「一緒に戦おう」とも言わない
俺は俺自身で戦う
ありがとう斬月
あんたは 俺だ
BLEACH 542.
THE
BLADE
IS
ME
浅打から作り直されたことで二刀一対となった新たなる斬月。
昔の斬月と酷似したデザインで
- 仮面の眼窩にも似た穴が開いた長刀に白一護由来の虚の力
- 刃の内側に穴が空いた弓の様にも見える短刀にオッサン由来の滅却師の力
をそれぞれ宿している。
オッサンの力も新しい斬月として取り込まれていることと「きっとどっちも斬月なんだ」という一護の言葉からもわかるように、オッサンの滅却師の力もまぎれもない斬月の力として発現している。
のちに原作者監修のアニメ版においても二刀となった斬月を見た王悦が先の「斬魄刀のフリをしている」という前言を撤回して「フリじゃなかった」と改めるセリフが追加されていることでオッサンも斬月という一護の力の一部であったということがより明確に表現されている。
というより破面篇で当の白一護が内在闘争において「俺と斬月は元々一つ」「俺も斬月もてめえの霊力」と発言しており、彼もオッサンのことは一護の力の一部、すなわち斬月であると認めていた。
最初から斬魄刀のフリをしている男など一護のどこにもいなかったのである。
何故打ち直した斬月が二刀になっているかについては作者がのちにファンクラブで語っており、曰く
「新しい斬月は二刀ではなく刀と鞘」「本来は鞘と刀両方があるのが斬魄刀として正しい形」らしい。
つまり厳密には二刀流になったのではなく、
一方に刀を、一方に鞘を持って戦っているような感じなのである。
なんか似たような戦法をとるぱちんこ頭がいたような…
余談だが彼の始解も刀の柄と鞘をぶつけて合体させるようにして発動させるため、
「鞘も斬魄刀の一部」というのには地味に伏線が張られていたりする。
ちなみにどちらが鞘でどちらが刀かは明確になっていないが、一護の力を抑えていたのがオッサンの方であったことから小さいほうが鞘であるという見方が有力。
獄頤鳴鳴篇では一つの刀の姿に戻っているが、これも別に
ユーハバッハとの戦いで二刀になる力が失われたわけではなく、一護が自由に二刀と一刀を切り替えることができるというだけとのこと。
技(新斬月時)
二振りの斬月のうちの短刀の方を振り、技を「放つ」というより「置く」形で使用。
色は従来と同じ黄色。
ちっちゃな月牙天衝が出現し、敵の攻撃を相殺して防いだ。
お披露目された真の斬月の力としては些か拍子抜けするような感じではあるが、敵を殺さないように手加減するためにこんな感じになっていることと、小さくても敵の攻撃を余裕で相殺できるということが表現されている。
相剋譚でも上記と同じような扱い方でユーハバッハの矢を防いでいる。
これを見る限り手加減というより下手な火力で月牙を放つと相手の攻撃にぶつかった時に生じる大規模な煙幕や余波で次の動きに支障が出るので最低限の火力で攻撃を相殺している模様。
色は通常の月牙と同じ黄色。
まず短刀の方で「置く」ように月牙天衝を発生させた後、長刀の方で月牙天衝をそれに直角に重ねる形で放ち、十字の形をした月牙天衝を放つ。
聖十字騎士団のキャンディスが繰り出した特大の雷を突き破り、その片腕を破壊した。
敵の大技諸共吹き飛ばしたわけだが、一護はキャンディス程度がもろに喰らうと致命傷になる威力だったことを知っていたためか、
技を放った後に「馬鹿避けろ」と言った件の方が目立ってしまった原作では不遇の技。
相剋譚ではユーハバッハ戦で再び使用。
今度は文字通り手加減抜きで放っており、ユーハバッハが防御するために使った
聖域礼賛を一方的に破った挙句にその霊子がしばらく残り続けるといったことや、完聖体状態の
石田雨竜の&bold{星くず(シュテルネン・シュタウヴ)}と拮抗・飲み込むという規格外すぎる威力を魅せつけた。
(そりゃあ一護も「避けろ!」って叫ぶわ…)
その威力は本当に凄まじくもう一度言うが、完聖体のキャンディスの必殺技を歯牙にもかけず一方的に打ち破った末に彼女の片腕を吹き飛ばし、ユーハバッハが展開した結界すら防げない火力である。
つまりこの時点の一護は火力ならば並の騎士団や隊長格が完聖体や卍解を使っても遠く及ばないレベルということである。
霊王宮で
ユーハバッハと対峙した時に使用。
虚化や卍解を必要とせずに扱えるようになったが、例によってダメージは与えられなかった。
もっとも一護も常軌を逸した強さの
ユーハバッハには大して通用しないと捉えていた節があり、かなり無茶をして後述の展開に繋げた。
新虚化
死神の力と溶け合った虚の力を発現し、長刀の斬月と自身の肌が白く染まり、左目が白黒反転した従来の
虚化と同じ特徴が現れるほか、
髪が逆立ち前髪が消え、顔の左半分に完全虚化を思わせる仮面紋と胸部には虚の孔を象った仮面紋があり、左側頭部に角が出現した姿となる。
慣れていないこともあってこの力は自発的に使うことはできず(滅却師部分)、敢えて
ユーハバッハの霊圧を浴び続けることで使用可能になった。
姿こそ完全虚化の面影があるものの一護の人格を完全に保っており、気さくに笑みを浮かべるなど寧ろ平時より安定しているかもしれない。
ユーハバッハが吸収した霊王の力を一時は剥がすほどの力を見せた。
なお、従来の完全虚化同様、角を折られることで強制解除される。
新卍解『天鎖斬月』
二本の斬月を束ねた、新たなる天鎖斬月。
黒い短刀の斬月を覆うように白い斬月が囲み、
バスターソードを思わせる巨大な大剣となる。
師匠らしくないセンスであるが、これは先述した「刀と鞘」の関係に付随するものであると思われる。
刀と鞘が揃って完全な
斬魄刀となる以上、その二つを合わせたこの形態こそが真に一護のすべての力を併せた形態
というわけである。
白一護が「刀に鞘付けて戦ってる」と言っていたがほんとに鞘を付けるとは…
これまでの卍解のように外套は出現せず、鎖も千切れておらず峰の上部から護拳と思われる部分に繋がっている。
その鎖の繋がり方は弦のようであり、さながら弓を連想するような形をしている。
本気を出した
ユーハバッハに追い詰められながらも毅然とした態度で披露。
2ページ丸々使った贅沢な見開きでお披露目するも、
次の見開きでぽっきり折れているという鮮烈なデビューを飾る。
その未来視により新たな天鎖斬月の能力を脅威と評した
ユーハバッハは、全知全能の真価である未来改変能力により予め破壊してしまったのだ。
一護が全知全能に翻弄されストレート負けしてしまった為、詳細な能力は不明。
しかもその後滅却師と虚の力を吸い取られた。
しかし井上と月島のコンボにより修復され、
ユーハバッハと三度対峙する。
未来改変でヒビを入れられつつも激戦で
ユーハバッハに致命傷を与えるが、未来改変の力で自身の死の未来を改変した
ユーハバッハを殺しきれなかった。
石田によって
ユーハバッハの力を一瞬無効化する銀の鏃を一瞬の隙をついた攻撃の際に白い刃渡り部分が砕け散り、出刃包丁時代の元祖斬月で
ユーハバッハに引導を渡している。
この時一護には滅却師と虚の力が無かったので、おそらくこの元祖斬月こそが一護自身の死神の力としての
斬魄刀なのかもしれない。※
後日談の
読み切りではこの時の元祖斬月のままになっているが原作者曰く、一護が二刀流を使いたければ二刀になり、必要ないと判断すれば一刀のままになるようだ(二刀にできるということから、一護の中に虚と滅却師の力が戻ってきているとわかる)。
※とも考えられるが、そもそも卍解修復時には力が戻ってきていたかもしれない。
卍解が直っただけでなく力が戻ってきたことも
冗談抜きに月島さんのおかげであるという説がある。
卍解修復時、ブック・オブ・ジ・エンドを天鎖斬月にではなく一護に使用したことから、一護自身の過去を改変、一護の力は奪われず、卍解も折られなかったという修復原理ではないかというものである。
つまり虚化を再発動する隙が無かっただけで、すでに最終決戦時には力が戻っていた可能性がある。
最後に出刃包丁が出てきたのは砕けた鞘(白い部分)が一護に吸収されたという
Q&Aから考えると、破壊される前に卍解を自発的に解除したのではとも言われている。
技(新卍解時)
◇─ 『月牙天衝』
藍染との即席の連携で使用。
結果的に完全に止めを刺すことは出来なかったが
ユーハバッハを一度は殺害した。
背後から胸を突き刺し、そのまま月牙を放ちながら振り抜くという一護の戦闘描写の中では珍しく容赦ない一撃。
【その他技】
虚化した際に使用。
手元から離れた天鎖斬月を柄尻から伸びている見えない鎖により引き寄せる。
相剋譚では石田との再戦時にこの技で遠くに置いた短刀の方の斬月を自分の手元に戻している描写がある。
虚化した際に使用。通常の虚閃とは桁違いの極太の閃光を放つ。
色は赤紫(アニメでは深紅)。
その威力は二段解放したウルキオラの黒虚閃を消し飛ばすほど。
虚化した際に使用した虚の高速移動法。
探査回路をすり抜けたことでウルキオラが瞬歩ではなく響転と判断した。
千年血戦篇では尸魂界を蹂躙された時、この歩法で移動していると思われる描写がある。
この時点で普通の卍解状態でもこの歩法が出来るということが分かった。
自身と天鎖斬月を完全に融合させ、一護が月牙天衝そのものになった姿であり技。
ユーハバッハそっくりの赤眼とロン毛になり、顔に斬月のサラシと思われる黒い布が巻きつく。
帰刃を彷彿とさせる要素をもつ技であり、
斬魄刀が消えた代わりに刀状の霊圧を右手に形成し、それを振り下ろすことで凄まじい斬撃を繰り出す。
ちなみに、右腕の形も
チャドの右腕と酷似した形になる。なお、描写を見る限り発動前に受けた怪我も完治する模様。
この技を一度発動すると死神の力が永久に失われる致命的なデメリットを抱えていた。
一応取り戻す方法はあったため、その方法で死神の力を取り戻した。その取り戻す方法があれば使いまくれるやん?てなるがそれで相手を仕留めきれなかった場合致命的のため使うならどっちみち切り札的扱いだと思われる。
滅却師の力に覚醒した時に会得した技。
血管に霊子を流すことで体の硬度を上げる技。
キルゲ戦が切っ掛けで覚醒し、剣八戦でオッサンが使ったときの描写から止血効果もある模様。
滅却師の力に覚醒した時に会得した技。
身を隠す避難用の技であり、オッサンが使用。
他にも対象を入れ替える技があるようで、作中では一護の浅打と斬月を入れ替える技を使った。
真世界城へと造り変えられた霊王宮で
ユーハバッハと再び相見えた際に使用。
カラー版によると色は赤紫の模様。
白い斬月(長刀)と虚の角を重ね、さらに
ユーハバッハの剣で流血した血飛沫と混ぜ合わせる事で完成した。
月牙天衝と融合し、光線ではなく三日月の形状となっている。
ユーハバッハを怯ませはしたが倒すには至らず、全力を出させる切っ掛けとなった。
【もう一つの進化】
劇場版『地獄篇』にて登場した形態。
厳密には一護と斬月(霊力)が得た力では無いが記載。
映画終盤、地獄の番人たるクシャナーダが黒刀の暴走を止めるため、一護に一時的に憑依して彼の力となった姿。
天鎖斬月に変化は無いが、クシャナーダの髑髏と幾つもの骨の意匠を左半身に鎧の如く纏ったような姿となる。
放つ霊圧も天鎖斬月の赤みを帯びた黒ではなく黄金の霊圧を放っている。名前は「スカルクラッド一護」見た目が完現術とは別な感じでダサい?知らん!
超越者となった藍染や最後の月牙天衝を会得した一護とは別次元の進化を経ており、最大の特徴は地獄の理を体現する力で、
「絶対に切れない」とされる咎人の鎖をあっさり断ち切り、この姿でいる内は本来地獄の異物であるはずの一護に危害は加える事は無い。
ただし、鎖は断ち切っても咎人自体の罪が消えたわけではなく、地獄から抜けだそうとしたどころか現世を地獄と同じ環境に変えてしまう事態を招きかけた黒刀の新たな罪が露呈したため、
その戒めとして今度はより頑強な鎖によって拘束され、地獄の更なる深淵へと堕ちていった。
この状態はあくまでも“クシャナーダが憑依している”時にのみに有効で、解除してしまうと再びクシャナーダは容赦なく襲い掛かってくる。
確かに地獄の門を破壊したのは完全虚化一護ではあるが、クシャナーダに容赦なく甚振れ続け、生前の記憶を失い、
僅かに残った良心や罪悪感も苦痛に感じる程の怨念に囚われてしまうなど、黒刀が心身共に追い詰められていたのも事実であり、
妹を殺した犯人に対する復讐が間違っていた事に気付けず、正当化し続ける事で現実から逃げ続けたのは決して許されない事とはいえ、
彼による一連の騒動を見抜けなかったのは地獄側だという前提に立つと、もう少し情けをかけてやっても良い気がするが…。
藍染戦を意識していたのかは不明だが展開は少しだけ無月と酷似している(変身→一撃で倒す→封印)。
◇─ 『煉獄月牙天衝』
卍解状態で放つ月牙天衝ではあるが、上述の通り通常とは異なり斬撃の色は黄金で、威力も通常の月牙天衝より遥かに高い。
「咎人特効」とも言うべきか、黒刀の鎖を全て粉微塵に消し飛ばすほどの威力を誇る。
技名は
ゲームより。
【余談】
追記せねば老いるぞ───
修正せねば死ぬぞ───
叫べ!!
我が名は───
『Wiki籠り』───!!!!
- 「後だしジャンケン」なんてデマコメントがあるけど名乗りの時点で伏線が仕込まれてたから最初から設定されてたのは間違いない -- 名無しさん (2021-05-31 21:24:37)
- 叫べ!我が名は───「斬月!」え?いやy「斬月!」 -- 名無しさん (2021-08-12 09:39:00)
- 無月が一護の聖文字だったら熱いんだが、どうなんだろうな。(翼と天使の輪は生えてないので完聖体ではないのは間違いない) -- 名無しさん (2021-08-16 20:47:34)
- 天鎖斬月が卍解っぽいナニカだった事を考えるとあの修行の間にホワイトさんと斬月のおっさんの二人で頑張って卍解状態どう言う力にしようとか考えてたのかな。結局静血装を応用したっぽい身体能力強化に山爺な残火の太刀をモデルにした見た目になってたけど -- 名無しさん (2021-08-21 19:49:45)
- 静血装は使っていることを自覚していないだけで、会得してはいるんじゃないかと。でなければ、ユーハバッハ戦であんなに連続して静血装を使えないと思う。 -- 名無しさん (2021-09-16 13:55:10)
- 小説版の霊王候補、バッハを残留とはいえ消した一勇の力、この状態で虚も滅却師の力もありませーん は流石に不自然か -- 名無しさん (2022-10-21 02:28:52)
- 何者も私の世界を変えられはしない。 -- 名無しさん (2022-10-21 06:44:52)
- おっさんが初めて一護に名乗ろうとしたとき名前(ユーハバッハ)が黒色で塗りつぶされてたけどあれ和尚の力のせいだったんだって -- 名無しさん (2022-10-22 19:27:45)
- 叫べ!我が名は!→ユーハバッハ!ってなってた可能性あったのか -- 名無しさん (2022-10-26 09:56:26)
- 天鎖斬月時における刀の形状変化は死神の卍解、身体能力強化能力は破面の帰刃や滅却師の完聖体、黒い月牙天衝は滅却師の矢であり、破面の虚閃って事だろうか -- 名無しさん (2022-10-31 21:14:00)
- 下手したら特攻要素マシマシのクソ火力になってたわけだ いやまあバッハ倒せる時点で吸われた力無くてもヤバいんだけど -- 名無しさん (2022-11-09 00:03:44)
- 小分けされすぎてちょっと見づらかったのでちょっと整理してみたけどどうだろう。 -- 名無しさん (2022-11-18 21:42:38)
- 結局無月最強って事か -- 名無しさん (2022-12-03 18:27:17)
- アニメ12、13話ヤバすぎだろ…スタッフとキャストの本気やな… -- 名無しさん (2022-12-28 00:36:01)
- 母親は早逝して出番ないし父親は放任だしで、斬月のおっさんが一番親に見える -- 名無しさん (2022-12-29 18:07:42)
- ↑斬魄刀を打ち直してる時に斬月のオッサンと白一護が見守ってるシーンが父兄参観っぽかった。 -- 名無しさん (2022-12-29 18:16:50)
- 劇中で戦闘中の一護を死なせまいとオッサンと白が中で右往左往しながら霊圧コントロールを頑張るギャグ系スピンオフは需要あると思う -- 名無しさん (2022-12-30 18:55:23)
- 最初から最後まで斬撃を飛ばすことしかできなかった主人公 -- 名無しさん (2023-03-05 21:20:32)
- 内在してる二つの存在をひっくるめて『斬月』だったんだって感じるところが良い。 -- 名無しさん (2023-07-17 19:15:49)
- 新卍解のあんまりな展開を見て当時「ウソだろ?」ってなった。 -- 名無しさん (2024-06-29 21:10:10)
- 斬月→半(分に斬った)月→弓張月。なので名前の時点で滅却師要素があった説。また音の元ネタの残月が「明け方に残った月」→両親からの影響が強い斬魄刀と取れるとか。天(昇天→虚)鎖(弦→滅却師、因果の鎖→虚 )斬(斬魄刀→死神)月(弓→滅却師、志波家の斬魄刀名→死神)と要素を割り振れる。 -- 名無しさん (2024-09-28 16:35:55)
- 目を閉じていたとはいえユーハバッハの聖域礼賛を十字衝で突破…攻撃性能だけならまじでそこいらの卍解・完聖体じゃ歯が立たんのやろな…そこに虚化と卍解というパワーアップが残ってるからそら原作軸じゃ卍解折られるわ -- 名無しさん (2024-10-17 15:38:17)
- 結局斬月の能力自体は一護の霊圧を喰らって斬撃を巨大化して飛ばすままなのね。 -- 名無しさん (2024-11-01 18:37:20)
- 月牙ってハリボテのときも真の斬月のときもやってることは神聖滅矢と虚閃の合わせ技で死神要素あんまないよな -- 名無しさん (2024-12-02 00:50:04)
- コメントのログ化を提案します -- 名無しさん (2024-12-03 09:06:09)
- コメントをログ化しました。 -- (名無しさん) 2024-12-11 12:23:30
- ↑↑↑一応、斬魄刀に霊子(霊力)纏わせて放出、ってギミック自体は死神である親父の技が元なはずなので…… -- (名無しさん) 2024-12-11 12:52:00
- 内なる虚(ホワイトさん)の項目建てたいけど分離が大変そうだな… -- (名無しさん) 2024-12-13 18:12:18
- アニメだと今の所鞘の方が活躍してる気がする。ていうか小月牙天衝が便利すぎる -- (名無しさん) 2024-12-30 23:55:35
- ↑大別的には鬼道系の能力っぽい。 -- (名無しさん) 2025-01-06 17:46:28
最終更新:2025年04月22日 22:25