#7 単なる「射的」
「何?派遣部隊による無力化だと?」
「そうだ、そうすれば殲滅戦は避けれる」
「良い案だ、「生け捕り」にしようじゃないか。」
前線にて
「あぁ!?クソが、反撃出来ないだと!?」
「えぇと…その、如何せん、我々の武装はゴム弾と刃物のみですし、お上は殺すなと厳命して来ましたから…」
「…チッ、クソが。まぁ良い、行動不能にさえしてしまえばこちらの物だ。確認だが、敵は騎兵か?」
「はい、その様です」
「…はは、我が国も舐められたものだ。各部隊に伝達せよ、"ギリギリまで引き付けろ"、と」
「了解」
『各員傾注、ギリギリまで引き付け、大尉の合図があり次第、馬、並びに敵の足を撃て。絶対に上半身は撃つな』
「「了解」」
…刻一刻と、時は過ぎて行く。
『さぁ、"射撃演習"と行くぞ。遅れを取るな、我に続け』
「「了解」」
金属と金属が擦れ合う甲高い音と、弾倉が押し込まれる音が響く。
文明の力こそは、正に連邦の「得意技」だった。
『撃てェ!』
その声に応じる数多の銃声は、途絶えることを知らないかの様に大地に響いた。
足首を砕かれ落馬する者、馬の頭蓋を粉砕した「べキリ」と言う音。
「は、は、これではまるでただの七面鳥撃ちだな」
最終更新:2023年07月04日 00:02