アンタレス型艦上戦闘機

あんたれすがたかんじょうせんとうき

グラ・バルカス帝国の保有する艦上戦闘機。正式名称は「アンタレス07式艦上戦闘機」。
開発・製造はカルスライン社

参考:酷似しているとされる大日本帝国海軍主力戦闘機 零式艦上戦闘機五二型
本写真は遊就館に展示されている物である。


※出典:ウィキメディア・コモンズ(https://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:Mitsubishi_Zero-Yasukuni.jpg
乗員 1名
動力 空冷二重星形14気筒レシプロエンジン
1,100馬力
単発
最高速度 550km/h
航続距離 3,300km前後?
武装 7.7mm機銃 各2基
20mm機関砲
単葉低翼のレシプロ戦闘機で、旧日本軍の零式艦上戦闘機五二型系統に酷似した外見をしている。
機動性、航続距離等の性能は二一型と同等だが、エンジン出力と翼面積は二一型より上。
ただし防弾性能は零戦より一枚上手で、パイロットと燃料タンク用の防弾装備を有している。
なお「エンジン製造技術は旧日本以上で、航続距離が長いのは前世界の影響」とのこと(情報ソース*1)。
機体の塗装については、4巻カラー挿絵では緑色だったが、5巻表紙では灰白色になっている。なぜ違いがあるのかは今のところ不明。
また、スピナー(プロペラの中心部)に渦巻き状の模様が描かれているのも見て取れる。史実のドイツ軍が敵味方識別のために同じ手法をとっていた。

艦上戦闘機だが陸軍基地であるバルクルスラルス・フィルマイナにも大量に配備される等、陸海問わない文字通りグラ・バルカス帝国の主力戦闘機であり、パイロットのみならず指揮官クラスもその性能に信頼を寄せている。
特殊攻撃機アクルックスは本機を潜水艦搭載用に改修した機体であり、その応用性は非常に高い。

それはいいのだが、バルクルス基地を巡る攻防戦の時点で登場から4年が過ぎているにも関わらず、未だ後継機の影すら見えない*2
地球におけるレシプロ戦闘機の時代は航空技術が文字通り日進月歩の発展を見せ、かの堀越二郎氏も「どんな高性能機でも性能的な優位を保てるのは登場から3年が限度」と述べている。
しかし、戦備は相手に合わせて整備するもの*3であり、転移後はほとんど被害なしで連戦連勝であるため、現有機でも性能上の問題なしと判断し、あえて新型機への更新を行っていない可能性もある*4
とは言え、カルトアルパスで対峙した風竜に対しては性能的に優位とは言い難く、新型機の開発・配備が進められていない場合は、技術の発展に対する考え方が少々甘いと言わざるを得ない*5

…と思われていたのだが、やはり風竜の存在が大きかったのか、カルトアルパスの戦いから2年以上経ってから待望の後継機が現れる

作中での活躍


異世界側の航空戦力に対して優位性を確保しており、ムーの「マリン」、神聖ミリシアル帝国の「エルペシオ3」を圧倒している。おそらくワイバーンでは手も足も出ないであろう。
ただしフォーク海峡海戦において交戦したエモール王国の風竜に対しては優位にはならず、互角の戦いを繰り広げた(速度は勝っていたが旋回性能と上昇能力で劣っていた)。

アルー侵攻作戦時に避難民を襲撃していたリークス小隊4機が、救援に駆け付けたF-2によって全機撃墜されている。
続くキールセキ侵攻作戦では、本機を含むキールセキ第1次攻撃隊が航空自衛隊F-15J改によって全機撃墜され、バルクルス基地で待機していた機体は、F-2の爆撃で滑走路から飛び立つこともかなわず全滅している(第一次第二次バルクルス基地攻撃)。
以降は完全にやられ役状態になり、海戦のたびに全力出撃する本機が飛び立っては対空ミサイルで撃ち落とされる描写が続くことになる。

名前の由来はさそり座α星、さそり座で最も明るい恒星で全天21の1等星の1つ、アンタレス(Antares)からだと思われる。

関連項目
兵器グラ・バルカス帝国シリウス型爆撃機リゲル型雷撃機特殊攻撃機アクルックス

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過去のコメント
  • 行きは増槽で空戦前に棄てるから、増槽ありの航続距離は空戦30分を引いた巡航速度での航続距離を2倍にしたら説得力ある数字になるはず - 名無しさん (2018-03-20 22:28:37)
  • ごめん30分の4倍は2時間だ - 名無しさん (2018-03-20 22:30:25)
  • 戦争が長引くとグ帝の2000馬力級新型艦戦が登場して風竜でも歯が立たなくなりそうですね。 - 名無しさん (2018-04-14 19:16:25)
  • 零戦と違って高速域でも舵が利くんでしょうか。 - 名無しさん (2018-04-26 12:54:40)
    • 高速にリソース回すと低速での操縦性を犠牲にするから設計思想と合わない気がする。P47見たいに油圧操縦系なら方向舵トリムや補助翼トリムを手動で調整して高速と低速を両立できるみたいだけど、たぶんワイヤーを腕力で動かすタイプだし - 名無しさん (2018-04-26 22:34:00)
  • まさかの水上機型が登場。 - 名無しさん (2018-05-16 11:56:22)
    • しかも晴嵐の代役とは,,,たまげたわぁ,,, - ドリフ提督 (2018-05-16 17:49:03)
  • 【速報】最新話にて、AAMの餌食になった模様 - ドリフ提督 (2018-07-07 18:01:52)
  • 艦上戦闘機なのに陸軍航空隊で運用されている・・・。まさか陸軍と海軍で機体を統合してるのか? - Mk41 (2018-07-07 21:35:24)
    • F-4みたいな名機だからだろうか。 - 名無しさん (2018-07-08 18:28:13)
    • グ帝の合理的な面を表しているのかも。海軍機を陸軍で使用するのは史実でもあるし(逆だと強度とか不安あるが)。あれもこれもと開発すると人材が足りなくなるし生産コストも悪い。 - 名無しさん (2018-09-28 16:09:11)
    • 逆に言えば、前世界であまりに使い勝手が良かったからアンタレス以外に全く開発していない可能性も。 - 名無しさん (2018-12-31 11:38:01)
    • ユグドでも他の戦闘機を圧倒して世界制覇目前まで迫ってたっぽいので、わざわざ別に開発する必要性に迫られなかった可能性はある。 - 名無しさん (2021-09-02 04:13:50)
  • 陸軍機はでないんだろうか - 名無しさん (2018-09-18 00:28:08)
  • 07型というのは何ぞや?零戦の11型や21型や52型のように様々な派生型があるのかも知れない。 - 名無しさん (2018-09-27 23:10:53)
  • 少なくとも無いない尽くしで運用されてた零戦よりは高性能なんやろうな - 名無しさん (2018-10-10 01:15:03)
    • と、思ったけど「参戦 P3」で低空侵入してきたF2を迎撃しようと急降下する直前に反転して正Gが掛かる態勢で降下を始める描写があるね… これは旧式の過給機を持つ初期の連合軍機が逆G掛かってエンストするのを防ぐ為にやっていた事で、大戦初期の零戦や隼ではとうの昔に対処済みだった話。 技術と物量に任せて勝って当然の戦いばかりやっていた所為か知らんが、今少し本気度が感じられないと言うか戦争についてのノウハウに欠けるような設計になってるくさいな。 この手の国って例えば被弾の可能性がある戦闘艦艇の内装に可燃性の素材を使ったりしちゃうんだよね。 - ハインフェッツ (2018-12-08 18:53:28)
      • 訂正。 過給機の問題ではなく、気化器の問題ね。 - ハインフェッツ (2018-12-08 19:19:18)
      • 水平飛行からそのまま頭下げただけだと、揚力で軸線(≒射線)が安定しないから背面になってから降下は、キャブで対策済みの零や隼、インジェクター使ってるドイツでもやってたぞ。メカニカルだけじゃなくて、テクニックの面にも目を向けてくれ……ところで、第二次世界大戦前夜からベトナム世代の戦闘機でブンドド出来るFtoPのWar Thunderってゲームがあるんだが、一回ブンドドしてみないか?(ダイマ) - 名無しさん (2020-11-08 07:26:30)
  • 気は早いけど、日グ戦後のアンタレスの後継機がどうなるか議論しよう。俺は烈風すっ飛ばして橘花のそっくりさんに一票 - ドリフ提督 (2018-12-13 16:10:34)
    • そいつは、ジェットエンジンの理論が存在するか否か次第だろうな。アレ、基本形が発明されて特許が公開されたのが戦争始まるちょっと前くらいの事だから、イギリスもドイツも作ってたし、末期の日本がすぐに橘花作れたのも、戦時下にコツコツ研究してた下敷きがあったからなんよね。 - ハインフェッツ (2018-12-13 23:01:05)
    • 作者の過去の発言から恐らくはターボ付きのナニカ - 名無しさん (2019-02-02 03:42:10)
      • ターボチャージャーはなぁ…レシプロ戦闘機の場合総じて鈍重になり易いフラグなんよね。 - ハインフェッツ (2019-02-02 21:57:03)
    • 個人的にありそうなのはエンジンのブースト上げて1300馬力にした零戦53型に近いタイプか、シリウスのエンジンを同じ排気量の新型エンジンとして再設計して1700馬力を目指すパターン。ほんとに1700馬力出せたら艦載機のエンジン統一できる。 - 名無しさん (2019-02-03 12:43:57)
  • 局地防衛(帝都上空等)用として紫電改もどきとか作ってそう - saku (2018-12-24 18:17:34)
  • 書籍1巻P268にそれまで使っていた複葉機からアンタレスに変わったって記述があるけど、赤トンボからゼロ戦の間をすっ飛ばして開発されたのだろうか? - 世界の謎にせまる (2019-05-04 19:02:22)
    • 普通に技術の進歩を端的に表現しただけなのでは?複葉機から単葉機ったって、金属化を優先するパターンもありゃ引き込み脚だけ優先したI-16みたいなケースもあるしな。 - ハインフェッツ (2019-05-04 23:00:04)
  • メタな話すると、最低でも橘花くらいでないと魔帝軍相手じゃ手も足も出ないように思えるが……太陽の使者たちはゼロ戦でどうやって戦ったんだろうな - 名無しさん (2019-05-24 16:51:25)
    • 太陽神の使いは魔王軍と戦っただけだぞ。魔帝軍と戦ってたらあっさり全滅してる笑。 - 名無しさん (2019-05-24 20:29:25)
      • それにしたって、アレから一万年経って未だにコレに追いついてないミ帝って大概やばいな。 - ハインフェッツ (2019-05-24 23:34:45)
        • 発達スピードの遅さが異常すぎるよなぁ。魔法のおかげで通信技術とかがめちゃくちゃ上がってるのに。 - 名無しさん (2019-05-25 00:13:54)
      • まぁ多分、魔帝の解析に重きを置きすぎて、自分達による発展を疎かにした結果なんでしょうね。後は、魔帝の兵器が時代を飛躍しすぎててそれの劣化版でも無双できちゃうから開発を疎かにしてしまったのかも - 名無しさん (2021-01-04 02:51:30)
        • プラモデル初心者がたいした研究や練習もせずに、延々とプロが作ったやつ見様見真似してるだけの状態だもんなぁ。 - 名無しさん (2021-06-29 09:13:52)
          • まぁ対した文明もない時代から現代兵器に匹敵する品物だけ見せ続けられたら、自然と猿真似しようとはなるだろうけども - 名無しさん (2021-06-29 09:17:31)
    • 大和魂でだと思うのは、僕だけか? - 名無しさん (2020-10-10 17:29:44)
  • 我々読者側は、作中の描写の零戦みたいに引っ張られてるが、みのろう氏は、案外、隼(キ43)に20mm級積める強度の主翼+P-51みたいな、外板に強度(零戦や紫電改の厚い部分0.8mmに対して4mm)持たせて、重量と製造工数(フレームとリベット打ち)削減+艦載機艤装(カタパルト対応込み)で考えてるかもしれない。 - 名無しさん (2020-11-14 09:21:19)
    • もしくは頭の悪いくらいに工場を建てて生産性悪さを強制的に打ち消す様な方針か - 名無しさん (2020-11-14 10:30:38)
    • 4ミリはありえねーよ、0.004インチの間違いだろ - 名無しさん (2021-01-04 10:45:06)
      • 一番薄い部分でも0.04インチ(≒1ミリ)だぞ……ヤードポンド法は悪い文明(ry - 名無しさん (2021-03-13 08:56:37)
        • またヤーポンか、もう助からないゾ♡ - 名無しさん (2022-02-15 07:25:44)
  • 第114話反撃の異世界軍3で - 名無しさん (2021-06-26 09:08:17)
    • アンタレス改が出てきたが、情報出そろってから別ページ化した方がよさげ。 - 名無しさん (2021-06-26 09:10:50)
  • アンタレス改か。形が似てるが設計は1からなので別物とあるが、こいつは烈風もどきって事になるのかね? - 名無しさん (2021-06-27 10:13:45)
  • どれくらいアンタレス改が生産・配備されているのかにもよるがまだ現役だろうし登場すると思う。でもパイロットの練度が致命的に低くなってそう...本土防衛にアンタレス改が投入されるだろうけどガソリンの質が低下して性能低下とかありそう。そうなったらこっちも働かされそうで...疾風改も投入されるだろうしエルペシオの改良型と戦うことも視野に入れなくてはならない感じ? お先真っ暗でまぁ - 名無しさん (2022-05-22 11:24:04)
  • プロペラスピナーに識別用の模様が描かれてるということは、ケインの戦闘機はグロスター F.5/34とかヴォートV-143なのか?  隼な訳が無いし - 名無しさん (2022-10-27 16:57:25)
  • 何故持たざる国が苦肉の策の末に作り出した戦闘機を持つ国が作ったんだ? - kな人 (2024-05-05 12:09:37)

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〔最終更新日:2021年10月28日〕
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最終更新:2021年10月28日 08:57

*1 2016年10月26日 07:02参照

*2 アンタレスは1942年に制式採用された零戦三二型とほぼ同じ性能のエンジンを装備していることから、地球と同じペースで技術開発が進んでいた場合、6巻の時点でレシプロエンジンについては1946年の水準まで発達している可能性がある。ジェットエンジンについては5巻の時点で構想段階なので、6巻の時点で研究段階を抜け出している可能性はない

*3 日本も異世界各国の水準を考慮してP-3CBP-3Cに改修している。にも関わらずF-3を開発しているのは、グラ・バルカスにとっては皮肉な事に、レーダーと同じ能力を持つ風竜の存在をフェン王国の軍祭で知ったため

*4 加えて、6巻に本国でガソリンが不足している描写があり、高品質ガソリンを大量に消費する2,000馬力級エンジン装備機の配備を躊躇している可能性もある

*5 実際、ワイバーンをロード級に引き上げる飛竜強化機が6巻で登場しており、ロード種への適用や強化機自体の改良が進むと性能上の優位が小さくなり、戦場への投入数量によっては不利に陥る可能性が出てくる