サンジ

登録日:2009/10/04(日) 22:00:31
更新日:2019/10/10 Thu 23:46:51
所要時間:約 15 分で読めます




「食いてェ奴には食わせてやる!!!コックってのは、それでいいんじゃねェのか!!!」



漫画『ONE PIECE』に登場する人物。

●目次


【プロフィール】

CV:平田広明(幼少期は大谷育江
所属:ジェルマ66→オービット号→バラティエ→麦わらの一味
役職:コック
誕生日:3月2日生まれ
年齢:19歳→21歳(アニメでは20→22)
悪魔の実:無し
懸賞金額:7700万ベリー(エニエスロビー)→1億7700万ベリー(ドレスローザ事件後)→3億3000万ベリー(ホールケーキアイランド編以後)
出身:ジェルマ王国
手配書での名:黒足のサンジ→ヴィンスモーク・サンジ
備考:1億7700ベリー時代は生け捕りのみ可


【外見】

金髪に顎ヒゲ、くわえタバコにぐるぐるマユゲ(←宮崎では放送事故で画面いっぱいにどアップ)、黒スーツ(通称の由来)。
髪の毛で片目が隠れている。
ちなみに外見のモデルは俳優のスティーヴ・ブシェミ*1

CP7のワンゼのように単純な相手だと、眉毛には目を回させる効果がある。

2年後、一味に合流した際にはアゴ髭が増量し、目の露出が右側から左側に変わっていた
てめェ左のまゆ毛そうなってたのかよ。
ワンピース七不思議のひとつが解決した瞬間である。
ちなみに、インナーシャツも白から黄色に変わってっている。

【人物】

口癖は「クソ○○」などやや粗暴。特に野郎には容赦が無い。

だが、女性に対しては変態紳士変態騎士(ナイト)
能力で彼の頭の中をのぞいたヴィオラからは「ふしだらな! こんなピンク一色の頭見たことが無い!!」とドン引きされた。


料理の師匠であるゼフに「女を蹴ってはいけない」と叩き込まれており、戦闘においてたとえ自身が死ぬことになってもそれを貫くまさに騎士。
正確には女を「蹴らない」のではなく女を「蹴れない」というものだが(ゼフは「蹴らない」)。

更に女性に滅法弱く、町にてナンパをしに行くことも。
時には、逆ナンされることもある。が、それは罠であることも多い。女性の敵は彼にとって天敵である。
普段はナミによくこき使われている。
格ゲーでは女性を相手にするとガラッと声色が変わる。


ルフィと同じく仲間を大切にしていて、仲間を侮辱されると激しく怒りパワーアップするタイプ。
(Mr.2 ボン・クレーとの闘いでウソップが侮辱されたり、CP9のジャブラにはロビンを侮辱された)
また、仲間や恩人が危機的状況に陥ると自己犠牲的な行動をとることが多く、その行動にルフィから怒られたりする。

仲間であるゾロと反りが合わず、しょっちゅうケンカばかりする。が、手を組んだ時のコンビネーションはかなり息がぴったり。
まさに喧嘩するほど仲がいい(笑)。そんなことを言えばゾロもサンジも激怒するだろうが*2
そのせいで二次創作では腐女子の皆様の格好の餌食に…
サンジ自身は、ゾロの行う“筋の通し方”自体は認めており、普段は仲が悪くとも、彼の一味全体のことを考えた厳しい意見に対しては真っ先に賛同している。
ちなみに仲が悪くなったのは、リトルガーデンでゾロの挑発がきっかけで「どちらが大きい獲物を見つけられるか」対決に発展したこと、
サクラ王国(ドラム王国)出航の際の宴でゾロがサンジに暴言を吐いたため、野郎には容赦ないサンジとは馬が合わずお互いにプライドも高いこともあって今に至っている。
…基本、皮肉屋なゾロに原因があるような…。

女性が絡まなければ基本的には冷静で、顔ばれしていないのを利用しクロコダイルを出し抜いたり正義の門を閉じて海軍の動きを封じたりとかなりの頭脳派。

幼少期の経験(後述)もあり、海の上における『食べ物が限られている恐怖』を良く知っていることから、食べ物を粗末に扱うことを嫌う。
バラティエで働いていた頃は客であろうと度々ボコボコにしていた。
反面、敵であろうと、金がなかろうと『腹を空かしている奴には食べさせる』と考えており、
店を追い出され今や餓死寸前であった首領クリークの部下であるギンを救うと言う漢気を見せる。
もちろんコックとしての腕は一流であり、初見の食材もあっという間に美味な料理にしてしまうことができる。
また単なるコックというだけでなく、大食らいな一味の中にあって食料を管理し、一味を飢えから守るという非常に重要な役割を担っている。

一味の中では決めるときには決めるが、懸賞金額手配書の似顔絵や女性関係など、災難に会うことも多い二枚目半。
ウソップ 「サンジの奴、奇跡の星の下に生まれてきたんじゃねェだろうか」
ロビン 「(サンジは)いつの日かすごく面白い最期をとげそうね」


【戦闘スタイル】

戦闘力は極めて高く、ルフィやゾロと並び、一味の主戦力。

師であり、料理と料理人の心構えを教えてくれた元大海賊“赫足のゼフ”直伝の蹴り技を駆使して戦う。
因みに、ゼフの全盛期は『岩を砕き、鋼鉄に足型をつけるほどの蹴り』だったが、サンジもそれに勝るとも劣らない強力な蹴りを有する。

戦闘に置いて使うのは基本的に蹴りのみ
これはゼフから『料理人の命である腕を傷つけないため』言われたからだそう。

例外として、相手を『食材』と見なすと腕(with包丁)を使い戦うこともある。

2年間の修業後は覇気を習得し、蹴りで鋼鉄以上の硬度を持つパシフィスタの首をたやすくへし折れるほど強化。
単純な戦闘力自体は、ヴェルゴに苦戦したこと、ドフラミンゴには実力を認められたものの危うくチェックメイトにされかけたこと、パラレルだが映画『STAMPEDE』では白猟のスモーカー相手に渡り合ったことなどから平均的な海軍本部中将クラスといえ、
王下七武海クラスの実力者となったルフィやゾロとは水をあけられている。
船長や戦闘員である二人と違い、サンジの場合は2年間の間、料理の修業を中心に行っていたため仕方がない(そもそも料理人が主力ということ自体が色々おかしいのだが)。
しかしながら、六式の一つ「月歩」や海の中でも水を蹴って高速で移動する技を習得しているためその機動力は一味の中でも随一
仲間(女性)のピンチの際に駆け付けるスピードは誰よりも速い。



新世界編では、万国でのビッグ・マム海賊団との戦いの中で、任務によってルフィと自分を助けに現れたジェルマ66ヴィンスモーク・ニジから、戦闘力を向上させるレイドスーツをひそかに託されていた。
その出自からジェルマ66を嫌うサンジはこれを廃棄しようとしたが、変身スーツに憧れるルフィとチョッパーの懇願によってこれを断念。

当人としても、ヴェルゴやドフラミンゴとの戦いで敗北しかけ、万国でのビッグ・マム海賊団との戦いでも苦戦を何度も強いられたことから実力不足を感じていたようで、ワノ国での百獣海賊団との戦いでは、仲間を守るため・勝利のために着用を決意。
通常状態のけりではまるで効かない“飛六胞”ページワンを相手にレイドスーツを着用し、絵物語『海の戦士ソラ』に登場する『ステルスブラックおそばマスク』の姿に。
高速飛行能力・パワー・スピード、更に念願だった背景投射による透明化能力を獲得し、ページワンを圧倒するほどの力を得た。



○技

  • 首肉(コリエ)シュート
相手の首に強烈な蹴りで吹き飛ばす。
サンジが作中で好んで使う技で、本編で最初に披露した技でもある。
打ち込む箇所ごとに肉の部位の名前をつけており、
肩肉(エポール)腰肉(ロンジュ)もも肉(ジゴー)胸肉(ポワトリーヌ)すね肉(ジャレ)
といったバリエーションがある。

  • 羊肉(ムートン)ショット
相手の身体の箇所に強烈な蹴りを叩き込み、とどめにソバットの連撃で吹き飛ばす。
魚人族のクロオビとの戦いで使用した。

  • 仔牛肉(ヴォー)ショット
羊肉ショットと同様に連撃で叩き込むが、最後の一撃が異なっており、こちらは飛び蹴りか後ろ蹴りで決める。
Mr.2との戦いで使用。

  • 整形(パラージュ)ショット
相手の顔に蹴りのラッシュを浴びせ吹き飛ばす。
この技を受けた相手は、キラキラ系美男性の顔に整形されてしまい、作中ではワンゼとディバルに使用した。
(こんなネタ全振りの技が再登場するとは、誰が予想しただろうか)
ただしサンジ曰く「心の骨格は変えられない」とのこと。

  • 画竜点睛(フランバージュ)ショット
右足に体重を乗せて敵を蹴り飛ばす。
劇中では悪魔風脚の状態で発動し、この技でジャブラに文字通りとどめを刺した。

  • 反行儀(アンチマナー)キックコース
渾身の力による蹴り上げ。
その威力は凄まじく、バナナワニや魚巨人のビックパン、オーズなどの巨大な相手を打ち上げる程。

  • パーティーテーブルキックコース
逆立ちし、開脚しながら横回転して蹴り払う技で多人数の相手に使っている。
フランキー一家との戦いで初披露したが、アニメのOPなどではこれを思わせる技を使っていた。

  • 三点切分(デクパージュ)
凄まじい速さの蹴りを叩き込む。
あまりの速さに足が一瞬三本に増えたかのように見える。

  • 串焼き(ブロシェット)
ドリルキックのごとく、相手を踏み潰すような蹴りを捻じ込ませる。
足先一点による技のため破壊力は高い。

  • 木犀型斬(ブクティエール)シュート
逆立ち状態から体をバネの様にして、一気に敵の顎に蹴りを叩き込む。
食らった相手は吹き飛ばされる。

  • 粗砕(コンカッセ)
身体を回転させ、踵落としを叩き込む。回転と踵落としの向きは、地面に対して垂直なものと平行なものの2パターン存在する。
威力は高く、鉄塊をかけたジャブラも「なんちゅう蹴りの重さ」だと言わしめた。

  • 三級(トロワジェム)挽き肉(アッシ)
ドロップキックに近い形で両足の連続蹴りを相手の一点に叩き込む。
威力が上がるほどにランクアップし、名称が変わる(三級(トロワジェム)挽き肉(アッシ)二級(ドゥジェム)挽き肉(アッシ)一級(プルミエール)挽き肉(アッシ)最上級(エクストラ)挽き肉(アッシ))。

  • 揚げ物(フリット)盛り合わせ(アソルティ)
蹴り上げの連撃で相手を天井に叩き込ませる技。
天井の質によるが、そのまま突き刺さり動けなくさせる。

  • 皮剥き(レプリュシャージュ)
手を使った唯一の技、というより調理法。「食材」の皮の部分を包丁で綺麗に剥き取る。

  • 受付(レセプション)
相手の後頭部などに足を引っ掛けて、叩きつける。
上述通りサンジは「戦闘では手を使わない」ので、一部のゲームでは投げ技として扱われる。

  • 空軍(アルメ・ド・レール)○○シュート
カタパルトの要領で味方を足に乗せて蹴り飛ばす技で、連携として使用される。
乗せた人によって空軍の後ろに名前が追加される(ルフィだと「空軍ゴムシュート」、ゾロでは「空軍パワーシュート」など)。

  • ジェンガ砲
ゾロとの即興コンビ技。
ゾロが斬った大きな塔をだるま落としのごとく敵に向けて連続で蹴り飛ばす。
魔人オーズとの戦いで使用。

  • 悪魔風(ディアブル)(ジャンプ)
独楽のように回転して摩擦熱で高熱に帯びた足を使った技で、上記の技の強化版として扱われる。
サンジ曰く「破壊力は悪魔の如し」で、この技を受けた相手の身体は焼き焦がれた傷ができる。
技を使うのに予備動作が必要だったが、新世界編ではほぼノーモーションで発動できるようになった。
新世界篇ではこの技を恒常的に使っている。

  • 野獣肉(ヴネゾン)シュート
劇場版で使ったオリジナル技。
悪魔風脚を発動してから、空中で何度も蹴りを入れた後かかと落としで締める。

  • 海歩行(ブルーウォーク)
水を蹴り、魚人族に負けず劣らずのスピードで水中を移動する技。
クラーケンとの戦いで使用。

  • 空中歩行(スカイウォーク)
宙を蹴り、空中を自在に飛ぶ移動技。
CP9が使用する六式「月歩」と同様の技で、カマバッカ王国でオカマ達から振り切る為に習得。

  • 地獄の思い出(ヘル・メモリーズ)
「焼け焦げろ あんな思い出!」
オカマしか居ないカマバッカ王国での二年間に及ぶ苦しい日々を想い返し、その怒りで全身に炎を纏い、相手に叩き込む。
なぜ料理関係ないんだ。
この他に「リメンバーマイドリーム」や劇場版では「恋のメテオストライク」という同じような技がある。
余談だがサンジは二年前には、怒りの炎を全身に纏う描写があった。


【来歴】

◇生まれ

サンジは北の海(ノースブルー)にある国土を持たない国家『ジェルマ王国』の王子として生まれた。

ジェルマ王国は、300年前の先祖がかつて北の海を征服しながらも、わずか66日でその天下は終わり、国土を追われ領土を失った軍事国家であった。
現在は電伝虫を巨大化させたような生物の上に住居を作り、その生物を制御することで海やレッドラインの壁をも自由に行き来できる海洋国家となっている。

彼の父ヴィンスモーク・ジャッジは、先祖達の無念を晴らすために北の海を再びジェルマ王国が完全征服することだけを考え、その人生の全てを捧げてきた男だった。
若かりし頃、ベガパンクやシーザー・クラウンと研究していた彼はベガパンクによる「血統因子」の発見に立ち会う。
その研究チームは海軍によって解散させられたが、その捕縛から逃れた彼はジェルマ王国に帰って血統因子などの研究を進め、
感情を操作した忠実にして屈強なクローン兵士、形状記憶合金を利用した強力な装備を誕生させることに成功する。

強力な軍隊を築き上げ戦争に勝つことで、子供と共にジェルマ復活を果たしたかった彼は、子供たちにもその血統因子の研究の成果を施すことを考えた。
妻ヴィンスモーク・ソラとの間の長女レイジュは、その操作により強力な身体能力(や毒能力)、親への忠誠心を持って誕生する。

ソラとの間の次の子供に対しても、操作を加えようとするジャッジだったが、さらに強い兵士を望んだ彼は、
感情も操作することで「敵に情けをかけない」「死を恐れることもない」子供にすることを考えた。
しかし、妻ソラは「感情まで大幅に操作してしまえば人間ではない」と猛反対。

大喧嘩の末に手術は強行されたが、ソラはその改造を止めようと劇薬を飲んでしまい、ジャッジは妻の命をかけた抵抗に驚愕。
イチジ、ニジ、サンジ、ヨンジは生まれてくるが、ソラの必死の抵抗の甲斐もなく、イチジ、ニジ、ヨンジには感情操作や強化人間としての能力が発現していた。
そしてソラは劇薬を飲んだ後遺症によりどんどん衰弱していく。

妻への愛情はあったジャッジはソラを入院させるが、ソラの病状は回復しない。
更に、サンジのみ、ソラの抵抗の証であるかのように、感情もそのまま・強化人間ですらない「普通の子供」であると発覚する。
ソラは亡くなってしまうが、サンジは「無邪気な子供としての笑顔=ソラの笑顔」「サンジの優しさ=ソラの優しさ」「強化人間ですらない=ソラの抵抗と死」と、
サンジの存在そのものがジャッジにとって、亡き妻の存在・自分が原因による妻の死を想起させるものであり、彼には冷淡な態度を取り続けた。
ジャッジのサンジに対する愛情は彼を殺さない程度であり、直接的な暴力を振るうことはなかったもののサンジを忌避し、最終的には彼の死を偽装し、彼の笑顔を見ることすら拒むように鉄仮面をつけさせたうえで一室に軟禁。

イチジ、ニジ、ヨンジと違い、料理を作ることに興味を持っていたぐらいのただの子供だったサンジは、“優しさを持たない”兄弟からもいじめを受けていく。
姉であるレイジュはサンジを少しいたわってくれたが父ジャッジには逆らえず、孤独な幼少期であった。
客人用の食事こそ出されていたものの、軟禁されていたサンジは、亡くなった母ソラからはかつてサンジが作りながらもグチャグチャになった弁当を食べてもらえたことから、より料理に対する興味を強くしていき、許可されて差し入れられた料理の本を読む日々を送った。

そんな中、国土を持たないがゆえに、勢力拡大もかねて傭兵のように依頼を受けて戦争を仕掛けたり反乱を鎮圧する家業を行っていたジェルマ王国(ジェルマ66)は、
依頼を受けて東の海(イーストブルー)の一国に侵攻することとなる。
電伝虫のような生物で壁を登ることでレッドラインを乗り越えたジェルマ66だったが、料理人になりたかったサンジはレイジュの助けを借りて脱走を決意。
それを見かけたジャッジは、サンジに対し「自分の出自を明かさないこと」「ヴィンスモーク家の人間だと名乗らないこと」と実質彼を勘当したうえで脱走を見逃した。

ジェルマ王国を離れた少年サンジはオービット号に拾われコック見習いをすることになる。

◇ゼフとの過去

客船『オービット号』でサンジは、コック仲間から世界中の海鮮が集まる海『オールブルー』に関する話を聞き、それを探し出すのを目標とするようになる。

しかしサンジが10歳であったある日、オービット号が偉大なる航路から帰ってきた海賊“赫足のゼフ”に襲撃される。

サンジはオールブルーへの夢を口にしながらゼフ達に抵抗するも海に落ちてしまう。
ゼフはそんなサンジを追ってなぜか彼を助けようと海に飛び込み、大嵐でオービット号もゼフの海賊船も沈没してしまった。
サンジとゼフは生きながらえるものの遭難し、絶海の岩場に打ち上げられた。
大きな袋を携えたゼフから少しばかりの食料を与えられたサンジは共に仕方なく船の救助を待ち続けられることにする。

やがて数十日が経過し、ゼフによって与えられた食糧が底をつきたサンジは『ゼフ殺して彼の袋の中の大量の食料を奪おう』と考える。

が、ゼフの傍らにあった袋の中身は、食糧ではなく財宝だった。
ゼフは初めから全ての食糧をサンジに与えており、自身は足を切り落としそれを食べることで飢えをしのいでいたのだ*3
ゼフもまたオールブルーを夢見ており、自身と夢を同じくするサンジを見捨てられなかったのである。

こうした事もあって遭難から85日後、運よく餓死寸前の所を辛うじて救出される。


そしてそれからは足を犠牲にしてまで助けてくれたゼフへの恩返しとして、

『海にレストラン(後のバラティエ)を造る』

という今回の遭難から思い立ったゼフの新しい夢を叶えるための手伝いをする。

この頃からゼフには『チビナス』と呼ばれており、サンジは“大人になった”と誇示するためにタバコを吸い始める(ゼフは『舌が狂うから止めろ』と注意している)。

◇東の海篇

ルフィ達と出会った時も、当初はゼフに恩返しをするため、ルフィの度重なる海賊団勧誘を断り続けていた。

首領クリークの一味がバラティエを襲撃した際には、『死んでも恩を返す(バラティエを守る)』と言ったが、
過去にシャンクスから同じような恩を受けているルフィから『死ぬことは恩返しではない』と否定された。

夢のために命をかけるゾロやルフィの戦いを目の当たりにして、自身の『オールブルーを探し出す』と言う夢が再燃。
最終的にルフィ達と共にバラティエを出る決心をする。

◇偉大なる航路篇


その後ボン・クレーやCP9ジャブラとの戦いで確実に実力を伸ばしている。

エニエス・ロビー壊滅事件後にかけられた懸賞金額は、一味の主力としてエニエスロビーで暴れまわったためか初めてながら7700万ベリーの高額をかけられた。

が、シャボンディ諸島にて王下七武海バーソロミュー・くまによって、エンポリオ・イワンコフの故国である『カマバッカ王国』に飛ばされた。

そしてオカマに覚醒したが間一髪で我を取り戻した。

似ていない手配書のせいで、イワンコフに『麦わらの一味』だと信用して貰えず。

それどころか、海賊らしく力で船を奪おうとするもイワさんに敗北する。
ルフィのメッセージを受け取った後、カマバッカ王国の料理を食べ、その生命力あふれてくる料理に驚いた彼は、料理を学ぼうと決心。

オカマ(ニューカマー)達に追いかけられる日々を送りながら、生命力(バイタリティ)あふれる彼ら(彼女ら?)の中でもレシピを持つ師範に挑んで勝利することで料理のレシピを学んだり(食戟ではない)、料理の腕と戦闘力を磨いていく。

◇新世界篇

◆魚人島編

オカマの王国にいた影響で女性に対する免疫がなくなり、美女の露出度の高い姿を見ただけで鼻血を吹き出す程に悪化。
鼻血による出血多量で魚人島で瀕死になりかけるも海賊(オカマ)からの輸血で一命をとりとめた。
この出来事は魚人から人間への輸血への抵抗が魚人たちの間にあることを教えるきっかけになった。

リュウグウ王国崩壊を目論む新魚人海賊団との対決では、一味随一の機動力による空中戦でしらほし姫を守ったり、巨大化したワダツミを撃破するなど、面目躍如の活躍をした。


◆パンクハザード編

船に待機したが、シーザーの部下たちの睡眠ガスで眠らされ、シーザーの部下に誘拐される(ブルックは白骨死体として放置された)。
独房にてローの能力で顔だけにされた錦えもんと遭遇し、部屋から脱出する際共に連れ出すも研究所の入口にて海軍と戦っていたローの能力で
精神を入れ替えられ、ナミの身体に入ってしまう。
これにはサンジは歓喜し、胸を触っていたりとセクハラ行為をしまくった。

その後は錦えもんの胴体捜索にゾロとブルックと向かい、無事に見つけ、シノクニから逃げながら研究所に突入してルフィらと再合流してローの手で元の身体に戻る。
研究所内でヴェルゴと交戦するが足を負傷。
その後はヴィルゴから彼らを守った縁や共にたしぎLOVEということもあり、海軍G-5の不良海兵どもの指揮をとったりしていた。

◆ドレスローザ編

工場破壊チームとしてドレスローザ国内に入るが、ドンキホーテファミリーのヴァイオレットが仕掛けた罠で捕まってしまう。
しかし彼女の隠された真意を見抜いたことで、ヴァイオレットはファミリーを裏切り、サンジに協力する。
その後はサニー号に引き返しドンキホーテ・ドフラミンゴと交戦。

ナミ達と共にシーザー・クラウンを連れてドレスローザから離れるが、ビッグ・マム海賊団の海賊団に襲われ、一足先に「ゾウ」へと向かう。
ドレスローザ編の終盤で久々に登場し、ゾウを荒らし回ったジャックの配下のシープスヘッド達を撃退する。


◆ゾウ編

ルフィらもバルトロメオの協力でゾウに到着するが、
ナミの話でサンジは“四皇ビッグ・マムの三十三女・プリンの結婚式の新郎として出て行ったと告げられる。
更に、人殺しの一族と呼ばれる国土を持たない国の王族・ヴィンスモーク家の三男であることが判明。つまりフルネームは「ヴィンスモーク・サンジ」。

◆ホールケーキアイランド編

かくして、一行より先にビッグ・マムの支配するホールケーキアイランドに辿り着いたサンジ。
最初こそプリンの美貌にメロメロになったサンジであったが、仲間との冒険の旅を諦める気は起きず、結婚を拒否する旨を告げる。

サンジを追ってホールケーキアイランドに来たルフィ達は、プリンからその話を聞いて、
あのサンジが女をフったことを知り、仰天するが、サンジが夢を諦めていないことを知ると安堵し涙を流すのであった。

しかし、仲間のもとに戻るつもりであったサンジがが、いざジェルマ王国に帰ると、島から出ようとすると手が吹き飛ぶ手錠を付けられたうえ、
麦わらの一味やレッドラインすらたやすく超えられるその機動力でいつでも恩人であるゼフの命を取りに行けると脅されてしまい、戻ることが大変厳しい状況になってしまった。

そのために、ルフィたちがサンジのもとにたどり着いてもあえてひどい言葉*4をぶつけ、「追い払う。」とまで言ってしまう。

それは、今までデレデレでどんな時にも優しかったナミに対してさえサンジは睨み付けたほどである。


ルフィと決別して城に戻ってからプリンにこれまでの事情を話し、「君が救いだ」とプロポーズをし、彼女と結婚する決意をした。
しかし、そのあとプリンにお弁当と花束を届けに行こうと彼女の部屋まで来て、笑い声が聞こえるので窓から覗くとなんとそこには、足から血を流して拘束されているレイジュと三つ目のプリンの姿があった。
そして、これまでの彼女とは打って変わって冷徹な態度になっており、「サンジのような落ちこぼれの王子と結婚するわけないでしょ!明日にヴィンスモーク家は皆殺しにするんだから!」という場面を聞いてしまい、驚愕&絶望の淵に立ってしまう。

プリンの悪魔の実の能力によって記憶の改ざんをされて医療室へと連れていかれたレイジュに対し、ヴィンスモーク家皆殺し計画の一部始終を話した。
レイジュからは自分は母親が命がけで守ったおかげ*5で優しい感情をきちんと持った子として生まれることが出来たと伝えられた。
又、手錠も彼女がすり替えておいたので島から出ても爆発はしないということであった。

そして、レイジュはサンジにルフィ達と逃げるように叱咤をしたのである。
しかし、その後医療室から出てからルフィにこれまでしたことや、血のつながった家族を見捨てて逃げることはできないという思いから最初は動かずにいた。
...が、ボビンによって本来プリンのために用意したお弁当に手を出されたのを見て、”お前のじゃねぇよ!”と蹴りあげ、自分は何をしているのかと気づき、
ルフィの約束の地へと向かうことになる。
そして、彼を見つけてお弁当を食べさせた後に、初めは、上記のことから帰るように促したがルフィから鉄拳&「本心を言えよ!!!」と叱咤激励され…



「……ルフィ おれァ…!! サニー号に…帰り”たい”……!!!」


と、ようやく本音を打ち明けたのである。
クズでも家族のジャッジ達を救いたいと言うサンジに、ルフィはお茶会をぶっ壊すと話し、他の仲間たちもルフィの案に賛成した。
ジンベエの仲介でシャーロット・リンリンの暗殺を目論んでいたカポネ・ベッジと組んで、ジャッジ達を救出することを決意する。

茶会当日はルフィの作戦で大混乱になり、暗殺寸前のヴィンスモーク家の一族を救出に成功するも、ビッグ・マム暗殺が失敗した上に逃走も失敗してしまい、カタクリをはじめとした実力者たちに包囲されてしまう。
ベッジの巨大な城に避難するが正気を取り戻したビッグ・マムの攻撃でベッジが重傷を受けてしまう。
そんな状況下でジャッジが「なぜ助けた」と問うとサンジは「父親が、悲しむ…」と返す。

「血の分けた実の家族の死をあざ笑う程度の小せェ男になったのかと呆れてしまう」

「あの人に顔向けできねェような生き方はしない!」

恩師であるゼフに呆れられたくない思いから、ジャッジを救ったと語り、ジャッジに対して完全に絶縁を宣言する。
その言葉にジャッジは二度とサンジと東の海には近づかないと約束し、囮役としてビッグ・マム海賊団と対決。
…が、サンジとルフィはジャッジ達を見捨てることができず、ビッグ・マム海賊団と戦うも相手の戦力差に完敗し、処刑される身となるも誰も予想だにしなかった爆弾入りの玉手箱で無事に脱出。

脱出後はビッグ・マムたちの追撃にあうものの、プリンとシフォンの頼みからウェディングケーキの複製を作るべく一時的に一味と別れ、ケーキ作りに励む。
本業である料理人としての腕前も香りでケーキの設計図を再現するもはや超人的といえる技能も身に着けていたことが判明する。
各種妨害はあったもののケーキは完成。その後はプリンの手引きによりカカオ島に到着(この際プリンとキスしたが記憶を抜き取られた)。
ジャッジからの任務を受けたイチジらジェルマ66や、ジンベエの仲間であるタイヨウの海賊団の援護もありルフィの救出・ビッグ・マムの縄張りから脱出に成功した。


脱出後、サンジ用のレイドスーツをこっそりと持たされていた事が判明したが、彼としてはレイドスーツに頼る事に否定的であり、海に捨てようとしている。
しかしその「カッコよさ」からルフィとチョッパーからは猛反対されており、処遇は保留となっている。


また懸賞金額が3億3000万ベリーにアップし、ゾロの懸賞金を1000万上回った事に一瞬、大喜びしたが、手配書の名義が『ヴィンスモーク・サンジ』表記となり「ヴィンスモーク家の一員」として扱われている事に気づく。
万国でビッグ・マム海賊団と交戦こそすれどルフィのような誰かを倒すといった表立った活躍をしていないにも関わらずのここまで急激な増額は、悪の軍隊『ジェルマ66(ヴィンスモーク)』の子息という悪名が大きく影響した*6と推測され、更に“わざわざ絶縁してきたのに、逆にこれから出会うレディや敵達に『ヴィンスモーク・サンジ』と認識されるだろう”という、もはやギャグのような事態にサンジは憤慨・落胆するのだった。
なお、手配書の写真は未だにドレスローザ事件後に更新された情けない顔のままである。

ワノ国

お蕎麦屋として諜報活動。その最中、百獣海賊団&黒炭オロチ配下の狂死郎一家のゴロツキを倒してしまい、狂死郎の手配で百獣海賊団に狙われる身に。

無関係な蕎麦屋も見せしめとして破壊する百獣海賊団真打ちの精鋭“飛六胞”ページワンに攻撃を仕掛けるも、不意打ちながらほとんどダメージを与えられず。
これからの戦いのために敵戦力を減らしておく決意をしたサンジは、プライドを捨ててレイドスーツを着用し、『おそばマスク』に。
絵物語『海の戦士ソラ』の正当な読者にしてその姿を見たトラファルガー・ローは、その姿を『ステルスブラック』と呼び、憤慨していた。
格段に向上した身体能力と透明化能力で、油断していたページワンを退けた。

そして女湯、念願だった女湯透明化能力を手に入れたサンジは女湯…。


【余談】

  • 初期構想
当初、パティシエになる予定だったがなんやかんやあって現在のコックに。名前のサンジは3時のオヤツからきておりその名残。
弟や姉の名前が「○時」から取られているのもそれが由来であろう。

◇バラティエ(薔薇亭)

バラティエは、作者が高校の時にバイトしていたレストラン『薔薇(ばら)(てい)』をもじってつけられている。
少年ジャンプ+α掲載コミックエッセイ『すすめ!ジャンプへっぽこ探検隊!』 6話「伝説のレストランバラティエは実在した!!! ~尾田栄一郎の"偉大なる航路"を追え!!~」では、そのモデルとなった薔薇亭を取材している。

薔薇亭はステーキと鉄板焼きのお店。
尾田栄一郎氏は、高校時代、その薔薇亭の支店にてアルバイトしていた(現在、その支店は閉鎖し本店のみ)。
当時を知る料理人タサキ氏によると、当時の尾田氏は言ってしまえば「リアルルフィ」。
すごくおとなしい感じでバイト内容は皿洗いやサラダづくりや掃除といった雑用だったが、「割れにくいはずの皿を何枚も割る」「よくつまみ食いする」「前日から仕込んでいたスープを間違って捨てたことがある*7」などしており、尾田氏はめちゃめちゃ怒られたとのこと。当たり前だ。

尾田氏が支店から本店に向かう車の助手席に乗っていて事故にあい、鼻の骨が折れるなど大けがを負いながらも、締め切り三日前ということもあり根性で読切「WANTED!」を書き上げ手塚賞準入選を果たしたという。
タサキ氏が尾田氏の夢が漫画家と知ったのは彼がバイトを辞める時で、漫画をよく知らないこともあってタサキ氏は「あの尾田が…」と気さくに呼び捨てで呼べる人である。
薔薇亭での料理人の言い合いがバラティエでの血気盛んな料理人になったり、料理人の手を大事にする姿が戦闘に足しか使わないサンジのキャラクターの原型になったものと思われる。


◇サンジの出自の伏線

81巻においてようやく出自が明かされたが、
  • 空島編導入の時点で、サンジが自分は北の海出身だと明かしており、ウソップが「お前も東(の海出身)だと思ってた」と驚くシーンがある(のちにブルックが語ったところによると北の海から東の海への直接の移動は、レッドラインを超える必要があるため、かなり危険を伴うとのこと)。
  • 『オービット号』のコック見習いをしていた頃の回想で、残飯を食べる同僚に嫌そうな顔をしたり味の悪そうな食材を捨てたりしている(幼くして働いている割には貧しい育ちに見えない)。
  • アラバスタ編で名乗った「Mr.プリンス」
などの伏線が張られていた。

◇サンジの靴について

映画「ONE PIECE ねじまき島の冒険」の冒頭にて麦わらの一味はゴーイングメリー号を盗まれてしまう。バカンス中だったため普段の服や装備も船に積んだままであり、一味は普段とは違う戦いを余儀なくされる。
敵の島に乗り込んだ際にトラップの転がる岩を自慢の脚力で蹴り砕くものの、普段の靴ではなくサンダルで実質裸足だったこともあり、足を負傷してしまう。
さらに敵の幹部の投げた球を蹴り返そうとするも、それは棘が飛び出すものであり、負傷を重ねてしまう。
物語終盤で靴を取り戻した後は、お返しと言わんばかりに棘をもろともせず蹴りのラッシュで沈め、リベンジを果たす。

このことから、サンジにとって靴はただの服装ではなく武器の一つであると思われる。
地味にサンジの脚力に耐えられる靴がなにでできているのか気になるところ。

ちなみにワノ国編では基本草履着用だが、武装色の覇気を用いて草履による蹴りも難なくこなしている。






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*1 そのことがSBSで明かされた際、原作者はブシェミの出演作として映画『レザボア・ドッグス』を挙げていたが、同作でブシェミが演じた「ミスターピンク」は服装・髪型・顎ヒゲなどの特徴がサンジに似ている

*2 スピンオフギャグ漫画『ONE PIECE PARTY』3巻収録14話では実際に激怒。

*3 アニメでは大人の事情で、サンジ救出の際に足を失った設定に変えられている

*4 「帰れ 下級海賊共。おれの名はヴィンスモーク・サンジ ”ジェルマ王国” の王子(プリンス)だ!!隠してた事は悪かったよ…!!言えばお前らがみじめでね おれとお前らとの身分の差は一目瞭然 ここにいりゃ金も兵士も召使いも使い放題…!!またあのくだらねェお前の仲間達の船へ戻るのと…ここで “四皇” ビッグ・マムの美しい娘を妻に貰い暮らすのとどっちが幸せかなんて比べるまでもねェよな!!あんな手紙真に受けてんじゃねェよ!!おれは戻らねェ!!まさかここまでやって来るとはご苦労さん…。帰れ…名前なんだっけな。帰れ、他に意味なんかねェよ…!!何の気まぐれか知らねェが…わざわざ迎えに来てくれた事はありがてェ…だが本当におれを想うなら行動が逆じゃねェか?貧乏でちっぽけなお前らといるより、強大で金のある “ビッグ・マム海賊団” に属した方がおれは “幸せ” だ。お前が “海賊王” になれるかどうかも…疑わしいってのが本音だよ 乗るなら勝ち馬を選ぶのが人情だ腹の中で見下してた」

*5 血統因子に影響を及ぼす程の劇薬を飲んだのである。ただし、その効果はサンジのみであり、イチジ達には出なかった。又、母親はその副作用として日に日に衰弱していき後に亡くなったのである

*6 「お茶会で麦わらの一味がカポネ・ベッジとジェルマ66を従えて大暴れした」報道の扱いされた状況だけみれば、ジェルマ66が麦わらの一味の傘下・協力関係になりサンジがそのパイプ役という疑いすら持たれてもなんらおかしくはない。

*7 これがバラティエ篇ラストでサンジのスープをコックの皆が捨てるシーンの元ネタという。