第二次バルクルス基地攻撃

だいにじばるくるすきちこうげき

日本ムーをはじめとする第二文明圏が総力をもってグラ・バルカス帝国の前線基地バルクルスを占領する本格的な反攻作戦である空挺作戦。
日付
不明
グラ・バルカス帝国レイフォル領バルクルス基地
交戦勢力
日本国
航空自衛隊ムー支援派遣混成戦闘航空団
陸上自衛隊第1空挺団
ムー
空軍戦闘機隊
陸軍特殊部隊
第二文明圏
連合竜騎士団
空挺増援部隊
グラ・バルカス帝国陸軍第8軍団
第22陸軍航空隊他
指導者/指揮官
自衛隊幹部
ムー国軍幹部
第二文明圏国家群各軍団長
第8軍団長ガオグゲル
第8軍団副指令ガイア
戦力
自衛隊
F-2
C-2 5機
ムー
マリン型戦闘機他複葉機 300機
空挺隊輸送機 多数
第二文明圏
ワイバーンロード 300騎
ワイバーン 400騎
大型火喰い鳥 1,600羽
空挺増援部隊 6,900人
アンタレス型艦上戦闘機
対空砲陣地
移動式対空機関砲
損害
不明(少なくとも自衛隊は損害無し) 基地重要施設ほぼ壊滅
基地司令部制圧
捕虜1,623名(グラ・カバル、ガオグゲル含む)
結果
日本・ムー・第二文明圏連合国側の完全勝利、バルクルス基地占領

第二文明圏の集結

実は前回の戦いの直前、ムーからの依頼を受けた第二文明圏文明各国は観戦武官をキールセキ周辺に派遣していた。ここで日本の強さを観戦武官達に目撃させる事で、第二文明圏各国に日本とムーの協力があればグラ・バルカス帝国に勝つ事ができると確信させることに成功していた。

事前に動員されていた第二文明圏各国からの援軍が到着した後、キールセキ基地にて日本ムー、そして有力第二文明国で作戦会議が行われ、大規模反抗作戦前の最後の確認が行われた。

一方、グラ・バルカス帝国では、バルクルス基地の復旧中であるにも関わらず、半ば強引に皇太子グラ・カバルの基地視察が行われる事になり、基地の外見を取り繕うことに全力を傾ける羽目に陥っていた。
当日までに、何とか外見だけは復旧したものの内情はガタガタで、日本の強さを実体験した基地司令ガオグゲルは、視察中に攻撃を受けない様に祈っていた。

作戦開始

第1段階
まず、上空哨戒にあたっていた陸軍航空隊のアンタレスが全機撃墜される*1
同時にジャミングが開始され、バルクルス基地周辺のレーダーと無線が使用不能になり、基地では混乱が発生する。
さらにF-2による精密誘導爆撃*2が行われ、基地の滑走路や格納庫、レーダー、対空砲等の破壊または無力化に成功する。

この時、基地はグラ・カバルの到着歓迎式典の真っ最中であり、ガオグゲルは急いで皇太子を連れて司令室に避難する。

第2段階
空自の攻撃が終了すると、今度はムー空軍機が現れる。他基地からもかき集めた300機を超える複葉機が、残っていた僅かな対空砲や施設に対して徹底的な絨毯爆撃を行い、基地はほぼ壊滅状態となる。

第3段階
陸上自衛隊第1空挺団とムー国特殊作戦部隊がC-2から空挺降下。
第1空挺団は残存する対空砲陣地を沈黙させた後、後続のムー国特殊作戦部隊と共に基地西部の司令部制圧に向かう。

一方、ガオグゲルは応戦処理を行いつつ、グラ・カバルに基地からの脱出を指示するが、彼はここにきて上を見たいと言い出す。

第4段階
第二文明圏連合竜騎士団による空挺降下。
残存部隊の排除と塹壕敷設による防御力確保を目的とした増援部隊であり、身軽になったワイバーンは歩兵相手に導力火炎弾で応戦、一定の戦果を挙げる。

この攻撃を目撃したグラ・カバルは恐怖におののくが、ガオグゲルがひたすら避難を促し、ようやく脱出するのであった。

バルクルス基地陥落

第1空挺団の侵攻速度は凄まじく、ほとんどの抵抗はあっと言う間に突破され、司令部に突入される。この際に帝国兵が毒ガスを使われたと報告しているが、詳細は不明。
スタングレネードによって、放心状態にされたガオグゲルはなすすべもなく降伏し、バルクルス基地は陥落した。

一方、脱出に成功したグラ・カバルは、戦況を確認しようと岩山に登り、基地が多数の複葉機とワイバーンによって制圧されている様子を目撃する。
そこを運悪くマギカライヒ共同体の竜騎士ナニーガに発見され、導力火炎弾で護衛もろとも焼き払われる。
悪運強く生き残ったものの、大火傷で意識不明に陥ったところをマギカライヒ共同体軍の新兵バラスターに捕縛、火傷治療のためムーを経由して日本に運び込まれる*3

戦後

グラ・カバルの捕縛と大火傷はグラ・バルカス帝国首脳陣に大きな衝撃を与え、作戦を主導した日本国への懲罰部隊派遣を強く促す動きが起こる。
悪いことに、連敗したにも関わらず「敗因は油断や慢心によって起きた戦略ミス」とグラ・バルカス側は思い込んでおり、日本の強さを見誤っている事に未だ気付いていなかった*4

まず、パルゲールら外務省がムーの日本大使館を訪れて、カバルの引き渡しの通告を行ったが、対応した朝田に命令口調で脅迫同然の発言を繰り返し、当の朝田達日本側も要求に応じる事は無かった為、交渉は決裂。
これを受けて、前代未聞の大艦隊による日本国の焦土化を目的とした「日本懲罰作戦」の実施が決定し、後の歴史に大きな影響を及ぼす戦いへと繋がっていく事になる。

+ 帝国兵が報告した毒ガスとは何か?
自衛隊は地球の国際法によって毒ガスを含む化学兵器の使用を禁じているのだが、上記の通り第1空挺師団が突入した時に帝国兵が『なっ……なんだ!?これはぐっ!!まさか毒ガ……』と言って通信が途絶している。これが本当に毒ガスなら非常に不味いことになる。''通信の内容から何かを吸ったのは確実なので、幾つかの説に分けて考察していく。

説1 実は発煙手りゅう弾だった


一番可能性としてありそうで無難な説。自衛隊は黄リンの発煙手りゅう弾を配備しており、これを突入と同時に投げ込んだことで帝国兵が毒ガスと勘違いした可能性である。 

説2 催涙ガスを使った。


自衛隊は催涙球2型という催涙ガス弾を配備しており、これを使った可能性がある。しかし催涙ガスは地球の国際条約では軍隊との戦闘では化学兵器として使用を禁じられているため*5普通にアウトである

説3 随伴していたムー陸軍が毒ガスを使用した。


ムーの技術レベルなら毒ガスの開発は充分に可能であり、自国の危機によって開発し投入したというのも考えられなくもない。しかし日本側との協調や心象を考慮すると投入するリスクは大きいように感じる。

説4 本当に毒ガスを使った。


色々とアウト。いくら世論が強硬路線とはいえ運用しているというのが発覚した場合は大荒れになる可能性がある。そもそも作中の日本は国際秩序の構築の為に足固めをしている最中であり、こんなものを用意したと分かったら前提から崩壊しかねない。国力に物を言わせて例外や無視をするという方法もあるが、当然秩序は形骸化してしまうため何のメリットもない。

それに空洞山脈の戦いの後に大内田マクゲイルに説いた「敵兵に人道的な行為をする理念」が台無しである。

以上のように複数考察してみたが、書籍版などで加筆されない限りは断定はできないと思われる。少なくとも作中で毒ガスについて言及されたのは、この第二次バルクルス基地攻撃での無線報告のみで、これ以降の戦闘で使用された報告はない。

関連項目
歴史第一次バルクルス基地攻撃レイフォル

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過去のコメント
  • 皇太子の捕縛は書かなくていいの? - 名無しさん (2019-04-14 20:17:45)
    • 自分で書いてもいいんだよ - 名無しさん (2019-04-15 11:21:42)
  • そういや基地に囚われてるアルー人は救助されたんかな? - 名無しさん (2020-09-27 13:39:55)
  • 大失敗、大惨敗との連続は重言なので、しれっと修正しました - 名無しさん (2020-09-29 18:49:11)
  • バルクルス戦で、日本懲罰作戦の結果までは書かなくて良いと思う。次の戦闘の結果をバルクルス戦で強調する必要もないし - 名無しさん (2020-10-01 00:27:06)
  • バルクルス基地周辺は厳密にはヒノマワリ王国領内。 占領後はヒノマワリ王国と何らかの協定が結ばれたと思われる。 - 名無しさん (2020-10-02 21:06:03)
  • バルクルス基地攻撃は7月9日ではないでしょうか?(書籍版第6巻より) - 名無しさん (2020-11-04 20:26:32)
  • 書籍版でカバルが基地についたのが7月9日なので… - 名無しさん (2020-12-02 16:55:24)

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〔最終更新日:2025年07月28日〕

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最終更新:2025年07月28日 15:55

*1 F-15J改が参加していたのか、F-2が爆弾を装備したまま攻撃したのか不明

*2 恐らく、前回同様LJDAMによるもの

*3 勿論、敵国の皇太子であるなど知る由も無かった

*4 海軍はある程度情報を得ていたが、未だ精査中の不確定情報であり、皇太子の安否が懸かっている事もあって発言できずにいた

*5 治安維持と訓練で使うのは禁じられていない。